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カウボーイスタイル

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第二章

「まだな」
「じゃあそれでいいな」
「ターキーとケーキはどうするんだ?」
「ああ、その二つな」
「この二つないとクリスマスじゃないだろ」
 それはとても、というのだ。
「ついでに言えばワインもな」
「どれもないな」
「じゃあやっぱり最悪だろ」
 そうしたクリスマスだというのだ。
「その三つないんならな」
「そうだな、店に買いに行くにもな」
 テキサスの広い牧場だ、街からかなり離れた。それこそ街に行くにはだ。」
「車飛ばして二時間だぜ、街にも」
「じゃあ街まで一旦行ってな」
「それからか」
「ああ、俺の部屋に戻ってな」
 そうして、というのだ。
「楽しもうぜ」
「やっぱり最悪のクリスマスだな」
 往復で四時間も手間をかけてからのクリスマスだからだ、やはりそう思えるのだった。そうしたことを話していると。
 ここでだ、二人のところにだ。
 牧場のオーナーが来てだ、二人に言って来た。
「二人共今夜予定あるか?」
「それがないんですよ」
「それでどうしようかって今話してたんですよ」
 二人はオーナーにすぐに答えた。
「折角のクリスマスですけれど」
「どうしようかって」
「ああ、予定ないんならな」
 それならとだ、オーナーは二人に言った。
「今日の夜の牧場番してくれるか」
「当直ですか」
「それですか」
「ああ、どうだ?」
 こう言うのだった。
「当直だから酒はアウトだがターキーとケーキはあるぜ」
「その二つがですか」
「あるんですか」
「当直室にはツリーも飾った」
 クリスマスツリーもだというのだ。
「だからどうだ?」
「今夜の当直は、ですか」
「俺達で」
「リーとマクドネルが急に出て行かないといけなくなったんだ」
 今日の当直の予定の二人が、というのだ。
「それで街に出たからな」
「俺達が、ですか」
「今日は」
「ああ、悪いが頼む」
 オーナーは二人にこうも言った。
「ターキーもケーキもたっぷり用意しておくからな」
「わかりました、じゃあ」
「予定もないですし」
 とかくこれに尽きた、二人には予定がないのだ。
 それでだ、二人は夜は当直室に入ってだった。オーナーが用意してくれた七面鳥の丸焼きとケーキを囲んでだ。
 部屋の隅に飾られているクリスマスツリーを見つつだ、こう話した。
「何かな」
「急展開だな」
「そうだな、まさかな」
「当直になるなんてな」
「それにな」
「ターキーとか買いに行かなくてもな」
 それでもなのだった。
「あるしな」
「ケーキまでな」
「ワインはないけれどな」
「それでもな」 
 二人で言うのだった、飲んでいるのはコーヒーだ。カウボーイの伝統のブリキのコップの中のコーヒーを飲みつつだった。 
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