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機神呼嵐デモンベイン

作者:ハイド
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第三部『TAKE ME HIGHER ~機神咆哮ッ!ブラックロッジに反撃の狼煙だゾ!~』
  第8話「強くなろうとした矢先にトラブルはつきもの」

 
前書き
どうも、ハイドです。
今回は第三部に突入!そして、クレしんキャラが登場します!

それではどうぞっ。 

 
 英雄は生まれ落ちたその瞬間から、英雄たる宿命を背負い生きるものなのだろうか?英雄として生まれ、英雄として育ち、英雄である事に疑いを持たず、英雄として当たり前に振る舞い、英雄としての偉業を当たり前に成し遂げる。
 否、それは違う。 英雄が英雄たる素質は生まれ持った宿業であるが、英雄を英雄足らしめるのはその行いであり、世界の記憶に刻んだ結果である。
 そして、英雄となるには、苦難の道を歩まねばならぬ。
 その道は、吹き荒む嵐のようで、雷が降り注ぐように荒れ狂い、凶器が飛び交い、業火にその身を焼かれる・・・炎の匂いが染み付きむせ返る地獄のような道。
 その道は、数多の血を流し、自らの血反吐を吐き、何人もの血に浸かりながら進む道。
 かつて、青年は5歳だった頃、幾度もその道を通った。その地獄のような道で血を流し、時には傷つき倒れながら、悩み苦しみながらもそれでも彼は進み続けた。家族や仲間と共に・・・。そして、未来を掴み取り現在を生きる。
 そして、時は流れ・・・今、再び青年は英雄の道へと歩む事になる。その道の果てに、青年・・・野原神之介を待つものとは何なのか・・・?それは誰にも分からない。


第3章『TAKE ME HIGHER ~機神咆哮ッ!ブラックロッジに反撃の狼煙だゾ!~』


Side 神之介


「ふぅ・・・、壁の修理は終わりっと」
「神之介ちゃん、無茶しなくていいのに・・・」
「いいっていいって、この位はさせて欲しいゾ。ぶち破ったのオラだし」
 壁の修理を終え、オラとライカさんはそう会話を交わす。幸いライカさんは軽い打撲で済んだ。体を強く打って気を失っていたが、あの戦いの後、すぐに目を覚ましがきんちょ達を気丈に励ましている。
 もし、ライカさんの怪我がこの程度で済まなかったら・・・マスターテリオンが殺意を持っていたら・・・、本気で教会に向かって撃っていたら・・・オラはライカさん達を守れなかっただろう。あの時のように…。
(・・・畜生ッ!!!)
 否な事を思い出しちまった・・・。胸中で呟き、俯いてオラは唇をかみ締める。悔しかった・・・自分の無力さが・・・。何も守れない自分が・・・。
「神之介ちゃん?」
「ん?ああ、何?ライカさん」
 ライカさんの声が聞こえたのでオラは現実へと意識を戻しライカさんを見る。
「俯いてたからどうしたのかと思って。・・・随分と怪我してるみたいだから傷が痛むのかなって」
「あー、大丈夫だゾ。この位どうってことないって」
「安心しろ、未熟とは言え妾の主だ。死なせはせんよ」
「ま、そういう事。・・・っとライカさん寝室までおぶっていくゾ」
 口を挟んできたアルの頭をポンポンとなでてやり、オラはライカさんにそういう。
「そんな気を使わなくてもいいわ神之介ちゃん。一人で歩けるよ」
「まーまー遠慮しないの。人の好意は素直に受け取らなくちゃ。それに怪我人じゃんライカさん」
「神之介ちゃんだって、怪我してるのに。・・・しかも私より重傷っぽいし」
「問答無用っ!さー乗った乗ったっ」
 オラはそう言って、強引にライカさんをおぶって、寝室へと向かう。
「重てぇなぁ・・・」
 小さく呟く。その重さをかみ締めて・・・この重さは命の重さだ。もしかしたら、感じる事が二度と出来なかっただろう重み・・・。それを実感する。
「なぁんですってぇ?」
「え?あ・・・、聞こえてた?」
 ジト目で睨んでいるライカさんにオラは顔を引きつらせながら言う。この人地獄耳?
「聞こえてたに決まってるじゃない!いいもーんだ!み○もーんた!後は自分で歩きますから降ろして!」
「ご、ごめんごめん。冗談だゾ。・・・それにしてもさぁ・・・」
「何?」
「最近太った?」
 げ ん こ つ !!!
 顔を真っ赤にしたライカさんがオラに拳を落とす。途端に来る母ちゃんにゲンコツ落とされたとき並みの衝撃、激痛。・・・そして昏倒。
 ・・・あ、おまたのおじさんにロボとうちゃん久しぶり。・・・って
「あ・・・あぶねェェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!死ぬかと思った!あの世で見知った顔が手招きしてたッ!!!!」
「神之介ちゃん!やっと起きt」
 ぷにょん。
「お」
「」
 三途の川から復活。そして飛び起きると同時に顔面にマシュマロのようなやわらかい感触。・・・何だ、このやーかい物体は?そう思いながら、手で触れて揉んでみる。
「ちょ・・・神之介ちゃんッ!や・・・あんッ!」
 すると、ライカさんの声が・・・。一瞬で把握。これ、ライカさんの胸だ・・・。揉むたびに上げるライカさんの嬌声にオラの理性ゲシュタルト崩壊寸前。
「ご、ゴメン!ライカさん!!!」
 ヒャア!我慢できねぇ!直揉みだァ!・・・な気持ちを抑え、慌ててライカさんから飛びのく。
「だ、大丈夫よ!き、気にしなくていいからッ!神之介ちゃんだってけだもn・・・ゲフンゲフン男の子だもの!欲情くらいするわよね!こんな大きな胸に顔面ダイブしたら!」
「歯に衣着せてェェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!アンタシスターだからね!修道女だからね!神に仕える身がンな卑猥な言葉言っちゃあかんでしょ!?後、さりげなくケダモノ呼ばわりしようとしたな!?」
 顔を真っ赤にしながら言うライカさんにツッコミ。この人・・・本当にシスターなんだろうか・・・。ンな事はさておき、ライカさんをおぶり直し、再び行く。

「ついたついた。入るゾー」
 ライカさんの部屋に着いたのでそういいながらドアを開ける。
(何時見ても・・・質素だよなぁライカさんの部屋)
 部屋を見ながらオラは胸中で呟く。彼女の部屋は飾り気のない質素で落ち着いた部屋だ。・・・オラとしては、女の子らしく飾り気を多くしたほうが良いと思うが・・・口に出すのも野暮ってもんだな。
「さてと、オラはここで帰るゾ。ライカさん、少なくとも安静にしたほうがいいよ。後、何かおかしな所があったらお医者さんに行く事」
「はーい、分かりましたよー。・・・ありがと、神之介ちゃん」
 オラはライカさんをベッドに下ろして言う。ライカさんは少し不貞腐れ気味だったが、柔和な笑みを浮かべ礼を述べた。
「礼はいいゾ。がきんちょ達はオラが寝かしつけるから、心配しないでね。それじゃあお休み」
「・・・神之介ちゃん。また危ない事をするつもりじゃないでしょうね?」
 ライカさんにそういって立ち去ろうとしたオラをライカさんの不意打ち質問。思わずドアの前で硬直したが、笑みを作って振り返った。
「大丈夫大丈夫、危険な事はしないゾ」
 勿論嘘だが。本当のことを言うと、絶対に止めそうな気がするからなぁ・・・。
「神之介ちゃんが抱え込む必要なんて全然ないんだよ?人にはみんな誰にだって、自由に生きる権利があるんだから」
「分かってるって、じゃそういう事で」
 ライカさんにそういいながら、オラは部屋を後にする。
「しんのすけ、ライカ姉ちゃんは?」
「ああ、大丈夫だゾ。今夜は休ませて上げな」
 部屋を出てからすぐ、がきんちょ達が居た。どうやら心配でついてきたのだろう。問いかけにオラは微笑みながら答え、頭を撫でてやる。
 その後、しぶしぶがきんちょ達はおのおのの部屋へと戻った。・・・あれ?遠く離れた所でアリスンが・・・。
「ほら、アリスンもh」
 オラが早く寝たほうがいいよ。といい終わる前にアリスンは逃げるようにして、部屋へと入っていった。
(・・・やれやれ)
 そんながきんちょ達を見て、オラは胸中でため息をついたのだった。

「終わったか?」
「ん、まぁな」
 教会の入り口にアルが居た。彼女の問いかけに短く答える。
「さて帰って寝るとしようか、神之介よ。修行に妾の断片探し・・・明日から忙しくなるぞ」
「やれやれ全身ボロボロの身だってのに・・・人使いが荒い魔導書だゾ。もーちっと主をだな・・・お?」
 アルの言葉に返事をしつつ、教会のドアを開けると見知った顔が・・・。
「さて、野原さん・・・分かってますね」
 そう、姫ちゃんとひつじさんだ。まぁ、デモンベイン勝手に動かしたんだから予想はしていた。
「ああ、勿論だゾ。言い訳とかはしねーよ」
「デモンベインを無断で使用した上、街にあのような被害を出したことを認めるというのですね?」
「ああ、みとm「デモンベインは妾と神之介の鬼械神だ。汝にいちいち許可を申し出る必要は無い」うおーい、空気読んでくださいアルさん」
 姫ちゃんの言葉に頷こうとしたその時、アルが横槍を入れてきた。姫ちゃんは勿論の事・・・、
「私は野原さんと話をしているのです。貴女ではありません」
「むぅ・・・」
 不機嫌な顔でアルをばっさり切り捨てた。うめきながら頬を膨らませるアル。
「デモンベインを無断で使用した挙句、結果がアレでは話になりませんわ」
「否定はしねーゾ。ンな事したってデモンベイン呼び出して負けたのは変わりねーからな」
 ため息交じりで姫ちゃんに返事を返す。・・・分かっているのだ。ブラックロッジに対抗する切り札・・・デモンベインの存在理由を考えれば、姫ちゃんがこんな静かな怒りを燃やしているわけが。
「神之介!我等は当然の事をしたまでだ!敵と・・・あのマスターテリオンと対峙したのだぞ?戦う術として鬼械神を喚んで何が悪い?あの程度の被害で済んだことを喜びこそすれ、責められる道理などなかろう!」
 マスターテリオン、その名を聞きひつじさんと姫ちゃんの表情に戦慄が走る。
「野原様・・・、ここに現れたのはマスターテリオンだったのですか?」
「・・・そうだゾ。実際に見たのは初めてだけど」
「間違いないのですか?野原さん」
 ひつじさんの次に姫ちゃんが尋ねる。オラは頷きながら続けた。
「ああ、男だか女だか分からないようなスカした面の金髪ロングに金色の目をした変なヤツだったゾ」
「金色の邪眼・・・お爺様の言ったとおり実在していたのですね?」
「ふ、これで頭の悪い汝でも理解出来たであろう」
 姫ちゃんの言葉に、アルが再び口を挟んだ。
「ええ、分かりましたとも。ネクロノミコンの力ではブラックロッジに対抗できないという事が」
「・・・何だと?」
「ブラックロッジを倒せないデモンベインでは意味が無い。私が別の魔導書の探索を依頼したのは間違いではなかった・・・と言う事です」
「黙って聞いておればッ!妾以上の魔導書など存在するはずが無かろう!このうつけ!ド素人!」
「なァァァァァァァァァァァァァァァァんですってェェェェェェェェェェェェェェェェェェ!!!このヤギの餌!」
 アルの悪口を皮ぎりに始まった口げんかを見ながらオラはため息をつく。・・・何でこの二人はこーなんだろうかねェ・・・。
「なんつーか・・・まつざか先生と石坂先生を見てるような感じだゾ」
 そして呟いた。・・・あ、ちなみにオラが呟いた二人の先生は幼稚園の時の先生ね。
「と・に・か・く、野原さん!」
「はいっ!」
 急に名前を呼ばれたので返事をする。姫ちゃんはただならぬオーラを纏いながらオラに言う。
「魔導書捜索の依頼は取り消します。あと、前金はそのままお納めくださいね。あれは正当な報酬ですから」
「・・・ちょっと待て、つー事は・・・?」
「そのままの意味です。ブラックロッジの事などさっぱり忘れて普通の生活にお戻りください。アル・アジフ貴女もです」
 姫ちゃんの口から飛び出した宣告。ブラックロッジのことを忘れろ・・・つまり、デモンベインも使うなと言うことか・・・。以前のオラならあっさりと承諾し普通の生活に戻っただろう。・・・だけども、今のオラは違う。
 あんなものを見せ付けられて・・・、引き下がる訳にはいかねぇッ!!!
「悪いけど・・・姫ちゃん。それは出来ないゾ」
「野原さん、よく聞こえませんでしたが・・・?」
「それは出来ないって言ったんだゾ。・・・あそこまでされて・・・あんなもん見せられて・・・『はい、そうですか』っていつもの生活に戻れる訳がないゾ!」
 確固たる決意を胸に姫ちゃんに言う。となりではアルが「よく言った」と言わんばかりに笑みを浮かべた。
「野原さんがブラックロッジから手を引けば、此度の件は不問にするのですが・・・」
「知った事か!・・・この際だから、はっきり言ってやる。魔術の魔の字もわかんねード素人が魔術に首突っ込んでんじゃねえ!あんなのは姫ちゃんみてーな温室育ちのお嬢様がホイホイ踏み込んでいい世界じゃねーんだよ!!!つー事で、デモンベインは必要とあらば使うから、じゃそういう事で!!!」
「そ、そんな勝手が許されると・・・の、野原さん!話はまだ・・・」
 畳み掛けるようにオラは姫ちゃんにそういうと、制止の声も聞かず彼女と別れた。後ろで「野原さァァァァァァァァァァァァァァァァァん!!!」と姫ちゃんの絶叫が聞こえたが、一向に無視をしたのだった。

 んでもって、オラはアルと共に帰路を急ぐ。歩きながらオラは後悔していた。頭に血が上っていたとは言え・・・ブラックロッジのみならず覇道財閥まで敵に回してしまった・・・色々と気が重い。
「汝が気に病むことはないぞ、神之介。彼奴にはいい薬になる。ああ言う身の程知らずの小娘は誰かがガツンと言ってやらねばならぬのだ」
「そうは言ってもなぁ・・・相手はあの覇道財閥の総帥様だゾ?絶対、総力挙げて存在抹消しに来るって・・・」
 アルの言葉に、オラは頭を抱えながらそう反論する。
「何をビビッておる。汝は魔術師ぞ、シャキっとせんかシャキっと」
「ンな事言ってもしんさん魔術師なりたてほやほやだぜ?右も左も分からない生まれたてのバンビだぜ?」
「大丈夫だ、デモンベインがある」
「おいィィィィィィィィィィィィィィィィィ!何だよ、そのどっかの地球育ちのサイヤ人みてーな台詞!いざとなりゃデモンベインで暴れまわれってか?!ンな事すりゃマスターテリオン倒す前にオラたちがブタ箱行だろうが!」
 ンなコントをしていると、家に着いた。いつものように鍵を開けて中に入ろうとして・・・ふと気づく。
「開いてる?」
 鍵が開いてるのだ。出かける時はちゃんと鍵は閉めるのだが・・・。・・・まさか、覇道財閥が送った殺し屋が待ち構えているとかじゃないよな?
「何をビビッておる。もしものときはマギウスになって撃退すれば良かろうて」
「ま、そりゃそうだな。・・・ただいまん丸お月様~」
 アルの言葉にそう呟きながら、ドアを開ける。すると、ドドドドドドドドドドドドドドドと走ってくる音が聞こえる・・・一体なんだ?
「おっかえりー!お兄ちゃん!!!」
「ぐぼぉ!!?」
 聞きなれた声と共に、砲弾のように飛び出してくる黄色い人影。そして腹にくる衝撃と激痛。オラはもんどり打って倒れる。
「ひっさしぶり~♪今まで何やってたの~?」
 倒れているオラを覗き込むように見ている少女・・・歳は16ぐらいか?黄色を主体とした可愛らしい服を着た、太陽の笑顔を浮かべる栗色の髪の少女。・・・この顔には見覚えがあった。・・・そう、
「な、何でお前がアーカムに来てんだ!?ひまァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
 ひま・・・野原ひまわり、オラの妹だ。ひまわりを見たオラの絶叫が自宅に木霊するのであった。


Side out


-ドクターウェストの部屋。


「・・・という事で理解できたかな?ドクターウェスト」
 そういって、モニターの向こうのアウグストゥスが消える。ぶっちゃけて言うとアル・アジフの断片の回収という任務がドクターウェストに通達されたのである。
(まったく・・・忌々しいタラコ唇め。大導師の意思とは言え、調子に乗りすぎである・・・)
 怒りに顔を歪め、歯軋りをしながらドクターウェストは胸中で呟く。そのたまりにたまった怒りを拳に込め、モニターにたたき付けた。
「元はといえば、こんな屈辱を味わう羽目になったのは・・・あのふざけたロボットとあの野原神之介と名乗る男の所為である!!」
 破壊ロボを屠ったあのロボット・・・、デモンベイン。魔を断つ者?覇道財閥の秘密兵器だか何だか知らないが、気に入らない。だが、それ以上に気に入らないのが・・・あのロボットのパイロット、野原神之介のことだ。
 後一歩でアル・アジフを回収できた所を邪魔され、そして破壊ロボをもデモンベインでぶっ潰され・・・、自分の顔に二度も泥を塗ったあの男。・・・断じて許すまじッ!
「この恨み・・・晴らさでおくべきか・・・。只の倍返しでは済まさぬ・・・100億倍返しにしてくれるわ!それを何時やるか?今でしょッ!そうと決まれば、善は急げ!破壊ロボに改良に改良を重ねッ!あの青年をギャフンといわせた挙句ッ、ちょっぴり失恋にも近いトラウマを植えつけてくれるわ!なーっはっはっはっはっはっはっはっは!!!」
 早口でマシンガントークをかましながら、ギターをかき鳴らすキチ○イであった・・・。


-話は変わり、マスターテリオンの玉座の間。

「よろしいのですか?大導師」
「何がだ?アナゴストゥス。よし、逆鱗出た」
「アナゴストゥスではなく、アウグストゥスです大導師」
 ドクターウェストに指示を下した後、アウグストゥスはマスターテリオンにたずねる。またも自分の名前を言い間違えたのでツッコミを入れる。一方のマスターテリオンはあいも変わらず、PSPでゲームをしていた。後、彼の魔導書であるナコト写本、もといエセルドレータもPSPでゲームをしている。
 ・・・色々とツッコミたい事はあるが、それを胸にしまい、アウグストゥスは続ける。
「アル・アジフの捜索任務についてです。何故、よりにもよってあのアホを?」
「ウェストはアホではあるが色々と優秀だ。兵器開発、破壊ロボ製造、その分野に於いて、あの男の右に出る者はそうそう居るまい。む?尻尾を斬ったか、でかしたぞエセルドレータ」
「恐縮です、マスター」
 どうやらやってるのはモン○ンらしい。ゲームをしながら言うマスターテリオンにはぁ・・・とため息をつきながらアウグストゥスは言う。
「まぁ、科学者としての彼は優秀ですが・・・。キチ○イですよ?アイツ」
 アウグストゥスの一言に、マスターテリオンはブフッ!と盛大に噴出し、大爆笑をする。
「アハハハハハハハハハハハハハハハハハ!魔術師が他人を指して狂人呼ばわりとな!面白い冗談ではないか!!!」
「・・・からかわないでください」
 ゲームとかそんなのそっちのけでバンバンとコタツを叩きながら大爆笑しまくるマスターテリオンに軽くイラっとしつつも、アウグストゥスは続ける。
「話は元に戻しますが、ドクターでは畑違いなのでは?魔導書に関しては魔術師が最適かと。今からでも遅くはありません、七つの頭を招集するべきでh」
「あ・・・、いつの間にか、討伐されてる・・・。余がトドメ刺したかったのに・・・」
「すいません、マスターが愉快そうに大爆笑してたので」
「聞いてください、人の話ィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィィ!!!!」
 アウグストゥスの話そっちのけで、orz←こんな感じの体勢になっているマスターテリオンと平然と答えるエセルドレータにツッコミを入れる。
「大体、人が話している時にゲームとかあんたら馬鹿ですか!?ちったぁ人の話を・・・」
「アナゴストゥス・・・、マスターにそのような暴言を吐くとは・・・無礼が過ぎるぞ?」
「すいませんでしたァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ!!!!」
 エセルドレータの鬼気迫る表情に0.001秒の速さでジャンピング土下座を決めるアウグストゥス。胸中で、何で正しい事言ったのに怒られなきゃならんのか・・・?と嘆くのであった。
「落ち着け、エセルドレータ。余は気にしておらぬ。顔をあげよ、アウグストゥス。貴公らにはやってもらわねばならん事があるからな」
「となると、やはりアレですか?」
「そう、『C計画』だ」
 アウグストゥスは顔を挙げ、内から湧き上がる興奮を押さえ込みながら言う。
「遂に始まるのですね・・・」
「うむ、アル・アジフが余の眼前に現れた今こそ好機。死霊秘法の知識は、計画遂行の為の大きな糧となろう。・・・だが、問題は山積みだ。これからは忙しくなるぞ、ウェスパシアヌスに仕事を急がせろ。例のもう一冊・・・ルルイエ異本は『アル・アジフ』以上に重要やも知れぬ。他の者も自己の鍛錬を絶やさぬように」
「・・・御意」
 湧き上がる感情を抑えながら、アウグストゥスは玉座の間から下がっていったのであった。


 アウグストゥスが去っていった後、マスターテリオンはゲームを止め一息ついた。
「しかし・・・余があそこまで不覚を取るとはおもわなんだ。お陰でケツが痛いわおいなりさんも痛いわで・・・」
「おいたわしや・・・マスター。私がすぐに出ていれば」
 心配そうにマスターテリオンを見るエセルドレータに、案ずるな。と答える。
「彼らの力量を見誤った余の不手際だ。・・・ククク、野原神之介・・・か。名前は違えど・・・間違いなく『ヤツ』だ」
 亀裂のような笑みを浮かべる。その顔は心底嬉しそうな無邪気で残酷な笑み・・・。
「ああ、楽しみだ。楽しみだぞ。貴公がいずれ、白き王としての力を得、余と戦うその時が・・・。なぁ、そうであろう?野原神之介・・・否、『■■■ ■■』・・・」


To Be Countenude・・・ 
 

 
後書き
いかがだったでしょうか?
今回、登場していたクレしんキャラ(一瞬登場&しんのすけSIDEの最後らへんに登場)は、おまたのおじさんこと井尻又兵衛さんとロボとうちゃん。前者であるおまたのおじさんが登場していた『アッパレ戦国』は見たのですが、ロボとうちゃんが出てくる『ガチンコ逆襲のロボとーちゃん』は漫画しか見てないんです(しかも途中・・・orz)結構泣けるって話なんですが・・・見てみたいなぁ・・・。
そして、神之介の妹であるひまわりが満を辞して登場ッ!そのままレギュラーとして登場させるつもりですので乞うご期待!勿論、彼女自身のバトルシーンもある予定です。
マスターテリオンが最後らへんで零したヤツ・・・。それは、この物語の鍵を握る・・・といっても過言ではない存在です。『彼』が一体何者なのかは・・・今の所は秘密です(とは言っても、デモベやった人ならばティンと来そうな気がしますが・・・(汗))
では、次回も楽しみに待っていてください。それでは~(0w0)ノシ 
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