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ボスとジョルノの幻想訪問記

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紅の十字架 その②

 ボスとジョルノの幻想訪問記 第25話

 紅の十字架②

 ドッピオは何かがドアを開けてこの部屋に入ってきたことを理解している。さらに、その『何か』は目の前にいる筈なのに姿が見えない。

 つまり、透明なのだ。

(と、透明の敵・・・・・・! だが、足跡のペースから察するに・・・・・・動きは緩慢だ!)

 ひたっ、ひたっ・・・・・・と、一定のゆっくりとした足取りでドッピオに向かってくる透明の敵。時折「KOAAAAAAAA・・・・・・」と長い溜息のような声を発している。

 いくら透明でも、場所は丸分かりだ。

「『墓碑名(エピタフ)』ッ!!」

 ドッピオは自分の射程圏内に入ったであろう敵を『墓碑名(エピタフ)』の拳で殴りつける。

 ドゴォッ!! と、ドッピオの予想をいい意味で裏切るヒットだった。なんと敵は避けも防ぎもせず、ドッピオの拳を受けたのだ。いくら、ドッピオといえど『墓碑名(エピタフ)』の腕はパワーAの『キングクリムゾン』の物である。右腕しかないが、その拳の強さは『ゴールドエクスペリエンス』よりも上だ。

「・・・・・・何だ? 弱っちいな・・・・・・」

 これなら未来を想定しつつ多面的な思考を使う必要もない。『墓碑名(エピタフ)』のごり押しで十分だ。

「勝てるッ! いくら姿が見えなかろうと、テメェー自身が弱けりゃ意味は無ェーーーッ!!」

 ドッピオはベチャっと倒れた透明の敵に向かって更に追撃をかけた。足で踏みつけ、『墓碑名(エピタフ)』の右腕によるラッシュをかける。

「オラオラオラァアーーーーーッ!!! 消え失せろやクソがァァーーーーーーーッッ!!!」

 怒号を発して見えない何かに怒濤の攻撃を浴びせる。十分な手応えだ。最後に右足で思いっきり蹴り抜いた。

「は、ハァ・・・・・・! どうだ、てめぇ・・・・・・雑魚の癖に、この俺をびっくりさせやがってェ~~~・・・・・・」

 とにかく、これで危機は去っただろう。と、ドッピオは咲夜とパチュリーの眠っているベッドを見る。大丈夫だ。特に変化は無――――。

 ブシュゥ・・・・・・。

 右足に不自然な痛みを感じてドッピオは足下を見る。

「・・・・・・な、ん・・・・・・だよッ!!」

 何かに足を掴まれていた。いや、間違いなくさっきまでドッピオが攻撃していた見えない敵である。こんなに早く動けるとは思っていなかった。

「ぐッ・・・・・・くそッ!! さっさと死ねよクソッタレがァァーーーーーーーッ!!」

 右足を掴む力はかなり強かった。あまりの強さに右足首の血管が破裂していたのだ。ドッピオの足から勢いよく血が流れる。その血は見えない何かの腕を伝っていった。伝っていった血は見える。

 すぐドッピオは逆の足で自分の血によって正確な場所――――やはり腕のようだ――――を踏みつける。敵はたまらず腕を離して今度はドッピオの踏みつけた方の足を掴もうとする。

「おっと!」

 だが、血が付いているためそこの部分だけが透明ではなかった。

(本体は透明だが実体はある・・・・・・。俺の血が付着した箇所も見えるってことは、ただ透明なだけの奴か? しかしこのタフさは何だってんだ??)

 足首から血が流れる。痛みはあるが動けないほどではない。

 ドッピオは自分はともかく、確実に再起不能になるくらいにはボコボコにした透明の敵がすぐに襲ってきたことに対して疑問を持っていた。

 吸血鬼ならばあり得る。だが、レミリアの様子からじゃあ透明の吸血鬼が元からこの紅魔館にいたとは考えづらい。そもそも、その個体数の少なさから異常性愛が起こり得る種族なのだ。さっきレミリアがパチュリーの周りにいた他の奴を倒していた(かどうかは定かではない)が、透明の敵の数は多いと考えるのが妥当だろう。すると吸血鬼という線は無くなる。

(・・・・・・分からん。だが、イヤな予感がする・・・・・・。複数体敵は紅魔館に入ってきてるらしいが・・・・・・)

 そこまで考え、目の前の敵がいつの間にか起きあがり再びヒタ、ヒタ、とこちらに歩いてきていることに気が付いた。

「チィッ!! なめんじゃあねぇぞォォッ!!」

 激高しながら『墓碑名(エピタフ)』の拳を叩き込む。二発、三発と攻撃を加えて最後に渾身の一撃を入れた。

 ドザァッ、と敵は背後に吹っ飛び倒れるような音がする。ドッピオの血がおそらくは敵の腕に付着しているため透明だからといって見失うことはない。

 だが――――。

「KOAAAAAA・・・・・・」

「・・・・・・ッ!! まだ死なないのか!?」

 再び立ち上がる。その光景にドッピオの脳裏に「こいつは殺せないのでは?」という考えが浮かぶ。まるでゾンビ映画の中の主人公のような気分だった。

 あまりのタフさにドッピオが一歩、足を引いた。

(打撃では倒せないのか・・・・・・? な、何か、この部屋に武器になる物は・・・・・・!)

 ドッピオが後ろを見ると咲夜とパチュリーが眠っているベッド。それ以外にこの部屋には・・・・・・。

 と、部屋の東側の壁(レミリアの部屋は太陽の日が射し込まないように北側にのみ窓がある。また、廊下に出る扉は南に。西と東は壁である)付近に、大量のナイフが落ちているのを発見する。おそらくは咲夜の投げたものだろう。

 打撃がダメならば斬撃はどうか。そう思い、一目散にナイフを拾いに走った。

「これならいけるかッ? 透明とはいえ、体中に突き刺せばどこか急所に入るはず!」

 拾えるだけナイフを拾い、敵がいる方向を振り向いた。

 ・・・・・・足音が聞こえない。てっきり追いかけてくるものと思っていたのだが・・・・・・。

 追ってきていない? いいや、違った。この透明の敵はドッピオを狙っていたんじゃあなかった。

 『一番近い人間』を攻撃していたに過ぎなかったのだ。

「てめぇぇーーーーーーッ!!! 何してんだ俺を狙えェェーーーーーッ!!!」

 足跡がベッドの前で止まっていた。つまり、既に――――。

 どしゅ、ボト・・・・・・。

「KOAAAAAAAAA・・・・・・」

 ベッドから何かが転がり落ちた。

「う、わ、あああああああああああッ!!! やめろ、やめてくれェーーーーーーーッ!!!」

 ドッピオの目には何が落ちたか分かっていた。大声で叫び、走り、抵抗の出来ない彼女たちに忍び寄る悪意を殺さなくては。

 まだ、まだ間に合う。まだ、『片方』だけだ。

「『墓碑名(エピタフ)』ッ!!」

 ドッピオはスタンドを出してナイフを握らせる。そしてベッドに飛び込み、同時に透明の敵――――ドッピオ血が付いた腕に深々と突き刺した。

 そのまま、腕を絡め取りドッピオは敵を掴みベッドの外へと追い出した。すぐにドッピオは咲夜とパチュリーの様子を確認する。

「・・・・・・ッあ、あ」

 ドッピオの喉から出たのは声にならない叫びだった。

 ベッドから落ちたのは『眼球』。

 そして咲夜の右顔面には不自然な虚空が空いていた。

「お、俺のせいだ・・・・・・ッ!! 俺が、ナイフなんて取りに行くから」

 あんまりじゃあないか。俺のために彼女が鼻を折られ、全身を再起不能になるまで痛めつけられ、挙げ句右目まで失った。

 前者は咲夜のせいでもある。そういう思いもあった。だが、今のは違う。明らかに自分のミスだった。敵は自分を狙うものだと勝手に勘違いしていたからこうなった。

 あんまりじゃあないのか? どうして咲夜はここまで不幸な目に?

「ち、畜生ッ!! この『敵』ッ!! ぶっ殺してや・・・・・・」

 現実の理不尽さに怒りを覚え、ドッピオが後ろを振り向いた直後。

「KOOOOAAAAAAAAA・・・・・・」

 重くのしかかる息が鼻にかかった。

「しまッ・・・・・・!!」

 た、と思う間もなくドッピオの首に凄まじい力が加えられ――――。

「――――ッ!!」

 首の血管が破裂した。同時にドッピオは『墓碑名(エピタフ)』に握らせていたナイフで首を掴む何かを切断する。

 ぶびゅっ、と首から大量の血が吹き出す。このままではマズイ、と無意識に判断したドッピオは噴水のように流れる血を止めるために『墓碑名(エピタフ)』で首を押さえさせた。

「・・・・・・が、ぎッ・・・・・・」

 軽く押さえるだけでは破裂した血管から吹き出す血の流れは止められない。端的に言えばドッピオは自分の首を絞めて血の流れを止めていたのだ。もちろん、出血はある程度収まるが呼吸ができなくなる。さらに『墓碑名(エピタフ)』での行為であるため以降はスタンドを使った攻撃も余り出来ない。もし攻撃しようと手を離そうものなら1分足らずで失血多量で死んでしまうだろう。かと言ってこのまま首を絞めても酸素不足で死んでしまう。

 ドッピオの命は残り1分を切っていると言っても過言ではない。

「KOAAAAAA・・・・・・」

 しかも敵は倒せていないのだ。状況は限りなくまずかった。

 だが、こんな限りなく絶望的な状況下でドッピオはとんでもない作戦を思いつく。(正確にはディアボロがドッピオの深層心理をつき動かした。死に瀕した経験なら百戦錬磨の彼にとって頸動脈のプッツン程度の状況は幾度となくあっただろう。焦ることなく最善を選び取る)

「・・・・・・!!」

 迷っていられない。自分に残されている時間はもう無い。あとは死ぬだけなのだ。

 敵を見るとおそらく、人間の形をしていることが分かる。ドッピオの血や咲夜の血によっておおまかな輪郭が見えていた。

 ドッピオは敵に飛びついた。既に意識は半分飛びかけており本来なら敵を組み伏せる力も残っていない。

 だが、そんなことは関係ない。勢いに任せて飛び込むと、思った通り鈍重な敵はぐらついて床に倒れた。その上にドッピオが覆い被さる形になる。

 そしてドッピオは敵の腕と思われる箇所に自分の腕を重ねた。敵の手に力が込められ、ドッピオの手を握りつぶそうとする。だが、その前に――――。

「エ・・・・・・フ」

 『墓碑名(エピタフ)』は彼の首から手を離してナイフを持った。そんなことをすれば再び首から血が流れ出し、ドッピオの死期が早まるだけである。だが、そうせざるを得ない。

 敵を止めるにはこの『手』しかなかった。

 こともあろうか、『墓碑名(エピタフ)』はドッピオと敵の重なった両肘を床に縫いつけるように、ナイフで串刺しにしたのだ!! 両腕とも固定した!

 ドッピオと透明の敵は地面に縫いつけられた形になった!

 すぐさま血が流れ出続けるドッピオは『墓碑名(エピタフ)』に首を絞め直させて出血を押さえる。だが、もうほとんど無意味な延命だった。

 自分は死ぬ。だが、せめて一矢報いたかった。どうしてこんなことをしているのか未だによく分かっていない。ただ少しだけ満足感と達成感があった。

「KOAAAAAAAA!!」

 敵はドッピオが上に重なり、両腕が不自由となっているため動くことは出来なかった。

 敵が動けないことを知り、ドッピオは少しだけ安心した。その安心感はドッピオの瞼を重くさせる。

 最後に扉が開く音がしたが、もしかすると夢かもしれない。現実であるならば、扉を開けたのが彼女たちにとっての味方であることを願うばかりだ。


 午前3時31分。

*   *   *

 紅魔館の庭園にいる暫定敵を倒すためにレミリアは玄関を突き破って庭園に降り立った。そこにいたのは当然、ジョルノ・ジョバァーナと藤原妹紅である。

「れ、レミリア・スカーレット!!」

 ジョルノはレミリアの姿を見るのは初めてである。コウモリの羽が背中にあるところを見ると彼女が吸血鬼の妹だと思ったがどうやら違ったようだ。妹紅がその名前を呼ぶ。(人の名をッ!)

「・・・・・・あら、人間・・・・・・。一体、どういうつもりかしら・・・・・・? 報復? 覚悟しなさいよ。あんたたちのせいでパチェが・・・・・・」

 レミリアは敵意を丸出しにして二人を睨みつけるが、当然二人にとっては身に覚えのない話である。

「・・・・・・ちょっと待て。パチェってパチュリーのことか?」

 妹紅はその名前に聞き覚えがあった。実際に見たことはないが、かつて彼女のために永遠亭で喘息の薬を買いに来たという従者を案内した経験がある。その時、話に出てくる名前だった。紅魔館に居候している魔女だという。

「ええ、そうよ。・・・・・・なんで名前知ってるのよ」

 レミリアからすればパチュリーの名前を知っている人間はほとんどいないという認識だった。紅魔館には基本人が来ない上にパチュリーは外出をしない。

「そこはどうでもいい。確かに私たちはお前等に用があって来たわけだが、まだ攻撃はしてない」

 ほとんど殴りこみに来たようなものだが、二人にはひっかかる節があった。

 庭園に残されていた新しい血だまりだ。紅魔館で何かが起きているのは容易に想像できる。

「何が起きている?」

 レミリアが答える望みは薄いかもしれないが、あえて妹紅は短く尋ねた。

「・・・・・・」

 ジョルノは黙っていた。レミリアという人物を推し量っているのだろう。

 レミリア側は混乱していた。妹紅の言うとおり、透明の敵がこいつらとは無関係であると薄々感づいていた。

 それに、透明の敵が発していた声に聞き覚えがあったのだ。

 彼女の直感はこいつらではない、ということを告げていた。

「ちょっとした家庭の事情よ。・・・・・・首を突っ込むな」

 やはりレミリアは答えをぼかす。ここで正直に答える意味はない。ここで二人を殺してしまっても構わないが、『キラークイーン』の爆弾が使えない状態(パチュリーの爆弾化が解除されてしまう)のため、負けないまでも苦戦は目に見えていた。

「既に一人死んでるらしいが・・・・・・それが家庭の事情なのか?」

「承知済みよ。あんただってすぐに死ぬじゃあないの」

 レミリアの返答に妹紅はギロっと睨んだが、無視。

 それよりもまず排除すべきは透明の敵だ。レミリアはすぐに屋敷内に戻ろうとする。

 それを呼び止めたのはずっと黙ったままのジョルノだった。

「――――おい」

 妹紅は内心ヒヤっとしていた。レミリアとの戦闘を避けられるチャンスだが、もしここでジョルノが『フランドール』という名前を出すとどうなるか分かったもんじゃあない。

 しかし、ジョルノが口にした名前は別の人物だった。


「・・・・・・ヴィネガー・ドッピオはどこにいる」


 レミリアは足を止めた。しばらく考えて、首だけを振り向かせて何事かを声に出す。

 今度は『真実』だった。

 午前3時25分。

*   *   *

 レミリアの命令で紅美鈴は厨房に向かっていた。本来ならこの時間は十六夜咲夜がレミリアとフランドールの夕食を作っている時間だが、二日前から彼女が失踪したせいで今は妖精メイドたちがてんやわんやする場所だ。

 だが、今日はどうにもそうではないらしい。厨房の部屋の前にたどり着いた美鈴が抱いた感想は『静か』であった。

 気配を察知してもここには誰もいないのである。紅魔館が雇っている妖精メイドは数十体。だが、何故か忽然と気配が消えてしまっている。

 明らかに『厨房』で何かが起きたということを物語っていた。

「・・・・・・っ」

 美鈴は扉に手をかけて開けようとする。だが開かない。この扉は外からは押して開けるタイプで、衛生上問題がないように気密性は完璧な扉である。内側から鍵でもかかっているのかと一瞬思ったがノブは回るのでそんなはずはない。

「・・・・・・内側から扉を押さえつけているのか? でも彼女たちにそんな力があるとは・・・・・・」

 もう一度、美鈴は力を込めて扉を押した。するとほんの少し扉が開いたかと思ったら――――。

 ばしゃっ!

「『ばしゃっ』??」

 自分の膝に生ぬるい液体が押し寄せた。とっさに扉から手を離してしまい、危うく転びそうになったが――――。

「・・・・・・って、何で部屋から水が・・・・・・」

 洪水でもあるまいし、と思って下を見ると驚愕する。

 水じゃあない。

 血だ。

「――――っ!!!」

 ばしゃ、ばしゃっ! と美鈴は慌てて扉から離れる。自分が今かいているのは冷や汗だとはっきり分かった。そして、「いや、まさか・・・・・・」と、自分の想像を否定する。

 まさか、厨房が血液で満たされているはずがないじゃあないか。

「~~~~~ッ!!!」

 自分の胃から異物が這い上がってくるような感覚。美鈴は口を押さえてその場から逃げ出すように走った。

 はっきりと理解してしまった。妖精メイドは姿を消したんじゃあなかった。

「お、ぷ・・・・・・うっ、・・・・・・ッ!」

 こみ上げてくる嘔吐感を喉の奥で我慢して美鈴は厨房を後にした。向かった先はフランドールがいるはずの地下室である。

 気配察知の情報ではあるが、フランドールと思われる気配は地下室から一向に動く気配はない。

 と、途中でレミリアと再び出会った。

「美鈴!」

「お、お嬢様ッ! ご無事でしたか・・・・・・!」

 聞くところによると来ていた二人組は敵ではなかったという。名前を聞いて美鈴は再び驚愕した。

「ドッピオって奴を連れ戻しに来たらしいわ。・・・・・・他に何か目的がありそうだったけど」

「・・・・・・じゃあ二人はお嬢様の部屋に?」

 美鈴がそう尋ねるとレミリアは首を縦に振った。美鈴はそれを聞いて安堵の声を漏らす。

「どうしたのよ? 顔見知り?」

 その様子にレミリアは疑問を投げかけた。

「はい。それに二人ならパチュリー様への応急処置も可能でしょう」

 その言葉にレミリアは顔を上げた。

「それはいいこと聞いたわね・・・・・・。殺さなくて正解だったわ。それで、そっちは?」

 美鈴は先ほどのことを全てそのままレミリアに伝える。彼女は美鈴の言葉に一度眉を動かしただけだったが、すぐに美鈴にパチュリー達の元へ行くように命令した。

「そしたら全員を速やかにここから脱出させなさい。私も地下にいるフランドールを連れて出てくるわ」

「だ、脱出ですか? 分かりました」

 美鈴は困惑しながらも了承した。二人はそれぞれ、向かうべき道に走っていった。


 午前3時30分。



 第26話に続く・・・・・・
 
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