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『ひとつ』

作者:零那
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『犯罪者』


アナタが言った。
『間違ってる。理由なんて関係ない。悪は悪。悪を悪で裁くのは悪しか生まない』

ボクが言った。
『間違って無い。理由なんて要らない。悪は悪。悪は善では裁けない』

アナタもボクも私。

どっちが正しくて、どっちが間違いなのか。

どっちも正しくて、どっちも間違い。

たったひとつの答えは無い。

法で裁けない悪は私が裁く。
ただそれだけだった。

悪でいい。
悪がいい。

悪でないといけない。

間違いだったと思わない事もなかった。
でも、あの頃の選択は間違ってなかった。

後悔しないこともなかった。
でも、あの頃の選択は間違ってなかった。

間違ってない、間違ってはなかった、そう...私が決めた。

間違いなど無かった。
答えなど無かった。
悪しか無かった。

 
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