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仮面ライダーディケイド 〜覇者の帝具〜

作者:カツゲン
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報告

ナイトレイドと合流した翌日の午後、
昼食を食べ終えた士は一枚のカードを眺めていた

朝の八時ごろに突然ライドブッカーの中から
飛び出してきたカード
そこには赤色のライダーの顔と
「仮面ライダードライブ」という文字が
書かれていた

「新しいライダーか…」

士は一言呟いた

「一度使ってみ…」

コンコン…

誰かがドアをノックした

「なんだ?」
「都市の方に任務に言っていたやつらが
帰ってきたらしいから
集まれだってさ」

ドアの向こうからユウスケの声が聞こえる

「わかった」

士はすぐに部屋を出た

「…ん?士、そのカードは?」

ユウスケは
士の手にカードが握られている事に気づいた

「新しいライダーのようだ」
「また産まれたのか…」





昨日の、メンバーが集まった場所に
やってきた
見慣れないメンバーが二人ほどいた

「お、きたか
士、彼女たちの紹介をしよう」

そう言ってナジェンダは
見慣れない二人の方を示しながら言った

「彼女の名はチェルシーだ
変装を得意としている」

まず、女の方を紹介した

「こっちはスサノオ
こいつはこう見えて帝具だ」
「ええ!帝具なのか!?」
「ああ、帝具の中には
生物型のやつもあってな
こいつはそのうちの一人だ」
「面白いな、よろしく」

ユウスケがそういった瞬間スサノオは
いきなりユウスケの目の前に現れ、
腰のあたりに手を伸ばした

「ちょ…」

一瞬焦ったが、
スサノオがシャツが出ていたのを直した事に
気づいた

「あ、えっと…サンキュー」
「ハハハ、こいつはかなり几帳面なんだ」



一通り紹介が終わると
ナジェンダの表情が少し険しくなった

「本題に入るが…
二人からの報告の中に
妙なことがあったんだ」
「妙なこと?」

タツミが聞き返す

「ああ…どうやら…
イェーガーズが全滅したらしい」
「「「えっ!」」」

士達以外の全員が
一斉に驚く
しかも、尋常じゃないレベルで

「あー…ちょっと君たち
イェーガーズって?」

大樹が問う

「ああ…イェーガーズは
私達を倒すために
帝具使いのみで結成された
特殊警察だ
実力もかなりあり、
以前メンバーだった一人が…殺されてしまった…」

ナジェンダが最後の部分を辛そうに言う

「あいつらが全滅だなんて…
一体どんなやつらがやったんだ?
そもそも、そいつらは俺たちの味方か?
それとも敵か?」

ラバが取り乱しながら言う

「噂によると一人らしい」

チェルシーの言葉に全員が凍りついた

「…は?」
「一人の手によって全滅したらしい
それともう一つ全滅したとこもある」
「どこだ?」

チェルシーの代わりに
ナジェンダが答えた

「拷問場の連中だよ
これも先ほど二人からの報告でわかった
しかも、拷問するためにとらわれていた人が全員
消えていたそうだ」
「多分帝具持ちだ
そうだろ、ナジェンダさん?」
「ああ」
「一体どんなやつが…」

ユウスケが言ったとき、
とある男の声が聞こえた

「ディケイドォ!」

その声を聞いて
士は呆れたような顔をする

「なんだ鳴滝!」

その言葉に答えるように
全員の中心に時空のゆがみが現れる
そこの中から鳴滝が現れる

「鳴滝さん!」「鳴滝!」

ユウスケと大樹も驚く

「えっと…こいつ誰だ?」

レオーネが訳がわからないように言う

「こいつは鳴滝…
まあ、協力者…って感じかな?」
「お前とライダー達の戦いが終わってからはな」
「何の用だ?バダンの一件以来じゃないか」

士と鳴滝が最後に会ったのは
平成ライダー、昭和ライダー、
そしてバダンやスーパー戦隊の
戦いが起こった時であった

「いや、実はお前達が今話していたことに関して
私からも話がある」
「なんだ?何か情報を持っているなら教えてくれ」
「構わないが、君たちにはわからないと思うぞ」

そう言って鳴滝は
士達の方を向いた

「実は…今回暴れているのは
仮面ライダーだ」
「仮面ライダー?なんだそれは?」
「こいつらのような奴らだ
鎧のような物をつけて戦う戦士
だが、そのライダーの中にも
正義と悪の2種類がいる」

鳴滝は簡単にライダーの説明をした

「この世界にも悪のライダーがいるのか」
「ああ…しかもタチが悪いことに…」
「なんだ?」
「もし奴が自分自身の完全な能力を知ったら
他の世界にも攻撃をしかけるかもしれない」
「どういうことだ、鳴滝」
「奴の名前はエンペラー、
仮面ライダーエンペラーだ
奴は…時を操る能力を持っている」

驚きのあまり一瞬何もわからなくなる

「…は?」
「まだその能力は完全に目覚めてはいない
だが、時を操る事は…空間を操る事に等しい
もし完全な力を知ったら空間をつなげ、
他の世界にも侵攻するかもしれん」
「えと…つまり?」
「ディケイドォ!…いや、今は士君か
君たちには彼らを倒してもらわねばならな」
「ら?」
「ああ、実行したのは一人だが
仲間はいるようだ」
「…大体わかった
簡単にいえばそいつを倒せばいいんだろ?」
「ああ…
ここからの話は君たちにも
わかる話だから聞いてもらう」

そう言って鳴滝はナイトレイドの方を向いた

「奴の力について調べた結果
この世界の帝具というものを使っていることがわかった」
「そんな力を持つ帝具が!」
「うむ。その帝具は最近まで封印されていたらしい」
「聞いたことあるな、封印された帝具
それの封印が解かれたと?」
「うむ」

ナジェンダが考え込む

「…その帝具の名前は?」
「世界創生 エンペラードライバー
シンプルな名前だ」
「現時点での力は?」
「ライダーへの変身と
自分に関する時を操る事だ」
「どういうことだ?」
「見たところ
傷つけられた箇所の時を戻して
回復させたり
一時的に自分の時を止めて仮死状態を
作り出したり…とそんな感じだ」
「なるほど
正体は…」
「そこはまだわからない
だがとにかく戦わなければならないのは確かだ…
頼めるか?」
「ああ、随分と危険そうなやつだからな
いいだろう、我々の次の任務は
そのエンペラーとやらの調査及び討伐だ」
「…ではよろしくたのむ」

鳴滝が再び発生した時空のゆがみに入ろうとする

「ちょっと待て、お前はなにするんだ?」
「私には念の為にやるべきことがある」

それだけ言って
さっさと消えてしまった

「では…お前達
今の話からわかったと思うが
どうやらまずい状況らしい
準備をしてからこの任務に臨むぞ」
「「「おう!」」」

全員が一斉に声をあげた















その電車は、狭間の空間を走っていた
名はデンライナー
時を超える事ができる電車…

「あーあ、全くよぉ
めんどくさいったらありゃしないぜ」

赤鬼の様な見た目の怪物が言う

「先輩、悪いのは先輩でしょ?
前に過去に行った時にリュウちゃんを、おいてきたんだから」
「そうや、いくらイタズラでもシャレにならんで」
「うるさいな!わかってるよ!全くもう…」
「まあまあ、みんな落ち着いて」
「そんな甘いとダメよ良太郎!
ビシッと言ってやらないと」

そういいながら少女は赤鬼の怪人を殴る

「いでぇ!?」
「モモタロス!ちゃんと反省しなさい!」
「わかったよ…」

モモタロスと呼ばれた怪人は
怠そうに答えた


デンライナーが向かう先は
とある世界のとある時代、
帝具が広がり、民が苦しむ国…
 
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