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小説小ネタ倉庫

作者:龍牙
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ハイスクールD×D 〜加速の戦士と銀河の覇者〜 二話

 ロイミュードは元々開発者の憎悪が天使、悪魔、堕天使の三大勢力を滅ぼし、人間を守る為に生み出された人工生命体。幹部達の思考の根本には人間の犠牲をゼロに抑えるという事を最善と刷り込まれている。

 だが、逆を言えばその思想は108まで存在するロイミュードの中で開発者の手により直接起動した№003までにしか刷り込まれていない思想である。他のナンバーを持ったロイミュード達は『死ななければ良い』と言う程度の考えしか存在して居らず、仲にはそんな論理感さえ持たない者も居るのも事実である。
 正しく評価してしまえば、『幹部=例外を除いて人間を襲わないロイミュード』と評しても良い位だ。そんな幹部であっても殺しはしない物の、人間を襲う場合は存在する。その例外となる例は人外の存在を知って人外に味方する人間……天使に使えるエクソシストや堕天使に拾われたはぐれエクソシストがそれに当たる。

 その為にグローバルフリーズの際に全てのロイミュードが行動した中で出た人間に対する犠牲者は全てが、例外を除いて幹部以外のロイミュードの手によって引き起こされた物である。

「ほら」

「うん、ありがとう」

 四季の手で支えられた立ち上がる詩乃。グローバルフリーズの際に目の前でロイミュードに家族を殺された際に彼女にも時折両足に麻痺が起こる様になった。そんな状況で詩乃の命が助かったのにも理由がある。

 そんな中に彼女の中に生まれていた心の闇、過去を忘れる為に強くなりたいと言う思いを闇のエージェントに利用され、四季の変身したギンガと彼女の操る『ジャンキラー』との激闘が起こった。
 その時には四季の自分の気持ちを一撃によってダミースパークだけを破壊、機能停止したジャンキラーは『ジャンナイン』として生まれ変わり、新たに送られた闇の支配者の刺客、『ティガダーク』と巨大化した闇のエージェントである『バルキー星人』をギンガと共に倒し、ティガダークを『ウルトラマンティガ』に戻す事に成功したのだった。

 その後に起こった闇に染められた『ウルトラマンダーク』と『ウルトラセブンダーク』との戦いや、『グランドキング』との戦いの中で告白する事になり、正式に恋人になったわけだが、姿を表した闇の支配者『ダークルギエル』との月面での決戦には決着をつけることが出来ず、三人の闇のウルトラマンを盾にする事でギンガの必殺技を防がれ、逃げられてしまった。
 その際に『ウルトラマンエース』、『ウルトラマンジャック』、『ゾフィー』のスパークドールズの回収には成功したが、これまでの事を考えるとウルトラマンのスパークドールズも多くダークルギエルの手に堕ちていると考えた方が良いだろう。

(……ダークルギエル、あいつは……)

 『ギンガに似ていた』、そんな考えを飲み込む。正反対の力と同じ形をした武器を持ったその姿は何処かティガダーク達と同じく闇に染まったギンガを連想させた。

(ったく、ロイミュードの事だけでも大変だって言うのに)

 未だに何処かに潜んでいる闇の支配者ダークルギエル。今は大人しくしているが、何れスパークドールズから新たな闇のエージェントも送り込んでくるであろう事は簡単に想像出来る。事実、頻度こそ下がっているが怪獣が出現しているのだ。
 そして、徐々に活動を再開し始めたロイミュード達。……特に一般のロイミュードによる社会への被害も出始めている。

 ロイミュードとダークルギエル。二つの大きな敵が存在しても社会は、世界は何も変わっていない。いや、変わらせてはいけないと言い換えるべきだろう。その為に四季が居るのだから。





 そんな休日の昼間、四季と詩乃の二人は買い物に出ていた。まあ、残念ながら二人っきりと言うわけでは無く、ベルトさんとタロウの保護者コンビも一緒だが。

「取り合えず、“どんより”は来てないようね」

「ああ」

 内心で『ある程度幹部が抑えているだろうし』と考える。グローバルフリーズで起こった時間が凍り付いたように動かなくなる。と言うよりも意識がはっきりとしていながら、体だけが動かなくなると言う現象。
 自分達が動けない中で怪物……ロイミュード達が我が物顔で自由に動き回っている姿を多くの人々が目撃した事から、専門家はその現象を重加速と名付けた。
 ギンガの力を手にした頃と同時期にその重加速現象が再び引き起こされたため、学者や警察、政府が協力、重加速や怪獣に対応する為の組織を作っているそうだ。

『怪獣に対抗する組織か』

「そう言えば、タロウは元々そんな組織に所属して居たんだよな」

『ああ。彼等の仲間だった頃の事は今でも鮮明に覚えている』

 時折聞かせてもらっているタロウの過去の戦い……冒険の記憶。四季にしてみればワクワクするもので、ベルトさんにとっては興味深いものである事は確かだが、どうも詩乃にだけは評判は良くない。

『だが、私が気になるのは見たことの無い“ウルトラマン”だ』

『ああ、あの黒いウルトラマンの事だね』

『その通り。味方だとは思うのだが……』

 タロウの言葉にベルトさんが続ける。ギンガとは違うもう一人の怪獣と戦う見た事の無いウルトラマンの存在が確認された。

『おや、あれは?』

「人が倒れてる……っ!? なんだ、これ!?」

 ベルトさんが目の前に人が倒れているのに気付き、四季が倒れている人にかけよると思わず驚きを露にする。

「何が……これって!?」

『皮膚が真っ赤に染まっている。これは、まさか……』

 四季に続いて駆け寄ってきた詩乃とタロウがそんな声を上げる。目の前に倒れているのは皮膚が真っ赤に染まっている人間。

「……脈は有る、生きてはいるみたいだ。……だけどこれは」

 『ロイミュードの仕業』と言う言葉を飲み込む。

「詩乃、警察と救急車を……これは?」

 詩乃に警察への連絡を頼むと、男の近くに何かの切れ端が落ちていることに気付く。スマートフォンでそれを撮影すると、その瞬間に二人の体が鉄の塊になった様に動きが鈍くなる。

『大丈夫か!?』

 元々平気なのか、スパークドールズと言う姿に帰られている為なのか分からないが、重加速の影響下に無いタロウがそんな声を上げる。

『拙いぞ、どうやら犯人はまだ近くに居るみたいだ』

「ああ、そうみたいだな」

「四季、あれ!」

 詩乃が顔を向けた先に居るのは、重加速の中を平然と歩いている男の姿。

「また見つけられたな、中々生きの良い人間だ」

 そう言って男は怪物、ロイミュードへと姿を変えて四季に近付いていく。

「生きが、良い?」

『まずい、シフトカーズ! 集合!』

 男の言葉を疑問に思っているとベルトさんがそう言ってミニカーみたいな車達が幾つも現れ、ロイミュードに攻撃を仕掛ける。更にオレンジの車が四季のポケットに入った瞬間、

「悪い、ベルトさん、助かった!」

 シフトカーの能力の一つに人間を重加速の中でも活動させる力が有る。素早くギンガスパークを取り出してスパークランスの形へと変えてロイミュードへと突きつける。

「ええい! 鬱陶しいヤツラだ!」

 そう言ってロイミュードは光弾を放ち姿を消す。後に残されたのは四季と詩乃と皮膚が赤く染まった男だけだ。

『四季、君はまだドライブになる気は無いのか?』

「ああ。オレにそんな資格は無い」

 ドライブに初めて変身した時に気付いた己の罪。

「だって、あいつらを作ったのは……詩乃の家族を奪った奴等を産み出したのは」

「四季」

 師漸と握り締めた手からは血が出るほどに爪が食い込む。そんな彼の横顔を見つめながら詩乃は不安げに彼の名を呼ぶ。

「オレの父さんだろ」









 
 

 
後書き
ギンガとドライブに変身する四季が個人のチームなのに対してマッハ、ビクトリーに変身する人は組織の一員です。
そして、四季くんの設定その1、ロイミュードの開発者は実の父親だったりします。 
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