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鎧虫戦記-バグレイダース-

作者:
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第13.5話 終戦のクサナギ

 
前書き
どうも、蛹です。
というわけで、毎章恒例のプロフィール発表です。
やっぱり13.5話からの25.5話の方が良かったかもしれません。
そうしたら、上手く26話に繋がりましたからね。
でも、もうすでに遅いので、そのまま行かせていただきます。

今回もセリフの前に頭文字が入っています。
カツコもカイエンも始めが“カ”なので、今回はカイエンしか話しません。
と言うより、元々会話が多くありません。

それでは第13.5話、始まります!! 

 
蛹「レディースアンドジェントルメン!!」
ハ「わっ!びっくりしたぁ‥‥‥‥」
セ「誰だ、アンタは!」
蛹「ただの通りすがりの小説家ですよww」
セ「んなわけねぇだろ!何で小説家がこんな森の奥にいるんだよ!!」
カ「ん?お主どこかで会ったような‥‥‥‥‥」
蛹「ギクッ き、気のせいですよ!さぁ、それより
  今回も全員のプロフィール発表ですよ!」
カ『‥‥‥‥‥‥‥まさかのぅ』




 セキレイ 男 17歳 ??人
身長 191cm 体重 80kg 
髪:青 伸びかけ  目:青 ふつう
服装:収容時に着てた白と黒のシマシマの服 一人称:おれ  
好きなもの、こと:食べ物、ハト、ジョン、カイエン、カツコ、ボブ、サバキ
嫌いなもの、こと:食べ物を粗末にするヤツ、戦国
超技術:超重堅鋼(ヘビーメタル)‥‥高密度の物体で全身を覆い硬化する能力
    重力無効(ゼログラビティ)‥‥反重力を発生させて物を浮かべる能力
詳細
体つきは結構ムキムキ(筋密度が高い)。いわゆる細マッチョ。
青い髪は生まれつき。特に誰も気にしてはいない。
変身後は全身が羽毛に覆われ、手足からは鉤爪が生える。
腕からも小さい羽が生えるが、飛行はできない。
ヒクイドリのパワーをまんべんなく発揮できる。
小さい頃の記憶はないが母親の顔だけは覚えているので
脱獄したら、それを道標に少しずつ見つけていこうと考えている。




 ハト 女 13歳 ??人
身長 147cm 体重 わかんないキロ 
髪:黒 前髪がくちばしっぽい ショートカット 目:黒 ややタレ目
服装:伸縮自在すーぱーすーつ
一人称:私 二人称:年齢相応の呼び方(例:お兄ちゃん) 
好きなもの、こと:野菜サラダ、セキレイ、施設の友達、お菓子
嫌いなもの、こと:苦い食べ物、怖い人、いじめてくる人
超技術:巨人制御《ギガンティックコントロール》‥‥身体を大きくする能力

詳細
体つきはプ二プ二している。胸はぺったんこ。
身体能力は"侵略虫"と比べて、そこまで高くない。
変身後は白鳩のような純白の羽毛に覆われる。
鉤爪も生えるが、そこまでのパワーと強度はない。
大きな翼を生やすことが出来るが、飛ぶ事は出来ない。
収容される前に無理矢理、職員に引き離されて
外の世界に一人置いて行かれた弟がいるらしい。
いつか、弟と再会する日を願っている。




 ジョン 男 41歳 メキシコ人
身長 179cm 体重 73kg 
髪:金 ややおでこが広い 目:青 ふつう
服装:収容時に着てた白と黒のシマシマの服 一人称:俺   
好きなもの:期間限定デカメロンパン(甘くてフワフワで美味い)
嫌いなもの:一時期投入されていた味噌カツジュース(超不味い)
超技術:物体潜行(サブマリン)‥‥物の中を自由に泳げる能力

詳細
体つきはそこそこガッチリしている。
収容前は海でサーフィンが日課だった。
海の家の管理などの海をこよなく愛している。
特に悪いことをしたわけではないが、ちょっといざこざがあり
家を追い出されて途方に暮れている所を職員に確保された。
既婚済だが、数年前に収容されてからしばらく会っていない。
カツコとカイエンの光景を見ていると、昔の光景が思い出されて
何だかあまりいい気分ではないらしい。
妻も料理が上手かったらしいが、カツコには劣るらしい。
(よくよく考えると料理の年季の差がありすぎている)




 ベルカ 女 377歳 侵略虫
身長 163cm 体重 ヒ・ミ・ツ♡ 
髪:黒 セミロング(後ろで束ねている) 目:黒 ふつう
服装:割烹着、紺のスカート 一人称:私   
好きなもの、こと:家事(主に料理)、カイエン、子供
嫌いなもの、こと:食べ物を粗末にする人、幽霊(意外と信じてる)
超技術:治療光線(リカバリーレイ)‥‥肉体を特殊な光子で再生させる能力

詳細
体つきはグラマーだが、本人はウエストをもう少し細くしたいらしい。
胸はGカップだが、最近少し垂れてきている事が気になっている。
肉体的な年齢は40代後半程(だが、結構美人)
昔はおてんば娘で、結構みんなを困らせていたとか。
あまのじゃくでカイエンの事を素直に好きと言えなかったとか。
子供が大好きで、施設のこども部屋にいる全員に
開いた時間でお菓子を作って、プレゼントしてあげるほど。
本人は「あの無邪気な笑顔に癒される」とのことらしい。
最近の悩みは、シワと体重。「年はとりたくない」との事である。




 ジスタ 男 392歳 侵略虫
身長 180cm 体重 103kg 
髪:白髪まじりの赤 スポーツ刈り 目:赤 糸目
服装:赤い着物、白い帯、懐に長剣(たまに)
一人称:ワシ 二人称:お主 武器(セイバー):赫剣″パーシヴァル″  
好きなもの、こと:辛い料理、和菓子、カツコ
嫌いなもの、こと:甘すぎる食べ物、自分が正しいと思っている人
超技術:灼蓮厄災(ブレイズディザスター)‥‥炎を纏った長剣を生成し操る能力

詳細
体つきは非常にガッチリしている。
肉体的な年齢は50代前半程。
21××年代に攻め込んできた″国″とは違うので
地球の人類とは敵対したいわけではない。
だが、当の人類は「″侵略虫″は全て敵だ」と思っているので
地球での印象はあまり良くないらしい。
身体は古傷だらけで、カツコは「それがワイルドで良い」と言っている。
現役時代の″騎士(ナイト)″の中では“同率第2位”の実力を持っていたらしい。
数年前、外で一人の子供に剣術を教えていたが
現在はその行方が分かっていないので、探したいと思っている。




「父さん!」

遠くから、赤髪の男が駆け寄って来た。
赤い頑丈そうな鎧に身を包み、腰に剣を携えている。

「おぉ、アレックス!久しぶりじゃなぁ」

カイエンが声をかけた瞬間、一つの影が
全員の間をすり抜けて突っ込んで行った。

 ダダダダダダダダダダダダダ!

「アレックスぅーーーーーーーッ!!!!」
「うわっ、母さん!?」
 
カツコだった。彼女は彼に勢いよく抱きついた。
施設内での冷静さとは打って変わっての
大胆な行動だったので、セキレイたちも驚いていた。

「嬉しいわ、こんなに大きくなってくれて‥‥‥‥」

カツコはアレックスの頭をよしよしと撫でながら
しみじみとした表情を浮かべていた。

「母さん、俺もう子供じゃないんだから恥ずかしいよっ」

アレックスは顔を赤くして彼女を見た。
カツコは泣いているように見えた。

「アヴァンだけじゃなく、あなたまでいなくなったら
 私もう‥‥‥‥‥生きていけない‥‥‥‥‥‥‥」

ポロポロと涙は頬を伝って地面に落ちた。
アレックスはそれを見て何とも言えない表情になった。

「お、俺は!兄さんの分まで絶対生きるよ!!
 だから泣かないでよ!母さんが泣いてると
 俺も悲しくなってくるからさ!」
「‥‥‥‥‥‥えぇ、そうね」

ようやく彼女は泣き止んでくれた。
それを見たアレックスはホッとした。

「おにーさんはおばちゃんの子供なの?」

ハトは彼に向かって訊いた。
彼は大きくうなずいた。

「はいッ!母がお世話になってます!」
「いや、むしろお世話になったのはおれらの方だから」
「え、そうなんですか?」

元気だが、やや天然なのだろうか?
セキレイは彼を見ながらそう思った。

アレックスは咳を一つして、場の雰囲気を変えた。

「蛹さんから話は聞きました。
 ハトさんとセキレイさんはどこにいますか?」

二人は手を上げた。それを確認した後
彼はゆっくりと二人に歩み寄った。

「この先にある家でしばらく過ごしていてください。
 安全は、我々が命を懸けて保証します」

我々と言うことは、他にも複数人隠れているのだろうか。

右腕を地面と垂直にし、拳を心臓の位置において
彼はセキレイたちに向かい、そう言った。
十字架をイメージしたかのようなそのポーズからは
彼の誠意の強さが示されていた。

「何で、見ず知らずのおれ達の為に
 ここまでしてくれるんだよ?」
「何かを貰ったら、それを少し増やして返せ。
 父さんが俺に教えてくれた言葉です。
 貰った嬉しさを少し増やして返せば
 相手は渡した物より少し多く嬉しくなる。
 それが大事だって、教えられたんです」

成程、二人を助けたお礼として家を提供するのか。
(その内返せなくなりそうだけど‥‥)
絶対、後先考えずに言ったな。このセリフ。

「でも、ジョンはどうするんだよ?」

それなら、おれ達と共に戦って来たジョンはどうなのだろう。

「ジョンさんは行くべき国があるんでしたよね?」

突然に話しを振られて、少し焦っていたが
すぐに彼は答えてくれた。

「あぁ、俺はサウジアラビアに用があるんだ」
「サウジアラビア?」

セキレイとハトの頭の上に?が浮かんだ。
それに気づいたのかアレックスはバックから地図を取り出した。
そこに描かれていたのは、2000年代の姿からは想像できない程
陸の面積が減った、合計35ヶ国の載った地図であった。

「おぉー!それが外の世界の地図かぁ」
「はい、サウジアラビアは‥‥‥あっ、ありました、ここです」

彼は一点を指さしたままセキレイに地図を渡した。
セキレイはそれを覗き込んだ。

「この‥‥‥エジプトって国の隣にあるデカいのがか?
 つーか、そもそもここはどこなんだ?」

そう問われたので、サウジアラビアを指した手を外して
アメリカの国土を指さした。

「ここは“アメリカ”です。ほら、右側にある大きな国です」
「これか。ホントにデカい国ばっかだなぁ」

大国ばかりなのではなく、大国しか残らなかったというのが
この世界の自然の摂理による結果である。
それ以外の国々は″鎧虫″によって、陸面もろとも
完全に滅ぼされてしまったのだから。

「じゃあ、おばちゃんとカイエンはどうするんだ?」
「ワシらは、ヨーロッパにでも行こうと思っとる」

セキレイの問いにカイエンはすぐさまそう答えた。
ハトはそれを聞いて少ししょんぼりとした。

「おばちゃんとおじーちゃんがいなくなっちゃうのは
 ‥‥‥‥‥‥‥‥少し寂しいなぁ」
「大丈夫よ!」

 ガツッ!

「ふわわっ!?」

ハトはカツコに両方の頬を摘まれた。
彼女の柔らかい頬が横にニョ~ンと伸びている。
それは、とても愛らしい状態だった。
カツコはそれを見て笑いながら言った。

「私たちはしばらくここにいるから大丈夫よ!
 後でたくさん主婦の秘技を教えてあげるからね!」

少しの間キョトンとしていたが
すぐに気の抜けたような、とろけそうな笑顔がこぼれた。

「‥‥‥‥‥‥うん!」

そして、頬を摘まれたまま大きくうなずいた。
カツコはそれを確認してから両手を離した。

「じゃあ、早速行くわよ!」
「おーーっ!!」

二人はそのまま森の奥に向かって走って言った。
残りの全員もそれを歩いて付いて行った。



    **********



森の奥の家に住み始めてから1年が経った。
ジョンはすでにサウジアラビアに旅立っていた。
ハトはカツコから主婦の業を伝授してもらっており
セキレイはカイエンから対剣術戦の徒手での戦い方を習っていた。
そして、ついに二人の出発の時が来たのである。

「グスッ‥‥‥おばちゃん、今日で行っちゃうんだ‥‥‥」

ハトはカツコの胸にうずまったまま泣いていた。
カツコは笑顔で彼女の両肩に手を置いた。

「何よ、ハトちゃんがそんなに悲しい顔してたら
 私たちが行きにくくなっちゃうじゃない」

頭を軽く撫でながらそう言った。
セキレイもハトに歩み寄ってその肩を叩いた。

「そうだぜ?ハト。カイエンが剣まで教えた孤児と
 もう一回会うためにヨーロッパに行くんだからさ。
 ハトだって生き別れた弟がいるんだろ?」

彼はうずまったままのハトに向かって言った。
それでようやくハトは顔を上げた。
そして、一歩ずつ離れて行った。

「‥‥‥‥いつか絶対に帰って来てね」

ハトは涙を拭いながら言った。
カツコは笑顔で大きくうなずいた。

「えぇ、絶対に帰って来るからね」

その眼からは少しだけ光るものが見えた。
やはり、彼女も耐えられなかったようであった。

「行くぞ、カツコ」
「分かってるわよ」

そして、カイエンの後に着いて
森の向こうへと歩いて行った。


「‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥うぅ‥‥‥‥う、うぅ‥‥‥ううううう
 うあああああああああああああああああああああんッ!!」


ハトはセキレイに抱きついて泣き始めた。
丁度、二人の影が完全に森の中へと消えた瞬間だった。

「よく我慢したな。偉いぞ、ハト」

それぐらいしか彼は言えなかった。
その後はしばらく、ハトが泣き止むまで頭を撫で続けていた。




    **********




「うぅ‥‥‥グスッ、グスッ」

カツコは涙をハンカチで拭きながら
森の中を少しずつ歩いていた。

「なぁ、カツコ。いい加減泣き止んでくれんか?」

カイエンは彼女の肩に触れてあやしていた。
しかし、カツコは涙を流しながら言った。

「だって‥‥‥1年も一緒に過ごして娘のように可愛がってきた子と
 離ればなれになっちゃうのよ!?そんなの‥‥悲しいに決まって‥‥‥‥」

そして、また泣き始めた。
カイエンはしばらく何も言うことはできなかった。
そして、ようやく口を開いた。

「じゃあ、カツコ。ハトと一緒に残るのと、あの子を探しに行く。
 お前はどっちを取るんじゃ?」

それを聞いたカツコは足を止めた。

「‥‥‥そんなの‥‥‥‥決められないわよ‥‥‥‥‥‥」

彼女は力なく、そうつぶやいた。
カイエンも訊いておきながら、少し後悔した。

「‥‥‥‥すまん、酷な事を訊いてしまったな」

そう言って、少し離れようとしていたが
それを彼女が腕を掴んで引き止めた。

「でも‥‥‥‥こんなんじゃお母さん失格よね‥‥‥
 分かってる。分かってるけど‥‥‥‥‥」
「そんな事ありませんよ」
「!!?」

突然の声に二人は驚いた。声の方向を見ると
そこには一人の男が立っていた。

「お主は‥‥‥確か、草薙と言ってたかのぅ?」
「そう、その草薙です」

草薙はそう答えながら少し距離を縮めた。
そして、カツコの目の前に立った。

「別れとは寂しいものです。しかし、ハトはそれを耐えました。
 あなた達が森の奥まで行った後に泣いていました。
 それなのに、あなたが帰って来てしまったら
 彼女が耐えた意味が無くなってしまうんです」

草薙は彼女の肩に手を置いた。

「だから、探してあげてください。実の子じゃなくても
 もしかしたら待っているかもしれませんから」

彼はそう言って、カツコから手を離した。
彼女はしばらく黙り込んでいた。

「‥‥‥‥そうね。そうよね!寂しいこと言ってられないわ!
 あなた!一刻も早く探しに行きましょう!!」
「‥‥‥‥そうじゃな」

カイエンは、立ち直ってくれて良かった、と思いながら返事をした。

「フフフ‥‥‥‥‥」

草薙も彼女の立ち直りを見て微笑んだ。
その草薙にカイエンは深々と礼をした。

「ありがとうのぉ、草薙」
「いいえ。困っている人を助けるのは
 人間の誰もがもっている能力の1つですから」

草薙はそう言って謙遜した。
そんな草薙を見たカイエンは質問をした。

「‥‥‥お主。メガネを掛けたら誰かに似とるのぉ」
「そうですか?」
「名前も似た感じじゃし」
「あの‥‥‥‥余計な詮索は控えていただけますか?」
「そうよ!そんなことしたら失礼じゃない!」

二人がそう言うので、カイエンは折れた。

「‥‥‥‥‥そうじゃな。すまんかった」
「いえいえ、全然大丈夫ですから」

そう言いながら、草薙は森のさらに奥へと歩き始めた。

「私はただそれを言いに来ただけですので、それでは」

手を振りながら、彼の姿は森の奥に消えていった。

「草薙‥‥‥‥か。まったく、得体の知れん男じゃ」
「だから、そんなこと言ったら失礼でしょう!」
「はは、そうじゃな」

そんなことを話しながら、彼らは北欧へと向かう道を進んで行った。 
 

 
後書き
ふぅ、バレなくて良かったです。え?何がって、それは‥‥‥‥秘密です。

アレックスは現役の″騎士(ナイト)″で強さはまだ秘密です。
ですが凄腕の二人の血を継いでいるので、かなりの実力者というのは確かです。
やっぱり騎士といえば剣ですよね。彼も父親と同じ剣使いです。

次の話からようやく元に戻ります。まさか、ここまで話が延びるとは思ってませんでした。
アスラたちが次に目指すのはサウジアラビアです。
世界地図を右から左に行くと自然にそう言うルートになりました。
西アジア攻めで行こうと思ったので、とりあえずそこに決めました。
果たして、そこでは一体何が待ち構えているのか!?

次回 第26話 東南アジアの区切りの意味が理解しがたい お楽しみに! 
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