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混沌の魔術師と天空の巫女

作者:白鋼
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第6章 無限時計編
  解き放たれた絶望

一方、ハッピー達の方で・・・

「教義が悪用されていただと!?」

サミエルの説明に、リリーは驚く。

「それってどういう意味?」

ハッピーがそう言う。

「説明する前に・・・」

そう言うとサミエルは、間の成人男性並の体躯になった。
リリー同様、サミエルにも戦闘フォームの様なモノを持っている様であった。

「もう1度勝負だ兄さん!」

「よかろう。相手してやる。」

リリーも戦闘フォームになる。

「何で?」

「勝負になってんの?」

ハッピーとミントはサミエルとリリーの勝負に疑問を持つ。

「何か迷いがあるのね。」

シャルルが2人に向かってそう言う。

「こっちも勝負すんぞくそガキィ!!」

「上等だぁ!!テメエ何て闇分身の俺で十分だぜ!!」

俺達も勝負する事となる。

「あっちはあっちで別問題だね。」

「そうだね・・・。」

ミントとハッピーがそう言う。

「オス共の考えなんて、よくわかんないわ。」

シャルルは呆れてそう言う。

「「うおおおおおおおおっ!!!!!」」


ドン!!


「ぐぅ!!」

「っ!!」

リリーとサミエルの拳は互いに相手の頬を殴る。

「おらおらぁ!!!」

サブは魔法短機関銃で俺に向かって撃ってきた。

「ダーク・ウォール!!」

俺は両腕に闇を纏い、巨大な闇の壁を作り、魔法短機関銃の銃弾を防ぐ。


ダダダダダダダダ!!!


「(今だぜ!)」


シュン!


「喰らいな!!!」

奴は俺の背後から3、4メートルぐらい離れた所に現れ、
魔法短機関銃で俺を撃った。


ダダダダダダダ!!!!


「ブラッティクロス!!」

だが俺はその時の対策として、ダークウォールの後に、
いつでも、ブラッティクロスを投げる準備をしていた。
そしてそれを銃弾に向かって投げた。


ダガダガダガダガ!!!


「ちぃ!」


シュン!


奴はまたも瞬間移動した。

「今だ!!」

だが、俺はその一瞬を狙っていた。
ダークウォールの時は奴の姿が見えなく、いつ瞬間移動するのかわからないからである。

「闇の舞蛍!!」

俺は左手に纏っていた闇を放った。数は10ある。

「今度こそ!!!」

奴は俺の背後に移動しており、魔法短機関銃を撃とうとした。だが!


ジュン!!


「ごわぁっ!?」

闇の舞蛍が奴に直撃した。

「何だこりゃ!?くそ!!」

奴はまた瞬間移動した。

「ここなら!!」

奴は遠くに移動して、俺を自分の魔法であるロックオンで狙いを定めた。


シュゥゥ!!!


「何!?」

だが奴の目の前に闇の舞蛍が向かって来るのだった。

「闇の舞蛍は、敵を追尾できるんだよ!!!」

俺は大声でそう言う。

「忘れたのか!俺には瞬靴があるんだぜ!!!」

奴はまた瞬間移動した。

「そこだあ!!!闇竜の鉄拳!!!」

俺は、後ろを向き、闇を纏った拳で攻撃をする。


シュン!


「お・・・なっ!?」

奴は魔法短機関銃を撃とうとしたが、俺の攻撃に驚く。


ドーーーーーーン!!!


「ごわああああ!!!」

俺の拳は奴に直撃し、奴は飛ばされた。

「どうだ!!」

「んにゃろう!!たまたまだ!!!」


シュン!


「今度はそっちだ!ダーク・スパイラル!!!!」

俺は指から強力な闇を放つ。放った闇は回転し、渦となった。


シュン!


「今度・・・っ!!?」

奴はまた驚く。


ドーーーーーーーーーーーーーーーーン!!!!


「ごわああ!!!」

奴はダーク・スパイラルに直撃し、その渦の中で何度も渦にぶつかった。


ドン!ドン!ドン!ドン!


「がぁ、ぐぅ、いっ、げぇあ!!!」


渦は消え、奴は落ちて来る。

「止めだ。」

俺は奴の前下に移動し、構える。

「滅竜奥義!邪闇裂破衝!!!」

俺は闇の纏った腕を交差させるように振るい、
衝撃波を生み出し、奴に向かって放った。


ズドォォォォォォォォォォォン!!!


「ごわあああああああああっ!!!!!!!」


ドーーン!


「な・・・何で・・・俺の位置が・・・」

「別に、少し簡単な事さ。お前の行動がワンパターンだからさ。
 移動できる範囲も考えると、ここだと俺はそう推測したのさ。」

俺は奴の戦い方の事を話していうのだった。

「そんな・・・アホな・・・。」

奴はそのまま気絶した。

「こっちも終わった様ね。」

そう言ってきたのはシャルルだった。

「ん?こっちというと・・・リリーの方も?」

「そうだよぉ~。」

俺の言葉にミントがそう言う。

「まずは、心の迷いを断たねば。」

「・・・・・・。」

倒れているサミエルにリリーはそう言った。

「迷い・・・?何があったんだ?」

「実はね・・・」

ミントはリリーとサミエルの勝負でサミエルはリリーにこんな事言ったそうだ。
ラポワントと枢機卿に、個別の任務をレギオン隊に与えた。
その内容は、ダンとマリーは俺達の妨害、シュガーボーイは非常事態の為待機、
さらに新入りのガットマンという奴がココの代わりにレギオン隊の任務をする事となった。
ココは俺達に肩入れされたせいで、背信のレギオンとして投獄された。
そしてバイロとサミエルに与えられた奇妙な任務、内容は知らないけど、重要な事があった。
それは何故か、無限時計を取り返す任務も、歯車を取ってくる任務もなかった事だった。

そして今にいたるのであった。

「ん?じゃあコイツは?」

俺は奴をさす。

「俺を指でさすな!!」

「サブは勝手な行動しない様に僕が見ているのさ。特に与えられた任務はないよ。」

サミエルはそう言う。

「(でも無限時計も歯車の任務を出さなかったのが気になるな・・・。)」

俺は心の中でそう思うのであった。





































一方、ウェンディ達の方では・・・


「おい起きろ!いつまで寝てんだエリゴール!!」

ビックスローさんがグリムリーパーの首周りのマントを掴んで大声で言っていた。

「そんな乱暴な・・・。」

ウェンディがそう言う。

「これだけは聞かなきゃならねえ。おい!お前達の目的を話すんだ!
 無限時計はどこだ!!!!」

ビックスローさんはそう言う。

「うう・・・。」

「お、起きたぞ。」

グリムリーパーが目を覚め、俺はそう言うのだった。

「わからん・・・」

「は?」

「ぼぉっとして・・・自分が何をしていたのか。」

「記憶が戻ったばかりで、まだ頭がハッキリしないんですね。」

グリムリーパーの症状にウェンディはそう言う。

「おめえ、監獄にいた筈だ。」

「そうだ。いつだったか・・・酷い悪夢を見た・・・。
 誰かが俺の夢に忍び込んだ感じだった・・・。
 その後俺は・・・・・・」

「グリムリーパーとして、活動してたわけだ。」

グリムリーパーの話しにビックスローさんがそう言う。

「ああ。」

「夢に忍び込む?」

「夢の中に入って、人を操る魔法になるか・・・。」

「だな。」

ウェンディと俺の言葉に、ビックスローさんがそう言う。

「脳波に少しずつ影響を与え、無意識化でコントロールをするってところだろ。」

「成程。」

ビックスローさんの説明に俺は納得する。

「言われるままに記憶をさし出し、その代わりに気象を統べる魔法を得た。
 しかし・・・・・・!全てを忘れる、苦痛だった・・・!!
 あんなに辛い事はねえ、大きな力には大きな代償があると言うが、
 あんなモノ・・・・・・!!」

「・・・・・・。」

「そん時、あんたの声が聞えた。」

グリムリーパーはウェンディを見る。

「慣れ合う気はねえが、感謝させてくれ。」

「あ・・・はい。」

グリムリーパーの言葉にウェンディは嬉しそうに返事をする。

「ちょっと待てよ!」

「どうしました?」

ビックスローさんは何かに気づいた様子であった。

「今回のチームの占いを決めた時、カナが言ってたよな・・・。」

「『何だか知らないけど、やたら眠いって』・・・」

「待てよ、それって!!」

「カナさんも気づかないうちに夢に操られて!」

「つまり今回のチームの占いは!!」

「はなっから奴等に都合のいいようのチームを組まされたって事だ!」

「そんな・・・」

「つまり俺達は・・・」

「罠にハマっちまったんだ!」

俺達はこんな天界になる事を予想できなかった、いやできる訳なかった。

「くそ、一旦ギルドに戻るか・・・・・っ!!」

「どうした!?」

「くそ・・・さっきの戦いで、もう魔力切れだ・・・消えちまう・・・後は頼む!!」

「お兄ちゃん!」


ボォン!!


「消えちまった!」

「大丈夫だよね・・・・・・お兄ちゃん・・・。」






































「何て事だ・・・・・・俺達全員罠にハマっていたとは・・・!!!」

俺はウェンディ達の闇分身が消え、全ての事を知った。

「待てよ・・・・・・じゃあ俺のとこも・・・!!!!」

俺はその事に気づく。

「っ!!!!」

俺は後ろから気配を感じた。

































一方、ナツ達の方では・・・


「はい、揃いましたぁー!アンチリング、決・行!」

ジャックポットはそう言い、
エンジェルが持っていた赤色のクリスタルのダガーを出現させた。
そしてそれは赤い光となり、崩壊した教会で光出したのだった。

「何をした貴様!」

見ていたバイロはジャックポットの方を向く。

「お前まさか!!」

俺は他の闇分身からの情報から教会にいた星霊魔導士をやったに違いないと思った。

「(それに・・・・・・ナツさん達にあの事を言わないと・・・!)」

俺は心の中でそう思っていた。
先程のウェンディ達のとこの闇分身からの情報で色々知った。

「にょほ!バイロさんは知らなくてもいい事。
 あなたはあなたの任務を果たせばいい話でしょ?」

「(任務・・・?)」

「何ぃ・・・!?」

「テメエの相手は俺だあ!!」

ナツさんは拳に炎を宿し、ジャックポットめがけて殴ろうとする。

「はい!毎度おなじみ、稲妻ボーナス・・・」


ドン!


「ボォアアッ!!おろぉ~!!?」

ジャックポットのスロット魔法が発動せず、そのままナツさんに殴られた。

「なぜぇ!!?」

「教会襲撃の罪は重過ぎる!」

バイロが自分の魔法で、ジャックポットのスロット魔法を無効化した様であった。

「火竜の鉤爪!!」


ドォーーーン!!


「あああ~!!!」

ナツさんは足に炎を宿し、ジャックポットのスロットは破壊したのだった。

「何て事!これじゃあスロット魔法が使えない!!」

「今です、ナツさん!!」

「ああ!これまでの分、全部返してやる!!火竜の翼撃!!!!」

ナツさんは両腕に炎を纏い、薙ぎ払うように振るい攻撃した。


ドーーーン!!!


「にょわあああ!!!」

「続いて!闇竜の咆哮!!!」

俺は飛ばされたジャックポットに向かって、口から闇のブレスを放った。


ドォーーーーーーン!!


「あーーーーらぁーーーーー!!!!」

闇竜の咆哮が直撃し、ジャックポットは地面に落ちる。


ドン!!


「にょほほ・・・・・・。」

「どんなもんだ!!!」

ナツさんはそう言う。

「2人ともー!」

声の方を向くと、ルーシィさんとミッシェルさんがやって来た。

「野郎は倒したぜ!」

「やったわ!!!」

「次はお前だ!!」

ナツさんはバイロの方を向いてそう言う。































だがその時であった!


「っ!!皆さん、空を見てください!!!」

「空・・・・・・っ!?」

俺達は空を見上げた。
雨雲がなくなったと思ったら、空の色は赤く、
さらには巨大な魚の形をしたモノが現れたのであった。

「何アレ・・・!!?」


































ウェンディ達の方で・・・


「無限時計の解放?」

「アレが時計か?デカ過ぎるだろ。」

空の魚の様なモノを見て2人はそう言う。
詳しい事はグリムリーパーから何とか聞いた様である。

「無限時計はゼントピア大聖殿の真上に隠してあったんだ。」

記憶を思い出したグリムリーパーがそう言う。
魚の様なモノの正体は無限時計であったのだ。

「どういうこった?」

ビックスローが尋ねる。

「アレはゼントピアの歴史から封印された教義の原点・・・それ以上は思い出せん・・・。」

「そうか。」
































一方、ハッピー達の方で・・・


「みんな、見てアレ!!」

「魚だ!まずそうだけど・・・。」

ミントとハッピーがそう言う。
その無限時計は少しずつ何処かへ移動している様であった。

「あれは・・・」

「手遅れだったか!僕が迷っている内にこんな事に!!?」

サミエルは何かを知っている様だな。

「これから、何が起きるっていうの!?」

シャルルはサミエルに向かって問うが、サミエルは気絶してるあいつを連れ、
何処かへ行ってしまおうとしていた。

「どこに行く、サミエル!?」

「ゼントピア大聖殿!真実のこの目で確かめる!!」

リリーの呼び掛けに、サミエルはそう言うのであった。

「待ってよぉ!まだ2人がどんな命令を受けたのか聞いてないよ!!」

ハッピーがそう言うが、サミエルは無視し、無限時計と一緒の方向へ行くのでった。

「いっちゃった・・・。」

「サミエル・・・・・・ココ・・・・・・。」

ミントとリリーはそう言う。

「これからどうなるか・・・・・・やべ。」

「どうしたの?」

「俺もここまでのようだ。さっきの戦いでもう・・・」

「わかったわ・・・私達は一旦ギルドに戻るわ。」

「よし、じゃあな!」


ボォン!


「消えちゃった。」

「さ、ギルドに戻りましょう。」

ハッピー達は一旦ギルドに戻る事となった。




























一方、ナツ達の方で・・・


「何だこりゃ・・・!?」

俺達はある光景に驚く。
無限時計から何本もの鎖が現れ、その鎖には三叉の矛の様なものがついており、
それは地面に突き刺したのであった。

「無限時計が活動を始めたのだ。」

バイロがそう言うのであった。

「そんな!?何とかして止めなきゃ!!」

ルーシィさんがそう言う。

「しかし、私は私の任務がある。」

「(さっきハッピー達のとこの闇分身の情報で、
 バイロとサミエルには別の任務があったな。)」

バイロの言葉に俺は心の中でそう思い出す。

「それはルーシィ・ハートフィリア、君を連れ帰ること。」

「!?」

「はぁ!!?」

「何で!?」

バイロの言葉に俺、ナツさん、ルーシィさんは驚く。

「今さらあたしに何の用が・・・」

「私にも理解できない。しかし、それに従うのが私の任務だ。」

「ルーシィは渡さねえ!!」

「今はそれどころじゃないでしょ!!」

「無限時計を止めるのが先決です!!!」

バイロの言葉に俺達はそう言う。

「アレが見えないの!?何が任務よ!!!
 あんただって本当は今、何をすべきかわかってるんでしょ!!!」

ルーシィさんは怒鳴ってそう言う。

「私は・・・」

「まあいい。」

「「「「!?」」」」

突如、ここにいる俺達以外の声が聞えた。

「何を迷っておる、考えるな。」

「!この声!!!」

だが俺にはわかる!この声・・・・・・聞き憶えがある!!!

「お前は教義に忠実に、ただ任務を従っておればよいのだ!」

声の聞えた方を見ると、ジャックポットの方から聞こえた。
ジャックポットの顔にはチャックの様なものがあり、そこから、奴が出てきた。

「あんたは!!」

「ニルヴァーナの時の!!」

「クロドア!!!!」

それは俺が妖精の尻尾(フェアリーテイル)に入る前で、
化猫の宿(ケット・シェルター)にいた時に最後の仕事で
ニルヴァーナで俺が戦ったクロドアだった。

「生きていたのか!!」

「久しぶりだな、小僧。7年間ようやく治ったのだ。
 かつて、そして今も、7人目の六魔将軍(オラシオンセイス)にして、
 参謀でございまーす。」

「!?」

「7人目・・・!?」

クロドアの言葉に驚く俺とルーシィさん。

「1人、足りない・・・!?」

「ふふふ・・・もはや隠す必要はない。さあ!時は満ちましたぞ!!!
 仮初の姿を捨て、今ここに、真の名を!!!!」

俺達はクロドアの向いている方を見た。そこにいるのは・・・・・・

「ミッシェル・・・。」

ミッシェルさんであった。

「何言ってんのよ!!またあたし達を混乱させようとしてるんでしょ!!!
 この子はミッシェル・ロブスター!あたしの妹分、あたしの家族よ!!!!
 お父さんの遺品を届ける為に旅をして、あたしを探してくれたんだから!」

「・・・・・・・・・。」

「・・・?」

何故ミッシェルさんは何も言わない・・・?それに・・・何だこの感じ・・・?

「安心して!あたし、あんな奴の口車には乗らないから!!!」

ルーシィさんはミッシェルさんの手を握って言うが、
ミッシェルさんは視線を逸らす。

「ミッシェル?ねえ・・・嘘だって言ってよ・・・ねえ!」

ルーシィさんの言葉に何も言わないミッシェルさん・・・つまり・・・

「あんたは・・・本当に・・・・・・!」

「そ、そんな訳ないでしょ!ねえ!!」

「・・・・・・・・・。」

ミッシェルさんは無言でルーシィさんから少し離れる。

「ルーシィ姉さん・・・・・・ごめんなさい・・・・・・。」

ミッシェルさんは涙を流しそう言う。そして・・・



ヒュィィン!!!


ミッシェルさんから、赤紫色のオーラがミッシェルさんを覆い、姿を変えた。
左目に「六マ」という文字が出たが、すぐに普通の目に戻った。
服装は変わっており、薔薇の葉や蔦で身を包んだ格好をし、
右目は薔薇の眼帯をしていた。

「ミッ、シェル・・・。」

「いいえ。私は新生六魔将軍(オラシオンセイス)の1人。
 擬態と虚偽の標、イミテイシア。」

ミッシェル・・・いや、イミテイシアはそう言う。

「分散した無限時計を集めるのには、姉さん達が必要だったの。
 だから姉さんに近づいたの。ミッシェル・ロブスターとして。」

「俺達はあんたによって、利用されたのか!!」

「最初からそうだったでしょ?」

「くっ・・・。」

「何言ってるの?わからないよ!」

俺とイミテイシアの話しに理解、いや、
この現実が信じられないと思っているルーシィさんはそう言う。

「私達が教会を襲撃したのも、張り巡らされた生体リングを破壊し、
 無限時計の封印を解き放つ為。それが成就された今、
 必要なのはルーシィ姉さん、あなただけなのよ。」

「ルーシィさんが必要・・・?」

どういう事だ・・・?

「どうしちゃったの?そうか!魔法で操られているのね!今あたしが・・・」

ルーシィさんはイミテイシアに近づき、手を握ろうとする。

「離れろ、ルーシィ。」

しかしナツさんがそれを止める。

「全部嘘だったのかよ?」

ナツさんは拳に炎を宿す。

「どうかしら?」

イミテイシアは左腕を上げ、手の甲を俺達の方へ向ける。
左手の甲に「六マ」の文字が現れ、薔薇の盾が現れた。その盾は回転していた。

「答えろ!!!」

ナツさんは殴りかかろうと、イミテイシアに向かって飛びかかる。

「俺も・・・」

「やめてナツ!!!」

「!!」

しかし、ルーシィさんの声で、ナツさんは止まってしまう。



ドーーーン!!


「うおおおっ!!!」

イミテイシアはその隙に薔薇の鞭でナツさんは攻撃した。

「ナツさん!!」

俺はそう言う。

「いきなりの急所突き!!さーすが!!!」

「・・・・・・。」

イミテイシアの攻撃にクロドアがそう言い、バイロは唖然となっていた。

「バイロ。」

「!?」

バイロに呼びかけたのはイミテイシアだった。

「ラポワントからの任務を遂行しなさい。
 ルーシィ・ハートフィリアを連れ帰るのです。」

「貴様等に命令される言われはない!!」

イミテイシアの言葉に怒鳴るバイロ。

「私の忠誠はゼントピアの・・・」

ドン!


「うっ!」

イミテイシアが何かを投げ、それはバイロの顔に当たる。

「?ハンコか・・・?」

黄色ハンコの様なものだが・・・

「これは大司教様の!?」

バイロはそれを見て驚く。

「その金印を持つ者は大司教と同じ権限を持つ。」

「私の命令は大司教の命令と心得なさい。」

クロドアとイミテイシアはそう言う。

「仰せの・・・ままに・・・。」

バイロは膝を地面についてそう言う。

「(こいつら、いつのまにゼントピアの方にも!!!)」

俺は心の中で驚く。

「その男、生かしておいては危険・・・そして、そこの分身の小僧はとっとと消そう。」

「!」

「この男の方は一緒に連れて帰ります。人質に役に立つでしょう。
 そしてこっちの子は私がしましょう。」

「くそ・・・!」

これはまずいぞ!!!

「御心のままに。ですが、情けは無用ですよ、イミテイシア様?」

「わかっています。」

イミテイシアは薔薇の盾から剣を出した。

「待ってミッシェル!!!」

「ダメですルーシィさん!
 この人はもう、俺達の知っているうミッシェルさんじゃありません!!」

俺は拳に闇を纏う。

「闇竜の鉄拳!!」

「ダメェ!!!」

俺はルーシィさんの言葉を無視し、イミテイシアに向かって殴りかかる。

「私を忘れたか?ダーウィング!!」


ギュィィイイイン!!


「っ!!」

こいつ!!

「はっ!!!」


ガシ


「っ!?」

イミテイシアは俺の右腕を掴んだ。

「あなたに・・・本物の方に伝えなさい。
 あの歯車を壊さなければ、どうなっても知りませんわ。」

「!?」

一体どういう・・・


ズバン!!


「ばぁっ!!」

ボォン!


「ふむ。これでいいですね。」

「ミッシェル・・・!あたし・・・」

ルーシィはイミテイシアに近づく。


ガァン!!


「っ!!」

イミテイシアは剣の柄でルーシィの腹を叩く。

「ミッ・・・シェル・・・。」

ルーシィはそのまま気絶した。

「はて?もう1人いた筈だが、逃げたか?」

クロドアがそう言う。

「・・・・・・。」

岩陰にエルフマンが隠れていた。

「何だって?よく聞えない!もう1度説明してくれ!!
 おい!エルフマァァァン!!」

エルフマンの手には1枚のカードが握っていた。
そのカードから聞こえる声はウォーレンである。連絡用のカードであった。












































あれから時間がたち、妖精の尻尾(フェアリーテイル) ギルドにて・・・


「一体どうなってやがる!?」

「ミッシェルが新生六魔将軍(オラシオンセイス)の6人目とは本当なんだな?」

「ああ。騙してやがったのさ。俺達を。」

目的地に行った全員が戻って来て、エルフマンが事情を説明したのであった。

「そんなぁ・・・!」

「ナツもルーシィも捕まっちまった。くそ!
 俺1人逃げ出すのが精いっぱいだった・・・!!!」

エルフマンは悔しそうにそう言う。

「自分を責めちゃダメよ。」

「あんた1人のせいじゃない。」

エルフマンの言葉にミラとカナがそう言う。

「カナ、何が言いたい?」

カナの言葉に疑問を持つエルザ。

「カルディア大聖堂にブレイン2世が現れた事を、私のカードは見抜けなかった。
 チーム訳も的確な組み合わせとはいえなかった。
 みんな、足並みそろわなかったんじゃない?」

カナはカードを見せてそう言う。

「言われてみりゃ・・・」

「噛み合ってなかった・・・。」

グレイとエルフマンは組み合わせて、あまりうまくいかなかった事を思い出す。

「お前の占いが利用されたとでも?」

「恐らくね。」

エルザの言葉にカナはそう言う。

「たく、締まらねえ話だな。」

グレイがそう言う。

「・・・・・・ちょっと待って。」

「どうしたのぉ~、シャルル?」

「カナの占いが利用されったて事は・・・。」

「?」

「ねえ・・・ここに帰って来ていないのは、
 ナツとルーシィ以外、誰がいるの?」

「ふえ?誰って・・・・・・・・・・・・・・・」

全員周りを見渡す。














「ああっ!!!」

「お・・・お兄ちゃん!!!!!」

ミントとウェンディが気付き、そして全員が気づく。

「しまった!!奴等は生体リングとルーシィだけでなく・・・!!」

「コージの持っている歯車も狙いか!!!」

「ウォーレン!!コージからの連絡は!!」

「ダメだ!!全く反応が無い!!カードが斬られたかもしれない!!!」

「何て事だ!」

「カナ!占いでコージが行った場所は!!」

「それが・・・・・・思い出せないのよ!」

「これも奴等の作戦か!!」

全員パニック状態になっていた。

「落ち着けい!!!」

「「「「「「「「「「「「「「!!!!」」」」」」」」」」」」」」

大声で全員を止めたものがいた。マカロフであった。

「皆が慌てるのはわかるが、冷静にならんか。
 コージはあれでもしっかりしている。いざって時は逃げるじゃろう。
 今は、ナツとルーシィの方も考えるのじゃ。」

マカロフはそう言う。

「すみません、マスター。」

エルザはマカロフに謝る。

「コージなら・・・大丈夫だよ!!!信じよう、ウェンディ!!」

「う・・・うん。」

ミントの言葉にウェンディは頷く。

「(大丈夫だよね・・・・・・お兄ちゃん・・・・・・!)」

ウェンディは持っていた羽のペンダントを握る。







































一方、コージは・・・


「どいてくれませんかね!」

俺は奴等に向かってそう言う。

「言った筈だ。」

「貴様と」

「歯車を」

「ここで」

「壊す。」

「それが我々の任務だ!!」

そう言ってくる、狼の牙(ウルフ・ファング)の連中であった。 
 

 
後書き
どうも、白鋼です!
仕事で辞めた人がいて、かなり大変だったせいで予定より遅くなってしまいました。
色々と話が飛ばしてしまいましたが、どうか飽きないでください。
次回は狼の牙(ウルフ・ファング)戦です。お楽しみに~!! 
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