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万華鏡

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第八十四話 リハーサルその二

 他の四人のそれぞれのゴスロリの服も見てだ、こう言った。
「皆似合ってるわよ」
「やっぱりゴスロリってあれよね」
 ここで言ったのは彩夏だった、勿論彩夏もゴスロリだ。五人共色は黒で統一している。ただ細部のデザインは違う。
「こうしたステージにはね」
「合うのね」
「ゴスロリはね」
「ステージに合うのね」
「普段着るにはね」
 それにはと言う彩夏だった。
「ちょっと勇気がいるけれどね」
「そうよね、派手だからね」
 やはり普通のファッションかと言うと言いにくいものがある、ゴスロリはどうしてもそうしたものがあるのだ。
 しかしだ、ステージではだ。
「いけるのよね」
「映えるのね」
「そう、だからね」
「彩夏ちゃんゴスロリでいこうって提案したのね」
「そうなの、見ればね」
 ここで同じステージに立つ商業科や工業科の娘達を見た、見れば。
 それぞれ歌舞伎風だったりAKBだったりする、巫女のグループもいる。彩夏はその娘達も見て言うのだった。
「どのグループもね」
「衣装考えてるわね」
「ええ、そうね」
 こう琴乃に言う。
「面白いわね」
「そうね、私達だけじゃないのね」
「ゴスロリでもね」
「何か普通に見えるわね」
「ステージでの演奏だとね」
「というかゴスロリってね」
 勿論景子もゴスロリだ、その姿で言うのだった。
「ステージだとね」
「普通になるのね」
「ええ、ゴスロリでもね」 
 派手でもだというのだ、メイクも入れて。
「普通になるわね」
「そうね、私的には冒険だったけれど」
 それが、というのだ。
「普通ね」
「そうよね、どうにも」
「というかね」
 ここでこうも言った彩夏だった。
「ゴスロリって基本ステージ衣装なのね」
「そうした格好よね、確かに」
「そう、だから選んだけれど」
「ステージ衣装としてはね」
「普通ね」
「そうなるのね」
 実際に着てみるとだたt、そうしてだった。
 里香もだ、自分の服を見てこう言った。
「ううん、普段なら勇気がいるって思うけれど」
「それでもよね」
「そう、普通よね」
 ステージではだ、里香もこう思うのだった。
 そうしてだった、美優もそのゴスロリの格好で述べた。
「あたしいいのかな」
「いいのかって?」
「だからゴスロリ着てな」
「似合ってるけれど?」
 彩夏は不安そうな顔の美優にこう返した。
「それもかなりね、美優ちゃんスタイルいいし」
「だといいけれどさ」
「ゴスロリ着るのはじめてなのね」
「そうだよ、それにさ」
「それに?」
「あたし変に背が高いだろ」
 このことから言うのだった。
「だからさ」
「それでっていうのね」
「ああ、ちょっとな」
 似合うかどうか不安だというのだ、ゴスロリが。
「ゴスロリって女の子の服だからな」
「女の子らしい服は似合わないっていうの」
「背が高いとな」
「そういう訳じゃないけれど」
 別に、という口調でだ。彩夏は美優に返した。 
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