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天使舞う、この世界

作者:金猫
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NO.15 無色無番号

 
前書き
総合評価3000以上になりました。
皆様、本当にありがとうございます。


前話を少し修正しました。

 

 
どうも、家族の暖かさを知ったレイナーレです。涙流しそうになったことは内緒です。

「レイナーレさん!出来ましたよ!」

ルフェイちゃんがようやっと限定霊装の顕現に成功しました。色々と順風満帆ですね。


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ルフェイちゃんが霊装、『神威霊装・七番《アドナイ・ツァバオト》』を限定的だが顕現できたその頃、俺は、

オーフィスと一緒に造花(内職)をしていた。

オーフィスが造花を作る姿を見るとすごい和む。可愛いし。
さて、今頃イッセー達は聖職者姿で町を徘徊しているところだろう。黒歌(ニート)が暴走しないように気を付けないとな。

「レイナーレ、今失礼なこと考えたでしょ?」

「相変わらずその読心術はすごいわね」

「少しは反省するにゃ!」

俺は内職で収入あるし、オーフィスは稼ぎ頭だし、ルフェイはリサイクルに力を入れている。無職は黒歌だけである。
さて、今のところ心配事は白音がフリードの持っている『天閃の聖剣《エクスカリバー・ラピッドリィ》』に会って黒歌が暴走することぐらいだ。時間を停めるようになってから止めづらさに拍車がかかっている。時間を停められる感覚は分かってきたが。

それは良いとして、久々に『禍の団《カオス・ブリゲード》』を偵察しに行こうかなと考えている。

理由?一に暇潰し。二に様子見。後の理由としては、後天的に霊結晶(セフィラ)を宿す者がいないかを見るためである。白音みたいに初見で分からないタイプがいるからだ。

「じゃあ、そろそろ行きましょうか」

クロえもーん。頼むわー。

「なにか今とてつもなくバカにされた気がするにゃ・・・・・・」

気のせいだ。


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「禍の団《カオスブリゲード》』
それは世界を混沌へ向かわせようとするテロリスト。
しかし・・・・・・

「だから!至高は巨乳だ!」

「いいや!貧乳だ!」

「(これ、まだ続いていたのか?)」

相も変わらずテロリストとは思えん。お前らなんでカオスブリゲードにいるんだよ。

霊結晶(セフィラ)持ちはいないみたいだし、次に行きましょう」

「・・・・・・あれって本当にテロリストなのかにゃあ?」

気にしたら負けだ。
さて、本格的に霊結晶(セフィラ)持ちを探そう。まずは旧魔王派。
ちょうど三人一ヶ所に集まっていた。

「何故私たちは勝てないんでしょうか・・・・・・」

「分からない・・・・・・」

「ジャパニーズボードゲームを甘く見てたな・・・・・・」

未だに勝ててないんだな・・・・・・。

「あっ、ヤバいにゃ、思い出したら笑いが・・・・・・!」

黒歌。そんなに旧魔王派がボードゲームで惨敗していたのが面白かったか?
まあいいや。次にいこう。
英雄派。
相変わらずレトロゲーを楽しんでたり筋肉を自画自賛したり魔導書と見せかけてライトノベル読んでたりしてた。
だが、俺は全く別の事に気をとられていた。

「彼氏がほしい・・・・・・」

相も変わらず独身らしいジャンヌさん。だが、問題はそこではない。
ジャンヌの中に、結晶体があったのだ。

霊結晶(セフィラ)

それを宿す者は『天使』を顕現できる。色や番号で十ある『天使』のどれかがわかる。
が、いくら見てもその霊結晶(セフィラ)は無色で、番号がない霊結晶(セフィラ)だった。

「さすがに想定外ね・・・・・・」

元々謎の多い力だったが、今まで霊結晶(セフィラ)の色と番号を見分けれなかった事はなかった。
だが今回は無色無番号だった。ワケわからん。

「どうしようかしら・・・・・・」

「ん?どうかしたかにゃ?」

「『霊結晶(セフィラ)』持ちがいたのだけど、色も番号もわからなかったからどうしようかと思って」

「そんなことかにゃ?」

そんなことってなんだよ。

「オーフィスがいるからなんとかなるにゃ」

「・・・・・・他力本願」

「うるさいにゃ!」

とはいえ、相手は一応テロリスト。しかも外道っぽい。情けは無用か?

「・・・・・・よし、拉致するか」

「こいつ本当に天使なのかにゃあ?」

え?中身人間ですから。さて、拉致実行。


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さて、黒歌の仙術で空間を遮断し、黒歌の睡眠毒霧で眠らせ、黒歌の空間仙術で我らが鳶一家(仮)に帰ってきた。

「レイナーレの方がずっと他力本願にゃ!」

失敬な、適材適所と言いたまえ。
ところで、

「・・・・・・」

さっきから無言で俺の腰に抱きついているこの可愛い無限の龍神はなんなんでしょうか?

「レイナーレ、我も色々できる」

ああ、かまってほしいんですね。

「ごめんね、オーフィス」

体を捻って抱き返す。するとオーフィスは気持ち良さそうに目を閉じた。

「無駄に母性があるにゃあ・・・・・・」

ちきしょう!俺は(精神的に)男のハズなのに!でもオーフィスの可愛さには勝てない!

「黒歌、貴女の方が色々と母性あるんじゃないの?」

「そんな胸ガン見して言われてもにゃあ・・・・・・」

うるせぇ。母性の塊をぶら下げてるクセに。

「それ以前に、レイナーレって私より年ue「黒歌。女性に年の話は禁句だって知らないのか?」レイナーレだから大丈夫にゃ、問題ない」

「ン・・・・・・ンン!?」

それはどういう意味だ。確かに俺は二天龍が暴れる前から生きてるし、悪意を持って年の話をしなければ無闇矢鱈に怒る気もないが。

「大丈夫、レイナーレ、外見は若い」

・・・・・・反応に困るなぁ・・・・・・。悪意は無いんだろうけど。

「あ、レイナーレさん、お帰りなさい」

おっと、忘れてた。

「ただいま、ルフェイ」

「ただいまにゃ」

「ん、ただいま」

「ンンン!?」

帰ってきたらただいまだよね。

「あの、レイナーレさん」

「ん?どうしたの?ルフェイ」

「ンー!ンーー!!」

俺の横には光を無理矢理物質化した包帯でグルグル巻きにされ、同じ包帯で猿轡を噛ませられている一人の女性が。

「その横で簀巻きになっている人は?」

「オルレアンの聖女」

「・・・・・・」

「ルフェイ、あんまり考えると泥沼に嵌まるにゃ」

「そうですね・・・・・・」

解せぬ。


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「さてと、この聖女の処遇だけど」

「ンー!」

「猿轡くらいはずしてあげたらどうかにゃ?」

「あの、大丈夫ですか?ジャンヌさん」

まあ黒歌の言うことも一理あるか。猿轡くらいははずそう。

「プハッ!何なんですか!?あなたたちは!?」

「天使」

「それは分かりますよ!」

なにと聞かれたから答えたのに。

「あなたたちはなんの目的でこんなことをしたの!?」

「三行にまとめたら、
貴女に私と同じような力がある、
あわよくばこちらに引き込みたい、
・・・・・・三つ目が思い付かない」

「何無駄なことしてるのかにゃあ?簡単に言ってしまえば拉致同然のスカウトにゃ」

「すいません、ジャンヌさん」

黒歌、説明ありがとう。手間が省けた。

「まあ、そういうことよ。貴女の中に『霊結晶(セフィラ)』が見えたから拉致(スカウト)したの」

「・・・・・・何か色々おかしいような気がしたけど、とりあえず状況把握できたわ。私にそこの天使が言う『霊結晶(セフィラ)』とやらがあったから、私を拐ったと。・・・・・・一つ聞くけど、貴女天使よね?拉致とかしといて堕天しないの?」

「そう思うよにゃあ?こいつ本当に天使なのかにゃあ?」

「なんであきれた目で意気投合してるのよ。私は一応天使よ。でも、『霊結晶(セフィラ)』の影響で堕天しないの」

そうじゃなかったら人間の精神を持っている俺なんざ、とっくに堕天している。そう考えたら原作のイリナ、よく堕天しないな。尊敬するわ。

「それで、『霊結晶(セフィラ)』の力がかなりすごいから、その力のコントロールを教え、身内に引き込もうと思って拉致してきたの。単刀直入に聞くわ。私たちの仲間にならない?」

「・・・・・・話はわかったわ。でも、返事はNOよ」

「あら、それは何故?」

「まず話に信憑性がない。私の中にその力がある証拠がないわ」

「証拠としては不十分かもしれないけど、ルフェイ」

「へ?は、はい!」

「悪いけど『贋造魔女(ハニエル)』を出してくれる?」

「はい、わかりました。『贋造魔女(ハニエル)』!」

その声と共に、一本の箒がルフェイちゃんの手に収まった。

「ルフェイの持っている箒は『贋造魔女(ハニエル)』。さっきいった『霊結晶(セフィラ)』の力よ」

「・・・・・・」

しかしジャンヌの険しい表情は変わらなかった。

「どうしましょう。説得って難しいわ」

ルフェイちゃんは結構ちょろかったのに。

「レイナーレさん。今何か失礼なこと考えませんでした?」

「・・・・・・・・・ソンナコトナイヨ」

「ちょっと待つにゃ!なんでルフェイの時は誤魔化すにゃ!」

え?黒歌を弄るのが楽しいからに決まっているじゃないか!

「へぇ、貴女レイナーレって名前だったのね」

あ、そういえば自己紹介がまだだった。

「自己紹介がまだだったわね。改めて、私はレイナーレ。一応中級天使よ」

「私は黒歌。上級悪魔にゃ」

「えっと、知っていると思いますが一応、魔法使いのルフェイ・ペンドラゴンです」

「やっぱりルフェイだったのね。さて、私はジャンヌよ。で、そっちのちっちゃい娘は?」

「我、オーフィス」

瞬間、ジャンヌの顔が凍りついた。そしてギギギと擬音が聞こえそうな感じで俺の方に顔を向けた。

「・・・・・・『無限の龍神《ウロボロス・ドラゴン》』?」

「ええ。正真正銘ご本人(龍?)よ」

「・・・・・・ふっ」

あ、気絶した。

「やっぱりこれが普通の反応だと思うにゃあ」

「私もそう思います」

「うぅ」

オーフィス、頑張れ。


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オルレアンの聖女が気絶したあと、傷ついたオーフィスを慰めること約三十分。オルレアンの聖女が起きた。

「・・・・・・夢とか幻とかじゃなかった」

案外現実を見るのが早かった。黒歌とは違うみたいだ。

「・・・・・・いい加減私もキレていいと思うにゃ」

「黒歌、妹のお茶目ぐらい見逃しなさい」

「レイナーレの方が年齢的に姉にゃ・・・・・・」

外見的には黒歌が姉だ。異論反論は認めん。

「それで、私をどうする気かしら?」

「別に殺そうって訳じゃないわよ。仲間になってほしいの。もっと言えば家族に」

「何?貴女、寂しがり屋なの?」

寂しがり屋?俺が?まあ一理あるかもな。前世ではぼっちだったけど、家族は普通にいた。

「まあ、それは置いといて、再度聞くけど、仲間にならない?もっと言えば家族に」

「ハア、殆ど脅迫ね。でも、一度だけ、貴女の言う『霊結晶(セフィラ)』とやらを信じてみるわ。その結果次第ね」

「ありがとう」

さてと、そうと決まったら、

「黒歌、オーフィス、ルフェイ、準備をお願い」

「準備って、なんの準備ですか?」

「『神器(セイクリッドギア)』摘出の」

「・・・・・・へ?」

オルレアンの聖女が固まる。あ、そういえば『神器(セイクリッドギア)』摘出すると死ぬとか言う人柱力みたいなシステムがあったな。

「あ、抜いたあとに死なないようにアフターケア付きでお願いね?」

「無茶苦茶言いやがるにゃ・・・・・・」

「ん。任せる」

オーフィスが頼もしい。

「死なないわよね?」

「大丈夫だ、問題ない」

フラグ?知らん。


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「ところで、なんで『神器(セイクリッドギア)』を抜かなきゃいけないの?」

「『霊結晶(セフィラ)』は『神器(セイクリッドギア)』と併用できないみたいなの。だから抜くの。大丈夫・・・・・・よね?黒歌、オーフィス」

「生命力を仙術で回復させることはできるにゃ。問題は回復し続ける魔力と即死しないかにゃんだけど、そこはオーフィスの無限の魔力のお陰でクリアできたにゃ。万が一にも死ぬことはないと思うにゃ」

「ん。我、頑張った」

胸を張るオーフィス。無限の龍神が何を頑張ったかはわからんが、可愛い。よし、今度カメラを買いにいこう。
そしてジャンヌをルフェイが描いた魔方陣のなかに入れる。

「・・・・・・はあ、いい加減覚悟を決めようかしら。じゃ、安全にお願いね」

「それじゃあ黒歌、オーフィス、ルフェイ、お願い」

「にゃ!」

「はい!」

「ん!」

光がジャンヌを包むそして、その光がジャンヌから離れ、ルフェイの目の前に落ち、光が萎んでいく。そして、一本の微弱だが聖なるオーラを纏うキーホルダーサイズの剣がそこに残った。
すかさず黒歌がオーフィスの有り余る魔力を使い、ジャンヌを回復させる。

「・・・・・・終わり?」

「終わったにゃ」

「・・・・・・少し怠いけど、大丈夫そうね」

以外と呆気ねー。
さてと、ルフェイちゃんの目の前に落ちているキーホルダー。あれが『聖剣創造(ブレードブラックスミス)』なのだろう。夏休み当たりに木場くんにあげよう。

「さて、時間的にも夜だし、そろそろ寝ましょうか。あ、黒歌は年のため仙術使いながらジャンヌと一緒に寝ててね」

「無茶ばっかり頼まないでほしいにゃ・・・・・・」

仙術をコントロールするのって結構難しかったんだったっけ?魔力面は問題ないけど、精神面はそうはいかないか。

「はあ、まあ、レイナーレ無茶言うのは今に始まったことじゃにゃいけど」

「黒歌」

「にゃ?」

「ありがとう」

「・・・・・・不意打ちは卑怯にゃ」

俺の無茶苦茶に付き合ってくれて、ありがとう。


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翌日。

「さて、体は大丈夫?ジャンヌ」

「ええ。寧ろ調子がいいわ」

「つっかれたにゃー」

お疲れ様、黒歌。後で膝枕ぐらいならやるよ。

「オーフィス、断界結界をお願い」

「ん」

黒歌が使う結界に勝手に名前をつけてみた。この中なら何が起こっても外に影響がでない。
俺とジャンヌは中に入る。

「『絶滅天使(メタトロン)』、『神威霊装・一番《エヘイエー》』」

『天使』と霊装をフルに顕現しておく。

「さて、いくわよ」

「ええ」

俺はジャンヌの右手を握り、そこから霊力を送り込み、ジャンヌの中の『霊結晶(セフィラ)』に繋ぐ。そして、一気に俺の霊力の約三割を流し込んだ。

「あっ」

ジャンヌが声をあげた瞬間、霊力の奔流が俺を吹き飛ばした。
『天使』と霊装をフルに顕現しておいてよかった。 
 

 
後書き
ジャンヌの口調こんな感じでいいかな?書いている途中でくっ殺入れそうになった。
最近自分の小説に自信が持てなくなってきました。


次回に続く! 
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