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ザンネン6……何か悪いの?

作者:sou×yuki
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一話



「グランツェーレ都市学園」………将来的士官を育成するところで、今現在、模擬戦が行われていた


「俺、一機で片づけてやる!」

「私も行くのら~」

「アサギ……タマキも」

「勝手に行かないでください!」

一機だけが突っ込んで行き後ろの三機が追いかけると敵はチームワークがよく四機に練習用のペイント弾を連射し四機にあたる。これに当たれば撃墜になる

「「「「撃墜されました……」」」」

遠距離の他の二機のパイロットは呆れてしまっている



「そもそもお前が突っ込んだのが悪いんだろ?」

「なんだと!」

ピットに戻るやいなや、アサギ・トシカズとスルガ・アタルが喧嘩を始めてしまう

「や、やめれ~!?」

「放っておきなさい。」

そして喧嘩を止めようとしている少女、イリエ・タマキと、二人を放っておくクギミヤ・ケイである。

「はぁ~」

二人の喧嘩を呆れてみているマヤ・ヤマト。
そんな中で一人だけ、その光景を描いている人物がいた。

「マヤ、これどうかな!」

チーム一のヒーローマニア、ヒタチ・イズルはスケッチブックに描かれた
二人の喧嘩の場面をマヤに見せる。

「いや、どうといわれてもね………」

マヤは返答に困ってしまう。その時、


ペシンッ

と、鞭のような音が聞こえたかと思うと、背後に教官のスズカゼが鬼のような形相
で立っていた。それを見たチームラビッツは、サアーッと顔が青ざめる。

◇マヤ

私は食券を買い、受取口から食事を受け取る。
チームのみんなとはうまく付き合えていないところがあるから一人で食事しようとしたのですが

「マヤ~一緒に食べようよ~♪」

と、タマキが手を振ってくる。

「う、うん………」

仕方なく私は、タマキとケイのいるテーブルに移動する。

「どうしたの、元気無いわよ?」

「いえ……何でも無いです」

正直私、人と話すの大の苦手なんですよね。『ザンネンコミュ障』って言われる程に……

タマキはスピードはトップクラスなのだが、何度も男に告白しては
振られる、残念恋愛少女である。

「タマキ、よくさっき告白できたわね?」

「運命感じたんだもん!」

と、タマキはイカ塩辛の乗った特盛ごはんにがっつく。

「・・・でさ、その銃の手触りが、まるで君の肌のようなんだ。」

後ろではスルガが食堂の若い女性スタッフにミリタリーの解説をしていた。
スルガは遠距離系に優れているが、誰もがうざいと思うほど兵器の説明
をしまくる、残念ミリタリーオタクである。

「食べ終わったら、容器下げといてくださいね?」

・・・まあ相手にはされなかったが。

「・・・何描いてるのイズル?」

いつの間にかイズルが、隣の席で漫画を描いていた。

「テーマは『愛と正義』で。」

「いや、テーマじゃなくて・・・。」

イズルに漫画を見せられ、私とアサギはため息を吐く。
イズルは集中力に長けているのだが、ヒーローに憧れており、
いつも下手な漫画を描いている残念ヒーローマニアである。

「にしてもさ、ウンディーナが落ちたらどうなるんだろうな?」

と、席に座ったスルガが言い出す。

「相当やばいんじゃないの?」

「ウルガル・・・異星人なのかねえ・・・。」

「でも私たちが駆り出されるのはまだ先でしょ?」

「私の恋が実るのとどっちが先かなあ?」

「実ってるのは胸だけでしょ?」

ケイに毒舌を吐かれ、タマキはしょげる

『チームラビッツ。至急ゲート0131に集合。』

と、スピーカーから知らされる。

「ゲート0131って、外宇宙用のゲートじゃ・・・。」

「俺等どっかに島流し!?」

「まさか・・・!」

「せっかくペンが走ってたのに・・・。」

「おい、イズル・・・。」

一人だけ場違いな発言をしたイズルを、アサギはツッコむ。




0131と赤い文字で書かれた鋼のゲートの前に呼び出された六人が集合すると、まるで計ったようなタイミングでゲートが開いた。

 私達を迎えたのは、片目を髪で隠した金髪の女性教官と、鋼のバイザーで目を隠した、壮年の男性。そして、ゲート内を走るモノレールだった。

(スズカゼ教官に……シモン総司令?)

私は、目の前にいる人物に内心驚いていた。
片目を隠した金髪の女性――スズカゼが呼び出すならともかく、もう一人の壮年の男性――シモンに呼ばれたということ、それどころか実際に会うこと自体初めてなのだ。驚くのは当然だろう。

「早く乗りなさい」

その先に、巨大な戦艦が見え、
全員が呆気にとられる。それから八人は、ある場所に移動する。

「「「「「・・・・!」」」」」

「すごい・・・!」

その場所に入り、イズルたちはさらに驚く。そこには六機のロボットが
整備されていたからだ。赤、青、黄色、薄紫、薔薇色、黒、それぞれ
形状の異なった、個性的な外見を模していた。

「・・・六機あるんだけど・・・。」

「分かってるわよ。」

「チームラビッツ、君達はこれから、ウンディーナ方面
 に出撃する。」

と、シモン司令の口から告げられる。

「作戦はゴディニオンに搭乗してから説明する。」

「あの、僕達この機体に乗るの初めてなんですけど・・・。」

「基本操作は訓練機と変わりない。むしろ操作しやすいはずだ。
 操作精度を上げるジュリアシステムがあるのだからな。」

「なお、君達のDNAはすでにジュリアシステムに組み込まれている。」

その言葉で、六人はさらに困惑する。

「フォーメーションを発表する。ガンナー・スルガ、コントロール・ケイ、
 ブースター・タマキ、フォワード・アサギ、リベロ、マヤ。」

「(リ、リベロ・・・?)」

リベロという言葉に、私は困惑する。

「リーダーは・・・ヒタチ・イズル、お前がチームリーダーだ。」

「僕?」

「「「「「(イズルがリーダー・・・?)」」」」」

イズルはキョトンとし、他の五人は不安を抱くのだった。

続く 
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