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遊戯王GX-音速の機械戦士-

作者:蓮夜
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-妖怪VSアマゾネス-

 
前書き
他の作品では、大体カットされるか、変態30%増しされる、三沢VSタニヤです。
 

 
遊矢side

…最近、デュエルアカデミアの生徒が減っている。

転校とか休学とか、そういうものではない。

本当に行方不明なのだ。

いまだに保健室で眠っているのだろう、吹雪さんのように。

吹雪さんは、明日香と鮎川先生による、毎日の献身的な介護にもかかわらず、まったく目覚める気配がなかった。

目覚めない吹雪さんと、行方不明者の噂を聞いた明日香の気持ちは…俺じゃ、言い表せないだろう。

いや、軽々しく言ってはいけない、と言うべきか。

それはともかく、生徒たちだけでなく、クロノス教諭まで消えてしまっていたため、今日の授業はカット。

クロノス教諭が人形になった時の不安は、やはり間違っていなかったようだ。

しかし、こちらには打つ手が無く、新たなセブンスターズの挑戦を待つしかなかった…


と、思うほど、我らがデュエルアカデミアの生徒たちは甘くなかった。

「おーい!」

「誰かいないかー!」

オベリスク・ブルーの女子生徒が…女子生徒はまったく行方不明になっていない…知り合いの男子生徒の鞄を森で見つけたということで、俺たちは森の中を探していた。

セブンスターズの仕業である可能性が高いので、来ているメンバーは、七星門の鍵を持つ者だけだが。

俺、三沢、明日香、万丈目、十代の五人だ。

亮は明日香に代わり、保健室で吹雪さんを看ている。

「ええい…さっぱりいないぞ…!」

「そうイラつくなよ、万丈目。」

「さんだ!」

十代と万丈目の、お決まりの挨拶を聞きながら、俺たちは森を歩いていた。

「ここまで探していないとは…どこか、一カ所にまとめられているようだな。」

三沢の考察だ。

だが、このデュエルアカデミアは、広いとはいえ所詮は島。

そんな、一カ所にまとめられる場所なんて…

…あった。

「何これ!?」

明日香の驚愕の叫びに、激しく同意したい俺がいた。

森を進んでいるとたどり着ける、広場のような場所に…古代の、闘技場のようなものが建っていた。

「…なんだこりゃ。」

少なくともこの場所に、元々はこんな物はなかった。

「すっげえな!とりあえず行って見ようぜ!」

目を輝かせた十代が、コロッセオに向かって走りだす。

「おい、待て十代!」

十代が走って行ってしまったため、残りの四人も追いかけようとしたところ、十代が戻ってきた。

…虎を引き連れて。

「虎ァァァァァァ!?」


より正確に描写すると、十代は虎から逃げてこっち来た。

「何故、虎がこんなところにいるんだ…?」

「それは確かに不思議だが、その前に逃げろ三沢!」

俺たち四人も、十代と同じように逃げだした。

「だ、大丈夫だ天上院くん!き、君のことはこの俺、万丈目サンダーが守り抜こう!」

万丈目が声を震わせながら叫ぶ。

…信用できない…

そんな時。

「パーズ!」

力強い女性の声が響きわたって、虎がその声がした方向に走っていく。

「助かった…」

「か、どうかはあいつ次第だろうな。」

パーズと呼ばれた虎の傍らに立つのは、このコロッセオに良く似合う、古代の戦士のような女性だった。

その背後には、クロノス教諭を始めとする、デュエルアカデミアの行方不明者たちがいた。

「行方不明者たち…ということは、奴が新たなセブンスターズか!?」

万丈目の言うとおりだろう。

しかし、こちらには人質が…

「はーい!皆さん、手伝ってくれてありがとう~!これ、お給料だからね~!」

…は?

セブンスターズの女性が、行方不明者たちにお給料を渡し、帰らせていた。

あ、クロノス教諭には渡さなかった。

そのまま、クロノス教諭は虎に追いかけられてどこかに消えていった…

「…なんなの?」

みんな同じ気持ちだ、明日香。

「大丈夫だ、安心しろ…彼らは、このコロッセオを作り上げる為に協力をして貰っただけだ。」

セブンスターズの女性が、こちらに歩み寄ってきた。


「私の名前はタニヤ。アマゾネスの末裔にして、セブンスターズの一員だ。」

「やっぱりセブンスターズか!?…って、アマゾネスって何だ?」

十代の一言に、その場にいる全員の気が抜けた。

…空気を読め。

「…簡単に言うと、女性だけの一族だ。」

「へぇ~。そんなんがあるのか。」

三沢の端的な返答に、十代は納得したようだった。

「気を取り直して…私が戦いを望むのは、男の中の男のみ!自らが男の中の男と思う者!名乗りを上げろ!」

「俺だ!」

「いや、俺だ!」

「俺様だ!」

「俺だ!!」

「…馬鹿。」

上から、三沢、俺、万丈目、十代、明日香だ。

男性陣は全員名乗りを上げ、明日香は馬鹿馬鹿しい、とばかりに首を振っていた。

「ふうむ…全員、顔つきはまあまあ…選ぶとすれば…」

タニヤが品定めをするように、俺たちの顔を覗きこむ。

「よし、お前だ!」

タニヤが選んだのは…三沢だった。

「あり得ん!何故この万丈目サンダーではないんだ!?」

畜生…三沢に負けた…

万丈目のように声は出さなかったが、意外とショックを受けている俺がいた。

「…馬鹿。」

明日香のため息と共に。


それから、俺たちはコロッセオの中に案内され、俺たちは観客席、三沢はタニヤと共にデュエル場についた。

「先程も言ったが、我が名はアマゾネスの末裔、タニヤ!」


「オベリスク・ブルー一年の主席、三沢大地!」

タニヤの宣言に負けじと、三沢も力強く答える。

「三沢の奴…大丈夫だろうな…?」

「三沢に心配はいらないぞ、万丈目。」

あいつに任せておけば、基本的には大丈夫だ。

三沢大地。

俺の親友で、デュエルアカデミア、一年で最強の実力者。

あいつなら、大丈夫だ。

「デュエル前に決めることがある!」

タニヤはそう叫ぶと、デッキを二つ取りだした。

…複数のデッキの使い手か。

珍しいな。

「ここにあるのは、知恵のデッキと勇気のデッキ。どちらを選ぶかで、貴様の運命は決まるだろう!」

「柔良く剛を制す!当然、知恵のデッキだ!俺は、この神話の妖怪たちで相手になろう!」

三沢とタニヤ、どちらもデュエルディスクをセットする。

「遊矢。進化しているのが、君だけではないことを見せてやる。」

「楽しみにしてるぜ。」

親友の頼もしい言葉と共に、二人の準備が完了する。

「「デュエル!!」」

三沢LP4000

タニヤLP4000

「先攻は俺からだ!俺のターン、ドロー!」

三沢の先攻で、デュエルは開始された。

「俺は《牛頭鬼》を召喚!」

牛頭鬼
ATK1700
DEF800

三沢の主力モンスターの一体だ。

あいつの効果は、地味ながら、デュエルの流れを変えることができる程。

「牛頭鬼の効果により、1ターンに一度、デッキからアンデッド族モンスターを墓地に送ることが出来る!俺が墓地に送るのは、《カラス天狗》だ!」

カラス天狗。
墓地からの召喚限定だが、強力な効果を持つモンスターだ。

「カードを一枚伏せ、ターンエンド!」


モンスターの召喚、墓地肥やし、リバースカード。

三沢の調子は良いようだな。


「私のターン、ドロー!」

タニヤがカードを引く。

「アマゾネスの末裔って言っていたタニヤ…デッキはやっぱり…」

「多分、そうだろう。」

明日香の考えに同意する。

「私は、《アマゾネスの聖戦士》を召喚!」

アマゾネスの聖戦士
ATK1700
DEF300

「やはり、【アマゾネス】か!」

女性の戦士族モンスターを主力にした、ビートダウンデッキ。

その点では、少し明日香の【サイバー・ガール】似ているデッキだ。

「アマゾネスの聖戦士は、自分フィールド場のアマゾネスと名のつくモンスター×100ポイント、攻撃力をアップさせる!」

アマゾネスの聖戦士
ATK1700→1800

牛頭鬼の攻撃力を超えた!

「更にフィールド魔法、《アマゾネスの死闘場》を発動する!」

タニヤのフィールド魔法により、二人を包むようにコロッセオに金網が張られる。

「アマゾネスの死闘場…聞いたことがないカードだな…」

閉じこめられた三沢が呟く。

三沢が知らないなら、他のみんなも知らない。

「アマゾネスの死闘場が発動した時、お互いに600ポイントライフを回復する。」
三沢LP4000→4600

タニヤLP4000→4600

「誇り高き、アマゾネスの死闘場で戦えることを光栄に思うが良い!アマゾネスの聖戦士で、牛頭鬼に攻撃!聖剣の舞!」


たった100の差だが、アマゾネスの剣により、牛頭鬼は破壊されてしまう。

「…このくらいのダメージは必要経費だ…!」

三沢LP4600→4500

「…!?闇のデュエルでは…ない…?」

三沢が、自分の身体を見て言う。

そういえば、闇のデュエル独特の重苦しい雰囲気がない。

ただ、デュエルをしているだけのような…

「気づいたか。これは、闇のデュエルではない。」

「何だと!?」

タニヤの言葉に、三沢は驚愕する。

それはそうだろう。

自分は闇のデュエル…命懸けのデュエルをしていると思っていたのだから。

「何故だ!?」

「だってぇ~あなたの魂なんていらない!私は、あなた自身が欲しいの!」

………!?

急に、女の子らしい言葉使いと仕草をするタニヤ。

正直、似合わん。

三沢も、頭が真っ白になっているようだ。

「そういえば言ってなかったな。このデュエルで貴様が負けた場合、」

場合?

「タニヤのお婿さんになってぇ~!」

…戦士の声と、女の子の声を使い分けるせいで、なおさら違和感が酷い。

「タニヤ、お前が負けたらどうするんだ?」

三沢の質問に、タニヤは迷わず即答した。

「私が三沢っちのお嫁さんになってあげるぅ~!」

…おい、勝っても負けても変わらないぞ。

「…なんか、馬鹿らしくなってきたわ。」

「…そう言うな、明日香…」

選ばれなくて良かった…

「貴様を嫁にする気など毛頭無いが、負ける気はない!」

「ならば行くぞ!アマゾネスの死闘場の効果を発動!攻撃宣言をしたプレイヤーは、モンスターで戦闘を行う度に、ダメージステップ終了時に100ライフポイントを払う事で相手ライフに100ポイントダメージを与える!」

地味な効果だなおい!

幻魔の扉のようなカードでなくて良かったが、それは微妙だろう…

「このカードは、モンスターだけではなく、デュエリスト本人が戦うカードだ!行くぞ、三沢っち!」

タニヤの姿が、ソリッドビジョンとなってモンスターゾーンに現れる。

「なんだこれは!?」

三沢の姿も同じように、ソリッドビジョンとなってモンスターゾーンに現れる。

タニヤが三沢に殴りかかり、三沢の腹にボディーブローを喰らわせる。

「ぐはっ!?」

三沢LP4500→4400

タニヤLP4600→4500

三沢は腹を抑えながら、本来いるべき場所に戻る。

「フッ…慣れないとこれは辛いからな。頑張って~三沢っち~!カードを二枚伏せ、ターンエンドだ!」

…馬鹿にしているのか?

そう聞きたくなる、戦士の姿と女の子の姿を使い分けるタニヤ。

「ふざけるな、タニヤ!俺のターン、ドロー!」

三沢は、デュエル中に必要以上に熱くなることはない。

その三沢が、変に叫んでいる。

…これは不味いか?

「俺はリバースカードを発動する!トラップカード、《妖魔の援軍》!1000ポイントを払うことで、墓地のレベル4以下のアンデッド族モンスターを二体特殊召喚する!蘇れ!牛頭鬼!カラス天狗!」

三沢LP4400→3400

「甘い!リバースカード、オーブン!《王宮の弾圧》を発動!800ポイント払うことで、相手の特殊召喚を無効にし、破壊する!」

タニヤLP4500→3700


王宮の弾圧!

特殊召喚封じのトラップカードの代表格だ。

「…万丈目。お前があれを使った時、三沢はどうやって攻略したんだ?」

「万丈目、さんだ!嫌なことを思い出させるな、遊矢…三沢は、特殊召喚封じだけでは足りない。あいつには、まだ二種類の鬼がいる。」

下級モンスターである牛頭鬼と馬頭鬼意外の、二体の鬼。

「王宮の弾圧か…だが、突破する!俺は、《陰魔羅鬼》を守備表示で召喚!」

陰魔羅鬼
ATK1200
DEF1000

「更に、魔法カード、《二重召喚》を発動!俺はこのターン、二回の通常召喚が行えるようになる!」

三沢は、特殊召喚がメインとはいえ、他に戦う方法はいくらでもある。

その一つが、アドバンス召喚!

「俺は、陰魔羅鬼を-」

「リバースカード、オープン!《生け贄封じの仮面》を発動!お互いに、モンスターをリリースすることは出来ない!」

生け贄封じの仮面だと!?

こうして、三沢は特殊召喚と、アドバンス召喚の両方を封印されてしまった。

タニヤも、同じように封印されてはいるが、アマゾネスは、下級モンスターの効果も優秀であるため、効果は薄い。

対する三沢には…効果は、抜群だ。

「これこそ、アマゾネスの知恵のデッキ。突破してみせて~!」

「くっ…ターンエンドだ…」

三沢には打つ手が無い。

それほど、三沢にとってキツい状況だった。

「私のターン、ドロー!」

今がチャンスとばかりに、タニヤは攻め込んでくるだろう。

「私は、《アマゾネスの剣士》を召喚!」

アマゾネスの剣士
ATK1500
DEF1600

アマゾネスの剣士!

【アマゾネス】の中でも、屈指の厄介さを持つカード。

万丈目が使っていた、《地獄戦士》と似たような効果を持っている。

「新たなアマゾネスが現れたため、アマゾネスの聖戦士の攻撃力が更に上がる!」

アマゾネスの聖戦士
ATK1800→1900

「アマゾネスの剣士で、陰魔羅鬼に攻撃!アマゾネス・スラッシュ!」

陰魔羅鬼は、効果は強力なものの、能力は低い。

アマゾネスの剣士の斬撃に、耐えられず破壊される。

「続いて、アマゾネスの死闘場の効果を発動!私のライフを100払い、相手に100ポイントのダメージを与える!行くぞ、三沢っち!」

再び、二人の姿がソリッドビジョンになり、三沢が殴られて元に戻る。

タニヤLP3700→3600

三沢LP3400→3300

「更に、アマゾネスの聖戦士でダイレクトアタック!アマゾネスの聖剣!」

「このぐらいのダメージ、すぐに返済する…!」

三沢LP3300→1400

三沢のライフが、続々と削られていく。

「まだだ!アマゾネスの死闘場の効果により、100ポイント払い、相手に100ダメージ!」

「ぐはっ!」

タニヤLP3600→3500

三沢LP1400→1300

「私はターンエンド!負けないで~三沢っち~!」

「うるさい!俺のターン…」

「落ち着け三沢!」

いい加減、我慢の限界だ。

「そんな変なのに惑わされるなよ…進化しているのが、俺だけじゃないってこと、見せてくれるんだろ?」

三沢は、俺の一言で目が覚めたように、一旦深呼吸した。

「…すまないな、遊矢。タニヤ。ここから挽回させてもらう!」

よし。

いつもの三沢だ。


「戦士の目になったな、三沢っち…いや、三沢大地。ならば私も、アマゾネスの戦士として、女ではなく、戦士として戦おう!」

タニヤのやる気も出てしまったようだが。

「俺のターン、ドロー!」

真面目になったとはいえ、三沢にとって、とても不利な状況なのに代わりはない。

「俺は、《天使の施し》を発動!デッキから三枚引き、手札から二枚捨てる!」

手札のモンスターを捨て、新たにドロー出来る、三沢のデッキに相性が良いドローカードだ。

「そして、《魂を削る死霊》を守備表示で召喚!」

魂を削る死霊
ATK300
DEF200

三沢が出したのは、攻守問わず活躍する、アンデッド族モンスターの名脇役。

デメリットはあるが、戦闘破壊されない、この場に相応しいモンスターだ。

「ターンエンドだ!」

「私のターン!ドロー!」

対する、圧倒的に有利なタニヤ。

「私は、《アマゾネスの格闘戦士》を召喚!」

アマゾネスの格闘戦士
ATK1500
DEF1300

自分への戦闘ダメージをシャットアウトする、効果を持っている、アマゾネスの格闘戦士だ。

「アマゾネスと名のつくモンスターが増えたため、アマゾネスの聖戦士の攻撃力が上がる。」

アマゾネスの聖戦士
ATK1900→2000


「魂を削る死霊は破壊出来ないが、ダメージを与えることは出来る!アマゾネス達よ!魂を削る死霊に攻撃だ!」

アマゾネス達が、魂を削る死霊に攻撃を仕掛ける。

「だが、魂を削る死霊は、戦闘では破壊されない!」

「分かっている!アマゾネスの死闘場の効果を三回発動!300ポイント払い、300ポイントのダメージだ!行くぞ!」

また、タニヤのソリッドビジョンと三沢のソリッドビジョンの殴り合いが始まり、三沢が三回殴られる。

「ぐうっ…!」

タニヤLP3500→3200

三沢LP1300→1000

ただ殴られるなど、特殊な趣味の者しか喜ばない。

そして、三沢にそんな趣味はない。

「私はこれでターンエンド!」

「俺のターン、ドロー!」

三沢のターン。

ボード・アドバンテージも、ライフ・アドバンテージも相手が上。

やばいぞ、三沢…

「俺は、《馬頭鬼》を召喚!」

馬頭鬼
ATK1700
DEF300

三沢の主力モンスターが登場する。

「馬頭鬼で、アマゾネスの剣士に攻撃!」

なるほど。

ダメージを受けてでも、厄介な効果を持つ、アマゾネスの剣士を倒すことを選んだようだ。

「アマゾネスの剣士の効果により、戦闘ダメージはお前が受ける!」

「すぐに返済するさ。」

三沢LP1000→800

「更に、アマゾネスの死闘場の効果を発動!」

「何!?」

驚いたのは、タニヤだけではない。

俺達もだ。

ただでさえ、三沢のライフは少ない。

100ポイント払ってまで、タニヤのライフを削る必要があるのか…?

「馬鹿かあいつは!?」

「…万丈目。あいつを信じろ。」

大丈夫だ。

なんて言ったって、あいつは三沢大地なのだから。

今度の殴り合いは、三沢の勝利に終わった。

三沢LP800→700

タニヤLP3200→3100

「遊矢って、随分三沢くんのことを信用してるわよね…私には、三沢くんが何をしようとしてるのか、まるで分からないわ。」

「信用じゃない、信頼だ。」

明日香の問いに、少し訂正を加える。

微妙な違いだが、結構大事だぞ?

「それに、俺も、あいつが何を考えているかは分からない。」

「え!?」

大丈夫とは言っているが、あいつが何をしようとしてるのかは分からない。

だが、きっとなんとかしてくれる。

それが、親友に対しての、俺なりの信頼だ。

「メインフェイズ2、俺は装備魔法、《団結の力》を発動!」

団結の力。

この前、フィールドにモンスターを大量展開する、三沢のデッキに合うんじゃないか?

と、三沢とトレードした装備魔法だ。

これならば、下級モンスターの火力でも、三沢の方が上。

馬頭鬼
ATK1700→3300
DEF700→2300

「カードを一枚伏せ、ターンエンドだ!」

「私のターン!ドロー!
…強欲な壺を発動し、二枚ドローする!」

タニヤがカードを二枚ドローし、強欲な壺が破壊される。

「良いカードを引いた…魔法カード、《ライトニング・ボルテックス》を発動!手札を一枚捨て、相手のモンスターを全て破壊する!」

何!?

ライトニング・ボルテックスの前には、いくら攻撃力が高かろうが、戦闘破壊されなかろうが関係ない。

タニヤのカードから放たれた雷が、三沢の妖怪たちを全滅させた。

「終わりだ、三沢大地!アマゾネスの聖戦士-」

「リバースカード、オープン!《威嚇する咆哮》!このターン、相手は攻撃宣言が出来ない!」

三沢のカードの威嚇する咆哮にて、アマゾネス達の攻撃が止まる。

「破壊された時のことも考えていたか…私は、メインフェイズ2で、《アマゾネスペット虎》を召喚する!」

アマゾネスペット虎
ATK1100
DEF1500

「アマゾネスペット虎は、自分フィールドのアマゾネスと名のつくモンスターの数×400ポイント攻撃力がアップし、このカードが破壊されない限り、アマゾネスと名のつくモンスターには攻撃出来ない!」

アマゾネス女王と並ぶ、アマゾネスの切り札だ。


タニヤは、自らのトラップカード二枚で、上級モンスターであるアマゾネス女王が出せないため、こちらを投入しているのだろう。

アマゾネスペット虎
ATK1100→2300

「カードを二枚伏せ、ターンエンド!」

「俺のターン、ドロー!」

三沢が、勢い良くカードを引き、ニヤリと笑う。

良いカードでも引いたのか?

「まずは速攻魔法、《サイクロン》を発動し、王宮の弾圧を破壊する!」

竜巻が、タニヤのトラップカードを吹き飛ばす。

生け贄封じの仮面ではなく、王宮の弾圧の方を選択したということは、手札には特殊召喚するカードがあるのだろう。

「俺は魔法カード、《死者蘇生》を発動!蘇れ!陰魔羅鬼!」

陰魔羅鬼
ATK1200
DEF1000

「陰魔羅鬼が墓地から蘇った時、カードを一枚ドロー出来る!」

手札交換。

三沢は、何を狙っているのだろうか…?

「更に、手札から《酒呑童子》を召喚!」

酒呑童子
ATK1500
DEF800

「酒呑童子の効果を発動する!墓地のアンデッド族モンスターを二体除外し、一枚ドロー出来る!俺は、牛頭鬼と、竜骨鬼を除外し、一枚ドロー!」

一枚ドロー出来るのは良いが、除外とアンデッド族にシナジーはない。

確か三沢は、除外ゾーンから墓地に送る、《異次元からの埋葬》を使ってはいたが…

「そして、墓地の馬頭鬼の効果を発動!このカードを除外することで、墓地のアンデッド族モンスターを特殊召喚できる!招来せよ、《赤鬼》!」

赤鬼
ATK2800
DEF2100

三沢のエースカードである、赤鬼が招来した。

「なるほど…天使の施しの時に墓地に送っていたか…」

「正解だ。今からこの妖怪たちの力で、俺が受けたダメージを、利子をつけて返済させてもらう。」

フィールドにモンスターが無い状態から、一気に三体のモンスターの特殊召喚。

それに、赤鬼の攻撃力はタニヤの切り札、アマゾネスペット虎の攻撃力を越えている。

形勢は、逆転したと言っても良いだろう。

「やっちまえ、三沢!」

横から、十代の応援の声が響く。

しかし、三沢の次の言葉は、十代の応援とは逆だった。

「…赤鬼で攻撃はしない。」

「なんですって!?」

明日香が驚きの声を上げるが、仕方ないだろう。

タニヤのフィールドには、リバースカードがあるとはいえ、早く倒さなければ厄介な、アマゾネスペット虎がいる。

三沢も当然分かっている筈だが、赤鬼で攻撃はしないと言う。

俺達の不審な視線に答えるように、三沢はタニヤのリバースカードを指差した。

「その二枚のリバースカード。おそらく、こちらに攻撃を強制させる、《アマゾネスの弩弓隊》と、アマゾネスペット虎の攻撃力を上げる、《突進》だろう。」

三沢の予想が正しければ、三沢には攻撃が出来ない。

いや、攻撃したら負ける。

アマゾネスの弩弓隊で攻撃力が下げられ、突進で攻撃力が上がったアマゾネスペット虎に、全員で突っ込むことになる。

「サイクロンなどを、王宮の弾圧と生け贄封じの仮面に使わせ、その本命の二枚を叩き込む…まさしく、知恵のデッキだ。」

「見破ったことは褒めてやろう、三沢大地!確かにこの二枚のリバースカードはお前の予想通りだ。」

タニヤも、自分の戦術に絶対の自信があるのか、あっさりと白状する。

「まずいぜ。これじゃ三沢は攻撃出来ない!」

十代の言う通り、リバースカードをノーヒントで見破ったことは確かだが、三沢の手札は一枚。

《大嵐》を引かない限り、三沢に勝ち目はない。

タニヤは、赤鬼を除去するだけで勝てるのだから。

「さあ、どうする三沢大地!」

タニヤの問いに、三沢は、不敵な笑みで返した。

「今度、遊矢とデュエルする時の為の切り札だったんだが…仕方ない。このカードは、自分フィールド場にアンデッド族モンスターが二体以上存在する時、特殊召喚できる!招来せよ!《火車》!」

三沢のフィールドに、新たな妖怪が招来した。

火車
ATK?
DEF1000

攻撃力?。

つまりは、何らかの効果を持っている。

この状況を挽回できる程の効果が!

「火車が特殊召喚に成功した時、フィールド場のモンスターを、全てデッキに戻す!冥界入口!」

「なんだと!?」


妖怪たちも、アマゾネスたちも、火車に吸い込まれていく。

そして、火車以外のモンスターがいなくなった。

「火車の攻撃力は、デッキに戻したアンデッド族モンスターの数×1000ポイント!デッキに戻したのは、赤鬼、陰魔羅鬼、酒呑童子の三体!よって、火車の攻撃力は、3000!」

火車
ATK?→3000

アマゾネスの弩弓隊も、突進も、フィールド場にモンスターがなくては意味がない!

「バトルだ!火車でタニヤにダイレクトアタック!火炎車!」

「ぐああああああっ!」

タニヤLP3100→100

「まだだ!アマゾネスの死闘場の効果を発動!ライフを100ポイント払い、100ポイントのダメージを与える!」

先程、ピンチにも関わらずアマゾネスの死闘場の効果を使ったのは、この状況を見越していた為だったようだ。

「これで最後だ!」

「受けて立とう!」

三沢とタニヤ、二人のソリッドビジョンが現れる。

タニヤは、負けると分かっている筈だが、果敢に突っ込んでいった。

それが、アマゾネスという一族なのかもしれない。

「ぐっ…!」

三沢LP700→600

タニヤLP100→0

三沢自身の攻撃により、セブンスターズの一人、アマゾネスのタニヤとのデュエルは決着した。

「ガッチャ!楽しいデュエルだったぜ、三沢!」

「フン!手こずりやがって…」

十代と万丈目が、それぞれのやり方で祝福する。

…万丈目も、あれで祝福してるのだろう。

きっと。


「フッ…負けたか…」

タニヤが倒れ込んで、手についていたグローブがとれた。

「タニヤ!?」

倒れたタニヤの元に、クロノス教諭を追いかけていった虎、バースが現れるのと同時、タニヤの姿が、虎に変わっていた。

『楽しいデュエルをありがとう…』

そう言い残し、バースと共にタニヤは立ち去っていった…

「…三沢。お前、虎に求婚されてたみたいだぞ。」

「…勝って良かったと、心から思う。」

三沢はそう、呟いた。

 
 

 
後書き
遊矢以外のデュエル難しい…

出来るだけ、格好良い三沢を目指しました。

感想・アドバイス待ってます!
 
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