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ソードアート・オンライン 蒼藍の剣閃 The Original Stories

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SAO編 Start my engine in Aincrad
Chapter-10 すべての終わり
  Story10-4 越えられない壁

第3者side


茅場が右手の剣を軽く床の黒曜石に突き立てると、高く澄んだ金属音が周囲の空気を切り裂く。

「チャンスをあげよう。

無論不死属性は解除する。

私に勝てばゲームクリアされ、全プレイヤーがこの世界からログアウトできる」

その言葉に反応したキリト。

「いいだろう」

キリトが剣を抜こうとした時、シャオンが前へ出た。

「悪いな、キリト。俺がやる。
たぶん、あいつのオーバーアシストと互角に戦えるのは俺だけだ」

シャオンはキリトに言い、愛剣に手をかけた。

「シャオン、死ぬなよ」

「シャオン君、絶対に死なないで!」

「シャオン君、フローラを悲しませたら私、絶対に許さないからね!」

「そう簡単には倒れるつもりはないから、安心しなよ」

「「シャオン!」」

クラインとエギルだ。



「2人ともいろいろと世話になったな」

「馬鹿野郎!なに死ぬ奴のセリフいってんだよ!」

「向こうに戻ったら店のメニューなんでもおごってやる。だから死ぬなよ!」

「ああ。次は現実で、だな」

シャオンは茅場に目を戻し、一言だけ言った。

「ヒースクリフ、悪いが、1つだけ頼みがある」

「何かな?」

「負けるつもりは全くない。
でも、もし俺が死んだら、しばらくでいい、フローラたちが自殺できないようにしてくれ」

茅場は意外そうに片眉をぴくりと動かしたが、無造作に頷いた。

「良かろう。彼女らはしばらく22層の君らの家から出られないように設定する」

「シャオン君!そんなの、そんなのないよーっ!私、君がいないなら、生きていても意味なんてないよー!」

フローラが叫ぶように言った。


――ごめんな、フローラ。俺は、やっぱりみんなに生きていてほしいんだ


茅場はウインドウを開き、シャオンと自分以外の人間を麻痺にした。

「邪魔が入っては困るのでね。

私は邪魔が入られるのが一番嫌いなのだよ」

そして茅場が左手のウインドウを操作し、シャオンたちと己のHPバーを同じ長さに調整した。

次いで、茅場の頭上に【changed into mortal object】
不死属性を解除したシステムメッセージが表示される。

茅場はそこでウインドウを消去すると、床に突き立てた長剣を抜き、十字盾の後ろに構えた。

「さぁ、行くぜ、ヒースクリフ…………茅場晶彦!」

シャオンは背中から再び愛剣を抜き、地面を蹴り飛ぶように走りだした。



















◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆














果てしない剣の打ち合いがずっと続いていた。

シャオンは剣を振り、その合間にヒースクリフが一撃を加える。


ガキン ガキン ガキン



SEED Mode-Acceleration状態のシャオンはとても速い。

しかし、ヒースクリフの防御力も圧倒的だ。

「うおおおっ!」

「ふん!」

シャオンは己の剣を振り続け、ヒースクリフは防御しつつ攻撃する。

――弄ばれてるのかっ…………

くそっ…………このままじゃ…………

「うおおおおおおお!」

しびれをきらしたシャオンは最大級の一撃、連二刀流スキル75連撃技〔スターライト・ライジングアクセレア〕を放った。





しかし、シャオンの連二刀流スキルを考えたのは茅場晶彦。

ヒースクリフの口元には笑みがあった。

剣はヒースクリフの盾に弾かれていく。


――しまった…………

そして、最後の一撃が盾にむなしくあたった。



SEED Mode-Accelerationで技後硬直はすぐに解けた。

だが、ヒースクリフのオーバーアシストの速さに対応しきれないシャオン。



「ぐあっ…………かはっ…………うああっ…………」


シャオンをヒースクリフの剣が切り裂いていく。


「ふんっ!」

「ぐあああああっ! 」

ドガッ

「ぐっ…………」

バタン


シャオンは一撃でBoss部屋の端まで飛ばされ、倒れた。



かろうじてHPは残っている。


が、気を失ってしまった。




そして、ヒースクリフはシャオンに歩み寄る。

「これで終わりだ…………シャオン君」

シャオンの頭上にヒースクリフの剣が振り下ろされ…………










なかった。



フローラが剣で防いだのだ。

「シャオン君は私が守る…………」

「ふむ、どうやって麻痺から回復したのか知らないが、1対1の邪魔をするのはやめてもらおうか」

「ここは絶対にどかない…………はああっ!」

フローラはなんとかヒースクリフをシャオンから遠ざけた。

「しょうがないな…………システムコマンド、ペインアブゾーバをLv4にダウン。

これでも立ち向かってくるかな?」

「私が守らなきゃ…………いけないの!」

そういったフローラの足は震えていた。

「はああっ!」

「ふんっ!」

フローラの剣とヒースクリフの剣が交差した。


しかし、フローラの力ではヒースクリフにかなわない。




やがて、力負けしたフローラの右肩にヒースクリフの剣が斬りつけた。

「きゃああああああ!」

フローラは悲鳴をあげる。




よろめくフローラに盾で突きを放ち、フローラは吹っ飛ぶ。

「ぐうう…………」

ヒースクリフは再び接近し

「シャオン君の代わりに、受けてもらおうか」

フローラを斬り飛ばした。

「いやぁぁぁ!」

フローラは精神的にボロボロになっていた。

「…………シャオン君…………」

「ふんっ!」

「うあっ…………」

ヒースクリフの剣がフローラの右肩を深々と貫き、その剣が抜かれた。


――シャオン君、ごめんね……私、君を守るって約束したのに…………

再びヒースクリフがフローラを斬りつけた。

「きゃああああ!」



その声はシャオンの意識を覚醒させた。



シャオンが見たのは、服もボロボロになり、泣きながら剣を構えるフローラと非情な攻撃をするヒースクリフ。


「フローラ…………」

「大丈夫だよ…………私は、君を、守るから…………」

「大丈夫じゃないだろ!下がれ!」

「シャオン君……気にしないで…………」

「ふんっ!」

「きゃああああ!」

「くっそぉぉぉぉぉ!」

シャオンはヒースクリフに攻撃を仕掛けた。

「ふん!」

ガキン バコーン

しかし、力が足らず、再び吹き飛ばされる。

「くそ、意識が…………」

「だめ、体が…………」

バタン


シャオンとフローラはその場に倒れてしまった。















Story10-4 END 
 

 
後書き
シャオンとフローラが大ピンチ…………

どのようにして切り抜け、倒すのか…………
それとも…………

どうなるのか、次回もお楽しみに 
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