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I want BRAVERY

作者:清海深々
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二十三話 今後



 あの日、二度目の影時間を体験してから1週間と少しが経った。

 毎日の影時間は寮の中ですごした。

 はじめは、布団に包まって息を殺すようにしていたりしてすごした。

 数日経つと、だんだんと慣れてきたのか、影時間が終わるころになると寝ていたりするようになった。

 本日は8月31日。
 今日で夏休みが終わる。

 とりあえず、これで命の危険はある程度去ったと言っていいだろうと思う。

 しかし、原作介入をしないとなると原作のSEESメンバーの人間とコミュを深めていくのは難しいのではないかと思う。

 ちょっとここで、今後についての計画を立てる、というより今後のおおざっぱな方針を決めようと思おう。
 原作介入をしないと決めたのだが、原作介入をしないとなると攻略できないキャラが出てくるんのではないかと思う。

 困るのは女キャラ。
 出来ればハーレムなんて目指してみたいな、なんて思っていた時期もあった。

 しかし、よくよく考えれば100%修羅場になる。
 というかゲームじゃなかやハーレムとか無理。

 まぁ、その考えは置いといて、原作に介入しなけば攻略できないキャラについて考えよう。

 SEESメンバーの攻略キャラと言えば、岳羽ゆかり、山岸風花、桐条美鶴、アイギス(?)だ。

 まず、岳羽ゆかり。
 彼女は10年前に父親を失っている。
 その原因は桐条グループによるシャドウの研究。
 そして、その実験が失敗し、さらに彼女の父親はその事件の首謀者という扱いを受ける。
 そのため彼女の家族は転々と暮らさざるをえなくなった。

 という過去を彼女は持っている。

 そして俺は彼女と仲良くなるためにはかならずSEESに入らなければならないと思う。
 
 なぜなら、岳羽さんを攻略するには、彼女の心の傷、所謂父親のことに関してなんとかする必要がある。
 彼女がSEESで原作のように立ち直り、そのことで楽に付き合えるようになればいいが、原作であそこまで影時間で濃い生活をしている以上、現実世界でのみの接点ではいささか物足りないと思われる。

 そして、彼女のことを理解するには、やはりシャドウに関しての知識が必要となってくる。

 原作介入を諦める=岳羽さん攻略を諦める。

 この方程式が成り立ってしまうわけだ。

(うん。まぁ、いいや)

 俺にとってはテラハイリスク(原作介入)ローリターン(岳羽さん)だ。

 今狙っている長谷川さんだけで十分、なんだかそんな気がしてこないこともない。

 まぁ、それは置いておこう。

 次に山岸風花。
 彼女はゆかりほどヘビィではないが、それなりの過去がある。
 彼女の両親は、医者の血筋だった実家から飛び出した普通の夫婦だった。
 しかし、いつの間にか、本家に対してそれがコンプレックスになっていったようで、山岸さんに医者になるよう期待する。
 そのプレッシャーを受け、だんだんと人の顔色を伺うようになり、人に対して苦手意識が働くようになった。

 彼女は、SEESに入るときに夏紀と仲直りをして親友になる。
 そしてその後、自分の能力を使って皆に認められていくという風に成長していくのだが。

 原作ではその成長をさせているのは主人公だ。
 となると、それが男ならそのまんまそちらへ、というわけだ。
 まぁ、それは岳羽さんにも言えることなのだが。

 原作介入せずに山岸フラグを立てるには、イジメられている時期に助けに行くという白馬の王子様的な行動が最もいいと思うのだが。
 実際にそれをして、その場だけ助けても根本的解決にはならないし、かえって困らせてしまう場合もある。

 まぁ、彼女に対しても、

 原作介入を諦める=山岸さんの攻略を諦める

 という方程式が成り立ってしまう。

 岳羽さんと合わせても、
 テラハイリスク(原作介入)ミドルリターン(岳羽さん+山岸さん)というわけだ。

 これでもまだ分が悪い。

 続いて、先輩の桐条美鶴。
 彼女は文武両道で才色兼備、そのうえ巨大コンツェルン・桐条の一人娘。
 常日頃から努力をし、常に上を目指している。
 幼い頃から、多忙な父親のために頑張ろうとしている。

 彼女の行動の目的はその大半が裏に父親のために、とうのがある。
 原作の後半になり、自分の父親が幾月に殺された後、彼女はどうやって生きるか悩んでいた。
 実際、それほどまでに父親に依存していたのだ。 

 桐条先輩を攻略するには、とりあえず彼女に見合うだけの学力と、リーダーシップなどなど、色々必要だ。

 俺も学校ではかなり優等生で通っているが、彼女の横に立てるかと言われれば無理だろう。
 原作介入することによって、シャドウと戦い、彼女と共に試練を乗り越えることで初めて認めてもらえる。

 同様に、

 原作介入を諦める=桐条先輩の攻略を諦める

 の方程式が成り立つわけだ。

 そして、彼女たち3人を合わせると、
 テラハイリスク(原作介入)ハイリターン(岳羽、山岸、桐条先輩)だ。

 そしてアイギス。
 彼女は・・・まあ、ロボット。
 最初から主人公にゾッコンであります。

 攻略不可、ってやつであります。

 まぁ、こんなけ長々と述べた結論は、

(割りにあわねぇ)

 なんというか、

(原作介入とか、なんで俺最初に考えたんだろ)

 そう思わずにはいられない。
 
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