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リリカルアドベンチャーGT~奇跡と優しさの軌跡~

作者:setuna
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第二十五話 パートナー

 
前書き
大輔達が異世界のデジタルワールドに。
フェイト「リリカルアドベンチャー、始まります」 

 
[はやて~]
はやて「う~ん…」
気絶しているはやては耳元から聞こえる声に身じろぎする。
[は~や~て~っ!!!!]
はやて「は、はいぃぃ!?」
耳元で叫ばれて、はやては飛び起きた。
[オッス!!]
はやて「ど、何処や!?」
[オラ此処にいっぞ?]
はやて「へ?」
はやてが下を見ると紅い小さな生き物がいた。
はやて「き、君…何モンや?」
[オラはナニモンじゃなくてギギモンだ。オラははやてのことをずっと待ってたんだぞ?]
はやて「私を…?」
ギギモン[ああ]
ギギモンが明るく笑った。
はやてはギギモンを抱き上げるとあることに気づいた。
はやて「あ…」
はやては車椅子ではなく自分の足で立っていたことに。
ギギモン[どうしたんだ?]
ギギモンがキョトンとはやてを見つめる。
はやて「ううん、何でもあらへん。」
はやては初めて立てたことの喜びを噛み締めながらギギモンに尋ねる。
はやて「ところでギギモン。賢兄達知らへん?」
ギギモン[賢達のことか?賢達なら向こうにいっぞ!!]
ギギモンははやての腕から飛び出ると、跳ねながら進んだ。
はやて「…でもギギモン、何で東北弁なんや?」
ギギモン[オラ、生まれた時からこういう喋り方だから分かんねえや!!]
ギギモンが明るく笑いながら言う。
はやてはゆっくりと歩きながらギギモンを追った。


































しばらく歩くと賢達を見つけた。
はやて「賢兄!!皆~!!」
はやての声に反応して、賢達はこちらを向いて、目を見開いた。
アリサ「あ、あんた…」
賢「歩けるようになったのか…?」
はやて「うん!!何や知らへんけど歩けるようになったんよ!!」
すずか「よかったね、はやてちゃん!!」
はやて「うん!!」
大輔「さて、これで全員集まったな?」
フェイト「紹介するね。この子はチビモンだよ」
チビモン[私チビモン!!よろしくね~]
チビモンはフェイトに抱き抱えられながら元気よく挨拶した。
なのは「可愛い~!!私のはツノモンって言うんだよ!!」
ツノモン[ツ、ツノモンです…]
モジモジしながら挨拶するツノモンに大輔は思わず笑みを浮かべた。
アリサ「私のはサンモンよ」
サンモン[俺、サンモン!!よろしくな!!]
少し生意気そうだが元気よく挨拶するサンモン。
すずか「ムンモン、恥ずかしがらなくてもいいのに…」
ムンモン[だ、だって…]
恥ずかしそうにすずかの足元に隠れるムンモン。
はやて「私の子はギギモンや。何でか東北弁やけど。」
ギギモン[オッス!オラ、ギギモン!!]
はやての腕の中で元気よく挨拶するギギモン。
そしてユーノのパートナーはツカイモンだったらしく、ツカイモンはユーノの頭に乗っている。
ツカイモン[私で最後か…ん?アリシアはどうした?]
大輔「何?」
大輔が辺りを見回すと確かにアリシアの姿が見えなかった。
大輔「フェイト、アリシアは?」
フェイト「え?」
フェイトも目を見開いて辺りを見回すがアリシアの姿は何処にもなかった。
アリサ「アリシアは何処に行ったのよ!?」
アリサが探しに行こうとしたが、大輔に止められる。
大輔「1人で行動しない方がいい。ここは纏まって行動しようぜ」
大輔の言葉に全員が頷いた。
全員が足を動かそうとした時。
アリシア「皆~!!」
アリシアの声に全員が後ろを向くと、全員が目を見開いた。
アリシア「ニャロモン!!急いで急いで!!」
ニャロモン[ちょ、ちょっと!私を置いてかないで!]
アリシアとニャロモンが巨大な紅い鍬形虫に追われていた。
はやて「な、何やあれ!?」
ギギモン[あいつはクワガーモン…凄え強え奴だ]
ギギモンが何処か嬉しそうに言う。
アリサ「あれもデジモンなの!?」
大輔「ああ、成熟期のデジモンの中でかなり狂暴なデジモンだ!!ブイモン!!デジメンタルアップ!!」
ブイモン[おう!!ブイモンアーマー進化!]
クルクル回り始め、ブイモンが叫ぶ。
しかし……それだけ。
ブイモン[燃え上がる勇気!フレイドラ…あれ?]
身体はブイモンのまま、フレイドラモンに進化していなかった。
大輔「……進化…出来ない?」
呆然とした様子で大輔は呟いた。
賢「ワームモン!!」
ワームモン[ワームモン進化!スティングモン…え!?]
ワームモンもクルクル回り始め、ワームモンが叫ぶ。
しかしスティングモンに進化出来なかった。
賢「そ、そんな…」
大輔「もしかして…」
ユーノ「まさか戦えないんですか!?」
ツカイモン[どうやらそのようだ。逃げるぞ!!]
子供達が一斉に逃げ始める。
クワガーモンも子供達を追い掛ける。






























大輔「しまった!!」
先頭を走っていた大輔が急に足を止めた。
目の前に広がるのは断崖絶壁。
下を覗いて見るが、遥か下の方に川が流れているだけで、とても降りられそうにはなかった。
ブイモン[こうなったら…]
ワームモン[戦うしかない!!]
ツカイモン[私も同意見だ。]
成長期3体が前に出る。
フェイトとなのはもデバイスを起動させようとしたが、レイジングハートもバルディッシュも反応しない。
ユーノ「起動しない…?何故…?」
賢「多分。僕達がデータになったからだよ。データの状態じゃあ魔力は使えないし。デバイスも反応しない。」
フェイト「そんな…あっ、チビモン!?」
チビモン[フェイトは私が守る!!]
フェイトの腕の中から飛び出たチビモンが小さい両腕を広げてクワガーモンを睨んだ。
他の幼年期のパートナーデジモン達も戦闘体勢に入った。
ブイモン[ブンブンパンチ!!]
ワームモン[ネバネバネット!!]
ツカイモン[ふわふわアタック!!]
3匹の攻撃が直撃し、クワガーモンは怯んだ。
幼年期達も体当たりや泡を吐いて攻撃するが、弾き飛ばされてしまう。
なのは「ツノモン!!」
アリサ「馬鹿!!どうして無茶したのよ!!」
なのは達がパートナーに駆け寄る。
サンモン[俺達は…戦わなきゃいけないんだ…]
ムンモン[私達…ずっとすずか達のこと待っていた…]
ニャロモン[だからこんなところで負ける訳にはいかないの]
チビモン[絶対に負けない…!!]
ツカイモン[その通りだ]
ワームモン[こんなところで負ける訳にはいかないよね…!!]
ブイモン[行くぞ!!]
ブイモン達が再びクワガーモンに向かっていく。
チビモン達も後に続いて向かっていった。
フェイト達は先程までパートナーを抱いていた手を握り締めた。
力にならないかもしれないけれど、少しでも彼らの力になれたらと、子供達は名前を呼んだ。
巨大な敵に立ち向かう、パートナーの名前を。
アリシア「ニャロモーン!!」
すずか「ムンモン!!」
なのは「ツノモーン!!」
はやて「ギギモーン!!」
アリサ「サンモンっ!!」
フェイト「チビモーン!!」
フェイト達が声を大にして叫んだ。
その時。
天から6つの光が降り注ぎ、デジモン達を包み込んだ。
チビモン[チビモン進化!ブイモン!!]
サンモン[サンモン進化!コロナモン!!]
ギギモン[ギギモン進化!ギルモン!!]
ツノモン[ツノモン進化!ガブモンX!!]
ムンモン[ムンモン進化!ルナモン!!]
ニャロモン[ニャロモン進化!プロットモン!!]
大輔「進化した…!!」
大輔が目を見開くと成長期に進化したチビモン達はクワガーモンに向かっていく。
プロットモン[パピーハウリング!!]
プロットモンが高音の鳴き声でクワガーモンを金縛りにする。
ルナモン「ティアーシュート!!」
クワガーモンにルナモンが力を額の触覚に集中し、綺麗な水球を放った。
ギルモン「ファイアーボール!!」
追撃にギルモンも口から火球をクワガーモンに向けて放ち直撃させた。
ピコデビモン[ネバネバネット!!]
ガブモンX[プチファイアーフック!!]
ワームモンの糸とガブモンXの炎を纏った拳がクワガーモンに直撃する。
ツカイモン[ふわふわアタック!!]
コロナモン[コロナックル!!]
ツカイモンの体当たりとコロナモンの炎を纏った拳を脳天に浴びて体勢を崩す。
ブイモン、ブイモン(F)[[ダブルブイモンヘッド!!]]
とどめとばかりに2匹のブイモンはクワガーモンに渾身の頭突きを繰り出した。
クワガーモンは吹き飛ばされて森の奥へと消えて行く。
大輔「よっしゃあ!!」
ユーノ「勝った!!」
チビモン[フェイト~!!]
チビモンはブイモンから退化するとフェイトに抱き着いた。
フェイト「あれ?もう戻っちゃったの?」
チビモン[だってあの姿じゃフェイト、私のこと抱っこ出来ないでしょ?]
フェイト「え?あ…」
確かにいくらフェイトが鍛えていてもブイモンを長時間抱っこするのは正直きつい。
なのは「でも凄かったね!!私興奮しちゃった!!」
ガブモンX[俺、強かったでしょ?]
なのは「うん!!」
大輔「これがガブモン…?ヤマトさんのガブモンとは全く違う…」
賢「多分、他のツノモンとは全く違う特別な進化を遂げたんだと思う。パートナーのなのはに相応しいように…一種の突然変異みたいなものかな…」
はやて「ギギモン!!」
ギルモン[今のオラはギルモンだぞ]
はやて「ああ、そやった。格好良かったで、ギルモン!!」
ギルモン[へへ~]
コロナモン[ま、ざっとこんなもんだな]
アリサ「凄いじゃない」
コロナモン[当たり前だろ?俺はアリサを守るために生まれたんだからな]
ツカイモン[…どうやら皆は仲良くなれたようだ。]
ブイモン[ん…そのようだな…っ!!]
ブイモンが森の方を見た瞬間、表情が凍りついた。
そこにはボロボロになりながらも森からこちらへ向かってくるクワガーモンの姿があった。
クワガーモンは勝てないと判断したのか、その大きな顎鋏を勢いよく地面に突き立てた。
地面は罅割れ、ガクンと地面が揺れる。
次の瞬間、真っ二つに割れた地面は子供達とそのパートナーを乗せて真っ逆さまに落下した。
子供達の悲鳴が辺りに響き渡る。
そして、子供達の冒険は始まった。
































そして、八神家ではダスクモンが闇に紛れながら空を見上げていた。
ダスクモン[む…?]
「どうしたダスクモン?」
桃色の髪の女性がダスクモンの気配の異変に気付き、声をかけた。
「何かあったのか?」
「何か問題でも?」
朱色の髪の少女も金髪の女性も訪ねてくる。
ダスクモン[いや…一瞬だけだが…空間の歪みが見えた]
「歪みだと?」
ダスクモン[ふっ、いかに永い時を生きてきた守護騎士とはいえ、こればかりは分からんだろう]
「…その歪みに何を見た?」
ダスクモン[ここではない世界…としか言えんな]
それだけ言うと完全に闇に紛れて、気配を絶った。
「あ、いなくなった。いいのか?シグナム?」
シグナム「構わないヴィータ。いずれは奴の方から話してくれるだろう。」
朱色の髪の少女、ヴィータに問われたがシグナムは首を横に振って答えた。
ヴィータ「ああ、それにしても腹減ったなあ…シャマル、はやて何か作り置きしてくれたっけ?」
シャマル「ええ、私が作るって言ったんだけど、賢君や遼君に叩き出されちゃって」
ヴィータ「(グッジョブ!!賢&遼!!)」
ヴィータは胸中で歓喜した。
何せシャマルの料理の腕は殺人級にまずいために食べるのは少し…否、かなり遠慮したい。































そして聖王教会では、一輝がカリムに料理を出していた。
一輝「カリム、お前茶碗蒸しって知ってるか?」
カリム「茶碗蒸し…?あの卵を蒸した料理ですよね?前に大輔さんにご馳走になりました。今では和食にはまっています。」
一輝「よし、なら話は早い。茶碗蒸しには普通、三ツ葉、干し椎茸、銀杏、ユリ根、蒲鉾、鶏肉、白身の魚、小海老、焼きアナゴ、貝とかを具にしている」
カリム「?はい」
一輝「だがな、北海道…地球では住む場所に応じて具が違う。例えば北海道の場合、銀杏の代わりに栗の甘露煮が入っている。作ってみたから食ってみ?」
カリム「あ、本当に栗が入ってます…頂きます」
茶碗蒸しを一口食べるカリム。
カリム「あ、大輔さんにご馳走になった茶碗蒸しと比べれば甘いですけど美味しいです」
一輝「この甘さが常識なんだ。北海道では」
カリム「?」
一輝「俺は…前に栗の甘露煮入りの茶碗蒸しを食って以来…、茶碗蒸しはこれじゃなきゃ駄目な身体になってしまった…!!」
カリム「そ、そうなんですか!!?」
一輝「しかも、それだけじゃない…北海道では赤飯に甘納豆を使い、アメリカンドッグには砂糖を塗す!!」
カリム「せ、赤飯に甘納豆…アメリカンドッグに砂糖…ですか!!?」
一輝「あれは本当にメジャーじゃないのか?あんなに美味いのに…!!」
シャッハ「一輝様…少しお疲れなのでは…?」
少し一輝の気迫に引きながら、問い掛けるシャッハだったが、北海道の食べ物の語りはまだまだ尽きなかった。 
 

 
後書き
実際に自分は甘党なので茶碗蒸しは栗派です。
北海道の茶碗蒸しと赤飯、砂糖かけアメリカンドッグが食いたくなってきた…。 
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