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ひねくれヒーロー

作者:無花果
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掲げよ紫羅欄花




花言葉—未来を見つめる、努力、思いやり—
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掲げよ紫羅欄花











◆◇◆コン◆◇◆





おんぶされながら夕闇の路地裏を通って演習場まで連れて行かれる


「コン、再不斬との修行はどうだ?」


「第一試験は、合格したよ」


試験?そう問われる

そうだ、オレは試験を受け合格したのだ


「上忍待機所に忍びこむこと
 ・・・合格でしょ?」


スタートは先生の自宅から、ゴールは上忍待機所

待機所に入り込むまで誰にも見つかってはならない、それが合格の条件

誰かに見つかれば即行で再不斬が現れることになっていた

待機所で座り込んでいても奴は来なかった


・・・オレは合格したんだ


「あぁそうだな、合格だ
 ・・・そんなお前にご褒美をやらないとな・・・」


珍しい、飴と鞭形式は好きじゃなかったはずなのに

演習場の真ん中に下ろされる


先生が何かの印を組み始めた


一体何なのかと思った途端先生の足元に光が舞い散り始めた

・・・何だ、これは・・・


「オリジナル忍術とでも言うべきか・・・
 雷遁・過多羽流土(カタパルト)の術・・・なーんてな
 ま、見てなさい」


ゆっくり片足を上げる先生

浮き上がった足元と触れていた地面からバチバチと雷が糸のように踊り狂っている

足と地面のちょうど真ん中あたりに雷球が出来ており、先生が無理やり球に足をかけると・・・飛んだ


「はぁ!?」


上空1キロメートルは飛んだのではないだろうか

一直線に飛び上がった先生、地面には雷が鳴り響いている


しばらくして着地した


「え、あの、カタパルト・・・?」


カタパルトってあれだよな、射出機のことだよな

射出されることで超スピードが手に入るってことか

なら今までの先生の速さはこの術が使われていたせい?



「そうカタパルトだ
 地面と足元に雷のチャクラを流して電気を起こし、反発させた雷球を土台にし射出される
 あんまり多量のチャクラを込めるとGがかかるが、それもチャクラのコントロールで何とかなる

 ・・・実際何とかなってるから大丈夫だ」


チャクラってなんでもありだな畜生


「お前に足りないもの、それは速さだ
 ・・・この術をお前に伝授しよう
 チャクラ量の少ない私でも頻繁に使えるように改造しまくった
 燃費も良く、体に負担もかからん」


そんなにすごい術なのにどうして広まってないんだ


「・・・カカシがコピーし損ねてな・・・
 コピー忍者が無理なら習得不可能だろうと結論付けられ、人々の記憶から失われてしまった術だ」


写輪眼でコピーできなかったのか

何が原因でコピーできなかったんだ


「何、Gのことをすっかり伝え忘れててな
 ・・・Gにやられて入院したよ・・・」


・・・カカシェ・・・


「G問題の解決はチャクラコントロールだそうですが・・・どうやって」


言いかけると先生は違う違うと首を振った


「いや、私達ぐらいのチャクラ量ならGはかからん
 カカシとかの天才クラスのチャクラ量ならかかるがな」


私だって8割チャクラ使ってようやくGがかかるぐらいだからな

お前のチャクラ量なら何やってもGかからねえよとまで言われる


パルコの、パルコのチャクラなら・・・!


「尻尾2本分・・・しかもそのうち一本は生命維持・・・
 リーとまでは行かんが・・・かなりチャクラ量低いんだぞ」


「・・・現実が突き付けられる・・・」


「だからお前にGの危険性はない
 正直この術に必要なチャクラは分身の術と変わらんぐらいだしな」


だからお前でも習得できるだろう


力強く言われても、何か腑に落ちないのはオレだけか


「ちなみに欠点だが・・・空中歩行が出来ないと、射出されたあと曲がれないってことだな
 ・・・なぁ、どうしてお前らは空中歩行出来ないんだ?」


「出来なくて当たり前なんだよ!」


演習場に叫び声がむなしく響いた















◆◇◆シュロ◆◇◆









中忍試験本戦当日——


シナイおよび根の暇な奴総出で行われた24時間組み手でようやく一勝を掴み取り、先生から合格を得た

これで寝不足の日々からおさらば、昨日惰眠をむさぼり、今ここに油女シュロさま降臨

・・・なんだかまだ寝不足の影響が残っている気がする



「これより予選を通過した10名の本選試合を始めたいと思います!」



3代目の爺さんが本選の開幕を告げる

・・・そう、ここにいるのは10名

この場に音隠れのドス、そしてオレの嫁イカリは居ない

イカリは、シナイに・・・


・・・思い出してもイラつく


「なぁシュロ、イカリはどうしたんだってばよ」


コンに聞いても知らないって言うんだってば


・・・そりゃそうだろうな


「今イカリはトラウマを克服するために・・・トラウマの記憶を引き出され、繰り返し見せつけられている」


使用している幻術は木の葉情報部及び拷問部の提供でお送りしております

ちくしょう、何がトラウマ克服だ、劣化月読じゃねえか

スパルタどころの話じゃない

笑えねえ・・・笑えねえぞ先生よぉ・・・


しかも、オレとコンがあたるとは・・・なんでこうなるんだ

勝ちづらいじゃないか


「なぁシュロ」


コンが話しかけてきた

久しぶりに声を聞いた気がする

ここ最近はずっと修行三昧でお互い会えなかったからな・・・


「どうしたコン・・・あぁ、辛かったら無理せず棄権し「オレは、いつまでも守られてるだけじゃない」・・・ろ・・・?」


いきなり、どうしたんだ

静まり返る人々

意外なほど、コンの穏やかな声がよく響き渡った


「オレも守れるように戦いたい
 ・・・イカリも、さ
 ただ守られてるだけじゃ悪夢は終わらないんだ
 だから、変わらなきゃ」


悪夢

お前にとって神殿時代とやらの記憶、イカリにとっての鬼鮫との遭遇、スパイ容疑

オレの、悪夢———


「何が、言いたいんだよ」


負けること


「別に・・・そろそろ覚悟しなきゃ変われないって分かった
 ただそれだけだ
 ・・・シュロ、お前と戦えたら良いなぁ」 


守る対象と戦いたがる奴なんていないんだぞ

お前、オレがお前をどういう風に見てるか分かってて言ってやがるのか?

なぁ、お前はオレの仲間じゃねえか同士だろ?

なんで守らせてくれないんだ

なんでオレに勝たせてくれないんだ


「本選、頑張ろう」


観客から勢いよく拍手が響き渡る

あぁそうか、事前の賭け情報として俺たちが同じ班だということが知られているのか

チームメイト同士が戦うことへの決意

それに対する称賛の拍手


・・・何だろう、この気持ち
















◆◇◆シナイ◆◇◆






ナルトと日向ネジの戦いが始まったのを確認して、会場を後にする

試合直前、コンとシュロがなにやら話していたが、周囲には仲間同士で戦うことへの激励としか映らなかったらしい


病院にたどりつき、イカリと合流する

さて会場に戻るかと踵を返したところでイカリが立ち止まった


「先生、蛇はどうするんです?」


「・・・このままどうなろうと流れに身を任せてみるしかないさ
 お前も覚悟しておけよ」


大蛇丸が動いた後に暁が動き出した原作だが・・・

ただでさえ予選に暁が乱入してきていたんだ

今回も乱入してくる可能性だってある

そうなればイカリはトラウマがどうだと留まらせるわけにはいかない



「はい
 ・・・私も、俺も守られてるだけじゃ終わりません」


・・・荒療治かと思ったんだがなぁ・・・


「でも、先生
 あとでシュロに殴られてください」


もちろんだ

下手すると精神崩壊してたかも知れないんだからな



「さぁ行こう」



きっと今頃シカマル戦が終わっている頃だろう

そう思ってゆっくりと・・・会場にいけば、観客が寝ていた



木の葉崩し、始まってる・・・!?



そうおもい中央の物見やぐらを見上げる



結界らしき障壁が見える

それは別にかまわない

結界だから仕方ないからな

問題は—————




「イカリちゃん・・・中にいるのって・・・っ」




何故




コンと再不斬と自来也様が結界内にいるんだ







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某カードゲームでカタパルトタートルというのがあった

こいつのデザインが一番好きだった




一応先生なのでシュロやイカリのことも面倒見てます

はやくなんとかしなきゃいけないのがコンとイカリだっただけでシュロは放置されてたわけではありません

放置はされてません


 
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