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ロックマンX~朱の戦士~

作者:setuna
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第十二話 Recon Base Ruins

 
前書き
イーグリードを撃破したゼロ。
今度はルインがカメリーオの元に 

 
カメリーオがいるという森の前線基地へ来たルインは辺りを見回して表情をしかめた。
ジャングルの中は敵だらけ、罠だらけなのは間違いない。
メカニロイドの軍勢。
特に厄介なのはライドアーマーだろう。
あの強固な装甲は破壊にやたら時間がかかる。

ルイン「まあ、そうは言ってられないんだけどね」

ルインはZXアーマーからパワー重視のFXアーマーに切り換える。
堅牢な装甲を持つタイプの敵にはこれが一番効率がいい。
二丁のナックルバスターを構えると突撃した。
メカニロイドがルインに遅い掛かるが、一段階チャージのナックルバスターでのパンチをメットールに喰らわせる。
メットールは吹き飛ばされ、爆散した。
メットールのヘルメットは大抵の攻撃を防ぐがそれを無視して攻撃出来る。
敵の防御を無視して有効なダメージを与えられるFXアーマーはこういう時に便利だ。
丸田を飛ばしてくるメカニロイドやアメンボ型メカニロイドもナックルバスターのバスター弾で破壊する。
向かってくるライドアーマーにもパンチを喰らわせ、僅かに吹き飛ばすと二丁のナックルバスターからバスター弾を連射する。
耐久力を超えたダメージを受けたライドアーマーが爆散するのを確認して、更に奥に向かう。





































途中で岩に擬態したレプリロイドやナウマンダーの工場地帯で見た緑色のレプリロイドもいたが、メガトンクラッシュで粉砕する。
FXアーマーからHXアーマーに切り換え、翼を展開し、岩壁を一気に越えた。
そこにはアメンボ型メカニロイドやライドアーマーが配置されていた。
ルインは近くにあるライドアーマーに乗り込むと汚泥を突き進む。
途中で妨害してくるメカニロイドや敵のライドアーマーはライドアーマーのパンチで沈めた。
……乱暴に扱い過ぎて敵の攻撃を受け続けたため、壊れてしまったのだが。
しかも爆発した際、敵にぶつけていた。
倒す為には合理的ではあるのだが……。

ルイン「危なかった~。あのライドアーマー、思ったより脆いね」

……全く悪びれていないと言うより気にしていない。
ルインは密林の前線基地のボスの情報を検索する。

幽林の妖撃手…スティング・カメリーオ

元第9レンジャー部隊副隊長。
如何なる場所にも適応可能な保護色能力を持つ部隊きっての実力者だが、任務遂行のためには手段を選ばず、その行き過ぎた合理主義思想から卑怯者扱いを受けていた。
シグマにその実力を純粋に買われ協力を持ちかけられた事から、シグマの反乱軍へ身を投じる事となり、密林の前線基地の警備を担当している。

ルイン「カメリーオの電磁迷彩か…厄介だな……」

HXアーマーからZXアーマーに切り換え、奥へと進むと扉が開かれる。
そこにはスティング・カメリーオが嫌みたらしい笑みを浮かべていた。

ルイン「スティング・カメリーオだね」

カメリーオ「にににに…そうだよ。あんたが噂の特A級イレギュラーハンタールインか…」

ルイン「どうして君達はシグマに与するのか教えてもらえるかな?」

カメリーオ「さーな、中には人質に取られて仕方なくってのもいるかもしれねえがな。まあ俺としてはイレギュラーだろうがなんだろうが、のし上がれりゃそれでいいしな。」

ルイン「イレギュラーだね…正真正銘の…スティング・カメリーオ。あなたをイレギュラーとして排除します。」

ZXバスターを構えてフルチャージショットを放つ。
砲撃がカメリーオを捉えたかに見えたが…。

ルイン「やった…なわけないよね!!」

背後に悪寒を感じて、飛び上がると緑色のレーザーが床に当たる。

カメリーオ「ににに…どうしたんだあ?俺を排除するんだろ?」

ルイン「噂以上の奴だね…あれを簡単に避けるなんて」

完全に不意を突いた一撃であったのにも関わらず、回避した上に反撃してきたカメリーオにルインは敵ながら感心してしまった。

カメリーオ「にににに…お楽しみはこれからだぜ」

カメリーオは電磁迷彩を使い、姿を隠す。
ルインはZXバスターからZXセイバーに切り換えて構える。

ルイン「(どこ…?どこから仕掛けてくるの…?)」

辺りを見回すルイン。
姿形も、熱源すらも探知出来ない。
視界も狭いため、ここはカメリーオの独断上だ。

ルイン「(目やデータに頼っちゃ駄目……)」

全ての感覚を限界まで引き上げる。
僅かな物音も聞き逃さないように。
そして…。

ルイン「………そこ!!」

右斜め前方からした微かな音を頼りにチャージセイバーを叩き込む。
しかし…。

ルイン「っ!!?」

ルインが叩き斬ったのは電磁迷彩機能を装備させた鳥型メカニロイドだった。

カメリーオ「ににに!!あめえぜ小娘!!」

ルインの背後に来ていたカメリーオのレーザーがZXセイバーを吹き飛ばし、カメリーオの舌がルインの腕に絡み付き、壁に叩きつけられる。

ルイン「くっ…まさか、メカニロイドに電磁迷彩を…」

カメリーオ「にに…武器は使い物にならなくなっちまったな。それでどうやって戦うつもりだ?」

貫通力の高いレーザーを至近距離で受けたZXコンポジットは内部の機械が露出していた。
セイバーモードもバスターモードも機能しない。

ルイン「(確かにZXコンポジットは使い物にならない…だけどどうすれば…この狭い空間じゃあHXアーマーもFXアーマーも使えない。)」

この狭い空間ではHXアーマーもFXアーマーも性能を充分に活かせない。
自分を傷つけてしまう。
戦い方を選ばなければカメリーオを倒せるかもしれないが自分さえも破壊してしまう可能性が高いからだ。
ルインが素手で戦おうと決心した時。

『ルイン!!』

ハンターベースのオペレーターから通信が入った。

『ゼロが入手したアーマー解除プログラムを転送するわ!!』

ヘッドパーツのクリスタルが光り、プログラムが転送され、アーマーが新しく解除された。
直ぐさま新しいアーマーに切り換えた。
光が収まった時には紫を基調としたアーマーを身に纏い、仮面とマフラーを身につけたルインがいた。

カメリーオ「ににに…そいつがアーマーチェンジシステムか…」

油断なくルインを睨みつけ、再び電磁迷彩を使う。
ルインは姿を消したカメリーオを睨むと、このアーマーの能力であるレーダースコープを使う。
これを使えば例え電磁迷彩だろうと敵の位置を把握出来る。

ルイン「十字手裏剣!!」

一段階チャージで使用出来る十字手裏剣をアームパーツから出現させると投擲する。
十字手裏剣は孤を描いて狙った場所へ向かっていく。

カメリーオ「にっ!!?」

それは的確にカメリーオの舌を切り裂いた。

カメリーオ「て、てめえ…」

ルイン「……」

ルインは血走った目を向けるカメリーオに無言でアーマーの電磁迷彩を使い、景色と同化する。

カメリーオ「っ!!?」

電磁迷彩を使ったルインにカメリーオは驚愕する。
辺りを見回すが、カメリーオの電磁迷彩同様姿形も、熱源すらも探知出来ない。
新しいアーマーのフットパーツの能力、サイレントの恩恵で、物音すらしない。
高いステルス性能を持つ新アーマー、PXアーマーはカメリーオの能力を上回っていた。
四方八方からカメリーオに向けてクナイが降り注ぐ。

カメリーオ「にに…っ、死んでたまるかよ!!」

致命傷を避けながら離脱しようとするカメリーオを追い掛けようとするが、メカニロイドが妨害してくる。
ルインは舌打ちしながら、クナイを投擲する。





































カメリーオ「くそ!!俺としたことが…!!」

カメリーオは脱出用の隠し通路に飛び込み、地下の洞窟へ向かう。
このまま逃げて傭兵かブローカーでも始めるか…。
ここまで失敗したとなるとエックス達を倒しても粛清されかねないからだ。
そんなことを考えながら隠し通路から抜けた時だった。
後ろから両手両足を撃ち抜かれ、何が起こったか分からないまま尾も吹き飛ばされた。

VAVA「おいおい、あれだけでかい口を叩いておきながらこのざまか?」

右肩のキャノンをカメリーオに向けたままVAVAは嘲笑う。

カメリーオ「あ、あんた…」

VAVA「お前の悪あがきも楽しませてもらったがね。そろそろ飽きてきたぜ…ほらよ」

フロントランナーの砲弾がカメリーオの頭部を吹き飛ばす。

カメリーオ「ギ、ガギャ、ギャ!!」

VAVA「お?まだ生きている上に少しだけ会話する能力が残ってんのか」

カメリーオは致命傷とはいえ、会話をする能力がまだ残っている。
VAVAはカメリーオの生命力に心底感心した。

VAVA「頭を吹き飛ばされた気分はどうだカメリーオ?風穴が空いてすっきりしただろう?」

VAVAは嘲笑いながらカメリーオの脇腹を蹴り、木に叩きつける。

VAVA「さて…」

VAVAは僅かに痙攣するカメリーオの元まで行くと、カメリーオの腹部を引き裂いた。

カメリーオ「ギャヒ!!?ひヒひひひ…」

どうやら今ので電子頭脳がイカれたらしい。
まあVAVAにとってはどうでもいいのだろうが。
VAVAは引き裂いた腹部に手を突っ込み電磁迷彩の機能を引っこ抜いた。

VAVA「さて、目当ての物は手に入った。お前にはもう用はない。死に果てろカメリーオ…」

脚部の兵装・バンピティブームをカメリーオに放つ。
爆弾は爆発し、カメリーオを鉄屑にした。

ルイン「VAVA!!」

カメリーオを追い掛けてきたルインがVAVAを睨み据える。

VAVA「よう、ルイン。毎回毎回姿が変わるが、自分を着せ替え人形にする趣味でもあるのか?」

ルイン「君こそ毎回毎回嫌みったらしい奴だね君は…何ならここで殺り合う?」

VAVA「くはっ…面白いじゃねえか……だが、俺にはまだしなくてはならないことがある。機が熟した時、相手をしてやる。エックスやゼロともな。今回はこれで失礼させてもらうぜ。次に会う時が楽しみだ。その時にお前達と決着を付けるとしよう」

イーグリードのデータを参考にして造られたスピードデビルの恩恵だろうか…?
イレギュラーハンター最速を誇るクワンガーと互角かそれ以上の速度でこの場を後にした。
ルインはカメリーオの残骸と奇跡的に無事だったDNAデータを回収し、前線基地を後にするのであった。
空を、見上げた。
雲一つない。
眩しいばかりに太陽が輝く。
まるでエックスのアーマーのような青い空。
決着の時が近づいている…。 
 

 
後書き
ルインがPXアーマーを入手。
カメリーオ撃破しましたが、VAVAに美味しいとこ掻っ攫われました。

ルイン・PXアーマー

ステルス性能に特化したアーマー。
電磁迷彩やフットパーツのサイレントと言った能力を持っているために奇襲などに最も向いている。
スコープも使えるために偵察にも使える。
クナイやハンキングウェッジ(鈎爪)はアームパーツの前腕部分から放つ。

一段階チャージ

十字手裏剣

アームパーツの前腕部分から巨大な手裏剣を投擲する。
その切れ味はカメリーオの尾をたやすく切り裂くほど。

二段階チャージ

バリア

チャージ版ローリングシールドと同じ性能。

ゲームにおいては、攻撃が地味かつバリエーションに乏しい為、全体的にメインで使うとなると厳しい形態であったが。
この作品では電磁迷彩が使え、レーダーにも引っ掛からない特別なアーマーでステルス性能に特化した奇襲、強襲に向いた形態となっている。 
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