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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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コラボ編 Cross over the various world
  Story-cross1-12 逆らえないもの

シャオンside

俺たちの目の前に現れたヒーロー。

次々に敵を倒していく。


「すげぇ…………」

「ホントにヒーローだね…………」

しかも、その姿を次々に変えて華麗に敵を倒しているところに、俺は心から感激していた。


え、アホらしい? そんなこと言うなよ。だってカッコいいじゃん。



別方向から響く銃声。

…………え? 銃? SAOの中で?

おかしくないか?…………いや、別世界ならあり得るか。




あっという間に怪人たちは倒れ、その場には一人の少女と中性的な顔の少年が立っていた。

「君たち、大丈夫かい?」

「あ、ああ。大丈夫だ。ありがとう、助けてくれて」

「僕に出来ることは……これぐらいしかないから。

ところで君たちはなんでここにいたんだ?」

「俺たち、さっきこの世界に来たばかりで、よく知らないままに襲われたんだ」

「じゃあ、君たちは別世界の住人なのか。

僕の世界へようこそ」

「ん?『僕の』世界?」

ということは、この少女も……別の世界の住人なのか?

そこで少女の方が喋り出す。

『そうよ。ユキの世界へようこそ』

「クロエさん、クリスさん、来てたんですか」

『今来たところよ』

「ユキも変わりないようだな」

は? どっから聞こえたんだ? 今の声。


するとクロエの着けていたチョーカーが姿を変えてネズミになった。

「私はクリス。多金属生命体だ」

「科学って進歩してるな」

「まぁ、そうだね。

…………この世界に来たばかりの君たちに申し訳ないんだけど頼みたいことがあるんだ」

「何?」

「sorrowって人を探して、見つけたら僕に連絡してほしい」

「そりゃまた唐突なお願いだな」

『ユキ、いくらなんでもそれは無茶ぶりだと思うんだけど』

「それは分かっているよ。でも…………」






「その必要はないよ」

どこかから響く声。ユキの声と恐ろしいほどそっくりだ。ただ、顔がフードで隠れて見えない。



「sorrow…………まさかそっちから来るとは」

「僕も探していたのさ。異世界から来たそこの二人を」

「また何か企んでいるのか……?」

「鋭いね。そこの二人はかなり強いみたいだから、傀儡にでもなってもらおうかと思って」

「そんなことさせない」

「だろうね。けど、君には止められない。

まぁ、すんなり事が進むのも興ざめだし……ユキが勝ったら僕は何もしない。けど僕が勝ったら女の子の方でも傀儡にする……これでいいかな?」

フローラの顔が少し青ざめる。

かといって……ユキとsorrowのことに俺が介入するのも…………ユキとしてはあまり心地よくはないだろうな。

「シャオンさん…………」

俺の答えは一つだ。

「ユキ……お前は仲間を信じる。だから、俺はお前に託す」

「私も君に託す。シャオン君の信頼した人ならやってくれるから」

「ありがとうございます。じゃあ、sorrow……どこからでもかかって…………っ!?」

ガシュッ!

「ぐあっ……!」

「ユキ君!」

「何をしたんだ…………?」

「簡単なことさ。

この世界のシステムに少しだけ干渉して、特定の座標に向けて攻撃しただけさ」

「…………そんなこと……っ…………」

「まだ立ち上がるのかい? それなら僕も容赦しないよ」

『ユキ…………』


八方向からの必中弾が何度もユキを襲う。

スキルを使う余裕のないユキは反撃出来ない。

この世界ではあり得ないはずの血飛沫が飛び散る。
ユキは大きく吹っ飛ばされ、sorrowはユキを追いかける。

「やめて…………! ユキ君…………

私が行けば済むんだから……」

フローラの言葉に、クリスが反論する。

「しかし、そんなことをしたら……君は二度と元に戻れない可能性だって……」

「それでも……ユキ君が助かるなら!」


俺の中の葛藤は、どんどん大きくなっていく。ユキを取るか、フローラを取るか。

フローラを失いたくない。でも、ユキを見捨てることなんて出来ない…………っ!!


ガスッ!

「なっ…………!!」

『くっ…………!!』

「…………ごめん、シャオン君、クロエちゃん」


麻痺毒の塗られたピックを持ったフローラが、sorrowの方へ向かっていく。

「フローラ…………止めろ…………!」

「そうだよ……! フローラさん、何も出来ない、僕がやられた方が……」

「私が今ここでいなくなっても、きっと助けに来てくれることを信じてる。だから、今は…………さよなら」

「賢明だ。じゃあ、もうここに用はないな」

sorrowがフローラを連れて瞬間移動。


その場に、クロエ、クリス、俺、ユキが残った。


クリスを除く3人は、意識を手放した。














◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆














数分後、俺とクロエ、ユキは目覚め、起き上がっていた。


「ごめんなさい…………シャオンさん…………」

「いいんだ。俺がお前に託したんだ。後悔は…………ないよ」

「しかし、こうなっては助け出さなくては」

『と言っても、どうやって探すの?』

「使うなら…………フレンドリストだろうな。

俺とフローラはフレンド登録してるし、なんとかなりそうだ」

「じゃあ、そこに行ってみましょう」

俺たちは、フレンドリストを頼りにフローラの行方を追った。














◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆















3時間後、フローラを追って手がかりを掴んだ俺たちは一旦75層の宿に戻った。


「あの様子だと……そう簡単には入れないぞ。

たくさんの怪人がいるからな」

「そうですね…………あれは誰かが受けもたないと」

『それなら、私が受けもつわ。私の銃なら広範囲の攻撃が出来るから』

「そうですか。なら僕も受けもちましょう。シャオンさんが内部に一人で突入してください。後で僕たちも追いますから」

「まぁ、それはいいんだけど…………クリス、クロエ、少し席を外してくれないか?」

「何をするんだ?」

「何をする、とかじゃないんだ。ただ、ユキと二人で話がしたい」

『そう。クリス、ここは席を外しましょう』

「そうだな」



クリスとクロエが部屋を出た。


「シャオンさん…………どうしたんですか?」

俺は口を開いた。

「…………単刀直入に聞こう。ユキ、君は生身でこの世界に来ているんだな」















Story-cross1-12 END 
 

 
後書き
大変長らくお待たせしました。そして、唐突すぎるストーリーですみません!!
どうしてもこんな話が書きたくて…………

はい、これが最後の世界です。100%3話構成になります。少し深いお話にしたいので。
sorrowとユキのバトルを手短にしてしまって少し後悔。これはミスった。

てなわけで急展開過ぎる最後の世界。急すぎる話に遅れないように!

じゃあ……

シャオン「次回も、俺たちの冒険に! ひとっ走り……付き合えよな♪」
 
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