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ヘヴン

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第3話 絶望に絶望をかけたら何が残るのかな??

地上でガスマスクをはめ食料と水を確保する生活。
これが一週間ほど続いた。
子供達も本来の活気を取り戻していった。そう。まさしく、希望。
窮屈な生活ではあったが笑顔はあった。
「ほら、食べなさいよ。」
「いやぁ、いいよ。俺、少食だからさ。」
「何も食べてないでしょ。ほら、私はもういらないのよ。」
「あぁ、ありがと。」

だがこんな生活も長くは続かなかった。
「あらあら。子供のくせにいきがってるじゃないの」
突如響き渡る謎の声。その声は大人の声だった。
「全く、チョロチョロ動き回るチビどもがいると思ったら
こんな地下に避難してたなんてね....」
ばれてしまった。尾行されていたとは うかつだった。
「悪いけど、ここに爆弾を設置させてもらったわ。 私がもっているスイッチを押せば
爆発する。」
くっ。 なんとか時間を稼がなければ.. 奴の神経を逆なでしない程度に。
「お前の目的はなんだ?? 」
「プププ。時間稼ぎのつもり?? まぁいいわ、ついでにあなたの父親のことも教えてあげるわ。」
父親。 父親父親父親父親父親父親父親父親父親父親父親父親父親父親父親父親.....
俺は大量の血を吐いた。あんな奴のことなんて思い出したくもない。
呼吸が..,.息が...できない...
「あら、思い出しちゃった?? 悪いわね〜〜〜。ま、続けるわよ。
まず、あなたの父親の勤めていたハイドメディカルセンターではね、
途上国に対して空気清浄機や綺麗な水を提供していたのよ。
そう。これで人口の過疎化が進んでいたハイド市は一気に進歩した
だけどね、その技術が漏えいしたの。これで、ハイド市は衰退していった。
ハイドメディカルセンターの収入はハイド市の収入といっても過言じゃないわ。
そしてハイド市はついに禁忌に手を染めた。住民にはこの事実を隠蔽してね。
兵器の開発。これを外国に輸出してなんとかやっていったんだけど、
アメリカからの経済制裁を受けることになったの。
そして今に至るわけ。あなたの父親はね最後まで兵器の開発に反対してたわ。
そのせいで上層部に消されて、おかしくなっちゃったのね。プププ」

「一週間、ハァハァ....二週間の徹夜は当たり前だった。 反抗心を見せたら薬で洗脳。
目が見えなくなったら薬で、体がやせ細ったら点滴。もう地獄だった。
だから俺はあいつを殺した。
それまでは知らなかったんだ


子供が親に反抗していいなんて.... 知らなかったんだ!!!!!」

「もう一つ言っておくわ。あなたには才能があった。だからあなたの父親を私が利用して
あなたに兵器を作らせた。地上の毒ガスも、すべてあなたが作ったのよ。プププ」

「う、 嘘だ.... そんな... 俺が兵器なんて...」
「あなたが作った画期的な兵器は世界中で使われているはずよ..,.」
「嘘だ。俺は 俺は ウグッ ブハッ.....」
血を吐き、意識が朦朧とする。

こんな事実、受け止められるわけがない。
もう希望なんてなかった。
たとえあったとしても俺にはその希望に向かう勇気なんてなかった。
絶望のまま沈んでいくしかなかった..... 
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