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オズのムシノスケ

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第六幕その八

「美味しそうですね」
「もう青い林檎でも驚かないね」
「はい、慣れてきますと」
 どうかとです、カルロスは目を輝かせて果物達を見つつ教授に答えます。
「美味しく思えてきます」
「それはこの果物達が美味しいと知っているからだよ」
「実際に食べてですね」
「そうだよ、私もね」
 教授もでした、その果物達を見ています。
「これからが楽しみだよ」
「この林檎や梨達を食べることが」
「美味しいからね」
「青い林檎や梨達を」
「実はどの色でも美味しいのだよ」
「オズの国にある果物は」
「うん、そうなんだよ」
 その通りだというのです。
「色は違えどね」
「味はですね」
「そう、最高にね」
 美味しいというのです。
「ではこれからね」
「はい、お昼を食べましょう」
「そうしよう」
 こうお話してでした、皆でお昼を食べてです。
 それからです、その林檎や梨達を食べます。一個一個果物からもいでそのうえで。
 カルロスはまずは林檎を食べました、そして言うことは。
「思った通り」
「美味しいね」
「はい、とても」
 こう言うのでした、教授に。
「幾らでも食べられます」
「そうだね、美味しくてね」
「本当にオズの国は何でも美味しいですね」
「しかも何処にも豊富にあってね」
「食べることには困らないです」
「だから旅に出てもね」
 今の一行の様にです。
「食べることには困らないよ」
「そうなんですね」
「そうだよ、飲むことについてもね」
「そういえばこれまでの旅も」
 カルロスもしみじみとして言います、林檎の味を楽しみながら。
「食べることには困らなかったです」
「そうだね」
「それも全く」
「この国は本当にいい国だよ」 
 教授は梨から食べています、そうしながら言うのでした。
「食べることにも飲むことにも困らないし素晴らしい人達ばかりで」
「何にも困らないですね」
「うん、そうだよ」
「危険があっても」
「死ぬこともないしね」
 この心配もないのです、オズの国は。
「そうした国だからね」
「楽しめるんですね」
「そうだよ、ではこれを食べたら」
「次はですね」
「ジンジャー将軍のお家に行こう」
 そこにというのです。
「そしてね」
「将軍とお話をして」
「お菓子をもらってね」
「そのお菓子で、ですね」
「ボタン=ブライトを起こそう」
 そうしようというのです。
「是非ね」
「予定通り」
「うん、予定通りね」
「何かすぐにお話が終わりそうですね」
「いやいや、それがね」
「そうはいかないですか」
「物事は予定通りに進むとは限らないからね」
 このことはオズの国でも同じです、予定通りに何もかもが進むということはないのです。 
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