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八条荘はヒロインが多くてカオス過ぎる

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第十二話 気さくなタイ人その六

「本当ニ」
「どうあるかな」
「違うんじゃないの?」
 水蓮さんとダエさんがジューンさんにこう返す。
「世襲制の共産主義とかないあるよ」
「そんな訳のわからないとこってあそこだけだし」
「階級制度まで存在しているある」
「それ共産主義じゃないから」
「そうよネ、あれは共産主義じゃないネ」 
 ジューンさんも二人のその言葉に頷く。
「やっぱり」
「また違う国家あるよ」
「古代王制じゃないの?」
「昔のエジプトみたいある」
「ファラオか何かと思ってるんじゃないの?自分達を」
「その将軍様そっくりなのがね」
 外国組の三人にもだ、僕はあのチームのオーナーのことを話した。
「あのチームのオーナーは」
「酷いネ、それはまタ」
「日本もとんでもない奴がいるあるな」
「マスコミって凄い権力だしね」
「そう、その権力を使ってやりたい放題してきているのがね」 
 まさに現在進行形でだ。
「あのチームのオーナーなんだ」
「そうした方ですから」 
 小夜子さんがまた言う。
「私もです」
「嫌いなのネ」
「小夜子さんもあるか」
「大家さんと同じで」
「この世で最も嫌いです」
 感情はいつも通りにしてもだ、小夜子さんはその声に嫌悪を浮かべていた。
「どうしても好きになれません」
「何程ネ」
「これは相当嫌いあるな」
「そのことはわかったわ」
 ジューンさん達も小夜子さんの言葉に頷く、とりあえず小夜子さんもまたかなりのアンチ巨人であることがわかったのだ。
 だがそれでもだ、三人はこう言った。
「巨人のことはよく知らないからネ」
「私達はまだ何とも言えないあるな」
「好き嫌いはね」
「それはそのうちわかるよ」
 これからとだ、僕は三人にこう返した。
「阪神のこともね」
「おいおぴだネ」
「日本の野球を観ていってあるな」
「わかっていくことね」
「うん、だから観ていてよ」
 巨人のことも阪神のこともというのだ。
「この試合も」
「あっ、また打たれたネ」
「ランナー一掃あるよ」
 言ったまさにその時にだった、またしてもだった。
 打たれた、二人のランナーが帰って来てだった。
 これで三点、僕はいよいよ焦った。
「若しもだよ」
「ここでね」
「ホームランが出ましたら」 
 詩織さんと円香さんが僕に応えて言う。
「逆転ね」
「そうなりますわ」
「まずいね、本当に」
 僕は歯噛みしつつ二人に言った、他の阪神ファンの人にも。
「この状況は」
「こうした時の阪神はだ」
 留美さんもその顔がいよいよ強張ってきていた。
「打たれる、しかもだ」
「ホームランをですね」
 早百合先輩も顔が青くなろうとしている、一点差でしかもランナーがいる。そうした状況ではとてもだった。 
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