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旧エクリプス(ゼロの使い魔編)

作者:cipher
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第05話 商会設立

ブリミル暦6142年 フェオの月 エオローの週 虚無の曜日
皇紀2700年 4月17日 トリステイン王国 トリスタニア(首都)

Side ルカ・アンジェローニ

「光輝さん、エクリプス商会長のルカ・アンジェローニです。宜しくお願いします。」

「ルカ君、お疲れ。頼んで於いた商品サンプルは、持って来てくれたかな?」

「この通り、バッチリです。」

ルカは、従業員の運んでいる台車を見せる。
回転翼航空機、運んで来た荷物をトリスタニア入り口付近まで、タチコマに運ばせ、先程台車に乗せ込んだのだ。
そこで、光輝とトリスタニア入口で合流し、首都の通りを歩いている。
勿論、会話はハルケギニア語だ。
これまで、2週間で現地調査を終え、会話には支障ない。
実際に光輝は、1週間前からトリスタニアの街を調査しているのだ。
当然、バイオロイド達もハルケギニア語をインストールしている。
2週間でハルケギニア語を習得出来たのは、マザーコンピュータの恩恵によるものだ。

「これから行く所は、トリスタニア商人ギルドの代表の所だ。」

「光輝さん、これをどうぞ。頼まれていた名刺です。」

ルカは、光輝に名刺を渡す。

「ルカ君、ありがとう。」

そうこうしているうちに、ギルド代表のいる商会に着いた。

「すいません。会頭のアシルさんは、いらしゃいますか?
本日、会う約束している、光輝・一条といいます。」

光輝は、商会の従業員らしき人に声を掛ける。

「少々お待ちください。今、取り次いで来ます。」

従業員らしき男性は、店の奥に消えていった。

しばらくして、老齢の男性が現れた。

「私がベルモンド商会会頭のアシルです。」

「初めまして、光輝・一条と言います。」

「初めまして、エクリプス商会会頭のルカ・アンジェローニです。」

「初めまして。何でも商談があるとのこですが、ここでは何ですから、奥へどうぞ。」

アシルが応接室へ案内して行く。光輝達は、アシルに案内されて応接室に入る。

「席へどうぞ。」

アシルから席を勧められて、光輝とルカが席に座る。エクリプス商会の従業員3人は、商品サンプルのダンボールを抱えて、ルカの背後に立っている。

「ありがとうございます。改めて自己紹介をさせて頂きます。日本帝国(ジャパン)と言う遙か東の島国から来ました。光輝(コウキ)一条(イチジョウ)です。身分は、五摂家の一つである一条家当主です。
こちらでは、ゲルマニアの辺境伯みたいな者です。」

光輝は、挨拶と一緒に名刺を渡す。
アシルは、驚きながら名刺を受け取る。

「貴族様ですか?ご無礼な対応失礼しました。」

アシルは、光輝が貴族である事を知って恐縮する。

「あまり恐縮しないで下さい。ハルケギニアの貴族の様に領地を持っている訳ではありません。天皇陛下、此方で言うところの国王ですが、権力を持っていますが、政治などを行う役人等は、国民、こちらでは、平民が行っています。現在の首相も一般人です。
私は、庭園を持っていますが、あくまで屋敷と広い畑ですが、単なる資産に過ぎません。罪を犯せば、貴族も平民も同じ様に罰せられます。」

「はぁ、トリステインの貴族とは、全然違いますね。それと、これは何ですか?」

「名刺と言います。」

「凄いですね。絵が光輝様そっくりです。」

「様付けは入りませんよ。光輝さんで結構です。私の国では、呼び捨てか
さんや君付けで呼ばれています。
名刺の絵は写真と言います。」

携帯を取り出し、カメラでアシルの写真を取って見せた。

「凄い、魔道具ですか?」

アシルは、自分の顔が写った携帯を見ながら少し興奮している。

「その様な物です。紙に写真を印刷すればこの様になります。
写真付きの名刺を渡せば、名前と顔を覚えて貰えます。
折角なのでルカ君を紹介します。
エクリプス社の御曹司で、エクリプス商会の会頭であるルカ・アンジェローニ君です。」

ルカも名刺を渡しながら自己紹介する。

「ルカ・アンジェローニです。父に任されてエクリプス商会の会頭やっています。まだまだ未熟者故、気軽にルカ君と及び下さい。
エクリプス商会は、東方の国の商品を運ぶ輸送業を行います。
今のところ、直接販売しません。ハルケギニアの商人に卸し、販売は、その国の商人に任せたいと思います。それでは、少ないですが商品サンプルをお見せしたいと思います。」

ルカは、自分で持っているアタッシュケースを開いて、アシルに見せた。
そこには、宝石のペンダントが並んでいる。

「凄い!宝石も凄いが、カットが素晴らしい。」

ルカは、手袋をして、一つのペンダントを持ち上げる。

「これは、ブリリアント・カットと言います。58面体にカットしています。宝石が最も美しく輝くカットの一つです。是非手に取って、見てください。」

ルカは、アシルに予備の手袋を渡す。

「綺麗だ・・・。」

アシルは、各ペンダント手に取り、いろんな角度から眺めている。チョット悦に入っている。

「挨拶代わりに、一つプレゼントします。御家族方へ贈られたら喜ばれるでしょう。」

「本当に良いなかね。」

「えぇ、これから末永いお付き合いになるでしょう。それに、トリスタニアのギルド加盟や倉庫等の店舗手配、授業料としては安いものです。」

「分かった。格別の便宜を図ろう。」

「宜しくお願いします。また、手持ち資金がないため、宝石はオークションで販売します。各種酒類や加工食品は、ギルド員の方々に是非試食して貰いたいと思います。ハルケギニアには、知己がいないのでその手配もお願いしたいのですが、頼めるでしょうか?」

「こんな素晴らしい物を貰ったんだ。段取りは、任せ給え。」

アシルは、最初に見せられた、ブリリアント・カットのダイヤのペンダントを貰い上機嫌に答えた。

Sideout

その後、無事オークション開かれ盛況の内に終わった。試食会でもウイスキーやブランデー、日本酒等の酒類は珍しさもあり、好評であった。特に缶ビールや缶詰等は、金属の加工技術と装飾(デザイン)に皆絶賛であった。勿論、ラベルは、ハルケギニア語で書かれている念の入れ様である。

ルカは、オークションで得た資金を元に、郊外に広い土地を購入して地下に自家発電を設置した倉庫兼住宅立てた。その様にして、各国に商会の支店を作っていった。

建造物は、パネル工法で工業プラントで製造して、大型の熱光学迷彩飛行船で運ばれて来た。工事には、多数のアンドロイドやタチコマ達が、投入されている。

今後の商会は、調査・諜報活動の拠点として機能する。
売上の内、運営費を覗いては、魔道具(マジックアイテム)や風石、薬草、食材の原料などに使われる。
魔道具や風石などは、研究所に送られる。
料理のレシピは、書籍や魔法学院の厨房の監視カメラから分析を行う。
食材や薬草は、種子や家畜など生きたまま、購入して本国の農業試験場に送られる。
 
 

 
後書き
ルカ・アンジェローニは、マクロスFのキャラクターをイメージしています。
暦を修正しました。 
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