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チミー=ウィリーのお話

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第一章

              チミー=ウィリーのお話
 チミー=ウィリーは田舎ねずみです。いつものどかに暮らしています。一度町に出たことがあるにはありますが。
「あまりね」
「馴染めなかったんだね」
「うん、そうなんだ」
 彼と同じ田舎ねずみのお友達にこうお話します。
「僕にはね」
「町は賑やかじゃないの?」
 お友達は首を傾げさせてチミーに尋ねました、二匹で物陰でパンをかじりながら。
「それでとても楽しいんじゃ」
「いや、確かに賑やかだけれど」
「それでもなんだ」
「猫が一杯いてね」
「えっ、猫が!?」
 猫と聞いてです、お友達は仰天して言いました。
「一杯いるんだ」
「そうなんだ」
「猫が一杯いるなんて」
「怖いよね」
「怖いものなんてものじゃないよ」
 お友達は真っ青になってチミーに言います。
「だって猫っていったら」
「僕達の天敵だからね」
「烏や蛇、鼬も怖いよ」
「けれどその中でもね」
「猫が一番だよ」
 一番怖いというのです。
「あんな怖いものないのに」
「その猫が一杯いるんだ」
「それは怖過ぎるよ」
「しかも他にもね」
「他にもあるんだ」
「見たこともない食べものもね」
「どんな食べものなの?」
 お友達はそれがどういったものか気になって尋ねました。
「それって」
「何か本当に色々あって」
「名前はわからないんだ」
「口でも説明出来ないよ」
「とにかくここにある食べものとは違うんだ」
「全くね」 
 こうお友達にお話します、パンをかじりつつ。
「もう何が何だかわからない位に」
「変な食べものばかりなんだ」
「そうなんだ」
「食べものも気になるけれど」
 お友達はまだお顔が青いです、それで言うことはといいますと。
「猫が一杯いるのならね」
「怖いよね」
「君よく助かったね」
「今でも思い出すと身震いするよ」
 鼠としてです、どうしてもそうなってしまうのです。
「だから二度と行きたくないんだ」
「その気持ちわかるよ」
「何かこの辺りも最近ね」
 チミー達が住んでいる村もです、近頃。
「人が多くなってきて」
「新しいものが増えてきてね」
「お家も立派になって鉄の車がどんどん走ってるけれど」
「それでもね」
「猫も町程多くないから」
 チミーも猫のことを念頭にお話しています。
「だからいいよ」
「食べものも美味しいし」
「知っているものがね」
「紅茶だってね」
 お友達は紅茶を飲みつつそれについて言いました。
「あるしね」
「うん、やっぱり僕にとってはね」
「ここが一番だね」
「町に行かなくてもね」
 それでもというのです。 
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