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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第百三話 記憶喪失の人形

 
前書き
記憶喪失となってしまったピノッキモン。

キャロ「リリカルアドベンチャー、始まります」
 

 
記憶喪失となったピノッキモン。
本人は頭に疑問符をいくつか浮かべている。
そして大輔達と合流し、ピノッキモンのことを説明すると全員が頭を抱えた。
しかしそれはそれ、これはこれで、キャロとルーテシアはキットコンナモン時の行動についてエアとグランスに説教した。

大輔「ピノッキモンが記憶喪失ねえ。嘘はついてなさそうだしな」

ピノッキモンは嘘をつくと鼻が伸びるらしく、鼻が伸びていないということは嘘はついてないということだろう。

ピノッキモン[君達は誰?]

大輔「俺達?うーん。どう説明したもんかなあ…?」

お前の敵と言えばいいのだろうが、記憶喪失となり性格的に無害な存在となったピノッキモンを攻撃するのはかなり良心に来る。
自分達は闇なら敵思考の馬鹿とは違うのだから。

大輔「うーん…」

賢「説明が難しいな…」

賢も大輔と同じ気持ちなのだろう。
どう説明したものかという表情をしている。

アリシア「私達は…選ばれし子供だよ。デジタルワールドを救うために来たんだよ」

ピノッキモン[デジタルワールドを?]






























こうして話しているとピノッキモンにはダークマスターズに、ピノッキモンになる前の記憶しかないということが判明した。
村で遊んでいたはずなのにいつの間にかここにいたこと。
そしてこの姿でいたこと。
そして…。

ダスクモン[おい]

ピノッキモン[ひっ!!いじめないで!!]

弱虫のいじめられっ子であったことが判明した。

一輝「成る程、そのいじめられっ子の性格が暗黒の力で究極体の力を手に入れたことで捩曲がり、さっきの性格になったってことか…」

アリサ「これはますますやりにくくなったわね…」

どうすればいいのだろうか?
無害化したピノッキモンを攻撃するのはしたくはないし、かといってピノッキモンをそのままにしておくわけにはいかない。
仕方がないので、今の性格をキープさせながら何とか弱虫を克服させ、スパイラルマウンテンの森のエリアを何とかしようということになった。

別名:ピノッキモン更正計画。

一体どうなることやら。






























数日後。

ピノッキモン[こんのー!!待てえええ!!進化なんてずるいぞー!!]

ファイラモン[馬鹿言うな!!成長期でお前の相手なんか出来るか!!]

数日後、大輔達の教育で弱虫を多少克服したピノッキモンは選ばれし子供達のパートナーデジモン達と追いかけっこをしていた。
しかしただの追いかけっこではない。
ピノッキモンは特別製の錘を付けて走っていた。
その状態でパートナーデジモン達と鬼ごっこをしていた。

ピノッキモン[捕まえたーーーっ!!!!]

エア[やべ!!アーマー進化!轟く友情!ライドラモン!!]

ピノッキモン[ああ!!四足歩行のデジモンなんて卑怯だよ!!]

ライドラモンエア[勝負に汚いもクソもないのだ!!]

キャロ「大人げない…」

げんなりするキャロと大人げないライドラモンエア。

大輔「それにしても大分弱虫を克服出来たな。このままいけば更正出来そうだな」

ピノッキモンは暗黒の力でああなっていた訳だし、これならもう大丈夫かもしれないと思った。
もうしばらくすれば、ピノッキモンに頼んで森のエリアの解放を。

ホーリーエンジェモン[見つけたぞピノッキモン!!]

全員【は?】

空気の読めない馬鹿が降臨した。

賢「何だお前は?」

ホーリーエンジェモン[我が名はホーリーエンジェモン。三大天使、セラフィモン様からの命により、ダークマスターズの討伐に来た!!]

フェイト「今更?今まで私達が戦っていた時も来なかったのに。」

ルカ「というより少し待ってもらえませんか?もう少しで平和的な解決が出来るんですから」

ホーリーエンジェモン[無理だ。所詮ピノッキモンは闇の存在、闇はあってはならない]

スバル「何…それ…?」

闇だからという理由で今のピノッキモンの人格すら否定するホーリーエンジェモンの傲慢さにムッとなる。

ホーリーエンジェモン[そこの二人からも闇の力を感じる。そこの紛い物とフォービドゥンデータの塊からも。]

クロアグモン[何だと?]

ダスクモン[……]

不快そうにホーリーエンジェモンを見つめるクロアグモンとダスクモン。

ホーリーエンジェモン[闇の存在は排除する!!全ては正義のために!!]

一輝「正義ねえ、ただの自己満足じゃねえか。」

大輔「ピノッキモン、あいつをぶっ飛ばせ」

ピノッキモン[ええ!!?]

はやて「大丈夫や。あんた究極体やし、相手は完全体や。簡単に捻り潰せるはずや」

ブイモン[頑張れピノッキモン。あんな自己中の奴なんか捻り潰してやれ]

ピノッキモン[う、うん…]

ビクビクとしながらハンマーを構えて前に出るピノッキモン。

ホーリーエンジェモン[まさか選ばれし子供達が悪を擁護するとはな。お前達を生かしておくわけにはいかない。ピノッキモン共々排除する!!]

ピノッキモン[わわっ!!?]

慌ててホーリーエンジェモンの攻撃を回避するピノッキモン。

ブイモン[落ち着け!!落ち着いてやれば見切れない動きなんかじゃない!!]

チビモン[パワーもスピードもピノッキモンが上だよ!!自信持って!!]

ドルモン[君はもう弱虫じゃないでしょ!!]

ピノッキモン[弱虫…?そうだ…]

ピノッキモンの目が力強くホーリーエンジェモンを見る。

ピノッキモン[僕は弱虫なんかじゃなーい!!ブリットハンマー!!]

ピノッキモンの必殺技がホーリーエンジェモンに炸裂した。
究極体の必殺技の威力は凄まじく、ホーリーエンジェモンを吹き飛ばした。

ホーリーエンジェモン[ぐっ…己…]

ピノッキモン[はあ…はあ…どうだ。僕はもう弱虫なんかじゃないぞ!!]

レオルモン[おおー]

アグモンX[凄い火力…]

ピノッキモン[そ、そうだ…とどめを刺さないと…]

暗黒の力で進化したダークマスターズとしての本能なのか、ピノッキモンはホーリーエンジェモンにとどめを刺そうとする。

ブイモン[よせ、無理に殺すことはないだろ]

ピノッキモン[でも…殺らないとこっちが殺られちゃうよ!!]

ブイモン[……………馬鹿野郎!!!!]

ピノッキモン[え?]

ブイモン[そんなんじゃ、お前を幼年期の時にいじめていた連中と同じだ!!弱い者をいじめようなんてするな!!]

真っ直ぐ力強い言葉でピノッキモンを叱責するブイモン。

ピノッキモン[う、うん。分かった。もう弱い者いじめはしないよ]

ブイモン[それでいいんだピノッキモン…見逃してやるからとっとと失せろ。クソ天使]

ホーリーエンジェモン[お、己…裏切り者の選ばれし子供達め…セラフィモン様に報告しなければ…]

アリサ「あいつ恩を仇で返す気マンマンじゃない?」

すずか「というより私達、最初から天使型デジモンに味方してた訳じゃないんだけど……」

大輔「ほっとけ、敗北率100パー…」

賢「おっと、それ以上の発言は慎んでね。メタ発言だから」

やばいことを口にしそうだった大輔を止める賢。
こうして穏やかな時を過ごす大輔達。
しかしホーリーエンジェモンを見逃したことで光の軍勢から狙われることになるのだった。






























~おまけ~

アリサ「そういえばエリオ」

エリオ「何ですか?アリサ母さん?」

アリサ「か、母さんって…未来ではあんたの義理のママなんだろうけど…いざ言われると照れるわね…」

キャロ「あの…お母さんよりママの方がいいですか?」

アリサ「え!!?べ、別にどっちでもいいわよ…」

遼「んで?何を聞きたいんだよ?」

話が完璧にズレたと、遼は話を進めようとする。

アリサ「あんたってルカやスバルやギンガくらい目茶苦茶食べるわよね?」

エリオ「あ、はい。」

アリサ「あんたって未来のスバルとギンガに会ったことないわけ?ルカとは普通だったけど、スバルとギンガの食いっぷりに目茶苦茶驚いてたし」

エリオ「会ったりはしましたけど一緒に食事はしたりしませんでした。スバルさんとギンガさんは多忙な人だし。時々会って会話する程度なんです。ルカさんとは先輩後輩の仲で食事を一緒にするんですけど。食事量が異常だって一輝おじさんに言われるまでは父さんが食べる量が普通で僕やルカさんが少し多めだと思っていたんです」

アリサ「あれで少し多め…?まあ、大輔も結構食べる方だけどね。デジモン達は基本大食いだし。でもフェイトや私やキャロは食べないんじゃない?」

エリオ「母さん達は…女の人は…そんなもんだと思ってました。スバルさんとギンガさんの食事を見るまでは」

アリサ「へ、へえ…(そういうものなのかしら?ああ、でもエリオって大輔に似て相当天然だから、そう思っても仕方が無いかもね……。)」

ルカ「未来の僕は元気ですか?」

エリオ「あ、はい。とても元気です。いつも可愛がって貰っています。」

ルカ「そうですか…大人になった僕ですか…少し興味がありますね。」 
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