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ソードアート・オンライン~狩人と黒の剣士~

作者:村雲恭夜
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会議

翌日、俺はミザールと共にグランザムの血盟騎士団本部へと赴いた。会議室に入ると、キリト達が居た。どうやら、休暇を切り上げられたのは俺達だけでないらしい。
そして、揃った所で衝撃的な事を聞かされた。
「「偵察隊が全滅ーーーーーー!?」」
「昨日の事だ。75層迷宮区のマッピング自体は、時間が掛かったが何とか犠牲を出さずに終了した。だが、ボス戦はかなりの苦戦が予想された。そこで、我々は五ギルド合同のパーティ二十人を偵察隊として送り込んだ」
「今までの状況で言えば妥当な判断だな、ヒースクリフ」
ヒースクリフは頷く。
「偵察は慎重を期して行われた。十人が後衛としてボス部屋入口で待機し、最初の十人が部屋の中央に到達し、ボスが出現した瞬間、入口の扉が閉じてしまったのだ。ここから先は後衛組の報告だが、扉は五分以上開かなかった。鍵開けスキルや物理攻撃等何をしても無駄だったらしい。ようやく扉が開いた時ーーーーーー」
ヒースクリフは口許を固く引き結ばれた。
「十………人………も。何でそんな事に………」
「結晶無効化空間か………」
俺の呟きにヒースクリフが頷く。
「そうとしか考えられない。二人の報告では74層もそうだったと言う事だから、恐らく今後全てのボス部屋が結晶無効化空間と思って良いだろう」
設定はアンタがしてんのによくぬけぬけと言えるな、茅場先生。
「結晶による脱出が不可な上に、今回はボス出現と共に背後の退路が絶たれてしまう。ならば統制の取れる範囲で可能な限り大部隊を持って当たるしかない。新婚の君達を召喚するのは不本意だが、了解してくれ給え」
「協力はさせてもらいますよ。だが、俺に取ってアスナの安全が優先です。もし危険な状況になったらパーティ全体よりも彼女を守ります」
「俺もだ。狩人の名に懸けて、必ず守る。ただ、パーティも一緒にだ」
ヒースクリフが微かな笑みを浮かべる。
「何かを守ろうとする人間は強いものだ。君達の勇戦に期待するよ。攻略開始は、三時間後。予定人数は君達を入れて32人。75層コリニア市ゲートに午後一時に集合。では、解散」
そう言うと、ヒースクリフは部下を連れて出ていく。俺も、ミザールをつれ、物資の調達へ向かった。








































三時間後、コリニア市ゲート広場に俺達は居た。既に攻略チームとおぼしきプレイヤー達が集結しており、中にはギルド式の敬礼をしてるやつも居た。
「よう、ライト」
そいつらの挨拶に返していると、ライガとリンドウが姿を現す。どうやら、こいつらもらしい。
「ライガ、リンドウ。来てたのか」
「当たり前だ。お前には、ここで死なれちゃ困るからな」
「ま、言ってる俺らが死んだら帰るも何もねーけどよ」
「………冗談抜きで止めてくれ」
笑いながら言うリンドウに俺はあきれて返す。俺はその場をミザールに任し、場を移動する。
「あれ?マスター、来てたんだ」
「ストレア」
俺がプレイヤー一群から出ると、そこにストレアが現れる。
「お前もボス組か?」
「ああ、うん。丁度暇だったし。それに、マスターが居ると確信してたからね」
「お前は………」
俺は再び呆れて、思い出すように頭を上げる。
「あ、ストレア。少しデータをいじらせてくれ」
「え?まぁ、良いけど…………」
と、その言葉を聞く前に、データをいじる俺。よしっ、これで俺のナーウギアに登録出来たっと。
「何したの、マスター?」
「ああ、ストレア掴まんねぇからさ。もしゲームクリアしたときにデータ消えたら嫌だろ?だから、お前のコアプログラムを俺のナーウギアに登録した。これでもしクリアしても、お前は向こうで生きれるんだよ」
「本当に?」
「おいおい、マスターを信じろよ?想像主だぞ、おい」
「アハハ、そうだね。それじゃ、心置き無く暴れられるね」
「程ほどにしとけー」
ストレアが元気にプレイヤー一群に入り込むと、俺もキリトの方にいく。



























俺がキリトの所に着くと同時に、ヒースクリフとその一団が転移門から現れ、プレイヤー達に緊張が走る。
聖騎士と四人の配下は、プレイヤーの集団を二つに割りながら、真っ直ぐ俺達の方へ歩いてくる。
やがて立ち止まったヒースクリフは俺達に軽く頷きかけると、集団に向き直って言葉を発した。
「欠員は無いようだな。よく集まってくれた。状況は既に知っていると思う。厳しい戦いになるだろうが、諸君の力なら切り抜けられると信じている。ーーーーーー解放の為に!」
所々でオオオオオッ、と叫び声が上がる。よく言うぜ、茅場先生。
俺は茅場ーーーーーーヒースクリフを見る。
その視線に気付いたのか、ヒースクリフはこちらを向き、微かな笑みを浮かべ、言った。
「キリト君、ライト君、今日は期待しているよ。<二刀流>、<狩人>、存分に振るってくれたまえ」
俺達が無言で頷くと、ヒースクリフは再び集団に振り向き直り、軽く片手を上げる。
「では出発しよう。目標のボスモンスタールーム直前の場所までコリドーを開く。
すると、腰から深紺色の結晶アイテムを取りだし、「コリドー・オープン」と発した。
「では皆、付いてきてくれたまえ」
ヒースクリフが先に入り、次にKoB、それから一般プレイヤーが入り、最後に俺達が入る。
軽い目眩にも似た転移感覚の後、目を開くとそこはもうボス部屋の前だった。
「…………ここまで来たら、やるしかねぇ」
俺はメニューウインドウを開き、武装を装備する。
緑で統一され、所々に黒が入る、リンドウオリジナル装備・ジンオウα。そして、背には真・王牙大剣【一天】、真・王牙刀【天威】、真・王牙銃槍【震天】、右手の大盾には何時でも抜刀出来るように配置された真・王牙剣【天賦】、更に腰には真・王牙双刃【天業】が装備されている。ジンオウαのスキル<装備数拡張>のお陰である。本人は、作るのに苦労したとか行ってたが、実際に凄い。マジでリンドウ何者だと本気で思った。
それに、ストレージに切り札があるのを確認し、ウインドウを消す。
そして、いつの間にか集まったライガ、リンドウ、ストレア、ミザールを見て言う。
「行くぞ、皆」
「うん、勝とうね!」
「武器職人の意地、見せたらぁ!!」
「久しいな………コイツを使うのは」
「マスターの命、しかと賜ったよ」
ミザールは、細剣・ノクテシュトラーフェを抜き放ち、リンドウは剣斧・無明剣斧【滅諦】を肩に担ぎ、ライガはチャージブレード・業雷鬼神剣(ごうらいきじんけん)を地に刺し、ストレアはインヴォリアを背から抜き放つ。
そして、俺はヒースクリフの方を向く。
「皆、準備は良いかな。今日、ボスの攻撃パターンに関しては情報がない。基本的にKoBが前衛で攻撃を食い止めるので、その間に可能な限りパターンを見切り、柔軟な対応をしてほしい。ではーーーーーー行こうか」
そう言うと、大扉が重々しい響きを立てながらゆっくりと開いていく。プレイヤー達が一斉に抜刀する。俺も、真・王牙銃槍【震天】を構える。
「ーーーーーー戦闘、開始!!」
ヒースクリフが十字盾の裏から長剣を音高く抜き放って右手を高く掲げ叫んだ。
それを合図に、75層攻略が開始された。 
 

 
後書き
いよいよ最終決戦間近!!
ライト「やっと帰れるのか…………その前に茅場先生を止めねぇとだな。果たして止められるかどうか…………」
ライト君、君のチートは二刀よりも酷いから安心しな。
ライト「能力的にそうだが…………って待て。これ何だ?」
あ、それは!!
ライト「『ニュース、オーラソードまたもや作品増やしか!?』…………ほぉ~う…………?」
ち、ちゃうんですよぅ…………
ライト「いっぺん死ねそして作品消せぇ!!!!!!!!」
ゲボラァ!!!
ライト「…………はぁ、頭いたい。次回予告、骸骨の刈り手。さぁて、とっとと終わらせちまうか!!」 
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