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チート戦艦の非常識な鎮守府生活

作者:諷詩
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3.ドックぐれーあっぷ

ーーーーーーーーーーーーーーアメストリアsideーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
あのダイナミック進水から早一週間。
あの後提督がすっ飛んできたが、事情を説明し、提督室に連行され、一時間みっちりと説教された。俺の身を案じてくれていたが、損傷なんてしていないし、反省もしていない(キリッ
まぁ、ともかくだ。暇なんなよぉぉぉぉぉ!
たまにくる深海棲艦も副砲一発で吹き飛ぶし、俺が出たら提督からお叱りを受けるし、あのまま船体は投錨したままだし、やることがないのでござる。
「工廠長」
この青い作業服を着た妖精さんらしいご老人。普通妖精さんって二頭身くらいの小さくて可愛い筈なんだが、この工廠長、可愛いのへったくれも無く、歳とってるの?っていうイレギュラーなのだ。人間と同じサイズだし、あの後修理が面倒ということで、頭から緑色のバスクリンをかけられたがな。
「アメストリアか......既に解析は終わっとるぞ」
「そうか。分かった。あの...そのだな」
「何じゃ?」
「私の、ドック作ってくれないか?」
「何故じゃ?あの島で足りとるじゃろ」
残念ながらあのままいると格好の的だし、他の艦隊に迷惑をかけてしまう為...正直邪魔だ。
機密の面でもよろしくない。
「お願いします!」
膝をつき、土下座を頼み込む。毎回あそこまで走って動かしているのだ。かなりキツイし、Lvが10を超えると長距離からの転移も出来るのだが、未だに4。まだまだだ。
「い、いやそこまでたのまれるとこっちが悪くなるじゃろうが...」
「頼む......」
「はぁ...了解じゃ。どういう感じにすればいいのかの?」
「む、では...
二人で図面を描き起こしてゆく。
ドック(地上)に入港すると固定具で拘束され、ドックごと排水。
そして下のゲートが開き地面ごと下降。
地下に巨大な空間を作り、超大型艦専門のドックに下降し、地下のドックに到着するという某潜水艦アニメの軍港を再現した。いや、あそこ以上だ。ドックは超大型艦3、大型艦18、中型艦24、小型艦12と大量に格納でき、工廠、修理ドックも3つ完備。天井には無数のクレーンが設置され、なんか近代感がある。
「ほぉ......これならお主の巨大な船体も隠せるの」
「うむ。私としてもこれからを想定するとこれ位は必要では無いかと思いこれ位の広さになったのだが...



↓地上のドック
_________
_______________I__________________________←海面
I I
I I
I I
------------------------------------------------------←地下
I I
I I
ーーーーーーー ーーーーーーー
ドック(地下)→ ←ドック(地下
ーーーーーーー ーーーーーーー

:
:etc...


こんな感じだ。
こんなに巨大で近代化したのは現在の軍港のひどさからだ。
だってコンクリート製のドックが二個に桟橋が三つだけだぞ?
クレーンも老朽化している。

私はこれを提供に報告するために提督棟に歩いて行く。他にも駆逐、軽巡、重巡、軽空母、正規空母、戦艦寮に分かれており、俺も戦艦寮を使わせてもらっている。
全て赤レンガ造りで、横須賀に名残がありそうだ。ん?逆か?
二階の角にある提督執務室と書かれたドアをノックする。
「アメストリアだ。入っていいか?」
「うん。いいよ」
ドアノブを捻り、ドアを開けるとまるで別世界だった。
冷房が効き。快適な温度に保たれており、微風となって俺に当たる。
くっ....!俺は炎天下の中活動しているのにっ!
「まるで別世界だな」
「皮肉かな?」
「あぁ。今日はドックの大型な改修をしようと思ってな」
「資材は?」
「私の備蓄を使う。ここの資材は新造艦に回す」
「分かった。後ででいいからちゃんと報告書を出してね」
「了解した」
外に出るとモワッとした熱気に襲われ、さらにあの快適な空間が恋しくなる。
うわぁー暑いよーやだよぉーあっづい...
苦し紛れにドックを見ると、海上に五つ位の四角い建造物が出来上がっていた。
ドック(海上)だ。イヨッシャァァァァアァァァァァアァアァァァァァァアア!
やっと船体を入れれる!雨風に直にさらされずに済む!あれ結構きつい。しかも暑かったんだからな!すぐに全力疾走。
「妖精さん!機関始動!武装ロック!」
第一艦橋の電子機器が順番に起動して行き最新情報に更新。
妖精さんが慌ただしく動き出し、点検が終了。
「アメストリア、抜錨!30ノットで低速航行!」
最大戦速は80ノット程だが、突っ込むとまた座礁するため、低速で行く。
え?30ノットって高速だって?知らんがな。
前後四つの錨が巻き上げられ、ゆっくりと前へ進んでいく。
スクリューが高速で回転し始め、大量の海水をかき混ぜて行き白い航跡を残してゆく。
しかしこの船、旋回が非常に遅いのである。九十度回頭するのに五分掛かる。
舵を操り、ゆっくりとドックを目指す。誘導灯を確認。
「20ノットに減速、方位そのまま」
ドックにゆっくりと入港する。
「機関停止。」
と、同時に固定具が船体をしっかりと支える。
ジリリリリという警報ベルが鳴りハッチが閉まりドックを密閉し、海水が排水されてゆく。
そして回転型のライトが点灯し、点滅すると下の堅く閉ざされていた地面が割れ、この船体をロックしている板が下降してゆく。
「おぉ......すごいな...どちらも」
この地下ドックも、作った工廠長も。
巨大な空間が広がり、本当のドックに入港。
鋼鉄のドックに到着し、板が移動を止めたのを確認し、ドックに転移する。
ついでに艦長妖精さんを肩に乗せ、技術担当の妖精さんに出て良いように言っておく。
我先にと散らばっていったが。
「どうじゃ?アメストリア」
「すごい...予想以上だ。本当に感謝する」
「いいわい。わしも中々作り甲斐があったしの」
まさかここまで作れると思わなかった。完全に図面通りに再現されている。
建造妖精が倒れているが、気にしない。
「外に出る手段は?」
「あっちのエレベーターからドック(地上)の奥に繋がるようにしておいたわい」
「了解した」
エレベーターに入り、地上に上がってゆく。
しかし未来感が無い。WWII時の塗装で、軍事用っていう感じがすごい。確かにさ?工廠長達は兵器しか作ったことが無いのは分かるけどさ?もう少しカラーバリエーションなかったの?

後、一つ重大な問題がある。
アメストリアの船体の一室に武器庫という部屋がある。
そこには大量の重火器がガンラックに置かれており、M9やガバメント、G17、M93RからG36が少し変わった感じのアサルトライフルや馬鹿でかいライフルやAS-50、果てにはM20対戦車ロケットランチャーやM2重機関銃やキャリバー50などまで何でもあるのだ。
何故戦艦に武器庫が?と思ったが、アメストリアの船体は4645m、530mの超巨大で島か何かだ。
上陸を防げるはずがない。だからだろう。
まぁ、使う人がいないから10000を超える銃火器が眠っていた為、
少し使わしてもらっている。ガバメントを吊るし、裏にM9を所持している。

「提督、アメストリアだ。完成の報告だ」
「入って」
「失礼する」
「どうしたの?」
「いや...工廠長達がついさっきドックを完成させてな。既に私の船体は入れてある。」
「知らなかったよ...君の船が凄い速度で動いていたのは見えたけど...」
こんな所からてろも見えるのか...ステルス性最悪、か...
このパラオ鎮守府だが、空襲に備え、森の中に建物が建っている。
赤レンガだが、中々目立たない。当然、視界も悪くなるので、俺は初めの頃慌てて工廠長にレーダーと防衛システムを作って貰った。おかげでパラオ島本島は46cm砲が2km間隔で設置され、山には最新式のレーダーが置かれて、ミサイルも多数備えている。
おかげでこの鎮守府の資材がすっからかんになり、提督にみっちりと説教されたのは記憶に新しい。ここの提督、普段優しいけど怒ると物凄く怖いからなぁ...
電が遠征にフルで動き、やっといま溜まってきたところだ。
「あともう一隻軽巡が欲しいな。電のみだと私の消費資材了解に追いつかない。戦闘をすると尽きる」
「そ、そうだよね。任せていいかな?」
「了解した。私のことは......」
「うん。大丈夫。今の所はバレてないから」
「良かった。」

 
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