| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

リュリュちゃん日記

作者:あちゃ
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

ソルムンド暦177年7月8日

朝、お母さんが毒牙のナイフをくれた。
「今後村の外へ出かけるのなら、手ぶらじゃダメよ!」と言って……
どうやらバレてたみたいです。

更に紫のターバンと、マントも作ってくれました。
ドラきちと同じ色のマントです。
「これならドラきち君をマントの中に隠して村の中を歩けるでしょ」との事。
うん、お母さん大好き!

絹のローブの上にマントを羽織り、ターバンを巻き付け腰に毒牙のナイフを携帯する。
着替え終わってお母さんに見せたら急に抱き付かれました。
「お父さんの子供の頃にそっくり!!」

すごく嬉しいです。
私、お父さんに似ているみたい。
「アナタのお父さんもね、モンスターとお友達になるのが上手だったのよ」

私、まだ会った事無いけどお父さんの事が大好きになりました。
でも、また長々とお父さんの事を語るお母さんの長話が苦痛です。
因みにお母さんの話では、お父さんの初めてのお友達モンスターは『ベビーパンサー』だったみたいです。

図鑑で読んだ事があります。
地獄の殺し屋と呼ばれる『キラーパンサー』の子供『ベビーパンサー』は、人には絶対に懐かないそうです。

「わぁ~! お父さんって凄いんだぁ!!」
私、思わず余計な一言を言ってしまいました。
「そ~なのよぉ~! リュー君てば、ちょー凄いのぉ~!! リュリュ、今のアナタと同じ6歳の時に『ベビーパンサー』とお友達になったのよ! ちょ~凄いでしょ!!」
………長いです。

今日の墓掃除は遅くなっちゃったけど、お祖父様許してくれるかな?

村の人達が私の恰好を見て「可愛い」って言ってくれました。
お母さん風に言うと、ちょ~嬉しいです。

私は武器屋のおじさん、オリバーさんの所へ行き、毒牙のナイフのお礼をしました。
お母さんに頼まれて取り寄せてくれたようです。
オリバーさんは2歳の息子のデック君をあやしながら店番をしています。

去年、奥さんを病気で亡くされて、サンタローズに引っ越して来ました。
オリバーさんは、頭は禿げてて口髭を生やしている見た目は怖い大柄なおじさんだけど、本当はとても優しい人なんです。
偶に他の町へ仕入れに行く時は、デック君を預かったりします。

村の中ではマントの中に隠れていたドラきちだけど、外に出てからは一緒に暗くなるまで遊びました。
やっぱり友達と遊ぶのって楽しいです。



 
 

 
後書き
自分で書いててリュリュちゃんが可愛いと思ってしまいます。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧