| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

ガラクタ街

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二章

「そして調べよう」
「そうですね。ただ」
「ただ?」
「ここあからさまに何かありますよ」
 そうした場所だというのだ。
「もう直感で感じますよ」
「リンゲン君は勘がいいからね」
「勘が教えてくれます」
 まさにそれがだというのだ。
「ここ、凄い場所ですよ」
「何があって誰がいるかわからない」
「混沌としてますよ」
 そうした場所だというのだ。
「何があるかわからないですよ」
「そうなんだね。けれどね」
「教授はですね」
「行くよ」
 笑顔での言葉である。
「是非ね」
「それじゃあ」
「中に入ろう」
 こう話してだ、二人でだった。
 街の中に足を踏み入れた、すると。
 その中に入るとだ、急にだった。
 暗くなりしかもだ、周りにだ。
 妙な気配を感じた、ロートはその気配を感じて周りを見回した。すると。
 道だけではなかった、様々な大きさや構造の建物を見回しているとそこにはだった。橋それもその橋達はというと。
 木の橋もあれば吊り橋もある、それが建物と建物の間に立体的にあり。
 洗濯のロープも垂らされそこにだった、洗濯ものが沢山干されていた。
 橋の上に人が行き交い犬や猫もそうしている、そして道には。
 そこにも犬や猫がいて人々がいる、その左右に扉が連なっている。そこを見回してだった。
 ロートは目を瞬かせてだ、こうリンゲンに言った。
「ここは」
「こうした場所ははじめてですね」
「うん、私もね」
 まさにだ、こうした場所はというのだ。
「はじめて見るよ」
「何か凄いですね」
「全くだね」
「まさか道だけでなく」
「橋まであるとは」
「想像していませんでした」
 リンゲンもこう言うのだった。
「僕も」
「そこで僕って言うんだね」
「すいません、口癖で」
 一人称のそれだというのだ。
「ついつい」
「いやいや、それはいいよ」
「いいですか」
「僕っ娘は可愛いからね」
 だからいいというのだ。
「日本の萌えの一つだよ」
「それもまた日本文化ですか」
「今のね」
 それだというのだ。
「これがまた奥が深いものなんだよ」
「日本人もわからない人達ですね」
「不思議な国だね」
「異次元みたいな国ですね」
「けれど日本文化にもあるから」
 その萌え文化の中にというのだ。
「君が自分のことを僕と呼ぶのもいいよ」
「わかりました、それじゃあ」
 リンゲンは応えた、そしてだった。
 ロートは彼女を連れて街の中を進んでいった、その街の人々は老若男女いて。
 しかもだ、服装も何もかもがだった。
 一人として同じものはなかった、その全てが。
 それでだ、リンゲンはいぶかしむ顔でロートに言った。街だけでなく建物と建物を結ぶ橋も渡り建物の中も歩きながら。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧