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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第51話 海鳴にて

 
前書き
書いてる途中PCがハングして凹んだりしましたがやっとできました。 

 
 それはGWの最終日、5月5日のことだった。
 京都でのお土産を持って義姉となる木乃香と木乃香を心配した千雨を連れて、オレは海鳴の家に帰宅した

「ただいまー」

 そう言ってオレは玄関をくぐる。

「「おじゃましまーす」」

 それに続く、木乃香と千雨の声。

 修学旅行前からだから2週間振りに会うリニスに声をかけたつもりでリビングに入る。

「あの………。その………。おかえりなさい」

「あ、ああ。ただいま?」

 誰?

 リビングの扉を開けたら金髪幼女に挨拶された。

「なんだ? 早く入れよ」

 リビングに入らず立ち止まったオレをいぶかしんで、千雨から声がかかる。

「あ、ああ」

 とりあえずオレはリビングに入り、2人が入るスペースを作る。

「お久しぶりやー。これからお世話になるなー、リニ………ス?」

 入って来た木乃香も思いも寄らない様子に固まってしまう。

 初めて見る少女にオレ達が対応に困っているとリビングの奥からリニスがやって来る。

「暁、木乃香、千雨、3人ともお帰りなさい」

「あ-ただいま。これ、京都のお土産」

 いや、そんなことより、あれだ。
 彼女ってそうだよね?

「おじゃまします」
「ただいまや、リニス。で、えーっと彼女は?」

 とりあえず挨拶しただけの千雨に対し、木乃香はすぐに気になったことをリニスに聞いた。

「あ-、あのね………」

 リニスはそう言ってオレたちをリビングのソファーに座らせ、事情を話し出す。

「この子はフェイトって言うの」

 うん、知ってた。
 そうじゃないかなー、って思った。よく見れば瞳も真紅だし。

「うん。で?」

「今日から暁の妹よ! 以上!」

「「「はぁ!?」」」

 オレ達3人の疑問の声が見事にハモった。

「よろしくお願いします、暁おにいちゃん」

「あぁ、よろしく、フェイト」

「ならウチは木乃香お姉ちゃんやな!」

「そうですか、よろしくお願いします、木乃香おねえちゃん」

 さすがだな、木乃香。この状況にまったくぶれてないぜ。

「いやいやいや。以上って? ちゃんと説明してよ!いきなり妹って言われても。」

「………ダメですか?」

 うわぁ、そんな泣きそうな感じで上目遣いで見ないで!

 そして、他の3人。まるでオレがフェイトをいじめてるみたいに「信じられん………」って感じでこっち見るな。

「い、いや、ダメじゃないよ。ただ事情が聞きたかっただけだから(だから、そんな泣きそうな顔しないでー)」

 しどろもどろに答えるオレが面白いのか、3人の視線が批難じみたものから生暖かいものに変わる。

「よかった………」

 心底ホッとしたようにフェイトが顔をほころばす。

「だから言ったでしょ、フェイト。暁なら大丈夫だって」

「そうだね、リニス」

 えー、とりあえず詳しい話しを聞きたいと思うオレはわがままなんでしょうか?



 で、まぁ、まずは互いに自己紹介から。

 オレ、木乃香、千雨の順に話し、改めてリニス、フェイト、アルフの順に話していく。
 ちなみにアルフは子犬モードでソファーの下に隠れてました。

 リニスの話しは長くなりそうなんで、先に修学旅行からこっち、千雨が麻帆良祭終了ぐらいまで一緒に暮らすことを簡単に話す。当然木乃香が一時的に遠坂姓になることも。

「そ、それは大変でしたね………」

 まぁ主にネギの空回りというか暴走を聞いて、リニスの顔が引きつったのはご愛敬か。





  ☆  ★  ☆  






 で、リニスの話し。

 修学旅行前に海鳴に戻ると、海鳴では正体不明の転移反応があり捜索中だった。

 リニスがその手伝いに志願して、市内を捜索したらジュエルシードを探しに来たフェイトとアルフを発見。

 感動の再会の後、忍義姉さんに報告し事無きを得て、忍義姉さんも交えて事情を聞いたところ、フェイトの母親でリニスの元マスターであるプレシア・テスタロッサがフェイトにジュエルシードを探させていた。

 ジュエルシード自体は既に全て中部魔術協会の管理下にあり、京都の方のゴタゴタもあったので、それなりの対価と条件---地球に迷惑がかからない---さえ合えば譲渡には別段問題なかった。

 なので、プレシアの元使い魔であるリニスが交渉に行き、プレシアと話し、ジュエルシード21個と引き替えに、次元航行船「時の庭園」を含むプレシアの資産をリニスが譲り受ける---ミッドの法令上資産譲渡が可能なのが元使い魔のリニスだけだった---ことで契約が成立した。

 なお、その際プレシアとリニスの間でガチンコバトルがあり、リニスが勝利した。そして、不治の病で倒れたプレシアを地球産の魔法で一時的に治療し、不治の病の焦りからフェイトへ八つ当たりしていたことすら謝らせ---「沈静符(ちんせいふ・気持ちを落ち着かせる符)」を大量に使ったらしい---フェイトをアリシアの妹と認めさせたという「どこのオリ主か」という八面六臂の活躍をしている。

 ただ、プレシアの病は地球の魔法を駆使しても完治させることはできず、プレシアはそのまま病床で死ぬのではなく、アリシアの母として、研究者としてジュエルシード21個を使いアルハザードを目指して虚数空間を渡ることを選んだ。
 もう1人の娘であるフェイト・テスタロッサを元使い魔のリニスに託して。

 フェイトの方も5日程だが望んでいた母親との生活を過ごし、その上でもう長くない母親の最後の希望が「一緒にアルハザードに行くのではなく、リニスと一緒に幸せに暮らして欲しい」だったので、アルハザードに行くのではなく、地球でリニスと暮らすことにした。

 そして月村家と相談した結果、「遠坂家に姉(木乃香)ができるし、ならついでに(フェイト)も」ということで、フェイト・T(テスタロッサ)・遠坂という暁の妹になることが決定したとのこと。





  ☆  ★  ☆  





「とまぁ、こんなワケです」

 どうやらリニスの大活躍により、テスタロッサ家は一応大団円を迎え、その上でフェイトは「フェイト・T・遠坂」という新しい人生をスタートするらしい。

 ………、本人が納得しているならいいか。

 こうして、長女兼使い魔リニス・T・遠坂、次女遠坂 木乃香、長男オレ、三女フェイト・T・遠坂、ペット兼使い魔アルフ、居候長谷川千雨の6人生活が始まった。





 なお、フェイトのレオタードかスク水にスカートといったバリアジャケットは、最初に見たときに千雨と木乃香の猛反対にあい、千雨達と同じ麻帆良の制服---色は黒がメイン---を改造したバリアジャケットに変更されました。
 公序良俗がどうのとフェイトを説得する際、リニスが地味にダメージを受けてたけどな! 
 

 
後書き
かなり時間がかかりましたがなんとか完成しました。
なお、地球で次元震が起きていないので管理局はまだ地球に来ません。きっと定期巡回の際、捜索願いが出されている無断渡航者のフェレットもどきを探すついでにジュエルシードを捜索するつもりなんじゃないかな? 
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