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『もしも門が1941年の大日本帝国に開いたら……』

作者:零戦
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未来編その三

 
前書き
すいませんすいませんすいません。
卒論がまだ終わらない……。 

 




 コダ村の住人が集団で逃げ出す一日前に、三人の家族がコダ村から逃げ出していた。

 三人だけでは危険だとコダ村の村長達は言っていたが、夫はそれを聞かずに妻と娘を連れて一足早くにコダ村から逃げ出した。

 しかしそれは間違った判断であり逃げ出してから二日目の夜に十数人の盗賊に襲われた。

 夫は首をはねられて即死して、妻と娘は今まさに盗賊達に奪われようとしていた。

「お頭ぁ。これは中々の上物ですぜ」

 したっぱの盗賊が捕らえた妻と娘を見て盗賊のお頭に言う。

「まぁ待てお前ら。最初は俺からだぜ」

 お頭は震える妻と娘を見ながらニヤリと笑う。

「母さん……!!」

「エミリア……」

 妻と娘は身体を抱きしめる。

ブオォォォォォンッ!!

「あん?」

 その時、何かの音が聞こえた。

「な、何だありゃッ!?」

 盗賊のしたっぱが声をあげた。南西の方向から光が近づいてきたのである。

「お、落ち着け野郎どもッ!!」

 ざわめくしたっぱ達に盗賊のお頭は落ち着かせようとするが光はドンドンと近づき、盗賊達を引いたのである。

「ぐぎゃッ!!」

「グアッ!?」

 光は物体であった。

「な、何だこりゃッ!!」

 盗賊のお頭がそう叫んだ時、物体の扉が開きタンと盗賊のお頭の頭を撃ち抜いたのである。

「水野ッ!! 凪払えッ!!」

「アイアイサーッ!!」

 水野三曹が車上からミニミで盗賊を掃射していく。ミニミの弾丸は盗賊達の鎧を貫き、次々と倒れていく。

「おのれ盗賊どもめッ!! か弱き女を犯そうとしやがってッ!!」

 ヒルデガルド――ヒルダが剣を抜いて逃げようとする盗賊の後ろから斬りつけている。

 摂津三尉が盗賊に強襲してから五分が経つと、盗賊達は全て地面に倒れていた。

「……作戦終了やな……」

 摂津三尉は目を凝らして辺りを見ていたが作戦終了を告げた。

「大丈夫ですかッ!?」

 車上にいた水野三曹が軽装甲機動車から降りて妻と娘に問う。

「は、はい」

 妻は物体から人間が降りてきた事に驚きつつも頷いた。

「三尉、もう一人は……」

「……あかん。もう亡くなっている」

 倒れていた夫の脈を測っていた摂津三尉は首を横に振った。

「あなたッ!!」

「父さんッ!!」

 亡くなった夫に妻と娘が抱きつき、涙を流す。

 摂津三尉達は気まずい雰囲気にどうしようとなかった。

 だが水野三曹はテッパチで目元を隠して二人に近づいた。

「……奥さん、旦那さんの墓を作りましょう」

「……はい」

 涙を流して妻は水野三曹の言葉に頷いて夫から離れた。娘はまだしがみついていたが妻が「離れなさい」と言うと渋々と頷いて夫から離れた。

「穴掘るぞ。片瀬、シャベル持ってこい」

 樹は運転席にいた片瀬に指示を出す。

 そして六人は亡くなった夫のために墓を作ったのである。

「黙祷……」

 樹の言葉に水野三曹達は手を合わせる。妻と娘は片膝を地面につけて夫の冥福を祈った。

「私もぉ祈っていいかしらぁ?」

 その時、樹の後ろから声がした。樹が振り返るとそこには黒いゴスロリの服を着た少女がいた。右手には少女には重すぎるハルバートを持っている。

「ロ、ロゥリィ・マーキュリーッ!!」

「し、知っている人かヒルダ?(イヤッホーッ!! ロゥリィやものほんのロゥリィやッ!!)」

 ヒルダが驚いたのを聞く樹であるが心の中では歓喜していたりする。

「私も急いだんだけどぉ間に合わないかと思ったわぁ。でもぉ」

 ロゥリィはそう言って樹に視線を向けた。

「ん?」

 ロゥリィが視線を向けた事に完全に予想外だったらしい樹が首を傾げる。

「貴方達のおかげねぇ」

 ロゥリィはそう言った。

「摂津三尉、どうしますか?」

 水野が聞いてきた。

「どうするって……」

 樹は保護した妻と娘、そしてロゥリィを見る。

「……自分達はこれからコダ村から避難してくる難民と合流しますが一緒に行きますか?」

「はい。どのみちそれしか無いと思いますので」

 妻は頷いた。

「いいわぁ。貴方達に少し興味があるしぃ」

 ロゥリィは樹の服装を見ながらそう言った。

「それじゃあ行くか」

 樹はそう言ってラヴに乗り込む。

「奥さんと娘さんは後ろに乗せた方が良いですね」

「あぁ。少々狭いけど我慢するしか無いよな」

 水野三曹の言葉に樹は頷く。

「高機動車で来ればよかったなぁ」

 片瀬三曹が呟く。

「仕方ない」

 樹は苦笑する。水野三曹は妻と娘を後ろに乗せている。

 二人は水野三曹に「これは動くの?」と訊ねていて水野三曹も「動きます」と教えている。

「ロゥリィさんの武器は立てとくしかないな」

 ロゥリィのハルバートは車上から突き出すように固定された。

「ありがとうぉ」

「んでロゥリィさんの席は……」

 樹は車内を見る。後ろの荷物を置く場所は妻と娘が座り、座席には水野とシリウスがいる。運転席になどもってのほかである。

「いい場所があるじゃなぁい」

「え? おわッ!?」

 ロゥリィは何か思い付いたように言って樹を助手席に座らせて、ロゥリィ自身は樹の膝にちょこんと座ったのである。

「さ、流石にそれは教育上の問題が……(ロゥリィ……)」

 樹は内心喜んでいたが自制心を動かして席を半分ずつ座らせるのであった。






 
 

 
後書き
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