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払われる迷い

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2部分:第二章


第二章

「そういうことになります」
「そうなのですか」
「そしてです」
 速水の言葉は続く。それと共に二枚目も裏返した。するとだった。
 出て来たのはだ。力だった。速水はそれを見て言った。
「問題を解決する糸口はです」
「それは一体何でしょうか」
「一直線に行かれることですね」
 それだというのである。
「そうするべきだと」
「一直線にですか」
「はい、そうです」
 こう彼女に話すのだった。
「そして今貴女はどうしたいのか」
「それは」
「このカードに出ています」
 三枚目を裏返すとだ。今度はだ。
 愛し合う二人だった。恋人だ。
「愛を成就されたいのですね」
「はい、そうです」
「わかりました。貴女の願いは」
「有り難うございます」
「ただ」
「ただ?」
「このカードですが」
 ここで四枚目が開かれた。それは。
 法皇だった。逆になっている。速水はそのカードを見て彼女に話した。
「同性愛ですから反対する意見が多いですね」
「それは覚悟しています」
「四枚目は自分でも気付いていない方向性が指し示されます」
「周囲の反対ですか」
「それは覚悟して下さい」
 このことを話すのだった。
「それはです」
「わかりました」
「そしてこれまでのことですが」
 五枚目を裏返すと出て来たのは隠者の逆だった。それを見てまた言う速水だった。
「不安で戸惑っておられましたね」
「女の人を好きになることはありませんでした」
「そういうことですね。出ていますよ」
「そうですか。そこに」
「はい、そういうことです」
 言いながらだ。六枚目も引いた。そこにはだ。
 太陽だ。それを見て言う速水だった。
「理解してくれる人は理解してくれ応援してくれますね」
「私のこの愛を」
「そうしてくれます。太陽は全てを祝福してくれます」
「そうなのですか」
「そして次です」
 七枚目はだ。節制の逆だった。速水はそれを見て彼女に話す。
「迷って疲れておられますね」
「どうしても。同じ性別の相手を好きになってしまったことに」
「それもわかりました。このカードにそれが出ています」
「ですか」
「そして取り囲んでいる状況は」
 八枚目はそれであった。それは。
 開かれた。そこにあったのは。
 愚者だった。それを見て言う速水だった。
「向こう見ずですか」
「私の今の恋ですね」
「相手もですね。既に貴女の気持ちは御存知なのですか?」
「はい」
 その通りだと答える彼女だった。
「それはもう」
「そうですか。やはり」
「そしてこれは」
「相手も本気で貴女を愛して向こう見ずになってますね」
「そういう意味なのですね」
「その通りです。そして九枚目は」
「それは」
 速水はここでも彼女に答えた。
 
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