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ブラウンじいさまのお話

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第一章

             ブラウンじいさまのお話
 ブラウンじいさまは梟です、もうかなり長い間生きています。
 それで鳥達の中では長老と言っていい位です、夜になると若い梟やミミズク達にいつも昔のお話をせがまれる程です。 
 今夜もでした、起きてお家から出て来てお家の傍に木の枝に停まっているじいさまのところにです。まだ小さい梟が来ておねだりをしてきました。
「じいさま今晩は」
「うん、今晩は」 
 まずは挨拶からでした。
「また話を聞きに来たのじゃな」
「うん、いいかなら」
「やれやれじゃな」
 じいさまは笑ってこう言いました。
「全く、わしの話の何処が面白いのか」
「だってじいさまの昔のお話は一杯あってね」
 そしてという子供でした。
「どれも凄いから」
「凄いかのう」
「凄いよ」
 実際にそうだと言うのです。
「何かにつけてもね」
「そうかのう、まあそれでもじゃな」
「うん、何かお話を聞かせてよ」
「どんな話でもよいか?」
「うん、何でもいいよ」
 子供はこうじいさまに言うのでした。
「そうしてよ」
「わかった、ではな」
 じいさまも子供の言葉を受けました、そしてじいさまがお話したこととは。
 じいさまがまだ若い頃です、じいさまはその時まだ独身でした。独立したばかりで一羽で森に住んでいました。
 そのじいさまにです、ミミズクのグレーさんが言ってきたのです。
「あんたもそろそろ結婚したらどうだい?」
「結婚かい?」
「うん、独立してすぐだけれどね」
「そうだね、けれど一羽だけだとあれだろ」
「何かとしんどいから」
「結婚したらどうだい?」
 こうじいさま、若い頃のじいさまに言うのでした。
「誰か若い娘とね」
「若い娘とねえ。誰かいるかな」
「隣の森のビリーちゃんはどうだい?」
「ビリーちゃん?」
「ああ、そうした娘がいるんだよ」
「それで僕とその娘が」
「ああ、会ってみるだけでもどうだい?」
 グレーさんはこうじいさまに勧めます。
「一度ね」
「そうだね、じゃあね」
 じいさまもグレーさんの勧めに頷きました、こうしてでした。
 じいさまは隣の森に行ってそのビリーさんと会うことにしました、そうしてです。
 その次の夜でした、じいさまは隣の森に飛んで行きました。そうして夜の森に行ってです。
 ビリーさんを探しました、しかし隣の森に梟は見当たりません。それでじいさまは森の中にいた問おいたミミズクさんに尋ねました。
「あの、梟のビリーさんって人は」
「ああ、ビリーちゃんんじゃな」
「この森にいますよね」
「昨日まではな」
 ミミズクさんはこうじいさまに答えました。
「この森にいたのじゃが」
「今は?」
「引っ越したぞ」
 そうしたというのです。
「東の森にな」
「そうだったんですか」
「昨日じゃ、急に引っ越したわ」
「それは残念ですね、とにかく東の森にですね」
「うむ、行ったわ」
 そうだというのです、それでなのでした。
 じいさまは次の夜にその東の森に行きました、そうして若い女の子の梟つまりビリーさんを探しましたが。
 やっぱりいません、それで下にいたアナグマに尋ねますと。
「ビリーさんねえ」
「この森にいるんですよね」
「いや、昨日一日いただけでね」
 それでもだというのです。
「引っ越したよ」
「そうですか」
「西の森に行ったよ」
「西の森にですか」
「何でも一緒になれるつがいの相手を探しているそうだよ」
「結婚相手をですね」
「そう、それでね」
 もうこの森にいないというのです。 
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