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仮面ライダーディケイド 〜覇者の帝具〜

作者:カツゲン
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襲われた特殊警察 〜前編〜

士達とレオーネが出会ってから数時間後
帝都 イェーガーズ本拠地

「は〜あ、全く嫌になるぜ…」

イェーガーズの一人、ウェイブは
宮殿の庭にあるベンチで一人ぼんやりとしていた

ウェイブは、
エスデスや、クロメ達からの扱いに悩んでいた
始まりは数週間前、
エスデスが恋人として(無理矢理)連れて来た
タツミを逃がしてしまったことだった
しかもその時は交戦したナイトレイドのメンバーまで
逃がしてしまっていた
その時からエスデス達からの扱いが酷くなっていた

「あー、もうなんでもいいからすごいこと
起こらないかな…」

そんなセリフを何気なく呟いた時、
どこからか爆音が聞こえた

「なんだ!」

聞こえた方を見ると、宮殿の中から煙が上がっている

「くそ、本当に起こっちまうなんてな…」

そういいながら、彼は
帝具 グランシャリオを持ち、
現場へと向かった








「この力は…一体…」

既に侵入者と交戦していたランは
唖然としていた
ボルスと共に宮殿内を歩いていた時、
突然目の前に黒いコートを来た人物が現れた
ボルスが誰かを尋ねると、瞬間彼の体は
遥か後方へと吹っ飛んでいた
帝具を使い、謎の侵入者と戦闘を開始するが、
すぐに追い込まれてしまっていた

巻き上がっていた煙の中から
侵入者がこちらへと歩いてくる
ボルスはあの後ずっと気絶しているようだった
廊下も、発射した羽のせいで壁が崩れ、
今にも床が抜けそうなほどボロボロだった

彼は自分の帝具、マスティマから
羽を発射するがまったく当たらない
まるで、瞬間移動しているかの様だった
侵入者はみるみると迫り、やがてランの目の前に現れた

「あなたは…一体何者なんですか…」

侵入者へと尋ねる

「………」

だが、答えは返ってこなかった
侵入者は恐ろしいほどの力でランの膝を踏んだ

ゴキッ…

「ぐぁぁぁぁ!」

一発で骨が折れたのがわかった
侵入者は満足したような様子だった

やがて両手に持っていた時計の針の様な形の剣を
振り上げる

(もう終わりだ…)

そう思った時、ランと侵入者の間に何者かが
割って入り、侵入者を斬りつける
侵入者は後ろへと飛び上がった
全身にまとった鎧から、誰かはすぐにわかった

「ウェイブ…」
「待たせたな!」

ウェイブがこちらを振り向き答える

「まさかこんなことになっていたとはな
でも、この俺が来たおかげで命が…なに!?」

ウェイブは侵入者を見て驚いた

さきほどの斬撃は確かに
相手の腹を斬っていた
手応えもあった
だが、相手の身体には血どころか
傷すらついていない
コートも元のままであった

「嘘だろ…?」

ウェイブは再び相手へと斬りかかる
しかし、反応を楽しむためかわざと斬りつけられている

「くそ!なんだこいつは!
なぜよけな…え?」

さきほどと同じく剣は確かに当たっていた
今回はちゃんと傷と、そこから出る血も確認していた
だが…
流れて来た血は、
まるで、時間が戻っているかの様に
傷口へと戻っていき、
傷口も同じ様に回復していった

「こいつは…一体…?
生物型の帝具…いや、それならこんな回復の仕方ではない」

次の瞬間、目の前に侵入者が立っていた

「ククク…何が起こったかわからないだろう?」

そう囁いた声は男のものであった

「な…」

気づいた時には男に掴まれ
さきほどまでいた庭の上空にいた
横にはランもいた
そして…全身に地面に打ち付けられたような痛みを感じ、
意識が途切れた



「これで三人目…帝国が誇る特殊警察も
この程度とはな…」

男は気を失ったランとウェイブを見ながら言った

「残るは将軍も合わせて三人か」

男は振り返り、騒がしくなっている宮殿を見て笑った

「さあ…ここからがショータイムだ」






 
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