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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十四話 今度はメイドさん、本当に色々な人が来るその七

「若しくは大事なところをね」
「そこをなの」
 何処かは言うまでもなかった、皆の顔が戦慄になっていたのが見えた。
「切られるの」
「ベトナム女は怒ったらそうするのよ」
「切り取っちゃうのね」
「そうした事件が時々怒るから」
「ベトナムの女の人って本当に怖いのね」
「この話冗談じゃないから」
 僕が一番この話で怖がっていたと思う、男としてそうされることが怖くて仕方ない人はいないと思う。まさに最大の恐怖だ。
 そしてその恐怖をだ、ベトナムの女の人はというのだ。
「ダエの近所でもあったから」
「切り取る事件が、なのね」
「日本じゃないの?こうした事件」
「あったよ」
 僕は蒼ざめた、それが自分でもわかっている顔で答えた。
「実際にね」
「やっぱりね」
「確か戦前だったかな」
 阿部定事件だったと思う、その事件の名前は。ただ僕はこの事件について詳しくはない。少し聞いただけだ。
 だjからだ、こうダエさんに話した。
「そうした事件あったらしいよ」
「その口調だと珍しい事件みたいね」
「日本だとね」
 実際にそうだとだ、僕は答えた。
「珍しい事件だよ」
「そうなのね」
「いや、切り取るとかね」
 やっぱり僕は蒼ざめた顔で言った。
「普通しないから」
「日本人って大人しいのね」
「アメリカでもないヨ」
「中国でもある」
 ジューンさんと水蓮さんも蒼白の顔でダエさんに言った。
「旦那や彼氏が浮気してもネ」
「そこまではしないある」
「というか切り取るなんてしたラ」
「もう血塗れあるよ」
「実際に辺り一面血だらけになるらしいね」
 ダエさんだけが普通に話す。
「切られたら」
「それを普通にするベトナム人が怖いヨ」
「信じられないある」
「アメリカの女も強いけれどネ」
「中国もあるが」
 どっちも恐妻家が多い国らしい、日本の女の人はまだ大人しいということか。少なくとも切り取ることはしない。
「包丁は出てモ」
「切り取るまではしないある」
「やっぱりベトナムの女の人って強いのかしら」
 ジューンさん達に言われてだ、ダエさんもやっとこう思った。
「話を聞くと」
「そう思うよ」
 僕もこう答える他なかった。
「そこまでするからにはね」
「多分ね、けれどフィリピンはメイドさんだね」
「ええ、そうよ」
「覚えておくよ、このことは」
「さて、それじゃあね」 
 イタワットさんが笑顔で言って来た、話が一段落したところで。
「今日の晩御飯楽しみにしてるわね」
「今日の晩御飯も楽しみですね」
 早百合先輩がにこりと笑って言う。
「美味しい食べものは音楽を育ててくれます」
「あっ、そうなんですか」
「元気が出ますので」 
 それでとだ、先輩は僕に答えてくれた。 
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