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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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ボスと漆黒と十字架と

「うっ……らぁあああああっ!!」
ボスの攻撃を<ヴォーパル・ストライク>で強引に受け止め、HPは二割方減る。
腰のポーチに入れてあったポーション類も、殆ど使いきり、また、滅殺剣の上位互換に当たるユニークスキル<プラネット・エンド>の使用により、俺の持つユニークスキルは使用不可になってしまっている。
唯一、喰った物を武器と化したユニークスキルは使えるようで、リンとライト、ゼツのユニークスキルによってどうにかこうにか戦線を維持している。
「皆、もうちょっとだよ!もうちょっとだけ、頑張ろう!」
アスナが声を張って言うものの、新生フロアボスはHP表示がなされていないため、挙動で推測するしかない。紅緋眼が使えれば良かったのだが、生憎それもそのまま体内に残してあったために使用出来ない。プラネット・エンドは全ユニークスキルを無効化して発動する上位互換スキルな為、面倒な仕様なのである。滅殺剣も使えなくなるし。
しかし、それでもスリーピング・ナイツの面々は頑張っている。特に目を見張るのはユウキだ。
軽快なステップで巨人の槌と鎖をかいくぐり、右手のダークネス・ロンドでダメージを入れていく。
憔悴するどころか、まだまだ本気を出していないように見えるのは俺だけか。
「さて、どうすっか……」
放たれた鎖を蹴り飛ばして、刀を構えると、一つ、頭によぎる。
「……あ、あれ在るんだ」
すぐにストレージを開くと、探していた銘が現れ、それを実体化させると、抜き放つ。

それは、ライトの愛刀<希望の未来>だった。

「行くぜ!!」
瞬間的加速で巨人の近くまで行くと、縦に一撃、下から一撃、左右に二撃斬撃を放つ。
「<マーズ・ブレイズ>!!」
そして、再びシステムアシストが働くと、縦に何回転と回転して斬撃を浴びさせる。
「<サターン・リング>!!」
そして、着地すると、二本の刀に分割し、焔のオーラを纏わせる。
「<アース・マグナ・スラッシュ>!!」
二本の刀が二十連撃の斬撃を放ち終わると、巨人がドスンと前進して近付いて、ハンマーを振り上げた。
「やべっ!!」
慌てて回避しようとすると、
「えいっ!!」
アスナの声が聞こえ、
「グオオオオオッ!!」
巨人が攻撃を止めて首の前で腕を交差して体を丸めた。
「にゃーる、じゃない。なーる、彼処が弱点か!!」
再び巨人が立ち上がると、俺に向かって攻撃を再開する。
「ゼリャッ!!」
しかし、その間に俺は足元に移動し、足払いを掛ける。
「グオオオオオッ!!」
案の定、簡単に転けてくれて、転倒状態に陥った。

が、それは良いものの、鎖邪魔。

「うざったらしい!!」
必死に鎖を弾き返すと、巨人は起き上がり、テッチ達の方を向いて鎖の乱舞を放つ。
「テッチ!!」
俺が叫ぶと、テッチはすぐにノリを守る。
すると、ユウキがテッチの後ろ三メートル程の位置に回り込むと、何やらテッチに叫ぶ。
テッチは頷くと、丁度黒いガスを吐き出した。
「くっ!!」
螺旋が使えないので、爆炎剣で爆散させると、巨人はハンマー攻撃のモーションに移る。
そして、ユウキがダッシュ体制に入った。
「決めるか、次で!」
三刀流になると、巨人はハンマーを床に叩き付け、震動波を放つ。しかし、全員無傷でやり過ごすと、俺とユウキは飛んだ。
「うりゃあああ!!」
「おおおおおっ!!」
掛け声と共に飛翔し、剣を構えると、
「やぁーっ!!」
「絶滅しろ!!」
気合いと共に首の接合部目掛けて、凄まじいスピードで突き込み、斬撃を放つ。
空中でソードスキルを発動させた場合(俺の一部ユニークスキルはそのまま滞空するが)、出終わるまで使用者は落下することはない。
ユウキと俺は巨人の正面と後ろに滞空したまま剣を煌めかせる。
片手剣汎用OSS<マザーズ・ロザリオ>。
<プラネット・エンド>禁断剣技<グランド・クロス・ワールド・エンド>。
二つの(つるぎ)が首の接合部を貫くと、巨人は絶叫を途切れさせ、不自然な体勢で全身を凍らせた。
俺達も、時間が停止したかのような静寂の中でしばし動きを止めた。
やがて、貫いた所から亀裂が入り、巨人の四肢や胴体に広がりーーーー。
乾いた様な音を響かせ、首の接合部から真っ二つに分断され、ポリゴンとなっし消滅した。
「うわっ」
宙に浮いていた俺はそのまま落下し、地面に落ちる寸前で、何かに支えられ減速した。
『頑張ったね、ダーク』
何かはそう言うと、俺を地面に下ろして消えた。
途端、ユウキとアスナが叫んだ。
「あははは……やった、勝った……勝ったよ二人共!」
「うん、やったね!あーーーーーーー……疲れたーーーーーーー!!」
「そうだなぁ……」
俺もそういって床に倒れる。
と言うか、今回、俺の代名詞たるスキルを全く使ってない。解せぬ。
お前が殺ると面倒by作者
死ね、作者。マジで落ちろ地獄。
すると、扉が開くと、そこには見慣れた四人の顔があった。
「お疲れ、ダーク」
「お疲れ様」
「ん~、久々に暴れたな~」
「まぁ、かなり死の恐怖を刻み込ませたからな。当分やらねぇだろ」
と言うか、ライト&リンよ、まさかオレンジキラーとなったわけじゃあるまいな?
「「ん?そうだけど?」」
「いい加減心読むのやめてもらえません!?」
「「止めない。面白いから」」
「よし、そこなおれ。喰って殺るから」
「「殺れるもんなら殺ってみろ!!」」
ライト&リンと俺の言い合いを見ていた他の人達は、殆どがヤレヤレと言った感じで傍観していた。
唯一、ポカーンとしていたのはスリーピング・ナイツのメンバーだったが。 
 

 
後書き
……えー、進化ユニーク、では在りませんが上位互換に当たるユニーク、プラネット・エンドの登場です。
ダーク「プラネット・エンドって訳すると惑星の終焉だろ?何で?」
フォーゼ関係、特にメテオが色濃く出てます。
ダーク「………(ギリギリ」
ちょっ!?腕そっちに捻んないで!!
ダーク「……」
ふぅ……因みに、此方でもライダーネタを軸としたユニークをまだまだ制作中です。次のお題は皆大好きダブルネタから。
ダーク「………(ギリギリギリギリ」
ちょっ!!そっちに腕回んなーーーー(ボキッ)アギャアアアアアアアアアッ!!
ダーク「どんどん狩人関係無いな。題名変えるしか無いか?」
俺に質問をするな……
ダーク「制作者お前だろ(ゲシッ」
グフッ!!
ダーク「次回はふつーに、ふつーに、行くのでよろしく」 
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