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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第二十六話 邂逅

 
前書き
ゼロとアイリスの邂逅。
ルインとアイリスの再会。 

 
任務を終えて変える途中、ゼロは久しぶりにカーネルと会った。

ゼロ「カーネル、久しぶりだな」

カーネル「む?ゼロか…」

近づいてみると、見知らぬレプリロイドが彼の後ろにいるのを見付けた。

ゼロ「そいつは?」

カーネル「ああ、ゼロと会うのははじめてだったな。ゼロ、私の妹のアイリスだ」

アイリス「よ、よろしくお願いしま…す…?」

そういえば、カーネルは元々一体のレプリロイドの半分から出来ていて、もう半分からできた妹がいるということを聞いたことがあった。
カーネルに促されて、彼の後ろに隠れながら恐る恐る出てくる。
見た目はごく普通の少女型レプリロイドだった。
しかしゼロを見ると何故か硬直した。

ゼロ「おい、どうした?」

カーネル「アイリス?」

カーネルもアイリスの硬直を不思議に思ったのだろう。
疑問符を浮かべている。

アイリス「あ、すみません…私の友人に似ていたので…」

ゼロ「友人?」

アイリス「はい。イレギュラーハンターであなたと同じ赤いアーマーの長い金髪の女性なんですけど…」

アイリスの言葉を聞いて、それに該当するレプリロイドはあいつしかいないだろう。

ルイン「ゼロ~」

背後からゼロに抱き着くルイン。
噂をすればだ。

ゼロ「ルイン、後ろから抱き着くのは止めろ」

ルイン「いいじゃん。私達親友でしょ?」

ゼロ「人目を考えろ」

ルイン「いひゃいいひゃい!!」

ルインの頬を容赦なく抓るゼロに涙目になるルインであった。

ルイン「うぅ…痛いよう…」

頬を摩るルインにゼロは深い溜め息を吐いた。

ゼロ「お前の友人ってのはこいつか?」

親指でルインを指差すゼロ。

アイリス「は、はい…」

カーネル「ははは…アイリス、ゼロは見た目は怖いがいい奴だ。安心しろ」

ゼロ「そりゃないだろ、カーネル…」

そう言われて、イレギュラーハンターはよく一般のレプリロイドに怖がられることがあるのを思い出した。
イレギュラーと一緒に暴れ回る彼らをよく思わない人も少なくはない。

カーネル「それにしてもお前にも妹がいるとは思わなかったぞ。よく似ている」

ゼロ「妹じゃねえ。たまたま似ているだけだ。目の離せない後輩ってとこだ」

ルイン「ええ~、私はゼロのことお兄ちゃんのように思ってたんだけどな」

その言葉にゼロは目を見開いたが少しだけ微笑んで彼女の頭にポンと手を置いた。
ルインもルインで嬉しそうにしている。

エックス「ゼロ、ルイン」

2人を探していたエックスが、声をかけてくる。

ゼロ「エックスか」

エックス「彼は?」

カーネルに初めて会うエックスはゼロに尋ねるがそれよりも早くカーネルが答えた。

カーネル「私はレプリフォースのカーネルだ」

エックス「レプリフォースの…私は第17番精鋭部隊隊長エックスです」

カーネル「あのエックスか…貴殿の武勇伝は聞き及んでいる。過去の大戦を鎮圧し、あのシグマを下したと。優れた剣の使い手であるとも聞いている。是非手合わせしたいのだが」

エックス「剣って言われても、私が使っていたセイバーは彼女の物で、今は彼女に返したので…」

カーネル「むう…」

ルイン「私のもう一度貸すよ。エックスはカーネルと模擬戦してきなよ」

エックス「え?」

カーネル「感謝する。訓練所を借りるぞ」

エックス「え?え!!?」

カーネルに引っ張られていくエックス。
それを見送るゼロ達。

ゼロ「哀れだなエックス…カーネルは自分が満足するまで帰しちゃくれねえぞ」

ルイン「…え?そうなの?ごめんねエックス…君のことは忘れないよ」

アイリス「思い出に変えるのは酷いわよルイン…」

ゼロ「まあ、とにかくだ。こいつと友人だってことはこいつが確実に迷惑をかけているんだろうが、これからもこいつをよろしく頼むぞアイリス」

アイリス「は、はい」

ルイン「何その言い方!!?寧ろ私がアイリスのお世話をしてるんだから!!」

ゼロ「有り得ないな」

ルイン「酷い!!ゼロの馬鹿!!」

アイリスはゼロとルインの会話を見ながらゼロは思っていたよりも怖い人物ではないとほっとした。



































ゼロとアイリスの邂逅からしばらくしてからアイリスはイレギュラーハンターベース本部にいた。
アイリスの研修場所である。

アイリス「(うぅ……。緊張するなぁ……)」

せめて配属先がルインのいる部隊であるようにと願いながら、アイリスは足を動かした。



































アイリスの願い通り、研修の配属先はルインのいる第17精鋭部隊であった。

アイリス「レプリフォースから研修生としてやって来たアイリスです。今日からお世話になります。至らない点も多々ありますが、これからよろしくお願いします!!」

勢いに乗せて全部言うと、アイリスは深くお辞儀した。
そうして頭を下げていると、誰かが近づいてきて、そっと手を差し出した。
それにアイリスも自分の手を重ね返し、ゆっくり視線と頭を元の位置に戻していくと親友の姿があった。

ルイン「こちらこそ、私は第17番精鋭部隊副隊長のルインです。今日からよろしくお願いしますねアイリス」

アイリス「…………」

普段のぽややんとした雰囲気は無く、凛とした声と兄と同じように上に立つ者の威厳を持った親友に目を見開いた。

ルイン「…アイリス?」

硬直しているアイリスに疑問符を浮かべるルイン。

アイリス「あ、す、すみません。ルイン副隊長」

慌てて手を握り返すアイリスにディザイアが苦笑しながら歩み寄る。

ディザイア「緊張するのも仕方がありませんよ副隊長。彼女にとってここは初めて訪れる場所なんですから」

アイリス「あ、あの…あなたは……?」

ディザイア「これは失礼しました。私は第17番精鋭部隊に所属しているディザイアと申します。ハンターランクはA級。以後お見知りおきを、アイリスさん」

アイリス「ディザイア…“希望”ですか、素敵なお名前ですね」

ディザイアの紳士的な対応に安心したアイリスは彼の名前の意味に気づき、褒めた。

ディザイア「ふふふ…何だか照れますね…ありがとうございますアイリスさん。」

照れ隠しに微笑むディザイアにアイリスも微笑んだ。
他の隊員達もディザイアに続くようにアイリスの元へやって来て、次々と手が差し出された。
予想外の友好的な歓迎に、アイリスはすっかり面食らってしまった。

パンッ!!

強く手を叩く音が響いた。
振り返ると音の発生源はルインであった。

ルイン「あなた達、彼女への質問なら後にして、今から戦闘訓練をしますから戦闘員は今すぐトレーニングルームに向かうように」

【了解!!】

ルインが言うと戦闘員達は敬礼し、何事も無かったかのようにトレーニングルームに向かいだした。

アイリス「(す、凄い…)」

これにはアイリスも唖然とした。
時々レプリフォースでカーネルの訓練を見学していたことがあり、その時に見た兄の統率力にも驚かされたが、ルインの統率力にも凛とした力強さが感じられた。

アイリス「(ルインって凄いんだ…そうよね…あのエックス隊長やゼロさんと対等の人だし…)」

副隊長のルインがこれなら隊長のエックスは…。

アイリス「(あれ?)」

そういえばエックスの姿が影も形も見当たらない。
アイリスはディザイアに尋ねる。

アイリス「あの…エックス隊長はどちらに?」

ディザイア「隊長…ですか…?…………隊長なら医務室ですよ」

アイリスの質問に対するディザイアの返答は先程までと比べて若干歯切れが悪い。

アイリス「え!?怪我でもされたんですか!!?」

人々から英雄と謳われているエックスに傷を負わせるイレギュラーがいるというのか?

ディザイア「あ、いえ…傷自体は大したことはないのですが…」

アイリス「はあ?」

ディザイア「…アイリスさん、あなたはレプリフォースのカーネルはご存知ですか?」

アイリス「あ、はい」

というか自分の兄である。

ディザイア「その…まことに言いにくいのですが…、エックス隊長はカーネルとの模擬戦で長期間の間、エネルギーの補給が出来なかったものですから…エネルギー切れ寸前で急遽、医務室に移送されました」

アイリス「(兄さーん!!?)」

確かに兄もエネルギー切れ寸前の状態で戻ってきたが、まさかエックスまでもが、アイリスはエックスに対して心底申し訳なく感じた。
ディザイアはアイリスの様子を見て、尊敬していた上司が迷惑をかけたことにショックを受けているのだと解釈したようだ。

ディザイア「まあ、隊長は気にしてはいないようなのであなたも気にしなくてもいいですよ」

ディザイアのフォローもアイリスには聞こえなかった。




































ハンターベースのトレーニングルームで隊長代理となっているルインの指揮の元、戦闘訓練が始まっていた。

ルイン「横の回避ばかり使わないの!!いい加減、縦の回避も覚えて!!ジャンプやローリング、一時停止なり減速なりバックステップでもいいしスライディングでもいい。回避パターンを読まれると戦場では死ぬよ!!」

「は、はい!!」

「ギ、ギブアップ…」

ルイン「そこ!!」

「は、はい!!」

音を上げはじめた隊員にルインの怒声が上がる。

ルイン「イレギュラーがそんなこと認めると思う?嬲り殺されるよ………死にたくないなら生き残る術を磨いて、君自身の為にもね。」

「わ、分かりました…」

ルイン「そしてディザイア、君はもう少し攻撃の手数を増やした方がいい。サーベルの出力に頼っている部分があるからね。サーベルのリーチを活かした連続突きとかも使えるようになって」

ディザイア「分かりました。」

アイリスは普段のルインからは考えられないくらい厳しい指導に目を見開いていた。



































それから1週間。
アイリスはルインから与えられた課題を次々と卒なくこなし、ハンターベースでも一目置かれる存在となった。
しかしこの頃、他の部隊でも慌しい様子が目立ってきて、何かあると感じずにはいられなかった。
やがてアイリスの耳にも、ある事件の話が飛び込んできた。

イレイズ現象。

レプリロイドのプログラムが突然消滅し動かなくなる事件が起きたというのだ。
前例の無い事態に、ハンター側も手を焼いているという。
原因不明のため予防処置も、既にイレイズしたレプリロイドの修復処置も出来ない状態で、そのうちシグマのせいではないかという噂まで流れ始めた。
アイリスは早期解決をただただ祈るばかりだった。
そして今日も大分慣れてきた足取りで、部隊へと向かう。

ルイン「アイリス」

アイリス「ルイン副隊長、おはようございます」

部屋に入るなり、ルインがアイリスの元へ歩み寄る。

ルイン「ついさっき上層部から連絡があって、アイリスにはある特別チームに入ってもらいたいの」

アイリス「特別チーム……?」

ルイン「私も詳しくは聞かされなかったんだけど、とにかく急いで会議室に行ってくれないかな?」

アイリス「は、はい、分かりました」

アイリスは返事するなり部屋を飛び出した。



































会議室前に着いたルインとアイリスは会議室に入ると中にはエックスとゼロがいた。

ゼロ「遅いぞ」

ルイン「ごめんごめん。ところで何なの?」

エックス「ルインもアイリスも知っていると思うけど…」

エックス達はアイリス達を部屋の中央まで招き寄せると、傍にあったコンピューターの電源を入れた。
モニターに、巨大な研究所を有した島の映像が流される。

エックス「プログラムが消滅して機能停止する、イレイズ現象。」

ルイン「なるほど、あそこでイレイズ現象が起こってるんだね?」

ゼロ「そうだ。俺とエックスとルイン、そしてアイリスの4人のチームだ」

アイリス「わ、私がですか!!?」

自分を指差しながら言うアイリスにゼロは肯定の意味で頷いた。

ゼロ「そうだ。お前の噂は俺の部隊にも届いている。的確なオペレートで作戦の成功に貢献しているってな。今回も頼むぞ」

アイリス「ええ…?」

自分は普通に課題をこなしていただけだというのに…。

アイリス「私、研修生なんですけど…」

ルイン「研修生とか関係ないよ。君がハンターベースのオペレーターより優秀だから上層部から指名を受けたんだ。しっかりしなさいアイリス。」

アイリス「は、はい…」

仕事モードのルインに咎められたアイリスは俯く。








































エックス達はイレイズ現象が発生したことにより、無人となったラグズランド島はすっかり生きている音を失っていた。

ルイン「静かだね。」

ゼロ「ああ、だが静かでやかましくない島。そんなのもいいかもな」

エックス「前に来た時はもっと賑やかだったんだけどね」

ルイン「まあ、とにかく。あいつが関係してるのは間違いないね」

ルインが近くに落ちていた破片を拾うと全員に見せる。

エックス「これは…!!」

ゼロ「あいつの…シグマのエンブレムか…」

ゼロの口から出たその名に、アイリスの背中にも冷たいものが走った。

ルイン「アイリス、ハンターベースにこれの画像を送って詳しい解析を」

アイリス「分かりました…………画像データ転送は完了しました。一応解析出来ることは出来ますが……詳しいことは帰ってからじゃないと分かりそうにないですね」

ルイン「それでいいよ。」

エックス「とにかく、街を調査してみよう。何か分かるかもしれない。」

ゼロ「ああ」

エックス、ルイン、ゼロの3人が街に向かって歩き出し、アイリスも慌てて追い掛けた。








































街に着いたエックス達は機能停止しているレプリロイド達を調べていた。

ルイン「本当に機能停止してるんだ…」

ゼロ「ボディにも外傷はないな」

エックス「やはりウィルスだろうか?」

ゼロ「アイリス、どうだ?」

アイリス「駄目です。何もかも消されていて…」

ゼロ「そうか…」

ルイン「あれ?」

エックス「ルイン?」

ルイン「何か、遠くで見覚えのある奴がいたような」

アイリス「もしかしてイレギュラーですか?」

ゼロ「イレギュラーだと?なるほど、そいつを捕まえて調べた方が良さそうだなエックス」

エックス「ああ、アイリス。下がっているんだ」

アイリスを庇うように3人が武器を構えた瞬間。
かつての大戦でエックス達が倒したイレギュラー達が押し寄せてきた。

ゼロ「何だと!!?」

エックス「馬鹿な…俺達が倒したイレギュラーが何故!!?」

ルイン「来るよ!!」

ゼロがZセイバー、エックスはXバスター、ルインはZXセイバーを構えてイレギュラーを迎撃する。



































ルイン「全くどうなってんの?倒したはずのイレギュラーが復活するなんて…デッドコピーでもなさそうだし…」

ゼロ「とにかく、こいつらを回収して解析してみるしかないだろう」

ゼロは切り伏せたイレギュラーを見遣りながら言う。

ルイン「イレギュラーの残骸を調べれば何か分かるかもしれないしね」

アイリス「そうですね、解析してみればきっと色々分かると思います。でも本格的な解析が必要なので、本部に戻ってからでないと出来ません……」

エックス「それじゃあ一度ハンターベースに戻ろう」

ルイン「そうだね。これ以上ここにいても何も見つかりそうにないし、ソニアもお腹空かせてるだろうしね。」

エックスが提案すると、ルインも賛同した。

ゼロ「アイリスはどうだ?」

アイリス「はい、私もその方がいいと思います」

ゼロとアイリスもそれに異存はなかったので、ハンターベースに帰還することにした。







































そしてハンターベースではイレギュラーの解析がされていた。
アイリスは休まず解析を続けていた。

ゼロ「どうだ?」

アイリス「あ、ゼロ隊長。まだまだ解析には時間がかかります。」

ゼロ「そうか…差し入れだ」

ゼロはアイリスにハンターベースの購買の紙袋を渡す。
アイリスは紙袋を開け、中を見ると苺風味のライフボトルが入っていた。

アイリス「あ、ありがとうございます…」

ゼロ「ああ」

ゼロもライフボトルを開け、ストローを口に含む。
ゼロもアイリスと同じ物だ。

アイリス「ゼロ隊長、甘い物がお好きなんですか?」

ゼロ「いや、昔はそんなに好きではなかった。だが一度大破したせいか味覚が変わったのかもしれん」

アイリス「はあ…」

ゼロ「アイリス、その隊長と敬語は止めろ」

アイリス「え?でも…」

ゼロ「そういうのは苦手でな。エックスにもルインに対しても敬語はいらない。それ以前にお前とルインは友人だろう。何故友人相手に敬語を使う?」

アイリス「あ…その…勤務中のルインはなんか怖くて…」

ゼロ「今は同じチームで仲間だ。仲間同士敬語は必要ない。現にあいつだって普段通りだろう。」

アイリス「仲間…そう、よね……仲間だものね…これからよろしくねゼロ。」

ゼロ「ああ」

こうしてエックス達は仲間として互いに協力しあい、この事件を解決するのであった。 
 

 
後書き
ゼロとアイリスの初邂逅。
ソウルイレイザーの話になりましたが、作者である私が持っていないのでここまでです。 
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