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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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ALO編 Running through in Alfheim
Chapter-13 仲間との絆
  Story13-1 人の心とは

 
前書き
さて、今回から本編に戻ります。

シャオンが見たかった方、残念。今回はキリトの方を書きました。  

 
第3者side

シルフ領の北東に広がる古森の上空。

後少しで森を抜けて高原地帯に差し掛かる辺り。

最早スイルベーンは遥か後方に遠ざかり、その影すらももう見ることはできなかった。



キリトが今、相手にしている3匹の羽が生えた単眼の大トカゲ(イビルグランサー)は初級ダンジョンのボス級の戦闘力を持っている。

此奴の厄介なところはその一ツ眼から放たれる『邪眼』

カース系の魔法攻撃で食らうと一時的だが、大幅なステータスダウンを強いられる。


基本戦術で言えば、距離を取って1人が援護に、もう1人が攻撃を行う。だが、今の状況ではそんなものはどこにも垣間見えなかった。


キリトは防御や回避など俺の辞書にはない、と言わんばかりのバーサークっぷりを見せつけ、次々とトカゲを叩き落としていった。


尾を使って遠距離攻撃をするトカゲなど、意に介す風もなく、大剣を振り回しながら突進しては時に数匹を一度に暴風に巻き込み、切り刻んでいく。

キリトの恐ろしく強力な一撃で、当初は5匹いたトカゲはあっという間に消滅し、その数を減らした。

今は、最後の一匹を相手にしており、その一匹もHPが残り二割ほどに減らされたところだったのだが、情けない悲鳴を上げて、そのトカゲは逃走に走ってしまった。

しかし、リーファの魔法で逃走中に消滅した。


「お疲れ様!」

リーファが笑顔で近づいてきた。

「それにしても、キリト君の戦い方って何ていうか、強いんだけど、ムチャクチャな戦い方って言うのかな?」

「そ、そうか……?」

「普通なら、もっと回避を意識してヒットアンドアウェイを繰り返すものなの。

君のはヒットアンドヒットだもん」

キリトはあははとリーファに笑われてバツの悪そうな顔をした。

「けと、その分早く片付いていいじゃないか」

「今みたいな一種構成のモンスターならね。

近接型と遠距離型の混成だったり、プレイヤーのパーティーと戦闘になった場合は、魔法で狙い撃ちされるから、気をつけないと駄目ね」

「魔法ってのは回避できないのか?」

「遠距離攻撃魔法には何種類かあって、威力重視で直線起動の奴は、方向さえ読めれば避けられるよ。
ホーミング性能がついた魔法や、範囲攻撃は無理。
それ系の魔法を使うメイジがいる場合は常に高速移動しながら交錯タイミングをはかる必要があるのよ」

「ふむう……

今までいたゲームには魔法ってなかったからなあ……覚えることが沢山ありそうだ」

キリトは難解な問題集を与えられた子供のような顔をして頭を掻いている。

「まあ、そのうちつかめるよ。君、眼はすごくいいみたいだしね。


んじゃ、先を急ぐとしますか」

2人は翅を鳴らして移動を再開した。
















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆
















その後はモンスターに出会うこともなく、キリトたちはついに古森を脱して山岳地帯へと入った。

ちょうど飛翔力が限界に達し、山の裾野を形成する草原を見つけ、その端に降下する。

靴底を草に滑らせながら着地したリーファは少し伸びをする。


数秒遅れて着地したキリトも同じように腰に手を当てて背筋を伸ばしていた。


「空の旅はしばらくお預けだねー」

「ありゃ、何で?」

「見えるでしょう、あの山」

リーファが草原の先に聳え立つ真っ白に冠雪した山脈を指差す。

「あれが飛行限界高度よりも高いせいで、山越えには洞窟を抜けなきゃいけないの。シルフ領からアルンへ向かう一番の難所。あたしもここからは初めてよ」

「なるほどね……洞窟か、長いの?」

「途中に鉱山都市があるの。そこで休めるけど……」

リーファは左手を振ってウインドウを出すと時間を確認し、頷いた。


「リアルだと今は夜7時……キリト君大丈夫?」

「当分平気だ」

「じゃあ、ここで一回ローテアウトしよっか」

「ろ、ろーて?」

「中立地帯だから、即落ちすることができないの。
だからかわりばんこに落ちて、残った人が空っぽのアバターを守るのよ」

「なるほど、了解。じゃあ、リーファから先にどうぞ。俺は後でいいから」

「じゃあ、お言葉に甘えて。20分ほどよろしく!」


そう言ってリーファはウインドウを出し、ログアウトボタンを押した。

リーファの体だけがその場に残り、キリトは周囲を警戒しながら腰をおろした。















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















数分後

「お待たせ〜モンスターでなかった?」

待機姿勢から立ち上がったリーファにそう声をかけられた。

「おかえり」

「今度は君の番だよ」

「じゃあ、行ってくる」

キリトは左手を振ってログアウトボタンを押しログアウトした。









ログアウトしたキリトのアバターが自動的に待機姿勢を取ったのを確認したリーファは、キリトの近くに腰をおろし、ぼんやりと空を見つめた。

すると、キリトの胸ポケットからもぞもぞとユイが顔を出し、リーファを仰天させる。


「……あ、あなた、ご主人様がいなくても動けるの?」

「そりゃそうですよー。私は私ですから。それと、ご主人様じゃなくて、パパとママです」

「そういえば……なんであなたはキリト君のことをパパって呼ぶの?

もしかして、その……そういう設定にしたの?」

「……パパとママは、私を助けてくれたんです。

自分たちの子供だ、ってそう言ってくれたんです」

「そ、そう……」

上手く状況を理解できないリーファは再び口を開いた。

「パパたちのこと好き?」

ユイはふいに真剣な表情で真っ直ぐ見つめ返した。


「リーファさん……好きって、どういうことなんでしょう?」

「ど、どうって……」

口ごもるリーファは、少し考えてからぽつりと答える。


「……いつでも一緒にいたい、とか、一緒にいるとどきどきわくわくする……そんな感じかな……」


キリトの顔を見て呟いたリーファは、何を思ったのかはっと息を呑むと、頭をぶんぶんと振ってその思考を追い出した。

それを見たユイが、怪訝そうな顔で首を傾げる。


「どうしたんですか、リーファさん?」

「ななななんでもない!」

リーファが大声で叫んだその途端……

「何がなんでもないんだ?」

「わっ!」

いきなりキリトに話しかけられてその場を飛び上がってしまった。

「ただいま……何かあったのか?」

「おかえりなさい、パパ、

今、リーファさんとお話をしてました。人を好
「わあ、なんでもないんだったら!! さ、先を急ごう!」

照れを隠すかのように足早に歩き始めた。


しかし、キリトは周囲を見渡していた。

「なんか、誰かに見られた気が……ユイ、近くにプレイヤーはいるか?」

「いいえ、反応はありません」


ユイは小さな頭をふるふると横に動かすも、キリトも納得できていないようで、顔をしかめている。

「見られた気が、って……

この世界にそんな第六感みたいなもの、あるの?」


リーファが立ち止まってそう聞くと、キリトは右手で顎を撫でながら答えた。


「……これが中々バカにできないんだよな……」

「ひょっとしたらトレーサーが付いてるのかもしれないし」


リーファが呟くと、キリトは眉を上げる。

「そりゃ何だ?」

「追跡魔法よ。大概ちっちゃい使い魔の姿で、術者に対象の位置を教えるの」

「便利なものがあるんだなあ。

それは解除できないのか?」

「使い魔を見つければ可能。でも、術者の魔法スキルが高ければ高いほど、対象との間に取れる距離も増えるからこんなフィールドだとほとんど不可能ね」

「そうか……

まあ、気のせいかもしれないしな……とりあえず先を急ごうぜ」

「うん」


頷き合い、リーファは先に浮き上がった。

キリトもそれに続き、浮き上がる。



間近に迫った白い山脈は絶壁の如く聳え立ち、その中腹に巨大な洞窟がぽっかりと口を開けている。

冷気を吐き出しているかのようなその大穴目指して、俺たちは力強く翅を動かし、加速を始めた。
















Story13-1 END 
 

 
後書き
久々の本編。でも今回はキリト。

さて、質問等々集めている今日この頃。(詳細は呟きチェック!)
6月下旬に控える蒼閃三周年記念に向けて準備中です。
下らない質問でも、裏話的な質問でも、デュエルの申し込みでもいいんで応募待ってまーす!!

じゃあ……

シャオン「次回も、俺たちの冒険に! ひとっ走り……付き合えよな♪」
 
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