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東方夢想録

作者:茅島裕
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紅魔館 編
  第2話 紅くて魔物が出てきそうな館

あの後、星花を連れて神社へ戻った
すると霊夢がうろうろして何かを手にしていた

流石に何も言わないで放置しておくのは失礼なので、霊夢の元へ向かったのだが...


よく見て見ると霊夢が手にしていた物は俺の和傘であった

マジかよ...

と思った俺は走って霊夢に近づき
和傘を奪うように取った

霊夢はその出来事に少々驚きの表情を見せたが、いきなり現れて和傘を取った俺に腹が立ったのか

霊夢「それっ! 私のよ、返しなさい」

と腕を組んで言ってきた
いやいや、これ俺のだから... と言い返すと

霊夢「.... 空から落っこちてきたのよ」



その後なんやかんやで和傘を取り戻し
挨拶も終え、そのまま別れも言って


適当に歩くこと数十分...


「ああああ... ここ何処だよっ!!」

周りを見渡す限り草原

目を凝らして見れば遠くに湖


「ダメだ〜... 遭難だぁ〜」

俺が情け事でにそう言うと
星花が呆れた顔で俺を見つめながらこう言った

星花「だから言ったのに... 適当に歩いてりゃ直ぐ何か見つかるよ、なんて調子のいい事言ってたのは誰?」

星花の正論に対し
俺は頭を下げることしかできなかった




そこへ



?「こんなところでなにやってるんですか?マイゴテキナ?」


俺の目の前で声が聞こえた
その声の方を見た....

「か....楓!?」

そう、俺に話しかけて来た
その声の持ち主は楓であった

だが、当の楓はきょとんとして俺を見て

楓「どうして私の名前を知ってるのですか?」

などとお菓子を食べながら聞いてくる

そうか
もしかしてこの世界線では俺と楓は今出会ったばかり
知り合いでも無ければ昔の仲でもない

ってことは待てよ...
幽々子の話は無かったことになる

じゃあ今回は.....


ふと星花を見る
楓と星花が何やら駄弁っている

楓「あ、君。これ食べたい?」

そう言って楓はポケットから袋を取り出し
その袋の中に入った"りんご飴"を星花に見せる

それを見た星花は
まるでオモチャを与えられた猫の様な目でりんご飴を見る

そして楓はにっこり笑って

楓「誰もあげるなんて言ってません♪」

そう言って自分の口にりんご飴を含んだ
楓の顔は途轍(とてつ)もなく清々しい顔になっていた
一方、星花は.... 死んだ目をしていた

そんな星花を見た楓
食べていたりんご飴を消えるように食べて

楓「ん〜 しょうがないですねぇ...」

ポケットに手を入れている楓
星花の目は徐々に生き返って行く

楓「これ、どうです?」

大きなペロペロキャンディを星花に見せてそう言う
星花の顔をパァ〜っと明るくなり
手をそのキャンディに近づけようとする

楓はキャンディを引いて

楓「おっと、人の物は勝手にとっちゃいけませんよ?」

そう言ってまたもやキャンディを自分の口に含んだ
それも一口で

星花の顔は
言うまでもないだろう?

この楓は食い意地が張っている
ただ意地悪なだけかもしれないがな

笑顔でキャンディを食べている楓に

「な、なぁ、この辺に建物か何かないか?」

俺がそう聞くと
楓はコクリと頷いて、右の方を指指して

楓「ありますよ〜」

と笑顔で答えてくれた

食い意地が張っているだけだった



■■■


あの後、楓は他のお菓子を食べながら颯爽と消えって行ってしまった
色々聞きたいことがあったのだが仕方が無い

そう言えば、楓の能力は変わっていない見たいだった
確か... 空気の圧を変えたりしたような?
忘れちまったよ(うp主が)

楓に教えられた方向へ歩いている途中
ふと、パーカーのポケットに手を入れたら
何かが入っていたことに気づいた
なんだと思い、手に取って見てみる

「....付け....キバ.....?」

そう
それは、ジョークグッズでよくある
取り外し可能なキバだった
だがそのキバは
そこらに売っているようなキバではない
まるで本物のキバの様な
クオリティの高い代物(キバ)だった

「まぁいいや」

そう呟いてキバをポケットに戻す

星花「おにぃーしゃま、あれ見て」

と、星花が俺のパーカーの袖を引っ張って来た
目を凝らして遠くの方を見てみる

微かに見える.... 紅い館
気づけば辺りは暗くなっていた

なんか
魔物でも居そうだな....

「ん〜、紅くて魔物が居そうな館.... "紅魔館"と言ったところか?」

星花「そんな語呂合わせ...」

クスクスと笑いながらツッコミを入れて来る星花

もしあの館が紅魔館って名前だったらその名前を付けた主に失礼だな

そんなことを考えながら
自称、紅魔館へ急ぐ



■■■



着いた
いや
着いたと言うより
館の迫力に圧倒されて思うように近づけなく
もういっそ着いたことにしてしまおうなんて思っている次第だ

館の前に門があるが
その門に寄りかかって立ちながら寝ている女性がいるのだが...

あれは門番であっているのだな?

百歩譲っても門番
だが門番として機能していないのでは...

ひょんなことを考えながら

走って女性の目の前に立つ

「お、おーい?」

(ささや)き声で女性に話しかける
だが起きぬ

ツンツンと頬を突っつくも
起きぬ

挙句の果てには

??「あ....そこは....だめですぅ」

などと誤解を招く寝言を


何と無く
本気では思ってなく
不本意
いや、出来心で

「ちゅ...中国....」

その女性の耳元でそう言った

何故って...
なんか、その門で寝てるこの人の格好がチャイナドレスだったし
帽子のデコに【龍】って書いてあるし
こりゃもう
ねぇ?

そんなことはさて置き
中国に反応したのか、寝ながら泣いて

??「美鈴ですぅ...うぅ.... 紅 美鈴ですぅ....」

と自己紹介してきた

この人ホントに寝てんのか?
いやそもそも門番か!?

みょんなことを考えながら
めんどくさくなり、自分で門を開けて庭に入った

庭に入ると
目の前に噴水
左右には花畑(芝生もあり)

噴水を越えて真っ直ぐに大きな扉

いったい何処の匠がアフターしてくれたんだろうか?
別に俺はあれだぞ

「あの汚かった砂利道が、匠の手によってこんな綺麗なお庭に」

なんて言わないぞ?

??星花「「もう言ってるじゃん(ますね)」」

星花と.... 楓!?
の声がした

楓「あ、見つかっちゃいましたテヘ」

拳を作り、自分の頭に当てて舌を出す楓
空を飛んでいる
いや
空に立っている

楓「そこに入るのなら気をつけた方がいいですよ〜 かりちゅまとか狂った人形とかでぃーあいおーとかもやしとかいるんで」

「ああ、なんだか楽しそうだが気をつけるとするよ」

楓の言葉に対し
そう答えると
さらばとでも言いたげな感じに何処かへ消えて行った

星花「もやし....プッ」

もやしにつぼっている星花を無視し
扉の前に立つ


「なんか、なんっつーんだろう... やれやれだぜ」


決め言葉が浮かばなかった俺は
頭に浮かんだ不良の名言を口にし

扉を開けた

 
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