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インフィニット・ストラトス ―蒼炎の大鴉―

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接触、生徒会長

所属不明機の襲撃で、クラス対抗戦は中止になった。

つまりわりと楽しみにしてた簪の試合が見れなくなったということだ。

部屋でいつも通り勉強していると、簪が話しかけてきた。

「…あの…黒鉄くん…」

「どうした?」

「…対抗戦、中止になったね…」

「ああ、せっかくの新生打鉄弐式のデビュー戦が中止になって、かなり残念だよ」

なんだかんだで、自分が開発に携わった機体、思い入れはある。

「…そうだね…」

「それにしても、あの所属不明機、一体何者なんだ…?戦略級レーザー兵器と全身のスラスターによる高機動…、あの次元で両立した機体は珍しい…いや、デルタカイ以外では存在しないか」

デルタカイはレーザーではなくメガ粒子砲だが

「…わからない…」

「だろうな。だがもし、あれと同じものがまた襲撃してきた時は、俺が相手になろう。あれのデータを録れば、会社にとって大きなアドバンテージになる」

「…会社のこと……大事なんだね…」

「いずれ俺が父さんのあとを継ぐからな。今のうちに少しでも貢献しておいた方が社長になった時の社員からのウケがいいだろ」

息子だから社長の座を継いだと思われるのは嫌だった。

「……うん…」

「まぁ、機体のお披露目の機会はまだあるさ。来月の学年別個人トーナメントとかな」

「…うん…」

「喉渇いたし、何か買ってくる。簪も何かいるか?」

「…私はいい…」

「そうか」

俺は部屋を出て、寮備え付けの自販機に行く。

ブラック無糖の缶コーヒーを買って、部屋に戻ろうとした時、背後に何者かの気配を感じる。

何者かが様子を伺っている…

俺は相手が隠れていると思われる場所に突撃を仕掛けた。

だか、俺は負けた。一瞬で宙に浮かされた。放物運動をしながら自分が投げ飛ばされた事実を理解する。

そして落下。

転がっている俺を覗きこむように、1人の女子生徒が屈んだ。

「何者だ?あんた」

「生徒会長の更識楯無よ、黒鉄和也くん」

「更識…、簪の姉…か?」

「ご名答。あの子が世話になってるようね」

「迷惑をかけているのは俺の方さ。簪だって男子と相部屋じゃあ窮屈だろうに」

「あなたは窮屈ではないのかしら?」

「割りきってる。ただそれだけだ」

「思った以上に大人なのね」

「最初は直談判までしたけどな。だか大人の事情と言われれば従うしかないのが俺の今の社会的地位だ。そこで割りきれないほど子供じゃない」

「私もそれだけ大人になれれば苦労しないのにね」

「…簪のことか?」

「よくわかったわね」

「簪の態度を見ていればわかる。大方、優秀な姉にコンプレックスを抱いている、とでも言ったところか」

「よくそこまでわかるわね」

「大体予想はついていたが、今日あんたに会って確信に変わったよ。俺があんたに気付いたのは缶コーヒーを買った後だか、あんたはそれ以前に俺のことを尾行してただろ?それだけのことができる人間なら納得できる」

「驚いたわ。なかなかの名推理ね」

「で、本題はなんだ?簪か?それともウチの会社への受注か?」

「簪ちゃんのことよ。それに発注をするならちゃんと会社の方にするわ」

たしかに発注なら直接会社にするか。

「簪のこととなれば…、仲を取り持ってほしいといったところか?」

「それは頼みたいけど今じゃない。ただ、あの子に応えてやってほしいの」

「どういう意味だ?」

「あの子があんな顔をするの、本当に久しぶりなの。それだけあなたのことを信頼してる。だから、お願いね」

「わかった。できる範囲でやってやる。それと、仲を取り持ってほしい時は言ってくれ。仲裁に入ってやるよ」

「ふふっ、ありがとね」

「あと、簪に与えた我が社のパーツだが、運用データをもらったからあれはタダにしてやる」

「気が利くのね」

「生徒会とのコネをつくると考えれば安いものだ」

「コネ…ねぇ」

「そう割りきった方がお互い気が楽だろう」

「そうね」

「俺は部屋に戻るから、じゃあな生徒会長」

「またいずれ、ね」

なにやら意味深なことを言われたが、気にしないことにしよう。


 
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