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転生者が歩む新たな人生

作者:冬夏春秋
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第46話 修学旅行-4日目-

 
前書き
駆け足で駆け抜けます 

 
 スクナを木乃香のの魔法で圧殺し、他を見渡してみると、エヴァはフェイトを、長瀬は月詠を取り逃がしたようだ。小太郎の方はこちらの片が付いたためか、勝負を放棄してあっさりと(クー)と談笑している。時折龍宮も話しに加わっている感じだ。

「いやぁ、どうも相手にとって不足だったようでゴザルよ」

 とは、月詠に見逃してもらった長瀬の弁。
 運良く長瀬は月詠の琴線に触れなかったようで原作の桜咲のようにストーカーじみた追っかけは免れたようだ。
 ニンニン言いながら小太郎達の話しに加わりに向かった。

「お疲れ様でした」

 ねぎらいをかけてくれる茶々丸と共にエヴァの話しを聞く限り、お互い結構本気でやり合いながら、決め手に欠けた展開だったみたいだ。「切り札を切る前に(フェイトが)逃げた」とのことだが、恐らくフェイトの方にも切り札というか隠し札はあっただろう。もちろんそんなことはエヴァも承知だから言わないが。

 後はそう、作戦が杜撰すぎると怒られた。

 己が実力と相手の戦力を見極めれんと長生きできんぞ、と注意されたので今後の修行に活かしていきたい。



 あぁ後、儀式場を確認したらネギの石像とスクナへの攻撃の余波で気絶した天ヶ崎千草がいたので確保した。

 エヴァは茶々丸を連れて旅館に戻るらしいので、長瀬と龍宮と古の助っ人3人組も連れてってもらった。

 千雨は少し休んだ後自分の転移魔法で戻るとのこと。

 なので、オレと木乃香はある程度回復するのを待ち、小太郎と天ヶ崎千草、ネギの石像を引き連れ総本山へと転移した。





  ☆  ★  ☆  





 改めて総本山を伺うと真夜中なのに人がごった返していた。新たな組織の起ち上げの為の人員っぽい。
 ネギの石像はオレが担ぎ、天ヶ崎千草は小太郎に担がせ、木乃香と共に半日前にネギが親書を渡した大広間に向かう。

 いい加減疲れたのでそろそろ寝たい。

 大広間には中部魔術協会の会長である煌武院(こうぶいん)会長や崇宰(たかつかさ)さんらが待っていた。

 月村から煌武院会長には話しが通っていたので、簡単に状況を話して、ネギの石像と天ヶ崎千草---魔法で眠らせてある---を引き渡し、とっとと辞去した。
 余計な仕事を増やされたらたまんないからな。

 途中、小太郎を連れて本山内の神鳴流の部屋に行き、鶴子さまに引き渡し、木乃香と一緒に旅館に戻る。

 瀬流彦先生は何か聞きたそうだったがさすがに眠いので「何とか終わりました」とだけ告げて残りは明日にしてもらった。





 旅館で朝食を食べ終わる頃には、新たな組織に呼ばれたので、瀬流彦先生への説明もそこそこに本山へ向かう。
 4日目の今日は自由行動なので、そうすることもないし、きっと瀬流彦先生がフォローしてくれるだろう。

 木乃香と昨日の功労者であるエヴァと茶々丸を連れ、本山に着く。

 まずは3人と別れ、大広間に呼ばれる。

 煌武院会長を筆頭にお偉方が集まる席に何故か呼び出された。よく見なくても鶴子さまもいるし、オレでも知っている偉い人がたくさんだ。

 で、要するにこういうことだった。



 日本の裏の組織は「かしこきところ」の勅命により日本異能協会が治めるとし、煌武院(こうぶいん)斑鳩(いかるが)斉御司(さいおんじ)九條(くじょう)崇宰(たかつかさ)の五摂家から長を選ぶことする。
 なお、初代の長には、崇宰(たかつかさ)恭司(きょうじ)さまが就くことになった。
 ちなみに五摂家は養子が認められているので、五摂家外に長としてふさわしい者がいれば、五摂家のどこかに養子として入り、長になることになる。

 つまり近衛家からは、2度と長が選ばれることはなくなったと言うことだ。ある意味、木乃香が背負う背景が1つ減ったことになる。

 また、日本の裏の組織はすべて日本異能協会に入ると言うことは、つまり関東魔法協会も入れなければならない。ぶっちゃけあちらがどう言おうとだ。入らないと言うのならば、最終的に関東魔法協会という組織が無くなれば問題ないという結論になるみたいだ。
 一応今回の親書の件から、搦め手で組織を切り崩して行くみたいだ。
 関東魔法協会も1枚岩ではないので、反近衛近衛門の所から切り崩すらしい。まっ、理事でしかない学園長がやった今回の件は、勇み足で済まないレベルなんでばっさばっさ切り崩されるんじゃないか?
 あまり深く関わりたくないんでスルーしとくが。

 なお、その件に関連して関東魔法協会の密使である(はずの)ネギとその仮契約者(ミヤザキ)関係者(アサクラ)、学園長が保証した(サオトメ)の石像は、関東魔法協会の本部へ送られることになった。麻帆良学園ではなく。
 いろいろ駆け引きに使われるんだろう、多分。

 だから旅館へ帰れと言ったんだが、今更か。

 天ヶ崎は新たな長、小太郎は鶴子さんがそれぞれ預かることになった。破格な扱いと言えるだろう。

 なお、ここで初めて桜咲と綾瀬が本山で捕まっていることを知った。どうやら桜咲が新たな組織の人員を不審者として攻撃し、逆に拘束されたとのこと。
 ちなみに桜咲の扱いは「詠春の阿呆な指示で麻帆良に向かい、近衛門に騙され良いように扱われた(頭の)可哀想な子」のようだ。

 身元引受人として立候補がない石化した詠春派の人は1年間そのまま---石化解除して下手に組織内でゴタゴタしないため---なので、実質詠春派は桜咲1人なわけで、扱いが難しいのでとりあえず2人とも麻帆良に帰すらしい。

 で、肝心の木乃香なんだが、色々検討され、結局魔導師の師匠であるオレが月村の分家という立場のため、「遠坂木乃香」として養子として入り、生きて行くことになった。一応木乃香が18になったら、別の月村の分家として分かれるかは選択できるとのこと。
 それ以外はどっかの家に嫁ぐという選択肢がほとんどだったので、これはもう仕方ないと木乃香に納得してもらおう。
 結局、新組織のために「近衛家」という元の長の家系を消したいんだろう。
 煌武院会長改め、日本異能協会中部支部煌武院支部長が掛け合ってくれて、資産面等かなり譲歩してもらえたようだ。

 あとオレの方は、オレの報告で文部科学省も充分な裏が取れたということで、麻帆良学園の潜入捜査はお役ご免となった。修学旅行後、即転出できるよう文部科学省からの転出届け---大臣と埼玉県の教育委員会委員長と関東魔法協会理事長の押印済みだ---をもらったので、長いようで短かった教員生活もこれで終わりだ。

 ついでに言うと木乃香も海鳴に引っ越すことになる。保護者欄に関しては、父親が急病---石化が病かは微妙だが---のため、叔母の鶴子さんが名前を出すこととして書類は作成する。木乃香の母親のほのかさんは近衛門の養女なので、木乃香と近衛門は血が繋がっていない。よって木乃香が近衛家から外れることによって完全に無関係となれるのだ。これは実に大きい。

 木乃香の承諾をもらい次第、養子縁組から麻帆良学園退学、引っ越しの手続きを迅速に行い、近衛門に横やりを入れられないように気をつけよう。

 まぁ、細かなこととしては、今回のエヴァへの報酬として、「登校地獄の解呪」の組織としての契約とナギ・スプリングフィールドの行方の手かがりとして、ナギが賃貸して使っていた別荘---ナギ個人の物ではなかった---内の捜索の許可がおりたり、月村家として、SE(システムエンジニア)として優秀な千雨の両親のヘッドハンティングが決定したりなどがあった。





 なお、木乃香はある程度予想していたのか、気丈にもゴネることもなくすべて了承した。     
 

 
後書き
というわけで大人の事情から近衛家を一旦失くすために木乃香が遠坂家に養子に入り、暁共々麻帆良から出て行くことになります。
そして近衛門の包囲網が段々完成していきます。 
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