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フレッシュ&スウィート フルーツプリキュア!

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もしも4人目がミユキさんだったら
武器提供キュアスティック
  第17話 シフォンはまかせて!ベリーの新しい武器!!

 
前書き
 キュアベリーが手にするキュアスティックが完成しました。蒼乃母娘がシフォンのお世話次第で、ブルンを持つパフェが、彼女たちのもとへ現れれば手にすることになります。一方、窮地に追い詰められたウェスターは、他の幹部の部下兵士を伴って戦いを挑みますが、キュアベリーマザーのベリーソードの浄化技に敗れてしまい更に、体の一部が浄化されてしまいます。今後、逮捕される運命にあり、実質、ウェスターの最期の戦いになります。 

 

 スウィーツ王国首都アラモード内ナノ研究所

 「所長、ベリーソードが完成しました。」
 「そうか、完成したか。早速、工場へ向かうぞ。」
 ショコラは隣にある工場へ向かった。そして.....
 「これか。」
 「これはナノ研究所所長。」
 「見事な青光の刃だな。」
 「この刃はサファイア超合金で製造しました、ニャー。」
 「サファイア超合金か。だから、青光するのだな。ところで、真ん中の白と淡色の青は何かな。」
 「はい、これは電球と電球カバーです、ニャー。」
 「光るのか。」
 「はい、他に冷風を吹き出す装置も取り付けました、ニャー。」
 「それで、刀身も引き締めるのか。」
 「はいニャー。」
 「早速、威力テストを行うぞ。パフェはいるかな。」
 「はい、あなた。」
 「射撃場へ行くぞ。外部メモリーも持ってくれ。」
 「はい。」

 桃園家

 例の如く美希と祈里が来ていた。今日は土曜日である。
 「キュア、キュア~ッ。ラブこはん。キュア~、キュア~。」
 「ハァ。」
 「シフォンちゃん、お腹が空いたのね。」
 「キュア、キュア~ァ。」
 「今日のメニュー何が良い、シフォン。」
 「キィーーーッ。」
 「キュアキュア。」
 「チョコレートケーキが食べたいって。」
 シフォンは、遠隔操作でリンクルンにピルンを差し横に開きレストランオーダーアプリを作動した。
 「どうぞ、シフォン。」
 「キュアーーーッ。ングングングング。」
 「キュアキュア。」
 「ほらほら、こぼしちゃダメ。」
 「キュアキュア。」
 「口の周りに付いたでしょ。もう~。」
 「あ~あ。」
 「どうしたの、ミキタン。」
 「ドーナツ食べないなら、代わりに食べてあげようか。」
 「ピーチはんは食べ過ぎやがな。さっきから、3個も食べてんのわいは見てたで~え。」
 「ムーーーーッ。」
 「どうして、あたしとあたしのママだけピックルンが現れないのかなぁ。」
 「エッ。」
 「この前だってキュアスティックが出せなくて、みんなの足引っ張っちゃって。ねえ、タルト。どうしたらピックルンが出て来るの、教えて。」
 「うーーーむ、そう言われてもな~あ。わいにも詳しいこと分からへん。どやねん、一度ショコラはん聞いてみてはどないや。」
 「分かったわ。ショコラさんね。」
 美希は、リンクルンを出し縦に開きショコラへ向けて通話を始めた。
 「もしもし、ショコラさん。」
 「ああ、ショコラだ。」
 「あたしのピックルンいつ手に入るの。」
 「君は。」
 「蒼乃美希です。」
 「キュアベリーが完成したぞ。」
 「そうですか。」
 「これから威力テストを行う予定だ。テスト終了後、パフェを向かわせるから、お会いした時に渡すことにしている。パフェに代わるぞ。」
 「はい。」
 パフェに代わった。
 「もしもし、美希ちゃん。」
 「はい。」
 「君が手にするキュアスティックは、相当な威力を誇るわよ。」
 「はい。」
 「遠方だけでなく、接近戦でもかなりの殺傷力があるからね。持つにふさわしいかどうか、君はママと共に試練を受けていただくわ。」
 「し、試練って。」
 「私の娘シフォンの面倒見ていただくわ。」
 「やっぱり、シフォンのお世話ですね。」
 「そうよ。その結果によって、お世話の良かったほうから順に渡すわ。」
 「はい。」
 「それではよろしくね。」
 パフェは通話を切った。
 「どうだったの。」
 「やっぱり、シフォンのお世話をしなくては手にすることはできないって。」
 「キュアスティックはどうなの。」
 「完成してるって。」
 「キュア~、ウピーーー。」
 「そうでっか。完成しても、威力テストがありまっからなぁ。それでも、簡単には渡さしまへん。シフォンのオカンのパフェはんが握り締めてるさかい、シフォンのお世話をせなあかんねん。」
 「やっぱりそうなのね。あたし、シフォンのお世話係をするわ。よろしくね。」
 「キュア~。」
 こうして美希は桃園家を後にし、自宅へ向けてシフォンを連れ帰った。

 スウィーツ王国内射撃場

 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア・エスポワールシャワー・フレーーーーーッシュ。」
 「ぴゅーーーーっ、ガチッ、バリン。」
 「すごい威力だ。」
 「そうですね。」
 「パフェ、もう持って行くのか。」
 「いや、あの母娘に試練を与え、持つにふさわしいかどうか確かめるわよ。」
 「そうかあ、厳しいなあ。」
 「だって、今回のキュアスティックは刀剣類よ。だから、誤った使い方はして欲しくないの。」
 「なるほど。」
 「今日は、テルンで様子を見させていただくわ。」
 「そうか、引き続き威力テストを行うぞ。」
 「はい、あなた。」

 蒼乃家

 美希が帰宅した。

 「は~い、シフォン。ようこそあたしの部屋へ。」
 「キュア~。」
 「ゆっくり寛いで。」
 「フィリップゥ~。キュア~、フィリップゥ、キュア~。」
 「カチャカチャ。」
 「アア~ッ。ちょっと、シフォン。なんてことするのよ。メッ。」
 「プッ、プゥ~、キュア~、エーーンエーーンエーーーン。」
 「まあ~、ごめん。きつく言い過ぎたね。」
 「エーーーン。」
 「ねえ、ベロベロバアーーーッ。」
 「フィリップ~~~ゥ。」
 「ア~~~ア。」
 その後、美希は台所へ向かった。

 蒼乃家内台所

 美希は料理を作り始めた。

 しばらくして

 「良い感じ、あたし完璧。」
 「あ~ら、良い匂い。でも、夕食には早いんじゃない。」
 「うん。ちょっと、赤ちゃんが喜びそうなメニューを考えてて。」
 「赤ちゃん。どうして。まさか。」
 「あっ、しまった。」
 「もしかして、あのシフォンじゃないの。」
 「エッ、何で分かるの。」
 「あたしは伝説のプリキュア『キュアベリーマザー』よ。隠し事したって無駄よ。」
 「ごめんなさい。」
 「シフォンはね、確か2月にタルトと一緒に訪ねて来たわ。」
 「そうなの。」
 「ダメよ。ハンバーグ定食作っちゃ。」
 「ごめんなさい。」
 「シフォンの食事作りはあたしに任せて。そのハンバーグ定食、別の部屋で食べなさい。」
 「はい。」
 美希は台所を去った。
 「さあ、15年ぶりかなあ。離乳食作ろう。」
 レミはいくつかの野菜を冷蔵庫などから取り出し、一部皮などを剥き鍋に入れ、鍋にも水を入れ茹で始めた。そして、竜巻のかけらを取り出した。しばらくして、野菜が茹で上がり竜巻のかけらに入れ蓋をしスイッチを入れた。
 「ウィーーーーーーン。」

 蒼乃家美希の部屋

 部屋に戻った美希はハンバーグ定食を食べ終えた。
 「ねえ、キュアビタンはどう。」
 「プリッ。」
 「これも体に良いんだから。キュアビタンに野菜ジュースを混ぜたのよ。美希特製のキュアビタンよ。さあ、どうぞ。」
 「フィリップ~ゥ。」
 「好き嫌いはダメ。はい、ア~ン。」
 「プリッ。」
 「やっぱり、ピルンで出した料理しか食べないのかしら。」
 その後、美希は部屋を出た。しばらくして、レミが部屋へ入って来た。
 「まあっ、美希ったら。ハンバーグ定食を食べ終えたままにして。」
 「キュア。」
 「やっぱり、シフォンね。」
 「キュア~。」
 「シフォン、これ食べる。竜巻のかけらで砕いたのよ。」
 「フィリップ~ゥ。」
 シフォンは笑顔を取り戻した。竜巻のかけらで砕いたものであれば、アプリで呼び出した料理でなくても食べるのであった。
 「食べてみる、アーーン。」
 「アーーン。ングングングング。」
 「良かった、食べてくれて。パフェに相談したかいがあったわ。」
 「キュア~ッ。」
 「あたしレミよ。」
 「レ~ミ。」
 「覚えてね。ママのパートナーだったのよ。」
 「キュア~ッ。」
 「はい、アーーーン。」
 「アーーーン。」

 赤塚公園内ドーナツカフェ

 ここにはラブと祈里がいる。
 「ヘイ、お待ち。」
 「ミキタン、シフォンのお世話うまく行ってるのかなぁ。」
 「あ、あれ、ミキタン。」
 美希は公園の沿道を走って通過した。
 「ミキタンの髪はボサボサだ。」
 「いつも身だしなみ完璧なのに。」
 「きっとシフォンのお世話係、うまく行ってないのね。」
 「お嬢ちゃんたち、一体どうしたんでい。」
 「ミキタンがシフォンのお世話してるの。」
 「あの長身の子かい。うまく行くんかい。」
 「どうでしょ。」

 高島平駅北商店街にある本屋

 「こうなったら、シフォンのお世話、完璧にマスターして見せるわ。」
 すると、ラブの母あゆみが近付いて来た。
 「あら、あれって美希ちゃんよね。」
 「ムムムムムーーーーーッ。」

 再び、蒼乃家では

 「やっと落ち着いたわね。」
 「zzzzzzzzzz。」
 シフォンは寝ている。
 「社長。」
 「ハーーイ。」
 「ご指名のお客様がご来店しております。」
 「あゆみね。」

 蒼乃家ヘア&ネイルサロン店内

 「エッ、うちの美希が。」
 「そうなの。育児の本を難しい顔して一生懸命読み耽っていたのよ。」
 「アハッ、ヘヘ~ッ、そうなんだ。」
 「そう言えば、シフォン私の家にいないの。もしかして。」
 「あたしの家にいるわ。」
 「なるほどね。」
 「手を焼いているけど、パフェにリンクルンで相談して何とか対処したわ。」
 「そう、娘だと何をすれば良いのか分からないことが多いからね。」
 「ところで明日、娘、撮影会なの。一緒に行く。」
 「ラブも行くのかなあ。」
 「もちろんよ。」
 「スーパーの仕事で休みが取れたら行ってみるわ。」

 蒼乃家美希の部屋

 美希が帰宅し、着替えをしてから自分の部屋へ入った。
 「ぷぅーーー。」
 「良いわね美希、もっと赤ちゃんに好かれそうなキャラなり切るのよ。(小言)」
 「.......。」
 「ハァ~イ、シフォンちゃん。ミキタンでちゅよ。」
 「プィ~ッ。」
 「ほ~ら、一緒に遊ぼう。おもちゃもいっぱいあるよ。」
 「プゥ~ッ。」
 「ねえ、シフォンちゃん。好きなおもちゃあげるから機嫌直してくれない。」
 「レミどこ~。」
 「レミじゃないのよ。ミキタンよ。」
 「パフェどこ~。」
 「パフェじゃないのよ。ミキタン。」
 「レーミ、パフェー。レミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミレミーーーーーッ。パフェパフェパフェパフェパフェパフェパフェパフェパフェパフェパフェパフェパフェパフェパフェパフェーーーーッ。」
 「キャアーーーッ。グシャグシャグシャグシャドデッ。」
 「エーーーンエーーーン。」
 「ん~もーーーう。本人と子供との目線を合わせると良いって書いてあったのに。」
 「エーーーン。」
 「どうして、ちっとも言うこと聞いてくれないのよ。」
 「レミ、パフェーーーッ。」
 「もう....。困ったなぁ。ほら、シフォン。高い高~い。」
 「エーーーン。」

 一方

 レミは美希の部屋へ忍び寄っていた。
 「キュア~、キュアーーーッ。」
 「全く、どう言うお世話しているの。」
 「カチャッ。」
 「美希、何をしているの。」
 「レミーーーーッ。」
 シフォンはレミに抱きついた。
 「相当ひどいことしたわね。」
 「そ、そうじゃないの。」
 「何言ってんの。こんな怯え方しないわよ。美希には、子育ての経験が全く無いからこうなるのよ。」
 「そうなの。」
 「あまりに怖がっているから、しばらくあたしが面倒みるわよ。」
 「そんなあ。」
 「レミは、シフォンを抱えて美希の部屋から去った。」
 「バタン。」

 その夜、スウィーツ王国ショコラ自宅

 「やっぱり持っていかなかったのか。」
 「まだ、美希ちゃんの行動に問題があるわ。」
 「そうか。でも、有事が発生したら、手にできないためにやられるってこともあるぞ。明日、必ず持って行け。」
 「はい、あなた。」

 翌日、赤塚城跡公園

 美希は撮影会の日であり、公園の緑地帯で行われています。
 「カチャ、カチャッ。」
 「美希ちゃん良いよ。目線こっちね。もうちょっと。そうそう、そうそうそう。」
 「カチャッ。」
 「じゃあ、今度はあっち向いて。」
 「カチャッ。」
 「いつもだったら、現場になんて来ないのに。ママったら完全に何か勘違いしているみたいね。ラブ、ブッキーどころかあゆみさんまで見に来るって言うのだから。」
 「ほらほら、美希ちゃん。目線、こっちにちょうだい。」
 「あっ、はい。」
 「そうそう、そのままね。う~ん。」
 「プゥーーーーッ。」
 シフォンは、撮影クルーの車を浮き上がらせた。
 「だ、だめよ、シフォンったら。」
 「どうしたの、美希ちゃん。何か、気持ち乗ってないみたいだけど。」
 「な、何でもないですから。」
 「良いから、チョット休もうか。」
 「すいません。」
 美希はクルーの車へ向かった。
 「ガラガラガラ。」
 「シフォン、ダメじゃない。おとなしくしてなくっちゃ。うん、まだお腹空いてるのよね。」
 美希はおにぎりを取り出した。
 「これじゃダメ。」
 「プリーーッ。」
 「ごめんね、シフォン。時間がないのよ。お願いだから、これ食べておとなしくしててね。」
 「ウェウェ~ッ。」
 「やっぱり、あたしの作ったものじゃダメなの。」
 「ねえ、美希、ちょっと良いかしら。」
 「ママ。」
 「美希、あなた、全くなっていないよ。」
 「ダメなの。」
 「子育てってそんなに甘くないわ。そう言えば昔、こんなことがあったっけ。」
 回想編へ

 1997年蒼乃家

 「まだ美希が小さかった頃、美希がいなくなったことがあったの。」
 「おばさん、どうしよう。」
 「かくれんぼしていたんだけど、美希ちゃんがまだ見つからないの。」
 レミは店を出て美希を探し始めた。
 「バコン。」
 「美希、ミキーーーッ。」
 レミは高島平駅北商店街を走り抜けた。更に走って新河岸川河畔へそこで、自転車を転がしている人物に尋ねた。すると、徳丸ヶ原公園で1人で遊んでいる幼女の情報を得た。
 「あっちこっち探し回って、ようやく徳丸ヶ原公園で美希を見つけたわ。美希ったら、暗くなってきた公園で1人じっと隠れていたのよ。」
 「美希。」
 「うわっ、ママ。」
 「大丈夫だった。」
 「あたしなら平気よ。そんなに、心配しなくても大丈夫だったのに。」

 現実へ戻って

 「あんなに子供だった美希が、いつの間にお母さんに憧れる年頃に。」
 「お母さんって何のこと。」
 「でもね、赤ちゃんを育てるにはナマ優しいことじゃないの。」
 「そうなの。アッ、アレ、シフォン。」
 シフォンがいなくなった。
 「何、シフォンがいなくなったの。探すしかないわ。」
 「うん。」
 レミと美希はシフォンを探し始めた。

 一方、赤塚城跡公園、別の場所では

 「今日、お昼サンドイッチを作ってきたの。」
 「うわぁ~、サンキューー。うまそう、やった、食べよう。」
 「ウフフフフフッ。」
 「公園でデートか。アッ、グワーーッ。人間は緑に癒されるらしいが、そんな場所で不幸に見舞われたら、ダメージは倍増だろうな。」
 「すみません。」
 「グエッ。」
 「あの、この辺でこの位の大きさの白いぬいぐるみを見かけませんでした。」
 「いいえ、見かけませんでしたが。」
 「ありがとうございます。」
 「いえ。」
 美希は去って行った。
 「あれ。」

 四ツ葉町桃園家ラブの部屋

 「カサカサ。」
 「あれ、パフェはん。」
 「お待たせ。みんなどこへ行ったの。」
 「ラブはん、あゆみオカン共、赤塚城跡へ行ってまっせ。」
 「案内して。約束のものを蒼乃母娘に渡すから。」
 「ホンマでっか。」
 「さあ、案内して。」
 「ヘエ。」

 赤塚城跡公園緑地帯

 「ちょっと、そこのお兄さん、白いぬいぐるみか長身のお嬢さん見かけませんでしたか。」
 「うわっ。ぬいぐるみ。さっき、そのお嬢さん、あっちへ行きましたが。」
 「ありがとう、うっふ~ん。」
 レミも美希の行った方向へ走り出した。
 「し、しまった。あらぬものを見てしまった。」
 「ニョキニョキニョキニョキ、ギュッギュッ。」
 「ぼ、勃起が止まらん。」

 一方、美希は

 「シフォーーーン。」

 一方、シフォンは

 「ウーーーーーッ。」

 一方、レミは

 「ミーーーーキ、シフォーーーン。」

 再び、美希は

 「ハアハア。あたしが勝手にお世話係なんか始めたからこんなことに。ハアハア。きっと今頃、1人で寂しがってるんじゃ。」

 回想編1997年徳丸ヶ原公園

 「美希。」
 「うわっ、ママ。」
 「大丈夫だった。」
 「あたしなら平気よ。そんなに心配しなくても大丈夫なのに。」
 「何言ってるの。ママがどれだけ心配したと思っているの。」
 「エヘヘヘッ、ウグッ。」
 レミは美希を抱き締めた。
 「本当に無事で良かった、美希。あたしの大切な美希。」
 美希は泣き出した。
 「うわーーーん、うわーーーん。」
 現実へ戻って
 「きっとシフォンも今、あんな想いをしているはず。だから、あたしが見つけてあげなきゃ。今は、あたしがシフォンのママだから。」

 城跡園内東屋

 「プリッ。」
 「相当お腹空いているわね。ラブ、キュアビタンを与えて。」
 「はい。」
 「フィリップ~ゥ。」

 一方、美希は

 「シフォーーーン、シフォーーーン、シフォーーーン。見つけた。」
 ラブ、あゆみ、祈里と美希は合流した。
 「プリッ。」
 「あはっ、ミキタン。ところで一体、何をしていたの。」
 「私たち、撮影の見学をしていたら、シフォンちゃんがお腹を空かせてて。」
 「シフォン、どこへ行ったのよ。」
 「美希ちゃん、落ち着いて。」
 「クウェッ。」
 「ハアハア。」
 「プリッ、フィリップ~ゥ。」
 「ごめん、ごめんねシフォン。あたしのせいで寂しかったよね。お腹も空いていたよね。本当にごめんね。ごめんなさい。本当に無事で良かった。」
 すると、レミも到着した。
 「レミ。」
 「あゆみ。」
 「ここは放っておいて。」
 「うん。」
 「ミーーーキ。」
 シフォンの額に反応があった。あゆみのリンクルンに着信が入った。
 「もしもし、パフェ。」
 「美希ちゃんとレミさんに渡したいものがあるわ。」
 「パフェ、どこにいるの。」
 「今、東京大仏を通過したところよ。」
 「大仏さん、分かったわ。」
 あゆみは通話を切った。
 「レミさん、美希ちゃん。パフェから渡したいものがあるらしいの。」
 「それって、ブルン。」
 「そうらしいよ。」
 「すごいよミキタン、レミさん。」
 「きっと、ミキタン、レミさんの気持ちがシフォンちゃんに通じたのね。」
 「キュアキュア~ッ。」
 「シフォン、ありがとう。」
 「キュア~ッ。」
 「ドスン。」
 「ウワーーーッ。」
 「キャーーーッ。」
 「エッ。」
 「何。」
 「こんな所にラビリンス。」
 「皆、変身するよ。」
 「OK。」
 ラブたち5人は、リンクルンを出し外部メモリーを差し込み横に開き90度に捻った。
 「チェンジ。プリキュア・ヒーーートアーーーッッップ。」
 「チェンジ。マザープリキュア・ヒーーートアーーーッッップ。」
 5人は例の如くプリキュアに変身した。
 「ピンクのハートは愛ある印。」
 「パンッ。」
 「もぎたてフレッシュ、キュアピーチ。」
 「同じくもぎたてスウィート、キュアピーーーチマザーーーッ。」
 「ブルーのハートは希望の印。」
 「パンッ。」
 「摘みたてフレッシュ、キュアベリー。」
 「同じく摘みたてスウィート、キュアベリーーーーッマザーーーーーッ。」
 「イエローハートは祈りの印。」
 「パンッ。」
 「とれたてフレッシュ、キュアパイン。」
 「レッツ!プリキュア!」
 「良い。フレッシュの3人はナケワメーケを追いかけて。あたしたち2人は繰り出した張本人を突き止めるから。」
 「ハイ。」
 フレッシュの3人とスウィートの2人で二手に別れ、それぞれ追跡始めた。すると、スウィートの2人を呼び止める者がいた。
 「ベリーマザーはん。」
 「誰、タルト。それにパフェも。」
 「ベリーマザー、約束のものを渡すわ。」
 「こ、これは。」
 「ベリーソードを呼び出す外部メモリー『ブルン』よ。」
 「やったあ。これであたしもキュアスティックが手に入るのね。」
 「そうよ。」
 「それでは、あたしとピーチマザーはラビリンス幹部を突き止めに行くわ。」
 「お気を付けて。」
 「ほなわいら、ベリーはんを探しに行きまっせ。」
 「タルト、パフェ、気を付けてね。」
 「ハイ。」
 「ヘエ。」

 一方、ナケワメーケを追跡しているフレッシュの3人は

 「パパパンガパーーーン。」
 「いたわ。」
 「フン。現れたか、プリキュア。クビナケ4号、後だ。」
 クビナケ4号とは「クビリストーラ・デ・ナケワメーケ4号」のことを言う。
 「ヤイ、ゴリラ弁慶。」
 「何。俺はゴリラでも弁慶でもない。ウェスターだ。」
 「今度こそ決着をつけるわよ。」
 「何言ってる、このクソババア。」
 「誰がババアですと。ダブルプリキュア・アイビーム。」
 「ピカッ、ビューーーーン。」
 「うわあ。」
 「ドデッ、グサグサ。」
 「グオーーーーーッ、いてえーーーぇ。」
 「この天下の美魔女に向かってババアと言ったからよ。」
 「やりやがったな。こうなったら、(しもべ)たちを呼び出してやる。」
 「そんなぶっとい指で携帯、操作できるの。」
 「うるせえ。」
 「ベリーマザー、キュアスティック出すよ。」
 「OK。」
 「キィーーッキィーーーッ。」
 ピーチマザーとベリーマザーは、一斉にリンクルンを出し外部メモリーを差し込み横に開きキュアスティックのコマンドをクリックした。
 「2秒以上押してください。」
 「出でよ、ラビリンス士官隊。」
 その間、ウェスターの前に士官隊が次から次へと姿を現した。
 2秒以上押した。
 「ハッ。」
 ピーチマザーのリンクルンのディスプレイからキュアスティックが出てきた。ところが、ベリーマザーは何とリンクルンをキャリーケースに収納してしまった。
 「届け。愛のメロディー、キュアスティック、ピーチロッド。」
 「ベリーマザー、一体何を。」
 「新技閃いちゃったわ。」
 「柄がチョコット出てきてるよ。」
 「そう、それなのよ。」
 「こっちも頭数が揃ったぜ。なぬ、青いエロババア何考えとる。」
 「あ~ら、股間膨れてるわよ、ゴリラ弁慶君。」
 「クッーーーーゥ。」
 「とっておきの秘技を閃いたわ。さあ、かかって来なさい。」
 「何だと、ヤレ、俺の僕ども。」
 「イーーーーーッ。」
 ラビリンス士官隊はマザープリキュア(ママキュア)めがけて突進し始めた。
 「ドレド、カチャッ。」
 「プリキュア・トルネード・スウィーーート。」
 「ピューーーーーン。」
 「イー、イー、イー、イー。」
 「グルグルグルグル。ドカッバキッボコッ。」
 トルネードを掻い潜った士官隊がベリーマザーに迫って来た。そして....
 「プリキュア・ドローワンズ・ソーーード。」
 「シューーーーッ、バラバラバラバラッ。」
 「ドデッドデッバタバタン。」
 「シューーーン。」
 「うわぁ。何と言う威力。」
 「響け。希望のリズム、キュアスティック、ベリーソード。」
 「ベリーソード、本当にすごい。」
 「クソッ、何て攻撃しやがる。ヤレッ、俺の僕ども。」
 「イーーーーーッ。」

 一方、フレッシュの3人は

 「ダブルプリキュアキィーーーーック。」
 「フカッフカッ。」
 「ダメ、効かない。」
 「今度は私の番よ。プリキュア・アイビーーーム。」
 「ツインソース砲。」
 「ポン。」
 アイビームは相殺負けをしてしまった。
 「い、いやあーーーーーーぁーーーーぁ。」
 パインはソース砲に追われ始めた。

 再び、スウィートの2人は

 「ファラド、カチャッ。」
 「プリキュア・ブルザーーード・スウィーーート。」
 「ピューーーーーーゥ。」
 「イーーーーッ。」
 「ファミド、カチャッ。」
 「プリキュア・サンウィンド・スウィーーート。」
 「ジリジリジリ、ゴォーーーーーーッ。」
 「イーーーーーッ。」
 「ドテッドテッドテッドテッ。」
 「いやぁーーーーーーあーーーーーーぁ。」
 「何、あれ。」
 「パインよ。何かに追われている。避けて。」
 ピーチマザーとベリーマザーはツインソース砲を回避した。
 「ベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャベチャ。」
 「イーーーーーーーッ。」
 「何なんだこれは、クビナケ4号のマヨネーズとケチャップじゃねえか。」

 一方、ピーチとベリーは

 「パパンガパン。」
 「手強いね。」
 「どうすれば。」
 「うわあーーーーーーあーーーぁ。」
 「ドーーーン。」
 ピーチとベリーは、ソース砲で逃げまくるパインに押されクビナケ4号の体内に挟まれてしまった。
 「フルーツサンド一丁あがり。」
 「うーーーうーーーっ。」
 「ギュギュッ。」
 「うーーーーうーーーっ。」
 「ギュッギュッ。」
 「キーーーン。」
 「閃いた。」
 「ガブッガブッガブッ。」
 「ウゴッ。」
 「結構行ける。」
 「そうか、元々食べ物だからね。」
 「よし、もっと噛み付いたれ。」
 「ガブガブガブガブガブガブムシャムシャムシャムシャモグモグガブガブガブガブ。」
 「ウゴーーーーーーーッ。」
 フレッシュの3人は自力で脱出した。この噛み付き攻撃でパン砲及びエッグスライス砲の破壊に成功した。
 「今度は肩口を攻撃するよ。」
 「OK。」
 フレッシュの3人は一斉にジャンプした。そして....
 「トリプルプルキュア・キィーーーーーック。」
 「バコバコバコン。コンコロロン。」
 右肩口のケチャップ砲を破壊した。

 一方、スウィートの2人は

 「ドデドデドデドデッ。」
 「ドドド、カチャッ。」
 「逃がすか。プリキュア・ストップ・スウィーーーート。」
 「カチカチカチカチチーーーーン。」
 ストップが効いた。ウェスターはガチット動けなくなった。
 「ピーチマザー、フィニッシュやらしていただくわ。」
 「仕方ないわね。私も、ベリーマザーのキュアスティックの威力を見たいからね。」
 「じゃあ、やるわよ。」
 「ドレミファソラシド、カチャッ。」
 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア・エスポワールシャワーーーースウィーーーート。」
 「ピューーーーーッ。ガチッ。」
 「ウッ。」
 「ハアーーーーーッ。」
 憎悪に続いて「欲望」と、言う1つの悪いの(悪意)が抜けた。その直後、ウェスターにかかっていたストップの効果が切れた。
 「しまった。また食らってしまった。チキショー覚えてろ。」
 ウェスターはワープして去った。
 「残念、逃げられてしまった。ラブサンシャイン食らわせたかったのに。」
 「それでもあのゴリラ弁慶、もはや役立たずよ。」
 「誰か、過去にフィニッシュ技をヒットさせた方がいるの。」
 「キュアパインよ。」
 「さっき、走り回って子。」
 「そうよ。」
 「やるわね。尚子のアドバイスかしら。ところで、娘たちが心配だわ。」
 「行ってみよう。」
 「うん。」

 一方、フレッシュの3人は

 「パパンガパン。」
 「シュッシュッシュッシュッシュッ。」
 「シフォンちゃん。」
 「シフォン。」
 ベリーは急いでシフォンのいる方向へ向かった。更に、もう1人シフォンのいる方向へ向かっている者がいた。シフォンママことパフェであった。
 「ボン。」
 きゅうり砲から発射したきゅうり弾の一発目が破裂した。ベリーとパフェがヘッドスライディングするかのような決死のダイブを試みた。
 「ボン、ボン、ボン、ズサーーーッ、ボーーーン。」
 「大丈夫。」
 「ピーチ、パイン。」
 「ピーチマザー。」
 「ベリーマザー、あれを見て。」
 「そのヒマはないわ。4人でクビナケ4号総攻撃よ。」
 「OK。」

 一方、シフォンのいる場所では。

 「キュア。」
 「ベリー。」
 「大丈夫、シフォン。シフォンはあたしが守る。」
 「よく言ったわ。」
 「あなたは。」
 「シフォンママ、パフェよ。約束のものを渡すわ。」
 「こ、これは、ブルン。」
 「もう、キュアスティック呼べるわよ。手にしたら『響け。希望のリズム、ベリーソード。』と叫んで。」
 「OK。」

 ベリーは立ち上がり、右手でブルンを握り締め叫んだ。

 「お願いブルン。今こそこのあたしに力を貸して。」
 「大丈夫よ。」
 「キィーーーッ。」
 ベリーはリンクルンを出した。続いて、ブルンを差し込み横に開いてからキュアスティックをコマンドをクリックした。
 「2秒以上押してください。」

 その間

 「ダブルプリキュアキィーーーック。」
 「バコボコ。ドスン。」
 「ウゴーーーーッ。」
 クビナケ4号の両脚をへし折り動けなくした。

 再び、シフォンのいる場所では

 2秒以上押した。
 「トォーーーーッ。」
 リンクルンのディスプレイからキュアスティックが出て来た。そして、受け取った。
 「響け。希望のリズム、キュアスティック、ベリーソード。」
 「ベリー、こっちよ。」
 「動けなくしたから。」
 「OK。」
 「ドレミファソラシド、カチャッ。」
 「悪いの悪いの飛んで行け。プリキュア・エスポワールシャワーーーーフレーーーーッシュ。」
 「ピューーーーーウ。」
 「ウッ。」
 「ハアーーーーーーッ。」
 「オマエラクビダーーーーァ、シュワワシュワワーーーーァ。」
 「やったあ~。」
 「倒したわ。」
 「さあ、引き上げるわよ。ベリー、まだ仕事の続きがあるでしょ。」
 「それもそうだね。」
 「一度、変身を解かないとね。」
 「私たち、引き続き見学させていただくわ。」
 「OK。」
 プリキュア隊の5人は引き上げた。
 
 翌日、夕方、桃園家では
 
 「良かったね、ミキタン。ブルンが手に入って。」
 「うん、初めなかなかうまく行かなかったんだけど。大事なことをママが教えてくれたの。」
 「大事なことってなんや。」
 「あたしね、ママからたくさん愛情をもらってた。それと同じようにタダ、純粋にシフォンを愛してあげれば良いんだって、ようやく分かったの。」
 「そやな。子供のために一番大事なんは、やっぱ愛やで、愛。」
 「だよね。だってミキタン、最初はブルンのことばっかり気にしてたんじゃない。」
 「うん、本当はシフォンのこと大好きだって思う気持ちが大切なのにね。」
 「まあ、最後にはベリーはんの愛情がシフォンに通じたんやし、良かったやんけ。」
 「うん、そうね。もうすっかりシフォンとも仲良しよ。」
 「美希、大好き。」
 「アハッ、あたしも。」
 「これで、ミキタンのお世話係も卒業だね。」
 「とんでもない。あたしのお世話、本領発揮はこれからよ。」
 「ハーーーーッ。」
 美希はぶ厚い本を取り出した。
 「アアーーッ、育児の専門書やんけ。」
 「あたし、お世話も完璧にやりたいの。おやつは1日1回。甘やかし過ぎはダメ。厳しくするのも愛情なんだから。」
 「すっかり、ハマちゃってる。」
 「ミキタンらしわ。」
 「プゥーーーッ。」
 「どこへ行くの、シフォン。」
 「プリッ。」
 「たっぷり、愛情を注いであげる。」
 「プリーーーッ、キュアキュアー。」
 「ちょっと待ちなさい、シフォン。」
 「堪忍したってや。」
 「ダーーーメ。」

 更に翌日、蒼乃家では

 「可愛い。」
 「キュアキュアーーッ。」
 「良いでしょ。」
 「ブルンのアプリでこんなオシャレができるの。」
 「ねえ、他にもあるの。」
 「もちろん、あるわよ。お次はこんな感じで。」
 美希は、次のコスチュームのコマンドをクリックした。
 「ブヒヒヒヒーーーッ。」
 「ウフフフフッ、アクティブーーーーゥーーーッ。」
 「美希、もっと~。」
 更に、次のコマンドを選択しクリックした。
 「ワイルド&ビューティ。」
 「でしょでしょ。」
 「親バカや、正に親バカや。」
 「コンコンコン。」
 「ハイ。」
 「美希、ジュースとお菓子持って来たわよ。」
 「ありがとう。」

     完
 
 
 

 
後書き
 美希とレミがキュアスティックを入手したことで、フレッシュの3人及びスウィートの3人共々、キュアスティックを入手したことになります。 
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