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魔法少女リリカルなのは ~Emperor of the ⅣGOD~

作者:不死廃人
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魔法の力

 
前書き
第三話です。更新のこと、たびたび遅れてしまい申し訳ないです。
私用が一段落ついたのでこれからは少しづつ更新できそうです。
では、本編のほうを宜しくお願いします。 

 


「それじゃあ院長先生、また明日来ます~。」

そういって、なのはたち3人と俺と徹は近くの動物病院をあとにした。

「お~い、3人とも!急がないと遅刻しちまうぞ~!!」

とちょっと離れた場所で女子らを呼んでいる徹。そういえばあいつ、この前塾の開始時刻過ぎたとき怒られたってすごい怖がってたな。珍しく時間に間に合うように行こうとしてる、いつもギリギリまで遊んでるのに。

「あんたに言われなくても急いでるわよ!.....ははぁ~ん?徹、この前の塾の時間に遅れて先生に怒られたことでびびってるわねぇ?」
「そそ、そんなわけあるかい!だぁれがあんなおっさんに叱られたくらいでビビるかってんだ。俺はただ早くいって早く終わらせようとしてるだけさ。けっして、あのおっさんが怖いわけじゃぁない!」
「ふ~ん、じゃあ今おっさんとか言ってたこと先生に言っちゃおっかな~。」
「いや、それはマジ勘弁してくださいよアリサさん。」
「ほらぁ二人とも、ほんとに遅れちゃうよ~。俺はないからのんびり帰るけど。」


いっけねと徹、これで遅れたらあんたのせいだからね!とアリサ。続いてすずかとなのはがそのあとを追うように付いていく。

「また明日ね、とも~!」
「うん、またね~!」


4人と別れて家路につく。もう時刻は夕方だ。空を夕日が綺麗なオレンジ色に染め上げている。はやく帰って稽古してもらわないと、じいちゃん約束すっぽかすとすごく機嫌悪くなるからなぁ。



そう、なぜ動物病院に俺たちがいたかというとついさきほどのできごとが原因だった。


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「どうしたの!?3人とも!」
「あっ、ともくん!あのね、なのはちゃんが急に林の奥に走ったからアリサちゃんと追ってたらこの動物が倒れてて.....。」

3人に追いついた僕らにすずかが説明をしてくれた。
体長は両手のひらくらいのサイズだろうか、うすいクリーム色のおそらくフェレットだろう動物がなのはに抱えられていた。よくみると首に赤い宝石のようなものがついた首輪をつけている。フェレットの身体はところどころ汚れていて、そのあちこちに怪我をしているように見えた。

「みて!この子けがしてるみたい...。」
「う、うん。どうしよう....。」
「どうしようって、とりあえず病院!?」
「この近くに動物病院があったはずだよ!俺、道知ってるから早く手当してもらおう!」

と俺の提案に皆頷いてくれて、そのまま大急ぎで近くの動物病院にむかった。幸い怪我はたいしたことではなかったようで、皆ほうっと息をついた。とりあえず、一晩病院に預かってもらい、翌日みんなでフェレットを迎えに行くこととなった。フェレットはなのはに興味を持ったらしく手当の途中、少し起き上がりなのはの指を舌でなめたりしたが、まだ具合が悪いらしく、すぐ横になってしまった。院長先生の話では、すぐによくなるだろうとのことだ。




――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――――


そういうわけで、俺たちはそれぞれの家路につくこととなった。
家に帰ってる途中、ポケットの携帯電話が鳴り響く。番号を見ると見知った番号だったのですぐに出た。

「もしもし、トモですよ。」
『あっやっほー、久しぶりぃ。元気にしとった~?』
「久しぶりって...一昨日くらいに電話したじゃないか。もうボケてきちゃった?」
『なぁ!?ボケとらんて!!相変わらずともは失礼やな~。わたしはともと同い年なんよ?わたしがボケたらともだってボケてなきゃおかしい。』
「残念ながらボケてないですよ~。で、今日はどうしたの?」
『あ、そうやった。あんね、最近わたしのおじさんの親戚がうちで一緒に住んでくれててな。ともは毎月数回こっち来ていろいろ手伝ってくれるやんか。だから今月からは無理して来んでもええよ~って伝えたくてな。』
「へぇ、そうなの?よかったじゃないか。じゃあ今度は手伝いじゃなくて普通に遊びに行ってもいい?」
『来てくれるん!?嬉しいわぁ、皆にもとものこと紹介したいから楽しみにしといて!』
「わかった、それじゃあまたね。」
『うん、また来てな~。』


ピッと従兄弟からの電話を切る。しばらく元気がなかったから心配だったが親戚が来た影響だろうか電話越しの声はいつもより元気そうでとても安心した。しかし、親戚がいたなんて知らなかったなぁ。近いうちに会いに行くとしよう。


そうして家にたどり着いた俺はじいちゃんに稽古をつけてもらいちょっとあとに帰ってきた兄貴に鍛えてもらい(手加減抜きでコテンパンにされ)、いつも通り稽古後のお風呂に入ろうとしていたら


「とも~、ちょっとそこまで行って手紙を出してきてくれないか?」
「うぇぇ!?今から?」
「うん、まあクールダウンとおもってひとっ走り頼むよ」


父さんが手紙を渡してくる。うちの場合ちょっとそこまで手紙を出しに行くというのは間違っている。正確にはちょっと町までが正しい。家が山の上にあるものだからおつかいに行くというのは割とつらかったりする。郵便屋さんに今度山のふもとでいいからポストを建ててもらえるよう頼んでみなくてはと毎回思う俺であった。




すでに真っ暗になった道を走り、町のはずれについた俺は父さんから頼まれた手紙をポストに入れてさっさと帰ろうと家路につこうと思った時だった。

《.........こえま..っ..。》

「!?だれっ?」

後ろを振り向いたが誰もいない。もちろん前にも。辺りを見回しているとまた耳鳴りを交えた誰かの声が、次ははっきりと聞こえた。

《僕の声が聞こえますか?》

これは....?心の中にでも話しかけられているかのように語りかけられている。

《聞いてください。僕の声が聞こえるあなた、お願いです!僕に少しだけ力を貸してください!》

次第にはっきりしていく声には聞き覚えがあった。
夢で聞いた声と似ている...?あの少年の声かな?夢で見た内容も思い出してきて声もだんだん焦りを含んだ声に変わる。

《お願い、僕の所へ!時間が、危険がもう.....!》

ここで少年の声は途切れた。なんだったんだ今の?幻聴?いやあいつのようにボケてきたわけではないし、テレパシーなんてこの世にあるはずが...。

と考えていると少し先の道を誰かが走っていくのが見えた。


「.....なのは?」





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「なのはっ!!」
「ふぇ!?と、とも!!?なんでここに?ともの家、山のほうじゃなかったっけ?」
「ちょっとおつかいに行っててね、こっちまで下りてたんだ。ところでどうしたの?そんなに急いで?」

なのはに追いつき二人でならんで道を走っていく。

「昼間助けたフェレットが呼んでる気がして、声が聞こえるなら力を貸してほしいって!!昨夜の夢でもあの子が助けてって聞こえた気がしたの。」
「え、なのはも!?俺も夢でもさっきも声が聞こえて助けてほしいって.....。」

横に並んで走っているなのはも驚きを隠せない表情でこちらを見ている。自分でも驚いている。二人して同じ言葉を聞いていたのだから。



そうこうしているうちに目的地であろう夕方寄った動物病院の前についた俺たち二人は敷地内に踏み入ろうとした瞬間ひどい耳鳴りに襲われた。すぐあと、周りの景色が一変した。風の音や周りのいろんな音が聞こえなくなり、代わりに低いうなり声のようなものと物が壊れるような音があたりに響いた。

「あ、あれはっ!」

なのはが言葉を発した直後、病院の中からなにかが飛び出しその後を追うように黒い塊がドッと音を立てて出てきて、そのまま外の木にぶつかった。ぶつかった木は黒い塊のような生き物に倒れ、それによって発生した土埃に紛れて赤く光を発した宝石と一緒に例のフェレットが出てきた。フェレットは一直線になのはのほうに飛び上がり、なのはもしりもちをつきながら見事フェレットをキャッチした。

「なになに!?いったい何!?」
「なのは、だいじょうぶ!?」
「う、うん、ありがとうとも。」

黒い生き物はうなりながら木の下でもがいている。

「来て、くれたの?それも二人も...。」
「・・・・・・・え。」
「・・・・・・・、喋った!!!??」

慌てふためくなのは。フェレットって喋れたのか。

ドスンッ!!

木の下から這い出てきた黒い生き物はゆっくりと視線をこちらに向ける。

「逃げるよ、なのは!!」
「うん!!」

危険を察知した俺はなのはの手をとり、全力で駆け出した。


「なんなんだあの黒いの!?木をなぎ倒すくらいの力があるなんて。」

兄貴にも匹敵するんじゃないか!?アレ!!と心の中で毒づく。

「えぇ、そのぉ、なにがなんだかよくわかんないけど、いったいなんなの!?なにが起きてるの!?」

となのはがフェレットに問いかける。

「君たちには素質がある。お願い僕に少しだけ力を貸して!!」
「資質ぅ??」
「僕はある探し物のためにここではない世界からきました。でも、僕一人の力では想いを遂げられないかもしれない。」

外国から来たフェレットなのか?よくわからないことを言う。

「だから...迷惑だとわかってはいるんですが、資質を持った人に協力してほしくて...。」

フェレットは悲しいような申し訳ないような声で話している。

「お礼はします、必ずします!僕の持っている力をあなたたちに使ってほしいんです。
僕の力を...魔法の力を!!」
「魔法??」

なんだか胡散臭い話になってきたぞ。魔法っていったけどどういう事だろう。
すると上空でうなり声が聞こえて、例の黒いのが襲ってきた。

「あぶない!!なのはっ!!」

急いで道路のわきに自分の身体のかぶせるようにして身を隠させる。

「だいじょうぶ?」
「あ、ありがとう...。」

ボーっとこっちを見ているなのは。身体をどかしてフェレットに向き合って話を続ける。

「ねぇフェレット君。今から俺が黒いのをなんとかひきつけるからその間になのは魔法の力っていうのをあげてくれないかな?」
「危険です!あれは人がそのまま立ち向かえるような相手じゃありません!!」
「そ、そうだよとも!!危ないから行っちゃダメだって!!」
「だれもやっつけるとかはいってないさ。ただよけたりするだけなら得意だからさ。それに固まってたら、動きにくいでしょ?ここは任してよ。」
「・・・・・・わかりました。どうかご無事で。くれぐれも無茶はしないでください。」
「えっ!?だめ!!危ないよともっ!!」
「フェレットと俺を信じててなのは。」

そういって俺は黒い生き物に向かっていった。

黒い生き物が道路を割って飛び散ったコンクリートの破片を手に取り、思いっきり黒いのの方へ投げつける。ドスッと小さな音を立ててぶつかった破片は全く効果がなかったらしい。だが、おかげで視線だけはこちらに向けることができた。ギョロリと向いた目はこちらめがけて突進してきた。

ぶつかる、と思ったその突進だが俺は全くの無傷で左後方へと躱していた。

(危なかった~。基礎と型のおかげかな。じいちゃんありがと~...)

そう心の中で感謝した俺にまたあいつが襲いかかってくるがひらりひらりと躱していく。最小限のステップと力の入れ方でいくらでもすることができる基礎中の基礎の歩法だそうだ。最初に見て最初に覚えたじいちゃん譲りの技である。しかし、最小限の動きとはいえ、悲しくも小学生の体力では限界がきたらしく俺は何十回目かの突進のときバランスを崩し脚をからませてしまった。

(しまった...!稽古がひびいてるな......これはまずい)

黒い生き物もその隙を見逃してはいないようで突進の構えをしてこっちに向かってきた。
次の突進を喰らうのかと覚悟したその時、ピンク色のまぶしい光に辺りが包まれて、黒い生き物も動きを止めた。その光が止んだ時、そこに立っていたのは見慣れない格好をした高町なのはであった。





________________to be continue____________


 
 

 
後書き
最後まで見ていただきありがとうございます。
今回は、多めに考えて書いたつもりですが、ページ数はそこまで多くなくまたがっかりされた方がいたら本当に申し訳ありません。
次もなるべく早く更新できるよう頑張りますのでこれからもどうかよろしくお願いいたします。 
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