SAO ~青の剣士達~
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第1部 SAO
13話 圏内事件~事件の真相と終わり~
前書き
今回で圏内事件は終了です
「ヨルコさん!」
僕達の目の前でヨルコさんはポリゴンと化し消えた
そのとたん兄さんは誰かを見つけたみたいで
「タクヤ!アスナ!後は頼む!」
「兄さん!?」
「キリト君!待ちなさい!」
兄さんは屋根へ飛び移り、走っていく
兄さんが戻ってきたのはそれから数分後の事だった
「どうだった?」
「逃げた....」
僕は息を呑んだ
兄さんはスピードでは1、2を争うプレイヤーなのだから
「転移結晶を使われた.....行き先を聞こうとしたが鐘が鳴って聞こえなかった」
兄さんは怒っているようだった
ふと、シュミットさんが言葉を発する
「あれはグリムロックじゃない......グリセルダだ......彼女のローブを着ていた.....
そうだ.....幽霊だから.....こんな事出来たんだ.....」
僕達は何も言えなかった
「俺を本部まで送ってくれ.....」
僕達はうなずくしかなかった
◆
シュミットさんを送った後アスナさんが兄さんに聞く
「どう思う?キリト君....」
「結論から言う.....幽霊なんかじゃない」
「僕もそう思う」
「どうして?」
「考えてみろよ....幽霊なんかが転移結晶なんて使うか?」
「確かに....さて、もうこんな時間だからご飯にしましょう」
そういうなりアスナさんはサンドイッチを出す
「耐久値がもうほとんど無いから早く食べてね」
僕達は受け取るなり食べ始める
「うまい!」
「おいしいです」
「よかった....」
「これ、どこのだ?」
「売ってない」
「え?」
兄さんは聞き返すが僕は今の一言でどういうことか理解する
「つまり、アスナさんの手作りですよ」
「!」
兄さんは驚いてサンドイッチを落とす
すると、耐久値がなくなったのかポリゴンとなり消える
だが......
「兄さん?」
「キリト君?」
「しー!」
兄さんは地面を凝視していた
そして、突然......
「ああ!」
「どうしたの?」
「俺達は何も見えていなかった.....違うな.....違うものを見ていたんだ......」
僕達は頭にハテナマークが浮かんだ
「どういう事?」
「いいか.....ヨルコさんもカインズ氏も死んでなんかいない....
最初から圏内事件なんて無かったんだ」
「じゃあ、この事件は.....」
「殺人と見せかけたものだ」
「カラクリは?」
「いいか......まず、カインズ氏は防具に槍を刺すだろ?で、ロープはヨルコさんがつける
ここが大きなポイントだ......カインズ氏が見ていたのは自分のHPではなく防具の耐久値だ」
「あ!」
「タクヤも分かったみたいだな」
「私にも分かるように!」
「さっき、サンドイッチが消えたでしょう?」
「ええ」
「もしも、それが防具だったら?」
「さっきよりもポリゴンの量が増えるわね」
「それは、何かに似ていませんか?」
「まさか......」
「そうだ....その散り方が似ているんだよ....この世界での俺達が死ぬときと.....
そして、タイミングを合わせて、転移結晶を使えば圏内殺人に見せかける事ができる.....
これが真相だろう」
「さすが、兄さん.....」
「アスナ......ヨルコさんが今どこにいるか教えてくれ.....嫌な予感がする.....いや....
こういったほうがいいかな.....ヨルコさん達が危ない」
◆
兄さんの言った通り、ヨルコさんはラフィン・コフィンに襲われていた
もっとも兄さんがそれを阻止したが
グリセルダさんに関してはグリムロックさんが殺してしまったらしい
アスナさんは......
「それは、愛情ではなく、所有欲よ!」
とグリムロックさんに怒鳴っていた
ともあれ、圏内事件は終わりを迎えた
僕達がこの場所を離れるときにグリセルダさんを見た
彼女は笑っていた
僕達はこの世界を終わらせると再度心に誓った
「ねえ....キリト君」
「何だ?」
「もし....好きな人の違う一面を見たらどう思う?」
「俺はうれしいな.....」
「え?」
アスナさんは聞き返し兄さんは照れながら
「だって.....その.....一石二鳥じゃないですか.....好きな人の違う一面を見れるって....
その面を好きになればいいし......」
「クス.....」
アスナさんは笑う
そして.....
「キリト君.....フレンド登録しようか」
「え?」
「だって、フレンド登録してないじゃない」
兄さんは笑って
「いいぜ」
兄さんはアスナさんとフレンド登録した
アスナさんはとてもうれしそうでした
「お二人さ~ん!そろそろ行きますよ?」
「は~い!」
「今行く!」
僕はアイリにメールを送る
to:アイリ
これから会えない?伝えたい事があるんだ.....できれば47層で
アイリからの返事は
from:アイリ
いいよ。待ってる
僕はアイリに思いを伝えるため、歩き出す
「途中でアクセサリー店に行かなきゃ」
あ!兄さん達を見て決めたんじゃないよ
決して!
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