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オズのムシノスケ

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第一幕その六

 するとすぐにでした、それぞれのお料理が出て来ました。ドロシーは五人のお料理を見てくすりと笑って言いました。
「あら、五人共和食じゃない」
「はい、そうですね」
「一緒になりましたね」
「偶然ですけれど」
「それでも」
「私もだしね」 
 ドロシーもにこりと笑って言いました、見ればです。五人共和食でした、しかもその和食の内容はといいますと。
「私が親子丼でね」
「私が木の葉丼で」
「私は天丼でした」
 ドロシーに続いて恵梨香とナターシャが言います。
「きつねうどんね、麺類は」
「若布うどんで」
「月見うどんです」
「僕はカツ丼に鴨なんばうどんだね」
「僕が牛丼で山菜うどんだよ」
「僕のは玉子丼で肉うどん」
 ジョージ、神宝、カルロスはそれぞれこの組み合わせでした。
「ドロシーさんも含めて皆丼と御飯って」
「何か偶然にしてもね」
「面白い偶然ですね」
「そうね、けれどこうしたこともね」
 ドロシーは一緒に出したお箸を手に取りながらそのうえで三人の男達に応えました。
「あることよね」
「私達は日本にいますので」
 ナターシャが言います、確かに恵梨香以外の子は日本生まれではありません。ですがそれでもというのです。
「日本のお料理とその組み合わせが好きになっていますけれど」
「ドロシーさんもなんですね」
「そうなの、実はね」
 頂きますをしてから答えるドロシーでした、勿論五人もそうします。そのうえでその丼とおうどんを食べはじめるのでした。
「私も最近ね」
「和食がお好きなんですか」
「気に入ってきているの」
 そうだというのです。
「日本のおうどんもね」
「そうですか」
「勿論丼もね。オズの国でも和食の人気は高いし」
「そのこともあってですか」
「私もよく食べる様になっているの」
 こうナターシャと四人にお話するのでした。
「それでね」
「それで、ですか」
「この組み合わせもね」 
 親子丼ときつねうどんというそれもです。
「よく食べるわ」
「美味しいですよね」
「ええ、とてもね」
「それで今も」
「食べるの。おうどんもね」
「おうどんもいいですよね」
「お蕎麦もね」
 こちらもでした。
「いいけれどね」
「どっちがいいかっていいますと」
「それはね」
 おうどんとお蕎麦、どっちがよりいいかといいますと。
 ドロシーも六人も答えはありません、出せないのではなくないのです。日本人の恵梨香もこう言うのでした。
「ええと、おうどんとお蕎麦は」
「どっちがいいかはね」
「その時の気分で」
「どっちかを食べるわよね」
「はい、私もそうですし」
 恵梨香はそのおうどんを食べながらドロシーにお話します、とてもコシが強くしかも風味がある美味しいおうどんを。 
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