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魔法科高校の劣等生 世界を渡りあるく者

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第二話 一科生と二科生の溝

ピピピピピピ、という音が部屋の中に響く

それは約10秒ほどで止まり、部屋の主が目を覚ます

「もう朝か...」

蒼炎は起き上がるとまずは顔を洗いに洗面所にいく

すると、洗面所で達也と鉢合わせた

「おはよう。今朝はまた随分と酷い顔だな」

「ああ...おはよ」

達也が苦笑しながらそう言う。誰のせいだと思ってるんだと蒼炎は達也を睨むが知らん顔で下におりていった

入れ替わりに蒼炎も顔を洗い、私服に着替えて下に降りた

「あ、蒼炎お兄様。今朝は私もご一緒してよろしいですか?」

「ん?別にかまわないけど...達也は」

「別に問題ない」

「んじゃ、いこっか」

達也と俺は私服。深雪ちゃんは制服で朝早くから、ある場所へと向かった

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俺と達也は走りながら、深雪ちゃんはローラースケートで滑りながら、といっても速度は時速60キロほどある。ある場所ーーお寺へと向かっていった

達也と深雪ちゃんに関しては現代魔法の練習、俺は魔力放出の練習のため、これをやっている

そして、お寺に10分ほどでつき。達也が門をくぐると同時に襲われていた

このお寺にはある人を師匠としている人達が集っている

達也はここにくると毎回、その人達に組手をつけられている

通いはじめた頃は一人ずつの掛かり稽古だったがいまは二十人ほどで総掛かり稽古に変わっていた

俺と深雪ちゃんがそれをみていると、俺たちの後ろに気配を感じたので声をかけようかと思ったが、やめた

なぜなら

「深雪くん!久しぶりだねぇ。蒼炎師範もお久しぶり」

「先生....っ。気配を消して忍び寄らないでくださいと何度も申し上げておりますのに...」

深雪ちゃんがびっくりしたのをみて俺は満足した。なまじ感覚が鋭い深雪ちゃんが驚くのはあまり見れないからな

「忍び寄るな、とはまた難しい注文だねぇ。それに蒼炎師範は気づいていたみたいだよ?僕も『忍び』としてまだまだ未熟だねぇ」

「八雲さん。あなたは随分上手だと思いますよ。ただ、まあこれに関してはかけた年月が違いますから」

俺が苦笑しながら答える

「確かにねぇ。っと、もしかして深雪ちゃんのそれは一高の制服かい?」

「はい。昨日が入学式でした。本日はそのご報告をと思いまして...」

深雪ちゃんが説明をするが八雲さんは服の観察で聞いてない様子

その姿に若干、いや普通に深雪ちゃんが引いていた。まあそうだよな

この人は九重八雲さん。このお寺の住職である

そして、達也の体術の先生でもある。忍術使いーー古式魔法の一種に忍術というのがあり、それを使ったり伝える人の事であるーーでもあり、魔法師の間では有名な人でもある

っと、深雪ちゃんが引いてるから達也が八雲さんの頭の上に手刀を振り落としたな

でもそれは防がれてそのまま一対一の戦いになっていた

そういえば俺が八雲さんから師範扱いされている理由とか話してなかったか

それは俺が神凪流の正当後継者であることに起因する

すべての武術はここから派生されているのだから八雲さんが伝えている体術も元は先生が教えてたモノだ

といってもだいぶ変わっているがな

それで、八雲さんが達也に桜花っぽいものを教えていたときに、それはこうだって本当の桜花を見せたら驚かれて、それから俺が八雲さんが伝えてきた武術と俺が見ていたものを比較して直せる物は直そうってしてたらこう呼ばれるようになっただけだ

お、決着が付いたか。達也が見事に負けたな。まあ相手の土俵では勝てなかったか

「お疲れ様達也。大丈夫か?」

「ああ。すまない」

俺は座ったままの達也に手を出すと、それをつかみ立ち上がった

「土払おうか?」

「いや....頼む」

俺は頷くと右手を達也にかざした

すると達也に付いていた土がきれいさっぱり無くなっていた

その後深雪ちゃんが作ってきた朝ご飯を食べて、学校に向かった


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

「はあ....」

「お兄様....」

「謝ったりするなよ深雪。一毛一輪たりともお前のせいじゃないんだから」

「はい...しかし止めますか?」

「いや、逆効果でしかないよな」

「ああ。それにしても...」

「エリカはともかく美月まであんな性格とは...驚きました」

「...同感だ」

俺たちは三人揃ってため息をはいた

一歩引いたところから眺める三人の目に映っている光景は二手に分かれてにらみ合っている新入生の一団、その片方には顔見知りが居た

事の発端は昼休みのことだ。俺と深雪ちゃんは食堂にいる達也達と合流し、昼ご飯を食べようと思っていたのだが、クラスをでた瞬間クラスの連中(8割くらい男子だが)が付いてきてしまったのだ

まあ気にしなければあいつらもあきらめるだろうと思っていた俺がばかだった

食堂に着きみんなを見つけそこに座ろうとしたのだがあいにくとあいていた席はひとつだけ

当然俺は深雪ちゃんに席を譲った。みんなで食べる機会はこれからもあるから別に固執する必要は無いと感じていたからだ

だが、着いてきていたクラスメイトがいきなり二科生なのだから席を譲れと言い出したのだ

どうやらそこでエリカととレオ(達也のクラスメイトの男子、西城レオンハルトだ)の堪忍袋の緒が切れそうになっていたので、仕方なく飯を食べ終わっていた達也が席を離れた

深雪ちゃんの最優先は達也なので、仕方なくその後はクラスメイトに付き合ったのだ。俺も付き合わされたが

さらに、午後の専門課程授業見学の時に達也達を含めた俺たちが射撃場ーー遠隔魔法実技室の見学席の最前列を陣取ったのだ。なにせ実技を行っているのは遠隔魔法の天才と言われている七草先輩のクラス、みんなが見よう見ようと思ってる中で最前列をとったのだ。それだけならば普通の高校であればあいつらいいなー、程度で済むだろう。しかしここは二科生制度をとっている魔法科高校。一科生の連中は俺たちを差し置いてなに最前列に座ってやがるあの連中、となるわけで、見事に悪目立ちした

そして、それらの不満が爆発したのが今目の前で起こってるこれだ

授業がすべて終わった後にクラスの連中は当然深雪ちゃんと一緒に帰りたいので誘おうとする

そんなことは百も承知なので早めに教室を出たのだが達也達ど合流したと同時に追いつかれてしまった

そして達也に一科生が難癖をつけたのだ

そして、ここに居たのは昼の時と同じメンバー。とうぜんエリカ達も黙っているわけではなかった

まあ以外だったのは

「柴田さんまであんな性格とはな」

「はい、エリカあたりは予想していたのですが...」

というのも今一科生に反論しているのが柴田さんなのだ

俺はそういうのがめんどうくさい、というか早く帰りたかったので適当にぼんやりしていたら

「だったら教えてやる!」

俺の脳内で警鐘が鳴った

顔を上げてみると一科生の一人がレオに向かって銃タイプの特化型CADを向け魔法を発動しようとしていた

「お兄様!」

達也はその方向に右手のひらを向け、俺は右手で銃の形を作り向けた

勿論レオも怯えて動かないなんてことはなく、防衛のためにCADを奪おうとしていた

だがその間に乱入者が入り、CADは叩き落とされた

エリカだ

「この距離なら身体動かした方が速いのよね」

どうやら自信が持っていた警棒を使い弾いたようだな

だが、それが皮切りとなりもう一人も魔法を発動しようとしていた

それを直感で感じた俺は反射的に確認もせずにその方向に右手を向けた



イメージとしては引き金を引く

(シュート)


そして、その魔法が発動されかかった瞬間、それはキャンセルされた

「やめなさい!自衛行為以外での魔法での対人行為は校則違反の前に犯罪行為です!」

別の方向からこちらに手を向けて歩いてくる七草先輩の姿ともう一人が見えた

その手のあたりには想子の残り香が感じられる

「1-Aと1-Eの生徒ね。事情を聞きます。ついて来なさい」

そしてもう一人の人が前に出て来てそういった。思い出した、風紀委員長の渡辺先輩だ

面倒なことになったな、と思っていたら達也が渡辺先輩の近くに行き

「すみません、悪ふざけが過ぎました」

と言った

「悪ふざけ?」

渡辺先輩が片眉だけを動かし、怪訝な顔つきをしていた

「はい。森崎一門のクイックドロウは有名なので後学のためにみせてもらうだけのつもりだったのですが、あまりに真に迫っていた物で思わず手が出てしまいました」

その言葉に渡辺先輩は魔法を使おうとしていた二人を見てから達也に向き直り冷ややかな笑みを浮かべた

「ではその後に1-Aの生徒が攻撃性の魔法を発動させようとしていたのはどうしてだ?」

その質問に対しても達也は無表情で答えた

「驚いたんでしょう。条件反射で起動プロセスを実行できるとはさすが一科生ですね」

「君の友人が魔法で攻撃されそうになったわけだが。それでも悪ふざけと言うのか?」

「彼女が使おうとしていたのは唯の閃光魔法ですので、それも失明などの心配は無いレベルの」

その言葉に周囲がざわめく

それはそうだろう。この発言は達也が展開中の起動式を読み取れるということなのだから

起動式とはプログラミング言語と少し似ている

それを発動までの一瞬で読み解くと言うのは普通は不可能だ

なにせアルファベット数万字、非常識と言っても過言ではない

「ほう?どうやら君は展開中の起動式を読み取れるようだな」

「実技は苦手ですが分析は得意ですので」

それをこの男は得意の一言で済ませた

どちらかというと特異の方があっていると思うが

その言葉に渡辺先輩はどうするか迷ったみたいで、七草先輩が前に出て来た

「魔法の発動には様々な制約があります。それも一学期のうちに習うと思うのでそれまでこういうことは控えるようにしてくださいね」

と言って、渡辺先輩を連れてもと来た道を戻っていった

「はぁ...」

俺は溜息をこぼした。どうやらばれてなかったようだな

さっきの起動式を壊したのは七草先輩ではなく俺だ

七草先輩がやろうとしていたのは想子弾により起動式を壊すというもの

起動式も想子でできているので同じ想子ならば干渉可能なのだ

それを利用した、現状最も有効とされる対抗魔法(魔法を打ち消す魔法)もあるが今は関係ないか

俺がやったのはそれと同じ、ただし一工夫が加えられており一般の想子弾よりも弾速がある

それがばれたら達也みたいに聞かれかねないからな。面倒なのはいやだ

「さて、帰ろうぜ?」

俺は達也にそう提案すると、頷き家への道を歩き出した


昼飯のメンバーから二人ほど増えたがその紹介はまたの機会としよう。ここではさしたる問題ではないからな 
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