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D.C.Ⅲ〜ダ・カーポⅢ〜過去の人がやってきた⁉︎〜

作者:政之
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渉「ラブルジョワ野郎!」耕助「シアワセレブ様め!」 「「非リア充の会としてお前らだけは!」」

 
前書き
訂正で義之たちの世界の時期は冬に変更します。
先に申し上げます。この作品はところどころに独自解釈とゲームの設定が使用されています。ご無理な方、ネタバレに耐性のない方は閲覧をおやめください。 

 
清隆side
立夏さんの提案で枯れない桜の木で再び願い事をした次の日、俺はいつものように携帯のアラームに起こされた。
「今日も1日頑張りますか」
リビングに向かうと『生徒会の用事で先に行くね』というるる姉の置手紙があった。
それを見た後テレビを見ながらトーストを食べる。
テレビは今日も初音島の桜に花見をしに来ている人達が映っていた。


家の鍵を閉め海沿いを見る。今日も綺麗な水平線が太陽の光に反射してキラキラ光っていた。
「おはよう兄さん」
海を眺めていたら不意に呼ばれそちらを見ると家が隣で同じ団地に住む姫乃がにっこりと微笑んでいた。
姫乃とは小さい頃から一緒に遊んでいて家族ぐるみの関係で姫乃とは兄弟のように育った。
まあ、最近は姫乃の考えてる事がよく判らないのと姫乃を異性として見るようになったため姫乃の家に行く頻度は減った気がする。
「ああ、おはよ」
姫乃に挨拶を返し2人で団地を出て並んでバス停までの道のりを歩く。
外の空気は丁度いい体感温度で過ごしやすく、俺達はテレビでやっていた料理について話していた。
「おはようございます。先輩、葛木さん」
「おっはようございます!」
「おはようございます瑠川さん、陽ノ下さん」
「おはよ」
バス停に着きバスを待っているとクラスメイトの瑠川さらと新聞部で唯一の後輩陽ノ下葵ちゃんがバス停にやって来た。
さらは俺や姫乃より1つ年下なんだけどとても飲み込みが良く頭がいいため飛び級で去年俺達の学年に転入して来たが、本人はコミニケーションを取るのが少し苦手なため、初めは打ち解けれなかった。でも、そのうち皆と打ち解けて友達もできている。今も女子ソフトボール部と新聞部を兼部している。

葵ちゃんと始めてあったのは入学式を終えてから1週間ほどの時の放課後、ゴミ当番である耕助を探してたら校門の近くで座り込んでいたのを見つけ保健室に連れて行ったのが最初だった。
葵ちゃんは身体は少し弱いけど元気いっぱいで新聞配達や『花より団子』、喫茶店でウェイトレスなどといった複数のアルバイトを掛け持ちしている勤労少女だ。ただそのせいなのか部活の活動中や授業中に頻繁に居眠りをしている。

バスに乗ると偶然にも席が空いており俺達はそこに何時もの様に俺を挟んで右側にさら、左側に姫乃が、前の座席に葵ちゃんが座る。
「だいぶ暖かくなってきましたね」
「そうですね。最近はお花見に来る観光客が増えて観光収入が良くなったってお母さんが言ってました」

席に座るとさらが話題を切り出すと姫乃がそれに賛同する。

確かに枯れない桜が復活してから観光業界は最初はそこまで大々的に公表していなかったが、やっぱり大衆心理には敵わないらしく今では大々的に公表して観光客を呼び込んでいる。
「私も最近忙しんですよね。でも清隆さんがヘルプに来てくれるので百人力です」
葵ちゃんのバイト先である喫茶店と『花より団子』はこの観光客の増加により目まぐるしくなったのでヘルプに駆り出される回数が増えて来ている。
「そうなんですか、最近は陽ノ下さんと一緒にいるのが増えたんですね」
「そして先輩は軽く了承していると」
葵ちゃんの言葉を聞いたら急に姫乃とさらから冷たい視線が投げかけられる。
キーッ‼︎
そうこうしてたら風見学園の前にバスが到着しバス通学の生徒がぞろぞろと降りて行くので俺達も便乗してバスを降りて正門に向かった。




「ぬわはっはっはっは!おはよう公式新聞部諸君!ご機嫌いかがかね!」

俺達が学校の正門に辿り着くと、そこには面倒くさい人が待ち構えていた。
風見学園で俺達公式新聞部の天敵でもある非公式新聞部のリーダーの風見学園一の問題児の杉並先輩だ。
杉並先輩は成績優秀、スポーツ万能で顔も整っているのだが、いかせん人格が大幅に破たんしているため誰もが認める学園のトラブルメーカーで学園一の変人だ。
「そういう杉並先輩はいつにも増して調子が好い様ですね」
「それにぬわはっはっはっはなんて言う人始めて見ましたよ。なんか凄いです!」
俺が答えるとそこに葵ちゃんが素直な感想を言う。
「陽ノ下さん。そこ、感心するところじゃないような」
姫乃が葵ちゃんの言葉にツッコむ。
杉並先輩は正門の真ん中で腕を組んで立ち、まるで『ここから先に行きたくば俺を倒すことだな』とでも言いたげに仁王立ちして居た。

他の登校生徒も一瞬不審がるがそれが杉並先輩だと分かるとさっさと横を素通りして校舎へと向かう。
この人の行動が良く分からない上に変な行動を起こすのは日常茶飯事なので誰も関わろうとしない。
もし最悪関わってしまったら生徒会から目をつけられる羽目になるのだが・・・
「今日は一体何の用ですか?まさか今度は体育祭で勝負をしようとでも言うんですか?」
「流石だな同志芳乃。良くわかっているではないか」
杉並先輩が俺の問いに肯定する。またか
「え?本当に、ですか?」
「ああ、正解だ!この間の枯れない桜の謎解明対決は、そちらの都合でなんだかんだで有耶無耶になってしまったからな」
杉並先輩はテンションが高いまま一気に捲し立てた。
「だから、今度こそきっちりと決着を付けようではないか!」




決着・・・それは今から3ヶ月近く前の事だ。20年程前から普通の桜に戻って居た初音島の枯れない桜の木に過程は省くが触れて願い事を願ったら島中の桜が一斉に咲き出した。それは昔から言われているような1年中咲いていたかのように冬にそのつぼみをが咲き、散ってもまた咲いていた。
初音島の名物である枯れない桜は世間のメディアに取り上げられ注目を浴びた。
そして、当時の俺達は新聞部としてその謎の解明に当たった。その過程で杉並先輩率いる非公式新聞部とどちらがより深くこの謎を解明し、より面白い記事を作れるかで勝負をすることになった。負けた方が、勝った方の命令を聞くという罰ゲーム付きのだが・・・。

長年謎のままだった初音島の枯れない桜のなぞの解明など、1学生である俺達に出来るはずもなく、
勝負はその謎に関わっていた少女の為にそっとしておくという事が決まり最終的には杉並先輩の言うように有耶無耶のまま終わってしまったのだ。

正確に言えば、俺達はある程度、枯れない桜の謎についての知識を得ることは出来たが、それを公表することを中止するという事になった。まあ公表しても学生の妄想や戯言として受け取られるだけだろう内容なんだけど。




「当然、我々非公式新聞部が勝利した際に、貴様等公式新聞部要求するのは前回と同じだ」
「と、いうことは・・・」
さらが嫌そうな顔をしながら呟く。それにつられて他の新聞部の皆もそんな顔になる、もちろん俺の顔もだ。
「同志芳乃よ。俺はあああああ、お前があああああ、欲しいいいいいいい!!」
とんでもない大きな声を上げ両腕を伸ばし要求を告げる。
「だからダメです!それだけは、絶対にダメですからぁ!」
姫乃がその要求に異議を唱える。

杉並先輩、なぜか俺を同志と呼び頻繁に俺に公式新聞部から非公式深部に鞍替えするように誘ってくるんだよな。評価してもらえるのは素直に言うと多少は嬉しいけれど、やっぱり前世の頃から仲良くしている公式新聞部の皆とは離れたくないし、非公式新聞部に入るのは絶対に遠慮したい。

「そ、そうですよ!よ、芳乃清隆がうちに来るなんて、あたしは絶対認めません!!」
そこへ息を切らした声が届く。
「あ、美琴」
杉並先輩の後ろには走ってきたのだろう息を切らせ肩を上下させている今年同じクラスになった美琴が立っていた。

美琴は杉並先輩率いる非公式新聞部の自称アイドルで、杉並先輩を師と仰ぎながら、1人の異性として意識している。そのため杉並先輩が俺に興味があるため、俺を目の敵にして杉並先輩を巡ってのライバルとし、事あるごとにちょっかいをかけてくるけど、いつも募穴を掘って自滅して退散している。

「杉並先輩と芳乃清隆が手を取り肩を抱き、狭い室内で2人で一心不乱に原稿に向かうなんて、あたしは・・・」
「・・・・・・・・」
何を想像しているのか微妙に顔が赤い気がする。
「そ、そ、そ、そんなこと!・・・・・・・絶対に認めないんだからぁ!!」
美琴はまるで自分に言い聞かせるように、大声を上げて叫んだ。
なんか認めないという前に随分と間があった気がするぞ。っていううか俺と杉並先輩をそう言う関係の目で見るのは本当に勘弁してほしい。
「それはそうと美琴さん、この間貸した本はどうでしたか?主人公の漫画家の男性さん、清隆さんにそっくりじゃないですか?」
葵ちゃんが笑顔で美琴に質問するけど、それってまさか・・・
「え、ええ、そうね。それに相手役の編集の男性も杉並様に似ていて、こう色々と妄想が・・・」
「ってー!、今その話は無し!ま、また後で話しましょ!」
そう言って手をブンブンと振って葵ちゃんを説得しようとする。
「えー何でですかー?せっかくだから熱く語り合いましょうよー。例えば深夜のファミレスで思いの丈をぶつけ合うシーンとか」
「あわわっ!だ、ダメ!本当にダメだってば!今その話をしたら、あたしの決心が色々と揺らいでしまいそうだから」
美琴が本気でやめてくれと頼んでいた。
「って葵ちゃん!美琴にどんな本貸してるんだよ!?」
「それは内緒です♪」
俺の問い詰めに葵ちゃんは可愛らしく返す。
「いや、可愛らしく言っても許さないから!」
「・・・・・・・・」
姫乃は内容を思い出したのか顔が若干赤い。
「先輩も葛木さんもどうしたんですか?漫画を通じて仲良くなったみたいですし、いいことだと思うんですけど・・・」
さらが訝しんだように聞いて来るけど、その漫画が普通の漫画ならよかったんだけどね。あまり良くは知らないし、知りたくもない、所詮BLと呼ばれるものじゃ無ければね。

「・・・杉並様は私だけの物、杉並様は私だけの物、杉並様と芳乃清隆の絡みが見たいだなんて思ってない思ってない思ってない」
「ちなみに、勝負の話だが、万が一我ら非公式新聞部が負けた場合は、うちの部員1号をそちらに差し出す、という形でどうだ?」
「・・・へっ?」
美琴が自分に念じを掛けている間に話が進み自分の名前が出て抱えた頭を上げてキョトンとする。
「な、なんですとー!?」
美琴が仰天し頭を抱えながら大声を上げる。
「いや、美琴はいらない」
「それも何でよっ!欲しがりなさいよ、少しは欲しがりなさいよ!」
俺の返答に美琴が噛みついてくる。

「期間はそうだな、1年間としよう。勝負で負けた方が勝った方に部員を貸し出す。これなら対等で分かりやすくて妥当だろう?」
「そんな部員を賭けた私的な勝負は風紀委員として許しませんよ、杉並君」
誰だ?振り返るとそこには本校の制服を着た女子生徒が男子生徒の手を握ってこっちに歩いてきた。
その生徒は茶色い髪ショートヘアにしに大き目のリボンを二つ使って頭の両端で結い、首にはなぜか鈴の付いたチョーカーを着用していた。目はアイビーグリーンで何だか姫乃に似ていた。
「そうだよ、それにあたしら生徒会も居るっていうのに余裕だね」
その声と一緒に現れたのは同じく本校の生徒で紫色の髪に茜色の目をした勝気な感じの生徒・・・この人、誰かに似てるような?誰だったろうか?

「・・・部員1号!」
「はい!とりゃあ!!」
杉並先輩がいきなり美琴を呼ぶと美琴はどこから出したのか跳びあがると赤色の球を地面に叩き付けた。するとそこを中心に強い閃光が視界を覆った。
『うっ・・・』

閃光が収まり目を開けると、そこには杉並先輩も美琴も居なかった。
「逃げられましたか、でも逃がしません!」
「アタシも逃がさないよ!誰か知らないけど追うよ!」
「はい!」
そう言って2人は校舎に向けて走って行った。

「音夢の奴、勝手に行きやがって、どうすっかな・・・」
「朝倉、朝倉妹はどうした?」
『!?』
さっき逃げた杉並先輩が男子生徒に話しかけていた。
「どわあ!?どっから湧いて出た杉並!」
「お前が朝倉妹に引っ張られていくときから居たぞ」
「やっと追いつたよ、お兄ちゃん!」
今度やってきたのは立夏さんと同じ髪と瞳の色をした小学生ぐらいの背丈の付属の制服を着た子とカーマイン色のロングヘアで白い帽子をかぶった女子がやってきた。
その後も来るのは女の子ばっかで男は2人の杉並先輩と朝倉と呼ばれる男子、桜内という男子に板橋と呼ばれる男子だけだった。


 
 

 
後書き
中途半端ですが一旦切ります。 
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