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『ポケスペの世界へ』

作者:零戦
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第三十四話






 取りあえず、今日は一旦そこで解散となった。

「じゃあ今から病院行くか。ここからやとコガネシティのコガネ総合病院が近いな」

 俺はヤナギをおんぶする。

「……済まないな」

「気にするなヤナギ。俺が好きでしてる事や」

「私も付き添いで行きましょか」

 母さんも同行した。

 そして俺達はコガネシティへと向かった。




――コガネ総合病院――

「さて、俺はオーキド博士達に連絡するわ」

「分かったわ。私がヤナギを見とくわ」

 母さんが頷いて、俺はオーキド博士に電話をかけた。

プルルル、プルルル。

『もしもし、オーキドじゃが……』

「あ、博士ですか。ショウです」

『おぉショウ君か。今回は御苦労じゃったな』

「いえいえ」

『しかし……ヤナギの奴がなぁ……』

 オーキド博士の会話が途切れた。

 多分、ヤナギとの思い出とか思い出してるんやろな。

「博士」

『ん?これゃあ済まん。それで一体何かな?』

「ぶっちゃけますと、ヤナギは生きています」

『……な、何じゃとォッ!?』

「ぶっちゃけ今はコガネシティのコガネ総合病院に入院中です」

『何ィィィーーーッ!?』

 当然の反応ありがとうございます。

『ど、どういう事かねッ!?』

「実はですね……」

 それから俺はオーキド博士に全てを話した。

『……そうか、取りあえずワシはガンテツ達を呼ぶから直ぐに行こう』

「分かりました」

 俺は電話を切った。

 ……そういやキクコはどうすんのやろな?




 それから三時間後、夜の十時やというのにオーキド博士、ガンテツ、育て屋夫婦の四人が揃った。

「ショウ君、ヤナギの事は秘密じゃぞ?」

「勿論ですよ。誰にも言いませんから」

 オーキド博士の念押しに俺は頷いた。

「医者の診察ではここ一週間が……という事じゃ」

 ……成る程な。

「そこでショウ君に頼みがあるんじゃ」

「何ですか?」

「キクコを呼んできてほしい」

 ……はい?

「……カントー四天王のキクコですか?」

「そうじゃ」

 俺の言葉にオーキド博士は頷いた。

「確かキクコは行方不明とか聞いたんすけど……」

「ワシとキクコは度々連絡を取り合っていてな。今は無人発電所にいるらしい」

 ……そこはオリジナルと?

「はぁ、それは構いませんが……」

「済まんな。それとキクコに手紙を渡してほしい。キクコも分かるじゃろ」

「分かりました」

「今日はもう遅いから明日頼む」

 今日は俺はコガネのポケモンセンターで一泊をした。

 ちなみに母さんはワカバタウンに戻っている。




――ヤマブキシティ――

「……あっという間にヤマブキに着いたな」

 俺は朝八時発のヤマブキ行きのリニアに乗ってヤマブキシティに来た。

「さて無人発電所に向かうか」

 ……あれ?ゲームやと無人とちゃうよな?

「……まぁええか」

 何とかなるやろ。

「ピジョット頼むわ」

「ピジョッッ!!」

 俺の言葉にピジョットが頷いて空を飛んだ。





「……此処が無人発電所か……」

 無人発電所は手付かずの発電所になっていた。

「それでも電気は送電しているらしいがな」

「成る程なぁ……ってナツメッ!?」

 俺の横には何故かナツメがいた。

「ヤマブキでピジョットに乗ったお前を見かけたからな。後を追ってきた」

 ……迂闊やったな。

「それで無人発電所(ここ)に何の用なんだ?」

「まぁ……オーキド博士からの頼みでな」

「ほぅ、ならば私も手伝おう」

「……へ?」

「何だ?私が手伝っては駄目なのか?」

「い、いや……まぁええか」

 キクコに手紙を渡してコガネ総合病院に来てもらうだけやしな。

「なら早速するか」

 俺は拡声器を出した。

『あ、あ~。キクコさん、カントー四天王のキクコさんはいますか?オーキド博士から手紙を預かっているので出てきてほしいのですが……』

カチャ。

「何だい騒々しいね」

 その時、無人発電所の扉からキクコが出てきた。

「カントー四天王のキクコですか?」

「そうだよ。今は隠居したババアだがね」

「オーキド博士から手紙を預かっています」

 俺はキクコに言った。






 
 

 
後書き
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