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DQ4 導かれちゃった者達…(リュカ伝その3)

作者:あちゃ
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第5章:導かれし者達…トラブルを抱える
  第58話:嵐の前の静けさ……

(サントハイム城)
アリーナSIDE

ミネアが足を攻撃してくれたお陰で奴の動きが鈍り、マーニャが棍棒を燃やしてくれたから私が接近しやすくなり、クリフトとブライが私を魔法で強化してくれたので、バルザックの頭に会心の一撃を打ち込む事が出来た!

自らの攻撃で顔の半分が凍ってたので、私の蹴りをまともに喰らい吹き飛んでしまったのだ!
キングレオの様にリュカに負けた事で悟り、人間の姿に戻っていれば死ぬ事もなかっただろうに……
リュカの言う通り、奴は『“バカ”ザンス』だ!

頭を吹き飛ばされ無残な死体を晒すバルザックを、複雑な気持ちで見詰めていると……
突如バルザックの身体が溶け出し、跡には頭の潰れた裸の男性の死体が現れた!?
もしかして……これがバルザックの人間姿!?

「彼も小さいですね姉さん……」
今はそれどころじゃないだろうミネアの呟きを無視し、途方に暮れる私達。
リュカに助けを求め視線を向けたが、最初は困り顔で首を横に振ってた……

しかし、突如真面目な表情に変わると、バルザックの死体がある上方を見詰め続けた。
私達も慌ててリュカの視線の先に目をやる。
すると……

「ケッ! バルザックの奴も大したことないな! デスピサロ様への反逆の意思があるクセに、こんなところで死んじまったよ……それに進化の秘法は未完成のままだしなぁ」
突如ベビーサタンが現れ、死んでしまったバルザックについて酷評を吐く。

「まぁいい。デスパレスに帰りデスピサロ様にご報告しなければ……」
我々の存在を無視するかの様に、独り言を呟き魔法(ルーラ)で帰ろうとした……その時!
「まて馬鹿者!」(ドカッ!)「ぐふっ!」

瞬時に詰め寄りベビーサタンの小さな身体に、強烈なボディーブローを打ち込むリュカ。
「何帰ろうとしてやがる!?」
何か用があるらしく、ベビーサタンを足止めする。

「げほっげほっ……な、何だキサマは!?」
「お前……デスパレスから来たのか?」

「そ、そうだが……それが何だ!?」
「この似顔絵とソックリな女性は、デスパレスに居るか?」
どうやらリュカは奥さんの所在を確認する為に、帰ろうとしたベビーサタンを捕まえたみたいだ。

「知らねーよそんな女! 何よりデスパレスに人間が居る訳ねーだろが!」
「そうか居ないか……つか、何だお前のその態度は!? それが他人(ひと)に物を教える態度かコノヤロー!?」

「逆だ馬鹿! お前の態度こそ他人(ひと)に物を教わる態度じゃねーだろ!」
全くその通りだ……
だがベビーサタンも根性がある。
リュカに頭を鷲掴みにされ、小さな身体をブラブラさせられながら目線を合わせて話してるのに、一歩も引かず大きな態度のまま会話している。

「うるさい、お前に物を教わる気など無い!」
「お前さっきオレに尋ねただろ!」

「違う。僕は大きな声で独り言を言っただけだ! なのにお前が勝手に情報を出してきた……だから渋々聞いてやっただけだ馬鹿者!」
(すげ)ー理屈が出た……
屁理屈ボーイ(シン)が憧れる屁理屈マスター(ウルフ)の師匠、屁理屈キング(リュカ)なだけはある。

「あの……もう帰って良い?」
流石のベビーサタンもまともに相手するのが嫌になったらしく、大人しく帰って良いのか尋ねる。
正しい判断だと思う。

「うん。気を付けてね」
「あ、はい……どうも……ル、ルーラ!」
あっさり手を離すリュカ……え、本当に帰しちゃうの!?

「ちょ、お父さん……何で帰しちゃうのよ!? 今の奴に色々聞いて、情報収集をしなきゃ!」
珍しくリューノがリュカにツッコミを入れる。
「え、あんなのに何を聞くの? 年収? それとも趣味?」
年収や趣味を聞いてどうすんのよ……

「そうじゃなくて……デスパレスの場所とか、デスピサロの居場所とか……世界を平和にする為に必要な情報は幾らでもあるでしょう!?」
リュカの娘は全員変な奴だと思ってたけど、総大将が側に居るとまともな人間に見えちゃうのね。

「あぁ……そうか、シン達は世界平和の為に旅をしてるんだね。忘れてたよ……だって僕には興味ないし」
「きょ、興味ないって……酷いなリュカさん……」
涙声なのは勇者のシン……
だが私としても、お父様達を救出する為にデスピサロの居場所は聞き出したかった。

「だってデスパレスにはビアンカは居ないんだよ! もう僕にはデスパレスに行く必要性が無くなったモン! そんな面倒臭い所には絶対に行かないモン! ヒゲメガネの掌じゃ踊らないモンね!」

「リュカはそれで良くても、私達は困るのよ! どうやったらお父様達を救出出来るのか……それさえも分からないんだから、さっきの奴から何かしらの情報を引き出す必要があったでしょ!」
流石にリュカの態度が腹立ったので、ちょっと強めの口調で叱る私。

「それなら大丈夫だよ」
ヘラヘラと笑いながら、勝手に玉座へ座り寛ぐリュカ……
言っとくけど、その玉座はお父様の玉座なのよ!
……でも玉座が似合う男ね。

「な、何が大丈夫なんですか……リュカさんは何か情報を持ってるんですか?」
縋る様にクリフトが尋ねる。
私も気になるけど、玉座に座る姿が似合いすぎててムカツクから、下手に出て尋ねたくない!

「僕は知らない。僕は何の情報も持ってない……だってこの世界の事に興味ないし! でも何でも知ってる僕の娘……マリーなら、何らかの情報を持ってて、今後の行動決定をサポートしてくれるよ」

どういう事なのか解らないが、自信満々に(マリー)を指名するリュカ……
皆の視線が一斉にマリーに向けられる……はずなのだが、張本人が彼氏(ウルフ)と共に姿を(くら)ましている為、全員の視線が一致しない。

「ちょっと……あの馬鹿娘は何処に行ったのよ!?」
1日姉のリューノの言葉……
「あの……マリーさんならウルフさんと一緒に探検に行っちゃいました。リュカさんとベビーサタンが、じゃれ合ってる間に何処かへ行っちゃいましたよ」
元モンスターのクセに、私より遙かに大きいモノを揺らせて喋るホイミン。

「あ、あの(あま)……抜け駆けしてんじゃないわよ!」
ヒステリックな叫びと共に、城内を探しに行くリューノ……
“抜け駆け”って何?

アリーナSIDE END



(サントハイム城)
マリーSIDE

パパと阿呆(ベビーサタン)のコントが始まったので、私はウルフを連れてお散歩です。
何故なら、久しぶりに再会出来たのに、朝から晩(もう夕方よ!)までバトル三昧で、彼氏とイチャイチャ出来なかったから!

しかも魔法の鍵をウルフが保持してるらしく、この城にある宝の『マグマの杖』と『あやかしの笛』を手に入れようと思ってます。
本当はアリーナに許可を取らないとダメなんだろうけど、『拾った!』って言い張れば何となくOKな気がするので、ゲットしようと思ってます。

「ウルフぅ~……ここを開けてぇ~♡」
「え……勝手に家捜ししたら拙いだろ!?」
あらあら……お久しぶりに甘えられちゃっらボウヤは、お姉さんの色気にタジタジかしら?

「良いのよ。まだ何処かにモンスターが残ってるかもしれないじゃない!? それを見つけて退治しようとしてるんだから、正義の名の下に許されるのよ!」
「相変わらずだなぁマリーは……」
うふふ……相変わらずのナイスバディーに、ボウヤのアレはビンビンかしら?

(がちゃり)「はい……鍵は開けたよ」
困り顔ながら魔法の鍵でロックを解除してくれる優しいダーリン♡
なんやかんや言いながらも、私の我が儘を聞いてくれるのが大好き!

さて、ダーリンとラブるのは少しだけ我慢して、大事なアイテムを手に入れなきゃ……
扉を開けると目の前には宝箱が3つ。
でも周囲にはバリアの床が張り巡らされており、簡単に近付けな~い。

「ウルフぅ~……これもお願~い♡」
「えぇ!? この中にはモンスターが居なかったんだから、もう探す必要ないじゃん!」
あら……ちょっと離れている間にノリが悪くなっちゃったかしらん?

「でも、この宝箱がミミックかもしれないじゃん!? 一応確認して、適切な処置を施しておかなきゃ!」
「た、宝箱を勝手に開けちゃ拙いよ……ここはアリーナ姫のお城なんだよ! 許可を取ってからにしようよ」

「良いのよ! 世界補平和にする為に、共に旅立つ仲間のお家から借りるんだから、許可なんて必要無いのよ! ほら……早くトラマナ唱えて!」
ちょっと~……何時からこんな常識論を唱える様になったのかしら?

お姉さんは困っちゃうわぁ~……

マリーSIDE END



 
 

 
後書き
最近気付いた……
私はマリーの声を脳内で“三石琴乃さん”で再生している事を……

クレームは一切受け付けません。私の脳内の事ですので、自由に再生させて下さい。

ちなみに、ポピー様は“水谷優子さん”です。 
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