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旧エクリプス(ゼロの使い魔編)

作者:cipher
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第08話 エルフ交流

ブリミル暦6152年 ウルの月 フレイヤの週 虚無の曜日
皇紀2710年 5月 1日 ネフテス アディール(首都)

Side テュリューク

テュリュークは、老評議会の有力な議員(次期のネフテスの統領)である。蛮人対策委員会委員長している。

「テュリューク殿、首都に向かって来る白いフネを発見しました。蛮族が乗っています。今の処、艦隊で包囲し警戒に当たっております。
何でも国交望んでいるとの事です。いかが致しましょう。」

ネフテスの騎士が慌ててやって来て、テュリュークに報告した。

「よし、私が交渉しよう。ビダーシャルも呼べ、一緒に同行するように伝えろ。」

テュリュークが騎士に命令する。騎士は、ビダーシャルを呼びにその場から辞した。
それからテュリュークは、準備を行いビダーシャルと合流し、白いフネの所へと赴いた。多数の護衛を引き連れて・・・。

報告から一時程たっていた。

「何だ!」

ビダーシャルが答える。

白いフネが、砂漠へと着地していた。
フネには、ハルケギニアのフネと違って帆もないである。
フネ形も独特の形である。先端部分が、二つ別れており塗装も白を基調に、一部は鮮やかな赤色に塗られている。突き出した先端底部は黒色で、フネの上部一部はグレイである。
翼のようなものが、左右に二枚、後部に縦に二枚見受けられる。
先端の片方のハッチが開き、そこからは、大型トレーラーが降りて来ていた。
テュリュークやビダーシャル、それに護衛達もその光景を驚愕の表情で眺めていた。
ハッチから2名の男女が降りて来ている。1人は光輝で、もう1人はラミアス艦長であった。
光輝はほくそ笑みながら思う、掴みはOKだな。

テュリュークは、やっと正気に戻り光輝に近づいて行った。ビダーシャルや護衛達も我に返り、足早にテュリュークを追い駆ける。

「蛮族が何用だ。」

テュリュークが光輝達に離れた位置から話し掛ける。
ビダーシャルは、その横に立ち、護衛達は光輝らを遠巻に囲んでいる。

「偉大成るエルフの民よ、我々はハルケギニアより、遠き東の国より参りました。偉大成るエルフの民との交流を持ちたく、お話しさせて頂きますよう御願い致します。
其処に有りますのは、トレーラーと言います。その荷台に乗っているものは、我が国よりの細やかばかりの贈り物です。
平和的な話し合いを望んでいます、その証に護衛の方に杖を預けます。」

「宜しい話を聞こう。杖は預かろう。」

テュリュークは、護衛の1人に杖を預かるように指図する。
護衛は、恐る恐る光輝とラミアスから杖を預かった。

「ここでは、熱く御座います。宜しけば、艦内で話の場を設けましょう。護衛の方達には、宜しければ艦内を案内しましょう。」

テュリュークは、ビダーシャルと何やら話し合って、光輝提案に乗る事にした。
「分かった。案内を頼もう。」

光輝とラミアスを先頭に、テュリュークが続いた。
一部の護衛は、フネの周囲を警戒する為に残った。
それでも、20名程がテュリュークを護衛しながら光輝達に続いた。
光輝は、艦の説明をしながら艦長室に案内した。
所々でビダーシャルは、質問してきたが、光輝は適切に回答を行なった。
途中エレベータでは、一悶着あったが一度に全員乗れない事を説明し、3班に別れて移動した。
艦長室に付く頃には、光輝のきめ細やかな対応と初めて見るハイテク技術に興味を示し、大分警戒感が薄くなっていた。

艦長室に着くと、ラミアスが扉を開ける。

「どうぞお入り下さい。」

光輝がフォローする。
「ご覧の様に艦長室は、広くありません。護衛の方を含めてそちらからは5名、こちらは、私とラミアス艦長の2名で会談と言う事でどうでしょう。他の護衛の方は、扉の前と残りの方は、艦内見学など自由に行って結構です。」

テュリュークとビダーシャルで相談し、会談はテュリュークとビダーシャルと護衛3名、扉の前に護衛2名、艦内見学は、5名づつ3班となった。
ラミアスは、環境に連絡して3名の案内役と5人分飲み物を頼んだ。
案内役が来ると15名は、3班に別れて見学に向かった。
艦長室には、護衛役の為に簡易テーブルと簡易椅子が運ばれて来て、各テーブルには、飲み物とデザート各種、フルーツの盛り合わせ等が置かれていった。

「まずは、自己紹介行いましょう。ネフテス国より遥か東の国、日本帝国(ジャパン)から来ました光輝・一条です。」

「マリュー・ラミアスです。この艦の艦長をしています。」

「テュリュークです。老評議会の議員しています。」

「ビダーシャルです。」

「この度は、会談に応じて頂きあります。
まず、日本帝国は地図で表すとモニターに表示されている赤色国です。」

艦長室には、大型モニターが設置してあり世界地図が表示されていた。
光輝は、地図を指し示しながら、説明を続ける。

「ネフテスのアディールは、黄色の点です。ハルケギニアの国々は、青色で表しています。
私達の国は、他国を侵略しない永世中立国です。出来れば偉大なエルフの民と交流を持ちたくはるばるこの地にやって来ました。私達の国は、技術が発展しており、魔法は遅れています。
エルフの民の作るマジックアイテムや文化的な知識を欲しています。代わりに砂漠の緑化事業を私達で行いと思います。私達の技術であれば、砂漠を緑の大地にすることが出来ます。また、各種食料品も提供します。そちらからのマジックアイテムなどは、後払いで結構です。緑の大地にした面積に合わせてマジックアイテムを頂ければ結構です。
また、先の話ですが国交がなり、平和条約を結んだ場合、ハルケギニアの国々からネフテス国に侵略があれば、私達の国もネフテス側に立って戦います。
これが私達の国からの正式な親書です。私達の国は、ハルケギニアの様にネフテス国への侵略は、反対です。また交流が不可能と成っても先の贈り物は、返す必要はありません。
是非、老評議会で検討して下さい。」

「要件は解った。老評議会で検討しよう。」

それから2〜3時の間、光輝達は話し合った。
その間に艦内見学の護衛達にも豪華な食事が出されおり、ちゃっかり扉の前を守る護衛達や周辺を警備していた護衛達も交代で食事を取っていた。
テュリュークとビダーシャルの知らない所で餌付けされていた。

Sideout

その後、1週間老評議会で検討が行われ、不利益も無い事から試しに一部地域を緑化するこで、交流はそれまで様子見という事が決まった。
反対する意見もあったが、贈り物に含まれていた宝石や綺麗な布地、大量の新鮮なフルーツや菓子類が賛成派を後押ししていた。
食べ物を多くしていたのは、保存が効かず国民に配られたからである。
光輝の計略通りであった。

光輝は思う、やっぱり胃袋を押さえるのが一番だと。

その後、5年立たずに交流が開始され、10年で国交まで結ぶことが出来た。
 
 

 
後書き
マリュー・ラミアスは、ガンダムSEEDのキャラクターをイメージしています。 
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