魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第1話『昇格試験』
4年後 新暦75年 ミッドチルダ臨海第8空港近隣
廃ビルの屋上に二人の少女と一人の青年がいた。
一人は軽快なフットワークを見せながらシャドーをしてい青髪の少女、スバル・ナカジマ。
もう一人はその少し後ろで自分のデバイスを弄っているオレンジツインテールの少女、ティアナ・ランスター。
最後にそれを手摺りに寄りかかりながら見ている青年、カズマ・キサラギ。
なぜ彼らがこんな所にいるのかと言うと今日この場所で魔導師ランク昇級試験が行われる事になっているのだがカズマだけはどこかやる気が感じられなかった。
sideカズマ・キサラギ
カズマ「なぁ、聞いて欲しいことがあるんだが」
ティア「何よいいからあんたもさっさと準備しなさい。スバルあんたもそんなに暴れてるとそのオンボロローラー壊れるわよ」
スバル「ティア~。そんなこと言わないで油もちゃんと差してきたから大丈夫だよ」
確かにいつ壊れてもおかしくないもんなそのローラーブーツ………ってそうじゃなくて。
カズマ「大切な事なんだ聞いてくれ」
ティア「だから何よ?」
やっとこっちを向いてくれた。だけどなんか、目が睨んでるんですが……まあいいか。
カズマ「実はな……実は、今日新作のゲームの発売日だから帰りたいんだけど」
スバル「…………」
ティア「…………」
何だろう空気が重くなった……。
なんかティアからオーラが見えるんだが。ゆっくり近づいてくるスバル&ティア。
………怖~よお前ら。
ティア「……今コロされるか終わった後でコロされるの………どっちがいい?」
スバル「選ばせてあげるよ~。カズマ~」
笑顔で物騒な事を言うティア。その少し後ろでこちらも笑顔で拳をポキポキ鳴らしているスバル。
……そのままカートリッジロードしないよね?
カズマ「………超ごめんなさい」
ここは素直に謝っておこう……土下座で、ゲームも大事だが命の方がもっと大事だからな。
リイン『みなさん、おはようございます。準備はできてます…………か?』
突然空中にモニターが現れそこには一人の少女が映っていた。
なんか困惑した顔をしているしまあ、この状況を見れば嫌でもそうなるか……。
リイン『え~と………始めても大丈夫ですか?』
ティア「あ、はい。この馬鹿放っておいても大丈夫ですから」
馬鹿って………扱い酷くね?
リイン『それでは………コホン。今回試験を受ける受験者さんは三名、揃ってますね?』
スバル&ティア「はい!!」
カズマ「へ~い」
スバルとティアが返事をしたので俺も立ち上がりながら返事をする。少女は手に持ったバインダーに視線を移す。
リイン『確認しますね。時空管理局陸士386部隊所属のスバル・ナカジマ二等陸士――――』
スバル「はい!」
リイン『ティアナ・ランスター二等陸士』
ティア「はい!」
リイン『カズマ・キサラギ二等陸士』
カズマ「うぃっす」
リイン『所有している魔導師ランクはC。本日受験するのは陸戦魔導師Bランクへの昇級試験で間違い無いですね?』
スバル「はい!」
ティア「間違いまりません」
カズマ「左に同じく」
確認が終わると少女は俺たちに視線を向ける。
リイン『はい!本日の試験官を務めますのは私リインフォースⅡ(ツヴァイ)空曹長です。よろしくですよ』
スバル&ティア「よろしくお願いします!」
カズマ「しま~す」
魔法少女リリカルなのはStrikerS~青年と機動六課物語~
第1話『昇級試験』
side八神はやて
はやて「お、さっそく始まってるなぁ。リインもちゃんと試験官してる」
フェイト「はやて、ドア全開だと危ないよ。モニターでも見られるんだから」
はやて「は~い」
フェイトちゃんに言われて私はドアを閉めて席に着いてモニターに目を落とす。
フェイト「この二人がはやてが見つけた子達だね」
はやて「うん。二人ともなかなか伸び代のありそうなええ素材やよ」
フェイト「あと……カズマだね。あの時の姿のまま…」
はやて「せやね。あの時はかっこいいお兄さんって感じやったけど今は可愛い年下って感じやね」
フェイト「そうだね」
フェイトちゃんとモニターに映っているカズマくんを見る。あかん……顔が赤こうなってまう…。
フェイト「そうだ、三人とも今日の試験の結果で正式に引き抜き決定?」
はやて「直接の判断はなのはちゃんに任せとるけどな」
フェイト「そうなんだ」
はやて「部隊に入ったらなのはちゃんの直接の部下で教え子になるわけやからな」
side高町なのは
レイジングハート[範囲内に生命反応、危険物の反応はありません。………コースチェックは終了です]
なのは「うん。ありがとう、レイジングハート。観察用のサーチャーと障害用のオートスフィアも設置完了。私たちは全体を見てようか」
レジングハート[Yes my master]
なのは(やっと、逢えるね。……カズマさん)
sideカズマ・キサラギ
リイン『三人はここからスタートして各所に設置されたポイントターゲットを破壊。もちろん破壊してはいけないのもあるので注意してくださいです』
カズマ「はぁ~……めんどくs―――がはっ!」
ティア「黙りなさい…」
ティアの鋭い肘が俺の鳩尾に良い感じに入り俺は膝をつき蹲る。
リイン『だ、大丈夫ですか~?』
スバル「いつもの事なんで気にしないでください」
カズマ「お……お前が……言う…なよ……ゲホっ!」
リインさんは俺に心配の眼差しを向けているがティアが「大丈夫なんで、続きをお願いします」と言って説明の続きを促す。
少しは心配してくれよ…。
リイン『わ、わかりました……妨害攻撃もしてくるので気をつけて全てのターゲットを破壊してゴールを目指してください』
カズマ「攻撃までしてくんのかよ、ホントめんどくs―――ぐふぅっ!」
ティア「だから、黙りなさい」
蹲っていてもなお懲りずに口を開くとティアが思いっきり足で俺の頭を踏みつけそのままコンクリに顔面がメキメキと音をたててめり込み完全にうつ伏せ状態になる。
追い打ちを掛けるかのよに足をグリグリと動かす。それを見ているリインさんは顔を若干青くしている。
…………まぁ見えないけど。
しかし、なんか気持ちよくなってきたのは気のせいかだろうか。
リイン『えっと……一応説明は終わったんですが何か質問はありますか?』
困った顔をしてティアの方を見るスバル。ティアもスバルの方を見てから「無いです」と言った。
リイン『それでは、スタートまでもう少しゴール地点で会いましょう、ですよ』
軽くウインクしてからモニターは消えた。
それと同時にティアの足が頭から退く。
ティア「まったく、試験官に向かってなんてこと言うのよあんたは」
カズマ「俺は自分の思っていることはハッキリ言うことにしてんだよ!」
コンクリから顔を外す………ああ、日の光が眩しいぜ…。
ティア「……やっぱり、今死んどく?」
カズマ「いえ、ケッコーです……」
スバル「もう、二人とも!ふざけてる場合じゃないよ!」
スバルが言うと同時に空中にカウントダウンライトが映し出される。
ティア「まったく、あんたのせいで緊張感が無くなったわ」
カズマ「褒めるなって照れるだろ」
ティア「褒めてない!!」
俺とティアがいつもの漫才をしている間にもライトが一つ消え、黄色に変わる。
ま、ここまで来たら頑張りますか。
そして、ライトの二つ目が消え赤くなる。
ティア「レディー………」
そして、最後のライトも消える。
スバル&ティア「ゴー!!!」
カズマ「やっぱり、メンドイ……」
ティア「黙れ!」
こうして始まった試験……さてさてどうなる事やら。
ページ上へ戻る